2018年1月14日日曜日

政野岩夫の登録名


 昭和19年の「政野岩夫」の登録名は「中本政夫」とされているようです。

 スコアカードに推されているスタンプでは、昭和19年4月9日の朝日戦では「中本政夫」となっていたので当ブログでも「中本政夫」の表記としました。

 ところが、4月15日の産業戦では「政野岩夫」となっていますので、「政野岩夫」表記とさせていただいております。戦後のスコアカード清書作業では、スタンプの押し間違いは他にも事例がありますので今回も押し間違いかもしれませんが、当面はスコアカードのスタンプに従ってお伝えしていきます。しばらくは「政野」になったり「中本」になったりしますが、「同一人物」ですのでお間違いのないように。

 

19年 南海vs産業 1回戦


4月15日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
4 0 2 1 0 2 0 1 0 10 南海 1勝2敗 0.333 政野岩夫
0 0 0 1 0 0 0 0 0  1  産業 1勝2敗 0.333 森井茂 松尾幸造

勝利投手 政野岩夫 1勝1敗
敗戦投手 森井茂     1勝2敗

二塁打 (産)加藤
本塁打 (南)吉川 1号 (産)加藤 1号

勝利打点 なし

猛打賞 (南)岡村俊昭(4安打) 1 (産)加藤正二 1


吉川義次、5打点

 南海は初回、一死後岡村俊昭が左前打で出塁、清水秀雄が四球を選んで一死一二塁、堀井数男の三ゴロをサード鈴木秀雄が二塁に送球するがセーフ、野選が記録され、この間に二走岡村が快足を飛ばしてホームに還り1点を先制、吉水幸夫がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで4-0とする。

 南海は3回、一死後清水がストレートの四球を選んで出塁、堀井の三ゴロをサード鈴木がエラー、更にダブルスチールを決め、吉川が四球を選んで一死満塁、木下勇の右前タイムリーで5-0、八木進は浅い中飛に倒れるが、政野岩夫がストレートの押出し四球を選んで6-0とする。

 南海は4回、一死後岡村が中前打、清水も右前打を放って一死一二塁、堀井がセンター右にタイムリーを放って7-0とする。

 産業は4回裏、二死後加藤正二がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を返す。

 南海は6回、先頭の松川博爾が四球を選んで出塁、岡村がライト線にヒット、清水は中飛に倒れて一死一二塁、堀井の中前打で一死満塁、吉川が中前に2点タイムリーを放って9-1とする。

 南海は8回、先頭の清水がストレートの四球で出塁、堀井も四球を選んで無死一二塁、吉川の三ゴロをサード鈴木が三塁ベースを踏んで清水は三封、木下は中飛に倒れるが、ダブルスチールを決めて二死二三塁、八木の左前タイムリーで10-1とする。

 政野岩夫は5安打3四球3三振の完投で今季初勝利をあげる。

 岡村俊昭は6打数4安打で3得点を記録した。

 吉川義次は4打数2安打、スリーランと2点タイムリーで5打点を叩き出した。

 

2018年1月10日水曜日

「小坂」か「小阪」か


 野球史研究上、コメント欄より貴重なご指摘をいただきましたので、情報共有させていただくため再掲載させていただきます。

コメント:
eiji1917 2018年1月9日 17:19


「小坂」ではなく「小阪」とするのが正しい表記と思われます。
名古屋の小阪三郎と、国鉄の小阪三郎マネージャーは同一人物です。国鉄からサンケイに変わった昭和40年までマネージャーを務めました。
7年の空白期間があるのは、昭和13年1月に応召され、復員後はマネージャーに転身したためです。この昭和19年は員数不足から選手に復帰しています。


返信
shokuyakyu 2018年1月10日 0:41


「小阪説」も存じておりますが、スコアカードの表記が「小坂」となっておりますのでそれに準じました。引用した著書:堤哲著「国鉄スワローズ 1950-1964」によると「元日本野球連盟員」とのことです。


 引用させていただいた著者の堤哲氏は、私がかつて寄稿していた「野球雲」の寄稿者仲間(面識はありません)なので、直接質問することは可能かもしれませんが、どこまでご存知であるかは分かりません。


*スコアカードの表記では「小坂三郎」となっています。


 

