2017年12月15日金曜日

18年 巨人vs南海 12回戦


11月2日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 3 0 0 0 0 0 0 4 巨人 53勝27敗2分 0.663 中村政美 藤本英雄
1 0 0 0 0 1 0 0 1 3 南海 26勝55敗2分 0.321 政野岩夫 清水秀雄

勝利投手 中村政美 4勝5敗
敗戦投手 政野岩夫 0勝3敗
セーブ     藤本英雄 3

二塁打 (南)長谷川、岡村
三塁打 (巨)青田、中島

勝利打点 中島治康 8


中島治康、決勝三塁打

 南海は初回、一死後猪子利男が四球を選んで出塁、岡村俊昭もストレートの四球を選んで一死一二塁、鈴木芳太郎は中飛に倒れるが、堀井数男も四球を選んで二死満塁、中野正雄が10球ファウルで粘り、中村政美に14球投げさせて押出し四球を選び1点を先制する。

 巨人は2回、先頭の青田昇がライト線に三塁打、川畑博の右前タイムリーで1-1と追い付く。

 巨人は3回、先頭の呉昌征が四球から二盗に成功、白石敏男も二盗を決めて無死一二塁、中島治康がライト線に三塁打を放って二者還り3-1と勝ち越す。ここで南海ベンチは先発の政野岩夫から清水秀雄にスイッチ、小暮力三は三振に倒れるが、中村政美が中前にタイムリーを放って4-1とする。

 南海は6回、先頭の中野正雄がストレートの四球で出塁、八木進の左前打で無死一二塁、清水の右前打で無死満塁、巨人ベンチはここで先発の中村政美から藤本英雄にスイッチ、長谷川善三が打撃妨害を受けて三走中野が還り2-4と追い上げる。

 巨人は7回、先頭の小池繁雄が死球を受けて出塁、しかしピッチャー清水からの牽制にタッチアウト、呉も死球を受けて一死一塁、白石敏男の中前打で一死一三塁、しかし中島の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は9回裏、先頭の岡村が左中間に二塁打、鈴木は三振、パスボールで岡村は三進、堀井の二ゴロの間に三走鈴木が還って3-4の1点差、しかし中野に代わる代打別所昭が三振に倒れてゲームセット。

 中村政美は5回3分の0を投げて8四球を出すが、藤本英雄のリリーフを受けて4勝目をマークする。

 南海二番手の清水秀雄は7回を投げて4安打2四球2死球7三振無失点であった。

 

2017年12月14日木曜日

11月2日


 お伝えしたとおり、昭和18年11月2日、景浦将が生涯最後のホームランを放ちました。

 その9年前、昭和9年11月2日にベーブ・ルースが来日しました。

 そしてその24年後、昭和33年11月2日に私が産まれました。

 すなわち、景浦が最後のホームランを打った15年後の11月2日が私の誕生日です。



 

18年 阪神vs西鉄 11回戦


11月2日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 阪神 41勝33敗6分 0.554 若林忠志
0 0 0 0 1 0 0 1 X 2 西鉄 37勝35敗8分 0.514 野口二郎

勝利投手 野口二郎 23勝12敗
敗戦投手 若林忠志 24勝13敗

二塁打 (西)富松

本塁打 (神)景浦 3号

勝利打点 なし

猛打賞 (西)野口明 3


景浦将、生涯最後のホームラン

 阪神は2回、先頭の景浦将がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を先制する。

 西鉄は5回、先頭の富松信彦がライト線にに二塁打、中村民雄の遊ゴロの間に富松は三進、山田秀夫が中前に同点タイムリーを放って1-1とする。

 西鉄は8回、一死後野口二郎が二遊間にヒット、野口明の右前打で一死一二塁、黒沢俊夫はストレートの四球を選んで一死満塁、富松の一ゴロの間に三走野口二郎が生還、これが決勝点となって西鉄が2対1で勝利する。

 野口二郎は7安打1四球4三振の完投で若林忠志との投合いを制し23勝目をあげる。兄の野口明が4打数3安打で猛打賞を記録した。

 1対1の同点で迎えた西鉄8回裏の攻撃、一死満塁から富松信彦の一ゴロの間に三走野口二郎が生還しているので、通常であれば富松に勝利打点が記録されるところですが、この一打で富松に打点が記録されていいないので当然にして勝利打点も記録されない。

 異例なケースなので、「雑記」」欄の記載について詳しく説明させていただきます。
 例によって山内以九士による判読し難い字で書かれていますので若干の推測も含まれます。富松の一ゴロは、ファースト景浦将がきちんと捕球していれば併殺又は本塁封殺が可能であったとされて富松に「打点」が記録されませんでした。ならばファースト景浦に「失策」が記録されるはずですが、打者走者の富松を避けたことによるものと判定されて景浦には「失策」は記録されていません。以上の経緯から、ピッチャー若林忠志にも「自責点」は記録されていません。ということで、当ブログが独自に算出している「勝利打点」も「なし」という結果となりました。


 景浦将が放った第3号ホームランは、戦前最強のスラッガーとも言われる景浦にとって、生涯最後のホームランとなった。

 

2017年12月12日火曜日

18年 大和vs阪急 12回戦


11月2日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
4 0 0 0 1 0 0 1 0 6 大和 34勝42敗6分 0.447 片山栄次 金子裕 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 30勝51敗2分 0.370 笠松実
 
勝利投手 片山栄次 12勝19敗
敗戦投手 笠松実      9勝14敗

二塁打 (和)小島2 (急)松本

勝利打点 小島利男 3

猛打賞 (和)小島利男 3


小島利男爆発

 大和は初回、先頭の木村孝平が四球を選んで出塁、岡田福吉は中飛に倒れるが、キャッチャー安田信夫からの一塁牽制が悪送球となって一走木村は一気に三塁に進み、小島利男が左中間に二塁打を放って1点を先制、高橋吉雄の三ゴロをサード伊藤健一が一塁に悪送球して一死二三塁、小松原博喜のレフト線タイムリーで2-0として一死一三塁、小松原が二盗を決めて一死二三塁、木下政文が中前に2点タイムリーを放ってこの回4点を先制する。

