2017年12月14日木曜日

11月2日


 お伝えしたとおり、昭和18年11月2日、景浦将が生涯最後のホームランを放ちました。

 その9年前、昭和9年11月2日にベーブ・ルースが来日しました。

 そしてその24年後、昭和33年11月2日に私が産まれました。

 すなわち、景浦が最後のホームランを打った15年後の11月2日が私の誕生日です。



 

18年 阪神vs西鉄 11回戦


11月2日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 阪神 41勝33敗6分 0.554 若林忠志
0 0 0 0 1 0 0 1 X 2 西鉄 37勝35敗8分 0.514 野口二郎

勝利投手 野口二郎 23勝12敗
敗戦投手 若林忠志 24勝13敗

二塁打 (西)富松

本塁打 (神)景浦 3号

勝利打点 なし

猛打賞 (西)野口明 3


景浦将、生涯最後のホームラン

 阪神は2回、先頭の景浦将がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を先制する。

 西鉄は5回、先頭の富松信彦がライト線にに二塁打、中村民雄の遊ゴロの間に富松は三進、山田秀夫が中前に同点タイムリーを放って1-1とする。

 西鉄は8回、一死後野口二郎が二遊間にヒット、野口明の右前打で一死一二塁、黒沢俊夫はストレートの四球を選んで一死満塁、富松の一ゴロの間に三走野口二郎が生還、これが決勝点となって西鉄が2対1で勝利する。

 野口二郎は7安打1四球4三振の完投で若林忠志との投合いを制し23勝目をあげる。兄の野口明が4打数3安打で猛打賞を記録した。

 1対1の同点で迎えた西鉄8回裏の攻撃、一死満塁から富松信彦の一ゴロの間に三走野口二郎が生還しているので、通常であれば富松に勝利打点が記録されるところですが、この一打で富松に打点が記録されていいないので当然にして勝利打点も記録されない。

 異例なケースなので、「雑記」」欄の記載について詳しく説明させていただきます。
 例によって山内以九士による判読し難い字で書かれていますので若干の推測も含まれます。富松の一ゴロは、ファースト景浦将がきちんと捕球していれば併殺又は本塁封殺が可能であったとされて富松に「打点」が記録されませんでした。ならばファースト景浦に「失策」が記録されるはずですが、打者走者の富松を避けたことによるものと判定されて景浦には「失策」は記録されていません。以上の経緯から、ピッチャー若林忠志にも「自責点」は記録されていません。ということで、当ブログが独自に算出している「勝利打点」も「なし」という結果となりました。


 景浦将が放った第3号ホームランは、戦前最強のスラッガーとも言われる景浦にとって、生涯最後のホームランとなった。

 

2017年12月12日火曜日

18年 大和vs阪急 12回戦


11月2日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
4 0 0 0 1 0 0 1 0 6 大和 34勝42敗6分 0.447 片山栄次 金子裕 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 30勝51敗2分 0.370 笠松実
 
勝利投手 片山栄次 12勝19敗
敗戦投手 笠松実      9勝14敗

二塁打 (和)小島2 (急)松本

勝利打点 小島利男 3

猛打賞 (和)小島利男 3


小島利男爆発

 大和は初回、先頭の木村孝平が四球を選んで出塁、岡田福吉は中飛に倒れるが、キャッチャー安田信夫からの一塁牽制が悪送球となって一走木村は一気に三塁に進み、小島利男が左中間に二塁打を放って1点を先制、高橋吉雄の三ゴロをサード伊藤健一が一塁に悪送球して一死二三塁、小松原博喜のレフト線タイムリーで2-0として一死一三塁、小松原が二盗を決めて一死二三塁、木下政文が中前に2点タイムリーを放ってこの回4点を先制する。