2018年1月9日火曜日

19年 阪神vs産業 1回戦


4月10日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 阪神 1勝1敗 0.500 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 2 X 2 産業 1勝1敗 0.500 野口正明 森井茂

勝利投手 森井茂     1勝1敗
敗戦投手 若林忠志 1勝1敗

二塁打 (神)藤村、御園生 (産)加藤

勝利打点 小坂三郎 1


小坂三郎、逆転決勝打

 阪神は産業先発の野口正明に5回まで2安打無得点に抑えられる。4回は先頭の御園生崇男が四球を選び、本堂保次は遊飛に倒れるが、藤村冨美男が右中間に二塁打を放って一死二三塁、門前真佐人の三ゴロで三走御園生がホームに突っ込むがサード鈴木秀雄からの本塁送球にタッチアウト、門前が二盗を決め、若林忠志が四球を選んで二死満塁、しかし森田明義に代わる代打田中義雄が三振に倒れて無得点。

 阪神は6回、先頭の御園生が中前打で出塁、本堂は捕邪飛に倒れるが、藤村がストレートの四球を選んで一死一二塁、門前の三ゴロで藤村が二封されて二死一三塁、門前が二盗を決めて二死二三塁、若林の二遊間タイムリーで1点を先制する。
 産業は阪神先発の若林に7回まで4安打無得点。


 産業は8回から先発の野口正明がライトに回って森井茂が二番手としてマウンドに上がり、阪神8回表の攻撃を三者凡退に抑える。

 産業は8回裏、先頭の加藤正二は遊ゴロ、続く岩本章の当りも遊ゴロ、これをショート武智修がエラー、岩本が二盗を決めて一死二塁、藤原鉄之助の遊ゴロを武智が一塁に悪送球して一死一三塁、藤原が二盗を決めて一死二三塁、このチャンスに小坂三郎が中前に逆転の2点タイムリーを放ち2-1と土壇場で試合をひっくり返す。

 森井茂は9回の阪神の反撃も三者凡退に抑えて今季初勝利をあげる。

 若林忠志は8回を完投して5安打3四球2三振2失点、8回の失点は武智修のダブルエラーが絡んでおり、自責点はゼロであった。

 決勝の逆転打を放った小坂三郎は昭和12年以来の復帰となる。国鉄スワローズの初代マネージャーが同姓同名の「小坂三郎氏」であるが、同一人物であるかは不明。

 

2018年1月6日土曜日

19年 阪急vs巨人 1回戦


4月10日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 阪急 1勝1敗 0.500 笠松実 大平茂
0 1 0 0 5 0 0 0 X 6 巨人 2勝0敗 1.000 須田博

勝利投手 須田博 1勝0敗
敗戦投手 笠松実 1勝1敗

二塁打 (急)野口明、坂田 (巨)杉江

勝利打点 渡部弘 1


巨人、先発全員安打

 巨人は2回、四番ピッチャー・須田博が左前打で出塁、近藤貞雄は右前打、川畑博が送りバントを決めて一死二三塁、渡部弘の左犠飛で1点を先制する。

 阪急は5回、先頭の遠山晴富の当りは遊ゴロ、これをショート杉江繁雄がエラー、代走に仁木安を起用、伊藤健一は四球、トップに返り山田伝も四球を選んで無死満塁の大チャンス、上田藤夫の投ゴロをピッチャー須田がホームに送球して三走仁木は本封、キャッチャー川畑がゲッツーを狙って一塁に送球するが悪送球、この間に三塁に進んでいた二走伊藤がホームに還って1-1の同点、一走山田は三塁に進んで一死一三塁、高橋敏の投ゴロの間に三走山田が還って2-1と逆転に成功する。

 阪急はショート遠山の代打に出た仁木がレフトに入り、レフトの三木久一に代わってショートに岐阜商業から加入したルーキー坂井豊司が入る。

 巨人は5回裏、先頭の黒沢俊夫がストレートの四球で出塁、小暮力三が右前打、藤本英雄の三前バントが内野安打となって無死満塁の大チャンス、須田の三ゴロで三走黒沢は本封、近藤の当りは遊ゴロ、これを代わったばかりのショート坂井がタイムリーエラーして2-2の同点、川畑は三振に倒れて一死満塁、渡部が押出し四球を選んで3-2と逆転、杉江がライト線に二塁打を放って2点追加し5-2、呉新亨の右前タイムリーで6-2と大きくリードする。