 大和は5回、一死後岡田の当りは三ゴロ、これをサード伊藤がエラー、岡田が二盗を決めて一死二塁、小島が中前にタイムリーを放って5-0とする。

 小島利男は3回の第2打席でも左中間に2打席連続となる二塁打を放っており、これで猛打賞となった。

 大和は8回、先頭の高橋が左前打で出塁、小松原は四球を選んで無死一二塁、木下の遊ゴロで小松原が二封されて一死一三塁、鈴木秀雄の左犠飛で6-0とリードを広げる。

 大和先発の片山栄次は7回まで阪急打線を4安打1四球1三振無失点の好投。ところが大和ベンチは8回から今季初登板となる金子裕をマウンドに送る。

 阪急は8回、先頭の遠山晴富に代わる代打高橋敏が四球を選んで出塁、伊藤に代わる代打大平茂の二ゴロの間に高橋は二進、トップに返り山田伝はストレートの四球で一死一二塁、大和ベンチはここで金子に代えて石田光彦を三番手としてマウンドに送り、上田藤夫の三ゴロをサード木下が三塁ベースを踏んでから一塁に送球してダブルプレー。

 石田は阪急最終回の攻撃を三者凡退に退け、大和が逃げ切る。

 小島利男が4打数3安打1得点2打点、二塁打2本と爆発した。昭和初期の東京六大学野球全盛期における最大のスター選手であった小島利男はプロに入ってからは不遇であったと言えるかもしれない。今ではほとんど知られていない小島利男を伝える唯一の書籍は、妻である松竹少女歌劇団のスターであった小倉みね子(本名:小島千鶴子)が残した「小島利男と私 都の西北と松竹少女歌劇」のみである。

 

2017年12月11日月曜日

18年 第17節 週間MVP


 今節は24試合の長丁場。
 
 西鉄が5勝0敗1分、朝日が4勝1敗1分、阪神が4勝2敗、巨人が3勝2敗、名古屋が3勝3敗、阪急が2勝4敗、大和が2勝5敗、南海が0勝6敗であった。


週間MVP

投手部門

 西鉄 野口二郎 2

 今節3勝0敗1セーブ、2完封。西鉄快進撃を引っ張る。

 名古屋 野口正明 1

 今節2勝1敗1セーブ。野口兄弟ではありません。


打撃部門

 朝日 坪内道則 3

 2試合連続4安打を含めて24打数13安打、24打数13安打8得点4打点5盗塁

 西鉄 富松信彦 1

 26打数7安打3得点打点、V打2、真の殊勲打1
 西鉄 黒沢俊夫 3
 
 22打数10安打6得点3打点8四球

 西鉄 野口明 1

 23打数8安打6得点4打点6四球

 巨人 白石敏男 3
 
 20打数9安打3得点4打点4四球


殊勲賞

 南海 堀井数男 1

 21打数5安打3得点8打点

 名古屋 加藤正二 2

 10月27日の阪急戦で決勝スリーラン

 巨人 小池繁雄 1

 10月31日の名古屋戦で満塁走者一掃の三塁打

 阪神 金田正泰 1

 10月31日の阪急戦で決勝ホームラン


敢闘賞

 朝日 森本清三 3

 23打数8安打2得点4打点5四球

 名古屋 藤原鉄之助 2

 20打数9安打3得点1打点

 名古屋 吉田猪佐喜 2

 24打数10安打4得点

 西鉄 中村信一 2

 21打数6安打7得点2打点9四球

 南海 安井亀和 1

 22打数8安打2得点1打点


技能賞

 阪急 安田信夫 1
 
 10月24日の名古屋戦4回に2盗塁を刺す。10月30日の巨人戦でも初回に2補殺

 朝日 中谷順次 1

 10月26日の阪神戦で1安打ながら4打点

 阪急 高橋敏 2

 10月24日の名古屋戦で四番ピッチャー、完投勝利、勝利打点

 阪神 玉置玉一 1

 10月30日の名古屋戦で決勝タイムリーセーフティバント

 大和 木村孝平 1

 10月31日の南海戦で決勝スクイズ
 

2017年12月4日月曜日

Out Above Average


 外野守備の指標として「OAA」(Out Above Average)が注目されています。

 要は、外野守備では派手なダイビングキャッチなどには意味がなく、「スタート」が肝心であるという、40年前に私が現役であった頃からの常識が現在のメジャーリーグで再認識されているだけです。

 スタートが遅れただけのダイビングキャッチなどには何の意味もない。私が東京六大学野球準硬式リーグ戦で外野手時代、ダイビングキャッチもやったことはありますが、自分で最も納得のいく守備は、打者のスウィングから打球方向を読んで好スタートを切った時でした。「OAA」ですね(笑)。

 

カーブ復活


 肘に悪いと言われて日本では少年野球からカーブを禁じてスライダー全盛となっていますが、メジャーリーグでは「フライボール革命」に対抗するには「カーブ」が有効であることが立証されています。

 今季ワールドシリーズを制覇したヒューストン・アストロズは、打撃では「フライボール革命」、投手陣は各チームから「カーブの名手」をかき集めて成功しました。

 今、NHK-BSでやっていますからご確認ください。

 

2017年12月2日土曜日

18年 朝日vs西鉄 12回戦


10月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 朝日 41勝34敗7分 0.547 真田重蔵
0 5 0 0 0 0 0 0 X 5 西鉄 36勝35敗8分 0.507 野口二郎

勝利投手 野口二郎 22勝12敗
敗戦投手 真田重蔵 13勝12敗

二塁打 (朝)渡辺時信、大友

勝利打点 山田秀夫 4


山田秀夫、決勝タイムリー

 西鉄は2回、先頭の黒沢俊夫が左前打で出塁、中村民雄の投ゴロをピッチャー真田重蔵が二塁に悪送球、富松信彦は三振に倒れるが、鵜飼勉はストレートの四球を選んで一死満塁、山田秀夫が右前に先制タイムリーを放って1-0、ここで真田がワイルドピッチを犯して2-0、中村信一が右前に先制タイムリーを放ち3-0、中村が二盗を決めて一死二三塁、濃人渉も三塁線にタイムリーを放って4-0、野口二郎の二ゴロをセカンド大友一明がエラーする間に三走中村信一が還って5-0、野口二郎には打点が記録される。

 西鉄先発野口二郎の前に4回まで無安打に抑え込まれていた朝日は5回、先頭の大友が四球を選んで出塁、田中雅治は中飛に倒れるが、早川平一が左前打を放って一死一二塁、渡辺時信が5球ファウルで粘った末レフト線に二塁打を放って1-5、真田の中犠飛で2-5と追い上げる。