 大和は5回、一死後岡田の当りは三ゴロ、これをサード伊藤がエラー、岡田が二盗を決めて一死二塁、小島が中前にタイムリーを放って5-0とする。

 小島利男は3回の第2打席でも左中間に2打席連続となる二塁打を放っており、これで猛打賞となった。

 大和は8回、先頭の高橋が左前打で出塁、小松原は四球を選んで無死一二塁、木下の遊ゴロで小松原が二封されて一死一三塁、鈴木秀雄の左犠飛で6-0とリードを広げる。

 大和先発の片山栄次は7回まで阪急打線を4安打1四球1三振無失点の好投。ところが大和ベンチは8回から今季初登板となる金子裕をマウンドに送る。

 阪急は8回、先頭の遠山晴富に代わる代打高橋敏が四球を選んで出塁、伊藤に代わる代打大平茂の二ゴロの間に高橋は二進、トップに返り山田伝はストレートの四球で一死一二塁、大和ベンチはここで金子に代えて石田光彦を三番手としてマウンドに送り、上田藤夫の三ゴロをサード木下が三塁ベースを踏んでから一塁に送球してダブルプレー。

 石田は阪急最終回の攻撃を三者凡退に退け、大和が逃げ切る。

 小島利男が4打数3安打1得点2打点、二塁打2本と爆発した。昭和初期の東京六大学野球全盛期における最大のスター選手であった小島利男はプロに入ってからは不遇であったと言えるかもしれない。今ではほとんど知られていない小島利男を伝える唯一の書籍は、妻である松竹少女歌劇団のスターであった小倉みね子(本名:小島千鶴子)が残した「小島利男と私 都の西北と松竹少女歌劇」のみである。

 

2017年12月11日月曜日

18年 第17節 週間MVP


 今節は24試合の長丁場。
 
 西鉄が5勝0敗1分、朝日が4勝1敗1分、阪神が4勝2敗、巨人が3勝2敗、名古屋が3勝3敗、阪急が2勝4敗、大和が2勝5敗、南海が0勝6敗であった。


週間MVP

投手部門

 西鉄 野口二郎 2

 今節3勝0敗1セーブ、2完封。西鉄快進撃を引っ張る。

 名古屋 野口正明 1

 今節2勝1敗1セーブ。野口兄弟ではありません。


打撃部門

 朝日 坪内道則 3

 2試合連続4安打を含めて24打数13安打、24打数13安打8得点4打点5盗塁

 西鉄 富松信彦 1

 26打数7安打3得点打点、V打2、真の殊勲打1
 西鉄 黒沢俊夫 3
 
 22打数10安打6得点3打点8四球

 西鉄 野口明 1

 23打数8安打6得点4打点6四球

 巨人 白石敏男 3
 
 20打数9安打3得点4打点4四球


殊勲賞

 南海 堀井数男 1

 21打数5安打3得点8打点

 名古屋 加藤正二 2

 10月27日の阪急戦で決勝スリーラン

 巨人 小池繁雄 1

 10月31日の名古屋戦で満塁走者一掃の三塁打

 阪神 金田正泰 1

 10月31日の阪急戦で決勝ホームラン


敢闘賞

 朝日 森本清三 3

 23打数8安打2得点4打点5四球

 名古屋 藤原鉄之助 2

 20打数9安打3得点1打点

 名古屋 吉田猪佐喜 2

 24打数10安打4得点

 西鉄 中村信一 2

 21打数6安打7得点2打点9四球

 南海 安井亀和 1

 22打数8安打2得点1打点


技能賞

 阪急 安田信夫 1
 
 10月24日の名古屋戦4回に2盗塁を刺す。10月30日の巨人戦でも初回に2補殺

 朝日 中谷順次 1

 10月26日の阪神戦で1安打ながら4打点

 阪急 高橋敏 2

 10月24日の名古屋戦で四番ピッチャー、完投勝利、勝利打点

 阪神 玉置玉一 1

 10月30日の名古屋戦で決勝タイムリーセーフティバント

 大和 木村孝平 1

 10月31日の南海戦で決勝スクイズ
 

2017年12月4日月曜日

Out Above Average


 外野守備の指標として「OAA」(Out Above Average)が注目されています。

 要は、外野守備では派手なダイビングキャッチなどには意味がなく、「スタート」が肝心であるという、40年前に私が現役であった頃からの常識が現在のメジャーリーグで再認識されているだけです。