 須田博は8安打を喫したが阪急12残塁の拙攻に助けられて4四球6三振2失点、自責点ゼロの完投で今季1勝目をあげる。

 巨人は先発全員安打を記録する。

 初出場の坂井豊司は、「Wikipedia」によると2007年3月29日付四国新聞に掲載された「あの人」で須田について「それまでのピッチャーとは比べ物にならないくらい速かった。球を前に飛ばせなかった」と語っているとのこと。

 これは謙遜しているようで、初対戦となった7回の打席では三振に倒れているが、9回の第二打席では追い込まれてから2球ファウルで粘ってショートゴロを打っており打球を前に飛ばしている。坂井はこの後プロのスピードにアジャストしていき、戦後も活躍して通算167安打を放つ。昭和25年の広島を最後にプロの世界からは離れるが、社会人野球に移ってもその強打は衰えず、昭和27年の都市対抗には明治座からの補強選手として熊谷組で出場し、4試合で12打数4安打4打点(三位決定戦を含む)を記録、準決勝ではこの大会優勝した全鐘紡戦でスリーランホームランを放っている。この年日本で開催された第2回アマチュア野球世界世界選手権の日本代表チームは都市対抗優勝の全鐘紡の選手主体で選出されているが、坂井豊司は明治座から唯一人オールジャパン代表に選出されている(毎日新聞社発行「都市対抗野球60年史」参照)。

 

2018年1月5日金曜日

19年 朝日vs南海 1回戦


4月9日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 3 0 2 0 6 朝日 1勝1敗 0.500 内藤幸三
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 南海 0勝2敗 0.000 中本岩夫

勝利投手 内藤幸三 1勝1敗
敗戦投手 中本岩夫 0勝1敗

二塁打 (朝)坪内 (南)堀井

勝利打点 酒沢政夫 1

猛打賞 (朝)坪内道則(4安打) 1


坪内道則4安打

 朝日は開幕戦9失点の内藤幸三が雪辱を期して先発。南海は政野岩夫から登録名が変わった中本岩夫が先発。下手投げのフォームが変わったかは不明。

 南海は初回、先頭の松川博爾が四球を選んで出塁、岡村俊昭は遊飛に倒れ、清水秀雄のライト線ヒットで松川は三塁に走り、ライト田中豊一からの返球を中継したショート酒沢政夫の三塁送球が悪送球となる間に松川が生還して1点を先制する。

 3回まで4安打を放ちながら無得点の朝日は4回、先頭の大橋一郎がセンター右にヒット、内藤が四球を選んで無死一二塁、田端美夫が送りバントを決めて一死二三塁、吉田弘は三振に倒れるが、田中豊一が四球を選んで二死満塁、トップに返り酒沢が押出し四球を選んで1-1の同点に追い付く。

 朝日は6回、先頭の田端の当りは左飛、これをレフト堀井数男が落球、吉田の遊ゴロで田端は二封、セカンド加藤喜作からの一塁転送が悪送球となる間に打者走者の吉田は二塁に進み、田中は四球を選んで一死一二塁、トップに返り酒沢の左前タイムリーで2-1と逆転、大島渡の左前打で一死満塁、坪内道則の三ゴロ併殺崩れの間に三走田中が還り、二走酒沢も三塁ベースを蹴ってホームに還って4-1、坪内には2打点が記録された。

 朝日は8回、二死後大島が四球を選んで出塁、坪内の中前打で二死一二塁、森本清三の中前タイムリーで5-1、坪内は三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて6-1として試合を決める。

 内藤幸三は2回以降を無失点に抑え、5安打7四球5三振1失点、自責点ゼロの完投で9失点だった開幕戦の雪辱を果たす。

 坪内道則が5打数4安打の猛打賞、ラッキーな2打点も記録。更に、重盗によるホームスチールも記録した。

 初回にタイムリーエラーを犯した酒沢政夫は4回に同点に追い付く押出し四球を選び、6回には決勝打を放って勝利打点を記録、坪内の三ゴロの間に二塁から生還する好走塁も見せる活躍であった。

 