 朝日は6回、先頭の森本清三が三塁線にバントヒット、酒沢政夫が中前打で続いて無死一二塁、中谷順次の遊ゴロで酒沢が二封されて一死一三塁、ここで一走中谷がディレードスチール、キャッチャー中村民雄が二塁ベースカバーのショート濃人に送球すると酒沢は一塁に戻り、濃人がファースト野口明に送球すると三走森本がスタートの構え、野口明からサード中村信一に送球されて森本はタッチアウト、この間に一走中谷は二塁に進んで二死二塁、大友が左中間に二塁打を放って3-5とし、試合は分からなくなってきた。

 しかし野口二郎は7回、8回、9回を無失点で切り抜け、7安打2四球7三振の完投で22勝目をあげる。

 西鉄3回の攻撃、先頭の中村民雄が左前打、富松も左前打を放って無死一二塁、ここでエンドランを仕掛けるが鵜飼勉の当りはレフトライナー、レフト早川からセカンド大友、大友からファースト森本に送球されててトリプルプレーが記録された。


*三重殺のシーン。





 

18年 大和vs南海 12回戦


10月31日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  2  2 大和 33勝42敗6分 0.440 片山栄次 石田光彦
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 南海 26勝54敗2分 0.325 清水秀雄
 
勝利投手 石田光彦 10勝12敗
敗戦投手 清水秀雄   2勝3敗

勝利打点 木村孝平 3


大和、バント攻勢が奏功

 大和は初回、一死後呉新亨が三前にバントヒット、呉がスタートを切るが高橋吉雄の当りは左飛、呉が戻れず「7-4-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は1回裏、先頭の安井亀和がライト線にヒット、猪子利男が送って一死二塁、岡村俊昭の中前打で一死一三塁、しかし堀井数男の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 大和は4回、先頭の木村が投前にバントヒット、しかしキャッチャー八木進からの牽制にタッチアウト、呉が四球から二盗に成功、高橋は三振に倒れるが、小島利男が四球を選んで二死一二塁、しかし小松原博喜は三振に倒れて無得点。

 大和は5回、先頭の木下政文が四球を選んで出塁、鈴木秀雄が投前に送りバントを決めて一死二塁、片山栄次は三振に倒れるが、岡田福吉が三塁線にヒットを放ち二死一三塁、しかしトップに返り木村は三ゴロに倒れて無得点。

 大和は7回、先頭の小松原が四球で出塁すると木下が投前に送りバントを決めて一死二塁、しかし鈴木は三振、片山も一ゴロに倒れて無得点。

 大和は8回、先頭の岡田が左前打で出塁、トップに返り木村が投前に送りバントを決めて一死二塁、ここも呉が中飛、高橋が三ゴロに倒れて無得点。

 大和はここまで2本のバントヒットと3つの送りバントを成功させるが無得点が続いた。

 南海は9回裏、先頭の岡村がストレートの四球で出塁、堀井が投前に送りバント、鈴木芳太郎は歩かされて一死一二塁、大和ベンチはここまで無失点の片山栄次を下げて石田光彦をリリーフに送り、清水の一ゴロが「3-6-3」と渡ってダブルプレー。

 大和は10回、先頭の鈴木が右前打を放って出塁、石田が一塁線にバントヒットを決めて無死一二塁、岡田が三前に送りバントを決めて一死二三塁、トップに返り木村が投前に決勝スクイズを決めて1-0、呉が三遊間タイムリーで続いて2-0とリードする。

 石田光彦は10回裏、7回の代打からファーストに入っている別所昭を三ゴロ、八木進を三振、長谷川善三も三振に打ち取る好リリーフを見せて10勝目をマークする。
 決勝点を木村孝平のスクイズバントでもぎ取った大和はこの試合で3本のバントヒットと5個の犠打を記録した。


 石田光彦が10勝目をあげたことにより、大和は畑福俊英、片山栄次と共に3人の二桁勝利投手を輩出した。昭和18年に3人の投手が二桁勝利を記録したのは、8球団で大和だけである。

 

18年 巨人vs名古屋 12回戦


10月31日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 0 0 0 0 1 0 5 巨人 52勝27敗2分 0.658 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 44勝29敗7分 0.603 石丸進一

勝利投手 藤本英雄 34勝11敗
敗戦投手 石丸進一 18勝12敗

二塁打 (巨)小暮
三塁打 (巨)小池

勝利打点 青田昇 10


小池繁雄、満塁走者一掃の三塁打

 巨人は2回、先頭の小暮力三が右前打で出塁、この試合で五番に入っている藤本英雄が三前に送りバント、これをサード小鶴誠が一塁に悪送球、犠打とエラーが記録されて無死一三塁、六番サードで先発出場の中村政美がピッチャー強襲ヒット、三走小暮は動かず無死満塁、青田昇の中犠飛で1点を先制、八番キャッチャー川畑博が四球を選んで一死満塁、ここで小池繁雄が右中間に走者一掃の三塁打を放って3点を加え4-0とする。

 その後巨人は5回まで無安打。6回、一死後小暮が右中間に二塁打を放つが無得点。7回も二死後小池が四球、トップに返り呉昌征がセンター右にヒットを放つが白石が中飛に倒れて無得点。

 巨人は8回、先頭の中島治康が中前打で出塁、小暮は右飛に倒れるが中島が二盗に成功、藤本英雄の遊ゴロの間に中島は三進、中村の二塁への内野安打がタイムリーとなって5-0とリードを広げる。

 巨人先発の藤本英雄は会心のピッチング。1回、2回は三者凡退。3回、4回は1四球を与えるが無失点。5回は二死後三ゴロをファースト小暮が落球するが無失点。6回もエラーと四球で二死一二塁とするがここまで無安打無得点を続ける。

 しかし7回、先頭の西沢道夫がレフト線に初ヒット、続く3人は凡退。

 藤本英雄は8回、9回と1四球ずつを与えるが、1安打5四球4三振で今季18回目の完封、34勝目をマークする。

 

2017年11月30日木曜日

18年 阪神vs阪急 12回戦


10月31日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 1 1 0 0 0 3 阪神 41勝32敗6分 0.562 三輪八郎 仁科栄三
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 阪急 30勝50敗2分 0.375 天保義夫 高橋敏