 スタートが遅れただけのダイビングキャッチなどには何の意味もない。私が東京六大学野球準硬式リーグ戦で外野手時代、ダイビングキャッチもやったことはありますが、自分で最も納得のいく守備は、打者のスウィングから打球方向を読んで好スタートを切った時でした。「OAA」ですね(笑)。

 

カーブ復活


 肘に悪いと言われて日本では少年野球からカーブを禁じてスライダー全盛となっていますが、メジャーリーグでは「フライボール革命」に対抗するには「カーブ」が有効であることが立証されています。

 今季ワールドシリーズを制覇したヒューストン・アストロズは、打撃では「フライボール革命」、投手陣は各チームから「カーブの名手」をかき集めて成功しました。

 今、NHK-BSでやっていますからご確認ください。

 

2017年12月2日土曜日

18年 朝日vs西鉄 12回戦


10月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 朝日 41勝34敗7分 0.547 真田重蔵
0 5 0 0 0 0 0 0 X 5 西鉄 36勝35敗8分 0.507 野口二郎

勝利投手 野口二郎 22勝12敗
敗戦投手 真田重蔵 13勝12敗

二塁打 (朝)渡辺時信、大友

勝利打点 山田秀夫 4


山田秀夫、決勝タイムリー

 西鉄は2回、先頭の黒沢俊夫が左前打で出塁、中村民雄の投ゴロをピッチャー真田重蔵が二塁に悪送球、富松信彦は三振に倒れるが、鵜飼勉はストレートの四球を選んで一死満塁、山田秀夫が右前に先制タイムリーを放って1-0、ここで真田がワイルドピッチを犯して2-0、中村信一が右前に先制タイムリーを放ち3-0、中村が二盗を決めて一死二三塁、濃人渉も三塁線にタイムリーを放って4-0、野口二郎の二ゴロをセカンド大友一明がエラーする間に三走中村信一が還って5-0、野口二郎には打点が記録される。

 西鉄先発野口二郎の前に4回まで無安打に抑え込まれていた朝日は5回、先頭の大友が四球を選んで出塁、田中雅治は中飛に倒れるが、早川平一が左前打を放って一死一二塁、渡辺時信が5球ファウルで粘った末レフト線に二塁打を放って1-5、真田の中犠飛で2-5と追い上げる。

 朝日は6回、先頭の森本清三が三塁線にバントヒット、酒沢政夫が中前打で続いて無死一二塁、中谷順次の遊ゴロで酒沢が二封されて一死一三塁、ここで一走中谷がディレードスチール、キャッチャー中村民雄が二塁ベースカバーのショート濃人に送球すると酒沢は一塁に戻り、濃人がファースト野口明に送球すると三走森本がスタートの構え、野口明からサード中村信一に送球されて森本はタッチアウト、この間に一走中谷は二塁に進んで二死二塁、大友が左中間に二塁打を放って3-5とし、試合は分からなくなってきた。

 しかし野口二郎は7回、8回、9回を無失点で切り抜け、7安打2四球7三振の完投で22勝目をあげる。

 西鉄3回の攻撃、先頭の中村民雄が左前打、富松も左前打を放って無死一二塁、ここでエンドランを仕掛けるが鵜飼勉の当りはレフトライナー、レフト早川からセカンド大友、大友からファースト森本に送球されててトリプルプレーが記録された。


*三重殺のシーン。





 

18年 大和vs南海 12回戦


10月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  2  2 大和 33勝42敗6分 0.440 片山栄次 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 南海 26勝54敗2分 0.325 清水秀雄
 
勝利投手 石田光彦 10勝12敗
敗戦投手 清水秀雄   2勝3敗

勝利打点 木村孝平 3


大和、バント攻勢が奏功

 大和は初回、一死後呉新亨が三前にバントヒット、呉がスタートを切るが高橋吉雄の当りは左飛、呉が戻れず「7-4-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は1回裏、先頭の安井亀和がライト線にヒット、猪子利男が送って一死二塁、岡村俊昭の中前打で一死一三塁、しかし堀井数男の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 大和は4回、先頭の木村が投前にバントヒット、しかしキャッチャー八木進からの牽制にタッチアウト、呉が四球から二盗に成功、高橋は三振に倒れるが、小島利男が四球を選んで二死一二塁、しかし小松原博喜は三振に倒れて無得点。