2018年1月4日木曜日

19年 朝日vs阪神 1回戦


4月3日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 0勝1敗 0.000 内藤幸三
1 3 0 2 0 0 0 3 X 9 阪神 1勝0敗 1.000 若林忠志

勝利投手 若林忠志 1勝0敗
敗戦投手 内藤幸三 0勝1敗

二塁打 (神)武智、本堂
三塁打 (神)金田

勝利打点 門前真佐人 1

猛打賞 (神)藤村冨美男 1


若林忠志、開幕戦を2安打完封

 阪神は初回、先頭の塚本博睦の当りは三ゴロ、これをサード田端美夫が一塁に悪送球、金田正泰が送りバントを決めて一死二塁、御園生崇男は四球を選んで一死一二塁、昭和15年以来4年ぶりの復帰となる本堂保次はレフトライナーに倒れるが、藤村冨美男の左前打で二死満塁、門前真佐人が押出し四球を選んで1点を先制、若林忠志監督の遊ゴロで門前が二封されてスリーアウトチェンジ。

 阪神は2回、坂出商業から加入した森田明義のピッチャー返しは内藤幸三がキャッチ、武智修が右越えに二塁打を放って一死二塁、トップに返り塚本の中前タイムリーで2-0、金田が右越えに三塁打を放って3-0、御園生の中前タイムリーで4-0と大きくリードする。

 朝日は初回、先頭の酒沢政夫は左飛、大島渡は遊ゴロ、三番に入った坪内道則監督は二飛に倒れて無得点。

 朝日は2回、先頭の森本清三は中飛、昭和17年に朝日で3試合に出場している大橋一郎が中前にプロ入り初安打、田端は中飛、和歌山商業から加入した吉田弘は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日は3回、帝京商業から加入した田中豊一は中飛、内藤幸三は中前打で出塁、トップに返り酒沢が四球を選んで一死一二塁、大島の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁とするが、坪内監督は中飛に倒れて無得点。

 阪神は4回、一死後塚本が四球を選ぶと二盗に成功、金田の二ゴロが進塁打となって二死三塁、御園生が四球から二盗を決めて二死二三塁、本堂が右中間に二塁打を放って6-0とダメ押す。

 阪神は7回、一死後若林が四球で出塁、7回の守備からセカンドに入っている海南中学から加入した小林英一のプロ入り初打席はセカンドライナー、武智は三ゴロに倒れて無得点。

 阪神は8回、先頭の塚本に代わる代打海草中学から加入した辻源兵衛がストレートの四球を選んで出塁、金田は三振に倒れるが、御園生が四球、本堂もストレートの四球で一死満塁、藤村が中前にタイムリーを放って7-0、門前が押出し四球を選んで8-0、若林の遊ゴロ併殺崩れの間に三走本堂が還って9-0とする。

 阪神先発の若林忠志監督は、4回以降朝日打線を無安打に抑え、2安打2四球無三振の完封で今季1勝目をあげる。

 朝日は三本柱のうち林安夫と真田重蔵が抜けて内藤幸三が孤軍奮闘。昭和16年に1試合登板して出征から復帰してきた菊矢吉男がどこまで回復しているかがカギを握る。

 阪神は三輪八郎が抜けて若林忠志監督が孤軍奮闘。景浦将が抜けた穴を帰還してきた本堂保次がどこまで埋めるかがカギを握る。

 

2018年1月3日水曜日

19年 南海vs阪急 1回戦


4月3日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 南海 0勝1敗 0.000 清水秀雄
0 2 0 0 3 0 1 2 X 8 阪急 1勝0敗 1.000 笠松実

勝利投手 笠松実    1勝0敗
敗戦投手 清水秀雄 0勝1敗

二塁打 (南)堀井 (急)上田
三塁打 (急)野口明

勝利打点 なし


阪急、幸先よく快勝

 甲子園の開幕戦は午後零時31分、川久保喜一主審の右手が上がりプレイボール。

 南海が「近畿日本」に変わるのは夏季リーグ戦からのこととなりますので春季リーグ戦では「南海」表記となります。

 南海は初回、先頭の扇町商業から加入した松川博爾は遊ゴロ、岡村俊昭はニゴロ、三番ピッチャー清水秀雄は四球を選んで出塁、堀井数男は三ゴロに倒れて無得点。

 阪急は1回裏、先頭の山田伝が四球を選んで出塁、上田藤夫の投ゴロの間に山田は二進、しかし山田が三盗に失敗、高橋敏は四球、解散した西鉄から移って四番に入る野口明も四球を選んで二死一二塁、三木久一は三ゴロに倒れて無得点。