勝利投手 三輪八郎 11勝10敗
敗戦投手 天保義夫 10勝15敗
セーブ     仁科栄三 3

二塁打 (神)金田
三塁打 (神)景浦
本塁打 (神)金田 2号

勝利打点 金田正泰 3


金田正泰、決勝ホームラン

 阪急は初回、一死後上田藤夫が右前打で出塁、下社邦男は三振に倒れるが、上田が二盗に成功、四番・大平茂の三塁線セーフティバントが成功する隙を突いて二走上田が一気にホームに還り1点を先制、大平には打点が記録される。

 阪神は4回、景浦将、門前真佐人が連続四球、御園生崇男が投前に送りバント、ピッチャー天保義夫が二塁に送球して一走門前はフォースアウト、しかし二走景浦の三塁進塁に対して御園生には犠打が記録された。これは珍しい記録ですね。当ブログの読者の方々であればご理解いただけるでしょう。一死一三塁となって玉置玉一の三ゴロをサード伊藤健一がエラー、この間に三走景浦がホームに還って1-1の同点とする。玉置には打点は記録されていない。

 阪神は5回、先頭の武智修が四球で出塁、しかしトップに返り塚本博睦の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー、二死無走者となるが、ここで金田正泰がライトスタンドにホームランを叩き込んで2-1と勝ち越す。

 阪神は6回、先頭の景浦が右中間に三塁打、門前の中犠飛で3-1とリードを広げる。

 阪神は7回から先発の三輪八郎に代えて仁科栄三をマウンドに送る。

 仁科は3イニングを無安打3四球無失点に抑えて今季3個目のセーブを記録する(当然、セーブは当時記録されておらず、当ブログ独自の算出となりますのでご注意ください。)。

 昭和18年の大平茂の打点記録は「1」。その1点が本日の打点であった。大平は昭和19年に9打点、昭和21年にも9打点を記録してプロ野球の世界を去ることとなる。

 決してホームラン打者ではない金田正泰が決勝ホームランを放った。金田の戦前のホームランは昭和17年が1本、18年が2本、19年が3本。戦後も一桁ホームランが続くが、ラビットボールが使用された昭和24年にはキャリア唯一の二桁本塁打となる10本を記録することとなる。

 

2017年11月28日火曜日

18年 西鉄vs朝日 11回戦


10月30日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
1 0 1 0 1 0 0 0 0  0   0   0  3 西鉄 35勝35敗8分 0.500 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 3 0  0   0   0  3 朝日 41勝33敗7分 0.554 林安夫 内藤幸三 真田重蔵

二塁打 (西)野口明、農人、鵜飼、中村信一
三塁打 (朝)内藤

勝利打点 なし

猛打賞 (朝)坪内道則 5、森本清三 3


野口二郎vs朝日三本柱の投げ合い

 西鉄は野口二郎、朝日は林安夫が先発。

 野口二郎はここまで先発した4試合で全て完封勝利を飾っており、10月16日の大和戦でリリーフして2失点した以降は、現在34イニングス連続無失点を継続中。

 一方、朝日投手陣は、10月24日の大和戦で林安夫、26日の阪神戦で内藤幸三、28日の大和戦で真田重蔵と3本柱が3試合連続完封を継続中。

 西鉄は初回、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、濃人渉はレフトライナーに倒れるが、野口二郎の三ゴロの間に一走中村は二進、野口明の右中間二塁打で1点を先制する。

 西鉄は3回、先頭の濃人がレフト戦に二塁打、野口二郎の当りはショートライナー、二走濃人が飛び出したのを見てショート酒沢政夫が二塁に送球するが、これが悪送球となって濃人は三塁に進み、野口明は歩かされて一死一三塁、黒沢俊夫の一ゴロで三走濃人がホームに突っ込み、ファースト森本清三がバックホームするがセーフ、野選が記録されて2-0とする。

 朝日は4回から先発の林安夫を下げて二番手として内藤幸三をリリーフのマウンドに上げる。

 西鉄は5回、野口明、黒沢が連続四球、富松信彦は三振、中村民雄は中飛に倒れて二死一二塁、鵜飼勉の三ゴロをサード中谷順次がエラーする間に二走野口明がホームに還り3-0とリードを広げる。

 西鉄先発の野口二郎は7回まで7安打を許すが無失点。連続無失点記録を41イニングスまで伸ばした。

 朝日は8回、一死後内藤が右越えに三塁打、トップに返り坪内道則が左前にタイムリーを放ち1-3、森本清三が三塁線にバントヒット、黒沢の右飛で二走坪内がタッチアップから三進して二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて2-3、このコンビでの一三塁からの重盗は10月3日巨人戦以来今季二度目のこと、二死二塁から中谷が中前に同点タイムリーを放って3-3と追い付く。

 野口二郎はランナーを出しながらも9回以降朝日を無失点に抑え、朝日は10回から三番手の真田重蔵を注ぎ込んで12回まで無失点、結局延長12回引き分く。

 野口二郎は13安打4四球1三振で12回を完投、朝日三本柱との投げ合いが延々と続いた。

 

2017年11月27日月曜日

18年 南海vs大和 11回戦


10月30日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 26勝53敗2分 0.329 丸山二三雄
1 0 0 0 0 0 0 0 X 1 大和 32勝42敗6分 0.432 片山栄次

勝利投手 片山栄次   11勝19敗
敗戦投手 丸山二三雄 7勝19敗

二塁打 (和)小島
三塁打 (和)鈴木秀雄

勝利打点 小島利男 2


小島利男、決勝二塁打

 南海は初回、先頭の安井亀和の当りは二ゴロ、これをセカンド岡田福吉がエラーして無死一塁、猪子利男が送りバントを決めて一死二塁、ここでピッチャー片山栄次からの牽制に二走安井がタッチアウト、岡村俊昭は投ゴロに倒れて無得点。

 大和は1回裏、先頭の木村孝平が四球を選んで出塁、呉新亨は左飛、金子裕は二飛に倒れて二死一二塁、ここで小島利男が左中間を破る二塁打、一走木村が長駆ホームを駆け抜け1点を先制する。

 このスミ一を片山栄次が毎回走者を出しながらも守り抜いた。

 南海は4回、一死後堀井数男の当りは中飛、これをセンター呉新亨が落球する間に打者走者の堀井が二塁に進むと、片山は2回に左前打を打たれた鈴木芳太郎を歩かせ一死一二塁、中野正雄は三振、丸山二三雄は遊ゴロに倒れて無得点。