 大和は5回、先頭の木下政文が四球を選んで出塁、鈴木秀雄が投前に送りバントを決めて一死二塁、片山栄次は三振に倒れるが、岡田福吉が三塁線にヒットを放ち二死一三塁、しかしトップに返り木村は三ゴロに倒れて無得点。

 大和は7回、先頭の小松原が四球で出塁すると木下が投前に送りバントを決めて一死二塁、しかし鈴木は三振、片山も一ゴロに倒れて無得点。

 大和は8回、先頭の岡田が左前打で出塁、トップに返り木村が投前に送りバントを決めて一死二塁、ここも呉が中飛、高橋が三ゴロに倒れて無得点。

 大和はここまで2本のバントヒットと3つの送りバントを成功させるが無得点が続いた。

 南海は9回裏、先頭の岡村がストレートの四球で出塁、堀井が投前に送りバント、鈴木芳太郎は歩かされて一死一二塁、大和ベンチはここまで無失点の片山栄次を下げて石田光彦をリリーフに送り、清水の一ゴロが「3-6-3」と渡ってダブルプレー。

 大和は10回、先頭の鈴木が右前打を放って出塁、石田が一塁線にバントヒットを決めて無死一二塁、岡田が三前に送りバントを決めて一死二三塁、トップに返り木村が投前に決勝スクイズを決めて1-0、呉が三遊間タイムリーで続いて2-0とリードする。

 石田光彦は10回裏、7回の代打からファーストに入っている別所昭を三ゴロ、八木進を三振、長谷川善三も三振に打ち取る好リリーフを見せて10勝目をマークする。
 決勝点を木村孝平のスクイズバントでもぎ取った大和はこの試合で3本のバントヒットと5個の犠打を記録した。


 石田光彦が10勝目をあげたことにより、大和は畑福俊英、片山栄次と共に3人の二桁勝利投手を輩出した。昭和18年に3人の投手が二桁勝利を記録したのは、8球団で大和だけである。

 

18年 巨人vs名古屋 12回戦


10月31日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 0 0 0 0 1 0 5 巨人 52勝27敗2分 0.658 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 44勝29敗7分 0.603 石丸進一

勝利投手 藤本英雄 34勝11敗
敗戦投手 石丸進一 18勝12敗

二塁打 (巨)小暮
三塁打 (巨)小池

勝利打点 青田昇 10


小池繁雄、満塁走者一掃の三塁打

 巨人は2回、先頭の小暮力三が右前打で出塁、この試合で五番に入っている藤本英雄が三前に送りバント、これをサード小鶴誠が一塁に悪送球、犠打とエラーが記録されて無死一三塁、六番サードで先発出場の中村政美がピッチャー強襲ヒット、三走小暮は動かず無死満塁、青田昇の中犠飛で1点を先制、八番キャッチャー川畑博が四球を選んで一死満塁、ここで小池繁雄が右中間に走者一掃の三塁打を放って3点を加え4-0とする。

 その後巨人は5回まで無安打。6回、一死後小暮が右中間に二塁打を放つが無得点。7回も二死後小池が四球、トップに返り呉昌征がセンター右にヒットを放つが白石が中飛に倒れて無得点。

 巨人は8回、先頭の中島治康が中前打で出塁、小暮は右飛に倒れるが中島が二盗に成功、藤本英雄の遊ゴロの間に中島は三進、中村の二塁への内野安打がタイムリーとなって5-0とリードを広げる。

 巨人先発の藤本英雄は会心のピッチング。1回、2回は三者凡退。3回、4回は1四球を与えるが無失点。5回は二死後三ゴロをファースト小暮が落球するが無失点。6回もエラーと四球で二死一二塁とするがここまで無安打無得点を続ける。

 しかし7回、先頭の西沢道夫がレフト線に初ヒット、続く3人は凡退。

 藤本英雄は8回、9回と1四球ずつを与えるが、1安打5四球4三振で今季18回目の完封、34勝目をマークする。