 南海は2回、先頭の昭和15年以来の復帰となる吉川義次がレフト線に4年ぶりのヒット、丸山二三雄は遊飛、八木進は中飛に倒れるが、中京商業から加入した鬼頭数雄、鬼頭政一の弟となる鬼頭勝治がプロ入り初打席初安打を中前に放って二死一二塁、しかし同じく中京商業から加入した野口明、野口二郎、野口昇の弟となる野口渉が三振に倒れて無得点。

 阪急は2回裏、先頭の遠山晴富の当りは三ゴロ、これをサード吉川が一塁に悪送球する間に遠山は二塁に進み、笠松実がピッチャー左に送りバント、これが内野安打となりピッチャー清水の一塁送球が悪送球となる間に遠山が還って1点を先制、安田信夫は三振、伊藤健一は中飛に倒れるが、トップに返り山田が四球を選んで二死一二塁、上田が左中間に二塁打を放って2-0とする。

 阪急は5回、先頭の山田が四球を選んで出塁、上田の三前バントが内野安打となって無死一二塁、高橋敏がセオリー通り三前に送りバントを決めて一死二三塁、野口明がセンター右奥に三塁打を放って4-0、三木の三ゴロを又もサード吉川が一塁に悪送球、三走野口明は動かず一死一三塁、遠山の中犠飛で5-0とする。

 阪急は7回、先頭の高橋が四球を選んで出塁、代走に仁木安を起用、野口明のニゴロで高橋は二封、三木が左前打、遠山が四球を選んで一死満塁、笠松のニゴロの間に三走野口明が還って6-0とする。

 阪急は8回、先頭の伊藤が中前にクリーンヒット、トップに返り山田の投ゴロの間に伊藤は二進、上田は四球、仁木も四球を選んで一死満塁、野口明は投飛に倒れて二死満塁、三木が左前に2点タイムリーを放ち8-0とする。

 南海は9回、先頭の岡村俊昭がストレートの四球で出塁、清水の二ゴロでランナーが入れ替わり、堀井数男のレフト線二塁打で一走清水が還り1点返すが反撃もここまで。

 笠松実は7安打6四球2三振の完投で今季1勝目をマークする。

 昨シーズン7位の阪急は笠松、天保の二本柱が残り、他球団と比べると残留組が多く、昨年打点王の野口明を西鉄から補強して台風の目となるであろう。南海は清水秀雄の頑張り次第ではないか。


 

19年 巨人vs産業 1回戦


4月3日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 巨人 1勝0敗 1.000 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 産業 0勝1敗 0.000 森井茂

勝利投手 藤本英雄 1勝0敗
敗戦投手 森井茂     0勝1敗

二塁打 (巨)中村、黒沢
三塁打 (巨)中村 (産)岩本

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)黒沢俊夫 1、中村政美 1


移籍の黒沢俊夫が猛打賞

 昭和19年の開幕戦。6チームとなって後楽園は1試合、甲子園は2試合となる。

 巨人は藤本英雄が先発。名古屋は中部日本新聞社が経営から手を引き、赤嶺昌志が理研工業に引き継いで産業となり森井茂が先発。

 巨人は初回、解散した西鉄から移ってきた先頭の黒沢俊夫が一塁に内野安打、小暮力三の二ゴロの間に黒沢は二進、藤本英雄は投ゴロに倒れ、中村政美の三ゴロをサード鈴木秀雄がエラーして二死一三塁、黒沢同様西鉄から移ってきた近藤貞雄の当りはライトライナーとなって無得点。

 産業は初回、先頭の金山次郎は左飛、鈴木は一飛に倒れるが、吉田猪佐喜が四球を選んで出塁、加藤正二のレフト線ヒットで一走金山が三塁に進み、レフト黒沢からの三塁送球の間に打者走者の加藤は二塁に進んで二死二三塁、しかし岩本章は三振に倒れて無得点。