 南海は5回、一死後長谷川善三が四球を選んで出塁、トップに返り安井が三塁線にバントヒット、しかし猪子利男の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は6回、先頭の岡村俊昭が四球で出塁するが、堀井の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー、鈴木が中前打を放つが、中野が三ゴロに倒れて無得点。

 片山栄次は中盤のピンチを無失点で切り抜け、最終回は中野に代わる代打別所昭を三振、丸山には5球ファウルで粘られるが三振に打ち取り、八木進にレフト線ヒットを許すが、最後は長谷川に代わる代打清水秀雄を一ゴロに打ち取り、5安打5四球5三振で今季2度目の完封、11勝目をあげる。

 

2017年11月23日木曜日

18年 名古屋vs阪神 11回戦


10月30日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 1 0 0 0 2 名軍 44勝28敗7分 0.611 野口正明
1 1 0 0 0 1 0 0 X 3 阪神 40勝32敗6分 0.556 若林忠志

勝利投手 若林忠志 24勝12敗
敗戦投手 野口正明 10勝4敗

二塁打 (名)吉田

勝利打点 玉置玉一 4


玉置玉一、猛打賞と勝利打点

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉がレフト戦にヒット、岩本章もレフト戦にヒットを放ち石丸藤吉は一気に三塁に走るが、レフト御園生崇男からのバックサードにタッチアウト、小鶴誠は三邪飛、吉田猪佐喜は投ゴロに倒れて無得点。

 阪神は1回裏、先頭の塚本博睦が中前打で出塁、金田正泰の中前打で塚本は三塁に進み、藤村冨美男のライトライナーが犠飛となって1点を先制する。

 阪神は2回、一死後若林忠志が左前打で出塁、田中義雄も左前打で続いて一死一二塁、玉置玉一が左前にタイムリーを放ち2-0とする。

 名古屋は4回、先頭の小鶴の当りは三ゴロ、これをサード玉置が一塁に悪送球、吉田が左前打を放って無死一二塁、加藤正二が投前に送りバントを決めて一死二三塁、西沢道夫の右犠飛で1-2と追い上げる。

 名古屋は6回、先頭の小鶴が三塁に内野安打、吉田の左前打で無死一二塁、4回と全く同じシチュエーションで加藤が投前に送りバント、しかしこれを読んでいた若林がダッシュ良く処理して三塁に送球、二走小鶴は三封されて一死一二塁、しかし西沢が左前にタイムリーを放ち2-2の同点、藤原鉄之助の二ゴロをセカンド藤村冨美男がエラーして一死満塁、金山次郎がワンボールツーストライクと追い込まれたところでスクイズを敢行、しかしこの打球が捕前で止まりキャッチャー田中が白球を捕球してホームを踏んで三走加藤は本封、田中が一塁に送球するがセーフ、しかしファースト景浦将が三塁に送球して二走西沢がタッチアウト、これが一連のプレーと判定されてダブルプレーが記録される。西沢道夫のボーンヘッドと景浦将の強肩が重ね合った結果である。二走西沢がスクイズのサインを見逃してスタートが遅れたものと思料される。

 阪神は6回裏、先頭の御園生が四球を選んで出塁、ピッチャー野口正明がワイルドピッチを犯して無死二塁、若林が送りバントを決めて一死三塁、田中は遊ゴロに倒れて二死三塁、ここで玉置が三前に決勝のタイムリーセーフティバントを決めて3-2と勝ち越す。

 若林忠志は名古屋打線に9安打を許すが1四球1死球2三振の完投で24勝目をあげる。


 玉置玉一は猛打賞と勝利打点を記録、戦前の猛打賞と勝利打点は、世界中を探しても当ブログでしか分かりません。

 

18年 巨人vs阪急 12回戦


10月30日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 巨人 51勝27敗2分 0.654 須田博 藤本英雄
1 0 1 0 0 0 0 0 X 2 阪急 30勝49敗2分 0.380 笠松実

勝利投手 笠松実 9勝13敗
敗戦投手 須田博 9勝5敗

二塁打 (巨)須田
本塁打 (急)山田 2号

勝利打点 下社邦男 7


キャッチャー安田信夫、1イニング2補殺

 巨人は阪急戦に強い須田博が先発、阪急は巨人戦に強い笠松実が先発する。

 巨人は初回、先頭の呉昌征の当りはニゴロ、これをセカンド上田藤夫がエラー、白石敏男の三ゴロの間に呉は二進、中島治康が四球を選んで一死一二塁、ここでダブルスチールを決めて一死二三塁、四番・小暮力三が左前に先制タイムリーを流し打って1-0、一死一三塁からダブルスチールを試みるが、キャッチャー安田信夫からの送球を受けたセカンド上田がホームに送球して三走中島はタッチアウト、二塁に進んでいた一走小暮が一気に三塁を狙うが、安田がサード伊藤健一に送球してタッチアウト、中島は盗塁失敗、小暮の二塁進塁は重盗失敗により盗塁は記録されず、三塁タッチアウトには盗塁失敗が記録される。巨人は1イニング2個の盗塁死を記録。「2-4-2」の重盗阻止ではキャッチャー安田に補殺と刺殺、セカンド上田に補殺が記録され、小暮の三盗も刺した安田信夫は1イニング2個の補殺を記録した。

 阪急は1回裏、先頭の山田伝がレフトスタンドに同点ホームランを叩き込んで1-1と追い付く。

 阪急は3回、一死後山田が左前打で出塁すると二盗に成功、上田の中前打で一死一三塁、下社邦男のニゴロ併殺崩れの間に三走山田が還って2-1と勝ち越す。

 巨人戦を得意とする阪急先発の笠松実は得意のシュートが冴えて2回以降巨人打線を零封、6安打3四球無三振、自責点ゼロの完投で9勝目をあげる。

 安田信夫は10月24日の名古屋戦でも4回に1イニング2個の盗塁を刺している。本日の1イニング2補殺は変則的な記録ではあったが、強肩振りを発揮している。

 

2017年11月18日土曜日

18年 大和vs朝日 12回戦


10月28日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 31勝42敗6分 0.425 石田光彦 片山栄次
1 0 0 3 2 0 0 0 X 6 朝日 41勝33敗6分 0.554 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 13勝11敗
敗戦投手 石田光彦   9勝12敗

二塁打 (朝)中谷

勝利打点 酒沢政夫 4


真田重蔵、無安打完封

 朝日は初回、先頭の坪内道則が左前打で出塁、坪内はこれで前の試合から4打席連続ヒット、坪内が二盗を決め、森本清三が送りバントを決めて一死三塁、酒沢政夫が右前に先制タイムリーを放って1点を先制する。

 朝日は4回、先頭の中谷順次はストレートの四球、大和ベンチはここで先発の石田光彦から片山栄次にスイッチ、小林章良の右前打で無死一三塁、片山がワイルドピッチを犯して小林は二進、三走中谷は動かず無死二三塁、大友一明が四球を選んで無死満塁、林安夫の三ゴロで三走中谷は本封、田中雅治が右前に2点タイムリーを放ち3-0、真田重蔵が中前にタイムリーを放って4-0とリードを広げる。

 朝日は5回、一死後中谷が左前打で出塁、小林の右前打で一死一三塁、小林が二盗を決めて一死二三塁、大友が中前に2点タイムリーを放って6-0とダメ押す。

 朝日先発の真田重蔵は2回、3回、4回に1安打ずつを打たれるが、5回以降は無安打ピッチング。3安打無四球7三振で今季7回目の完封、13勝目をあげる。真田は9月以降約2ヶ月で4度の完封勝利、本領を発揮してきた。


*戦後、大洋時代の真田重蔵の直筆サイン入りカード。

 

2017年11月12日日曜日

18年 大和vs阪神 11回戦


10月27日 (水) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 大和 31勝41敗6分 0.431 畑福俊英
0 0 0 0 0 0 0 4 X 4 阪神 39勝32敗6分 0.549 仁科栄三 三輪八郎 若林忠志

勝利投手 三輪八郎 10勝10敗
敗戦投手 畑福俊英 11勝10敗
セーブ    若林忠志  2

二塁打 (和)高橋、小島 (神)藤村

勝利打点 景浦将 4


阪神、藤村と景浦で逆転

 大和は2回、先頭の高橋吉雄がレフト戦に二塁打、小松原博喜の二ゴロの間に高橋は三進、小島利男の右犠飛で1点を先制する。

 大和は3回、先頭の畑福俊英が三遊間に内野安打、渡辺絢吾は左飛に倒れるが、トップに返り木村孝平が四球、呉新亨の遊ゴロで木村は二封、呉が二盗を決めて二死二三塁、金子裕が四球を選んで二死満塁、高橋の押出し四球で2-0とする。

 阪神は4回から先発の仁科栄三に代えて三輪八郎をマウンドに送る。三輪は8回まで大和打線を無得点に抑えて味方の反撃を待つ。

 阪神は8回裏、一死後武智修がストレートの四球で出塁、三輪の三塁線内野安打で一死一二塁、トップに返り塚本博睦は中飛に倒れて二死一二塁、金田正泰が四球を選んで二死満塁、阪神ベンチはここで同点のランナーとなる二走三輪八郎に代走として上田正を起用、藤村冨美男が右中間に二塁打を放って代走上田が同点のホームを踏んで2-2、二死二三塁から景浦将が左前に決勝の2点タイムリーを放って土壇場で4-2と逆転する。

 大和先発の畑福俊英は7回まで阪神打線を3安打無得点に抑えてきたが最後に捕まった。同点に追い付かれた二死二三塁で景浦を打席に迎え、敬遠を選択しなかった。昭和10年の巨人軍第1回アメリカ遠征に参加して以来プロの世界に生きてきた畑福俊英は、この試合がプロでの最後の試合となった。

 

2017年11月11日土曜日

18年 阪急vs名古屋 12回戦


10月27日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 阪急 29勝49敗2分 0.372 高橋敏
0 1 1 0 0 0 3 2 X 7 名軍 44勝27敗7分 0.620 野口正明

勝利投手 野口正明 10勝3敗
敗戦投手 高橋敏       1勝2敗

二塁打 (名)吉田、岩本
本塁打 (名)加藤 4号

勝利打点 加藤正二 3

猛打賞 藤原鉄之助 4


加藤正二、決勝スリーランで本塁打王に並ぶ

 名古屋は2回、一死後藤原鉄之助が中前にクリーンヒット、金山次郎が送って二死二塁、野口正明が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

 名古屋は3回、二死後吉田猪佐喜がレフト戦に二塁打、加藤正二が一二塁間にタイムリーを放って2-0とする。

 阪急は4回、先頭の上田藤夫がツーナッシングと追い込まれながら粘って四球、下社邦男もストレートの四球で無死一二塁、高橋敏が送りバントを決めて一死二三塁、三木久一は浅い左飛に倒れるが、松本利一が中前に2点タイムリーを放って2-2の同点に追い付く。

 名古屋は7回、先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川清蔵は左飛に倒れるが、小鶴誠が四球を選んで一死一二塁、吉田は中飛に倒れて二死一二塁、ここで加藤がレフトスタンドに決勝スリーランをライナーで叩き込んで5-2と突き放す。

 名古屋は8回、先頭の藤原が中前打、金山は中飛に倒れるが、野口が左中間にタイムリー二塁打を放って6-2、トップに返り石丸藤吉の二遊間タイムリーで7-2としてダメ押す。

 第4号決勝スリーランを放った加藤正二は、チームメイトの古川清蔵、岩本章と並んでホームランダービートップタイに躍り出た。


*1950~51年、大映時代の加藤正二の直筆サイン入り写真。


 

18年 西鉄vs南海 12回戦


10月27日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
5 0 3 2 0 0 0 0 3 13 西鉄 35勝35敗7分 0.500 重松通雄 近藤貞雄
0 0 1 0 0 2 0 0 0  3  南海 26勝52敗2分 0.333 別所昭 長沼要男

勝利投手 近藤貞雄 5勝4敗
敗戦投手 別所昭  14勝24敗

二塁打 (西)中村民雄、近藤
本塁打 (西)富松 1号

勝利打点 なし


西鉄、全員安打の猛攻

 西鉄は初回、中村信一と濃人渉が四球で出塁して無死一二塁、野口二郎の遊ゴロをショート猪子利男が二塁に悪送球する間に二走中村信一がホームに還り1点を先制、野口明は投飛に倒れるが、黒沢俊夫が四球を選んで一死満塁、富松信彦の遊ゴロを猪子が又もエラー、三走濃人に続いて二走野口二郎も還って3-0、富松には1打点が記録される。一死一三塁となって中村民雄が右中間に二塁打を放ち4-0、重松通雄のピッチャー強襲ヒットで5-0として試合の主導権を握る。