 巨人は2回、先頭の荏原中学から加入したルーキー渡部弘が左前にプロ入り初打席初安打、中京商業から加入したルーキー杉江繁雄の三ゴロの間に渡部は二進、解散した大和から移ってきた呉新亨の遊ゴロをショート金山が一塁に悪送球する間に二走渡部が還って1点を先制する。

 産業は2回、先頭の藤原鉄之助は三振、昭和12年秋季以来の復帰となる小坂三郎は遊ゴロ、飯塚商業から加入した藤野義登の二飛をセカンド渡部が落球、森井茂の三ゴロをサード中村がエラーして二死一二塁、トップに返り金山の中前打で二走藤野は三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むが、センター呉新亨からのバックホームにタッチアウト。

 巨人は3回、先頭の藤本の三ゴロをファースト高野が落球、藤本が二盗を決め、中村民雄の左中間二塁打で藤本が還り2-0とする。

 産業は6回、先頭の加藤が左前打、岩本もレフト戦にヒット、藤原が送りバントを決めて一死二三塁と一打同点のチャンス、しかし小坂は浅い左飛、藤野に代わる代打野口正明は遊ゴロに倒れて無得点。8回には二死後岩本が右中間に三塁打を放つが、藤原は三振に倒れてこの回も無得点。

 産業は最終回、小坂は二ゴロ、野口は三ゴロに倒れ、森井に代わる代打飯塚商業から加入したルーキー井上嘉弘は三振、開幕戦はシャットアウト負けを喫す。

 藤本英雄は6安打1四球5三振の完封で今季1勝目をマークする。

 巨人は藤本、須田の二本柱は残ったが野手陣は大半が応召等で退団、キャッチャーは昨年後半から川畑博が務め大和から佐藤武夫を補強、サードには強打の中村政美が残った。外野は補強の黒沢俊夫と呉新亨でカバーできるが、二遊間には苦労しそうである。

 産業は中日新聞の経営ではないが、解散した大和と西鉄とは異なりチーム存続とされたことから戦後も中日として球団が継続することとなる。戦後、河野安通志が大和の後継として「東京カッブス」で聯盟に再加入を申し込んだが却下され、西鉄も二リーグ分裂後に別球団としてスタートすることとなる。これらの経緯からすると、中日球団は理研工業に橋渡した赤嶺昌志に感謝するべきであるが、「赤嶺旋風」には批判的な見方が多いようである。

 

2018年1月2日火曜日

18年 10・11月 月間MVP


月間MVP

投手部門

 西鉄 野口二郎 4

 10・11月は13試合に登板、102回3分の1を投げて10勝0敗1セーブ、4完封。防御率1.06、WHIP 0.79、奪三振率3.21。

 次点候補は野口正明が6勝1敗、石丸進一は5勝4敗、藤本英雄は4勝3敗。満票で野口二郎であった。


打撃部門

 朝日 坪内道則 1

 打撃部門は黒沢俊夫と坪内道則の争い。

 黒沢は59打数22安打8得点9打点14四球。打率3割7分3厘、OPS 0.927。
 坪内は66打数24安打14得点6打点11四球。打率3割6分4厘、OPS 0.888。

 数字の単純比較では黒沢に軍配が上がるように見えるかもしれないが、坪内は13盗塁をマークし、10月24日の大和戦と26日の阪神戦で2試合連続4安打を記録している。主軸を打つ黒沢は打点が少なく四球が多いつなぎのバッティングであったことがマイナス材料となった。

 2017年12月、日本経済新聞の「私の履歴書」は「江夏豊」でした。12月31日の最終回で江夏は「今は四番が当てにいって恥とも思わない。それを『つなぎの打撃』とほめるマスコミもいけない。」と書いていますが、当ブログも同意見です。江夏の「私の履歴書」が昭和18年10・11月の月間MVP選考時期と重なったのは単なる偶然ですが、江夏の見解を読んでいなくても、当ブログは坪内道則を選出していました。

 

2018年1月1日月曜日

謹賀新年 2018


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

当ブログも開設以来8回目の新年を迎えました。継続的な読者の方々に支えられていることを感謝申し上げます。


今月より昭和19年に進みます。本年後半からは戦後編に突入する予定です。ここまで昭和12年以降の公式戦2,736試合の模様をお伝えしてきました。残りは2,103試合となります。今後ともよろしくお願い申し上げます。