 西鉄は3回、先頭の野口明の当りは二ゴロ、これをセカンド安井亀和がエラー、黒沢の右前打で無死一三塁、富松が左前にタイムリーを放ち6-0、南海ベンチはここで先発の別所昭をライトに回して長沼要男にスイッチ、中村民雄は右飛に倒れるが、重松の左前打で一死満塁、鵜飼勉が押出し四球を選んで7-0、トップに返り中村信一の二ゴロの間に三走冨松が還って8-0として試合をほぼ決める。

 大量リードを許した南海は3回裏、先頭の中野正雄が四球で出塁、八木進も四球、長沼も四球を選んで無死満塁、西鉄ベンチはここで先発の重松をベンチに下げて近藤貞雄をリリーフに送り、トップに返り安井の右犠飛で1-8とする。

 西鉄は4回、二死後黒沢が左前打で出塁、富松がライトスタンドにツーランホームランを叩き込んで10-1と突き放す。

 南海は6回、一死後猪子の当りは遊ゴロ、これをショート濃人がエラー、岡村俊昭は四球、鈴木芳太郎もストレートの四球で一死満塁、堀井数男が中前に2点タイムリーを放って3-10と反撃する。

 西鉄は9回、先頭の近藤が3打席連続ヒットとなる二塁打を左中間に放ち、鵜飼は四球、トップに返り中村信一が左前打を放って無死満塁、濃人の中前タイムリーで11-3、野口二郎の左前タイムリーで12-3、野口明の遊ゴロの間に三走中村信一が還って13-3とダメ押す。

 西鉄は出場した10人が全員安打、17本のヒットを記録した。富松信彦が5打数3安打3得点3打点、1本塁打の活躍。投手では先発の重松通雄は2打数2安打1打点、リリーフの近藤貞雄が3打数3安打1得点で二塁打1本の活躍を見せた。

 西鉄は守備でも2回から6回まで5イニング連続併殺を記録した。

 

2017年11月6日月曜日

18年 朝日vs阪神 12回戦


10月26日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 1 0 2 0 1 5 朝日 40勝33敗6分 0.548 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪神 38勝32敗6分 0.543 若林忠志

勝利投手 内藤幸三   8勝11敗
敗戦投手 若林忠志 23勝14敗

二塁打 (朝)坪内2、早川

勝利打点 中谷順次 6

猛打賞 (朝)坪内道則(4安打) 4


坪内道則、2試合連続4安打

 朝日は初回、先頭の坪内道則が左中間に二塁打、坪内はこれで前の試合から4打席連続ヒットを記録、森本清三は四球、黒沢俊夫が三前に送りバントを決めて一死二三塁、中谷順次の中犠飛で1点を先制する。

 朝日先発の内藤幸三は3回まで三者凡退を続けるパーフェクトピッチング。4回に金田正泰と景浦将にヒットを打たれるがここまで無失点。

 朝日は5回、一死後早川平一がレフト線に二塁打、内藤の三塁線バントが内野安打となって一死一三塁、トップに返り坪内がライト線にこの日2本目の二塁打を放って2-0とする。

 朝日は7回、先頭の内藤が中前打で出塁、トップに返り坪内も中前打を放ち、森本は中飛に倒れて一死一二塁、酒沢政夫の一塁内野安打で一死満塁、中谷の遊ゴロで一走酒沢が二封される間に三走内藤が還って3-0、セカンド藤村冨美男からファースト景浦に転送されるが中谷の足が早く一塁セーフ、この間に二走坪内が一気にホームに還る好走塁を見せて4-0とする。中谷は併殺崩れの遊ゴロで2打点を記録した。

 朝日は9回、一死後坪内がこの日4本目となるヒットを左前に放ち、森本は右飛に倒れるが、酒沢の右前打で二死一二塁、中谷が中前にタイムリーを放って5-0とダメ押す。

 内藤幸三は3安打2四球1三振で今季4度目の完封、8勝目をあげる。

 坪内道則は第二打席に投ゴロに倒れただけで5打数4安打3得点1打点、二塁打2本。24日の大和戦に続いて2試合連続4安打を記録した。昭和13年秋、中島治康が日本で最初の三冠王になった時、10月17日と18日、10月23日と25日に2度の2試合連続4安打を記録している。記憶の限りでは坪内の記録はそれ以来か、精査してみる必要があります。

 坪内の3得点は全て中谷順次によるもので、中谷は4打点を記録した。併殺崩れの遊ゴロで2打点を記録したのが大きいが、これは二走坪内の快足がもたらしたものである。

 

2017年11月4日土曜日

18年 巨人vs大和 12回戦


10月26日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 2 0 4 巨人 51勝26敗2分 0.662 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 31勝40敗6分 0.437 石田光彦 畑福俊英

勝利投手 藤本英雄 33勝11敗
敗戦投手 石田光彦   9勝11敗

三塁打 (巨)青田

勝利打点 白石敏男 7

猛打賞 (巨)白石敏男(4安打) 4


巨人vs大和、最後の試合

 巨人は3回、一死後坂本茂が四球を選んで出塁、トップに返り呉昌征も四球を選び一死一二塁、ダブルスチールを決めて一死二三塁、白石敏男が中前にタイムリーを放って二者還り2点を先制する。

 巨人は4回、二死後青田昇が左中間に三塁打、大和ベンチはここで先発の石田光彦から畑福俊英にスイッチ、川畑博はストレートの四球、坂本は三ゴロに倒れてこの回は無得点。

 巨人は7回、先頭の呉がストレートの四球で出塁すると二盗に成功、白石も四球を選び、中島治康は遊飛に倒れて一死一二塁、多田文久三が右前打を放って一死満塁、藤本英雄は三邪飛に倒れて二死満塁、中村政美が押出し四球を選んで3-0、続く青田も押出し四球を選んで4-0とリードを広げる。

 藤本英雄は4安打2四球6三振で今季17回目の完封、33勝目をあげる。

 巨人vs大和は今季最終戦を終了した。大和は今季限りで解散するので、これが野球史に数奇なる運命を刻んだ大和軍と現在まで球界の盟主を続ける巨人軍との最終戦となった。

 大和軍は昭和12年に「後楽園イーグルス」として誕生した。巨人軍の公式戦最初の勝利投手となった畑福俊英は昭和12年にイーグルスに移籍して、イーグルスでも公式戦最初の勝利投手となった。世界野球史上、2球団でチーム最初の公式戦勝利投手となったのは畑福俊英だけである。後楽園イーグルスはイーグルス-黒鷲-大和と変遷していく。

 大和軍を解散させた河野安通志は戦後、「東京カッブス」を立ち上げて球界復帰を目指すが、早稲田の後輩で古くから対立していた市岡忠男の反対で日本野球連盟に復帰することができず、河野は志半ばに急逝することとなる。

 

2017年11月2日木曜日

置きにいっている


 NHKBSでワールドスポーツMLBを拝見させていただいておりますが、ダルビッシュは完全にボールを置きにいっていますね。素人目に見ても腕が振れていないのが分かります。

 滑るボールが使われているのは多数の証言からも間違いないでしょう。それでも好投しているピッチャーはいます。「対応力」こそが今後の課題でしょうね。

 

2017年10月31日火曜日

18年 西鉄vs阪急 11回戦


10月26日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 2 0 0 0 0 2 0 1 6 西鉄 34勝35敗7分 0.493 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 29勝48敗2分 0.377 笠松実 天保義夫 大平茂

勝利投手 野口二郎 21勝12敗
敗戦投手 笠松実      8勝13敗

二塁打 (西)中村

勝利打点 なし


野口二郎、2安打完封

 西鉄は初回、先頭の中村信一が右前打で出塁、濃人渉はストレートの四球で無死一二塁、野口二郎は右飛に倒れるが、野口明が死球を受けて一死満塁、黒沢俊夫の投ゴロで三走中村が本封されて二死満塁、富松信彦のニゴロをセカンド上田藤夫が痛恨のエラー、西鉄が1点を先制する。

 西鉄は2回、一死後中村民雄が中前打で出塁、トップに返り中村信一の遊ゴロをショート遠山晴富がエラー、濃人がストレートの四球を選んで一死満塁、野口二郎が押出し四球を選んで2-0、阪急ベンチはここで先発の笠松実から天保義夫にスイッチ、野口明は浅い左飛に倒れて二死満塁、黒沢がストレートの押出し四球を選んで3-0とリードを広げる。

 西鉄は7回、先頭の中村信一が左中間に痛烈な二塁打、濃人は投ゴロ、野口二郎の一ゴロの間に二走中村は三進、野口明は四球を選んで二死一三塁、ここで天保がワイルドピッチを犯して三走中村が還り4-0、二死二塁から黒沢が中前にタイムリーを放って5-0とする。

 阪急は大平茂が8回からマウンドに上がりプロ入り初登板。

 西鉄は9回、先頭の濃人の三ゴロをサード伊藤健一がエラー、野口二郎のニゴロでランナーが入れ替わり、野口明はストレートの四球、黒沢は中飛に倒れるが、富松が四球を選んで二死満塁、鵜飼勉がストレートの押出し四球を選んで6-0と突き放す。

 阪急打線は西鉄先発の野口二郎に抑え込まれ、初回に三木久一が中前打、2回に安田信夫が右前打を放ってからは無安打。

 野口二郎は2安打2四球4三振、三者凡退を6度記録して23日の10回戦に続いて阪急戦2試合連続、今季10回目の完封で21勝目をあげる。

 

2017年10月28日土曜日

18年 名古屋vs南海 11回戦


10月26日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 2 0 0 0 0 0 4 名軍 43勝27敗7分 0.614 西沢道夫 野口正明
0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 南海 26勝51敗2分 0.338 丸山二三雄

勝利投手 西沢道夫     9勝6敗
敗戦投手 丸山二三雄 7勝18敗
セーブ     野口正明  1

勝利打点 金山次郎 2

猛打賞 西沢道夫 2


西沢道夫が猛打賞

 名古屋は2回、先頭の吉田猪佐喜が中前打で出塁、加藤正二が右前打で続いて無死一二塁、岩本章は左邪飛に倒れるが、藤原鉄之助の遊撃内野安打で一死満塁、金山次郎の三ゴロ併殺崩れの間に三走吉田が還って1点を先制、西沢道夫が左前タイムリーで続き2-0とする。

 名古屋は4回、先頭の加藤がレフト線にヒット、岩本の三ゴロでランナーが入れ替わり、藤原の三ゴロの間に岩本は二進、金山の遊ゴロをショート加藤喜作が一塁に悪送球する間に二走岩本が還って3-0、打者走者の金山は二塁に進み、西沢の左前打で二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-0とする。

 3回までオール四球で4人の走者を出しながら無得点の南海は4回裏、一死後堀井数男が四球を選んで出塁、岡村俊昭も四球を選んで一死一二塁、中野正雄が三遊間を破り、この打球をレフト吉田が後逸、二走堀井に続いて一走岡村まで生還して2-4、打者走者の中野は三塁に進み、八木は浅い左飛に倒れて二死三塁、丸山二三雄の左前タイムリーで3-4と1点差に詰め寄る。

 名古屋先発の西沢は6回まで7四球と不安定なピッチング。7回、先頭の別所昭にこの試合8個目の四球を与えたところで名古屋ベンチは野口正明にスイッチ、野口は9回まで4安打を許しながら無失点に抑えて名古屋が逃げ切る。

 名古屋ではヒットを打ったのは4人だけであったが全員がマルチヒット、ピッチングでは不安定であった西沢道夫が猛打賞を記録した。昭和18年の西沢は44試合の出場で投手としては24試合に登板、徐々に野手としての出場が増えてきた。戦後強打を発揮するきっかけとなったシーズンと言える。

 

2017年10月25日水曜日

情報求む


 読者の方から

「阪急の原田孝一投手、大洋の荻原隆投手
 彼らの球種フォームの資料はありますか」


という質問が来ています。

 当方には手元に資料がありませんので、分かる方、情報提供お願いいたします。


 

2017年10月24日火曜日

18年 巨人vs阪神 11回戦


10月24日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 2 0 0 0 0  0   1  3 巨人 50勝26敗2分 0.658 須田博
0 0 0 0 0 2 0 0 0  0   0  2 阪神 38勝31敗6分 0.551 三輪八郎 若林忠志

勝利投手 須田博       9勝4敗
敗戦投手 若林忠志 23勝11敗

二塁打 (巨)白石、中村

勝利打点 須田博 2


沢村栄治 、最後の出場

 試合は須田博と三輪八郎との投げ合いで進んでいった。

 巨人は4回まで2安打無得点。5回、一死後坂本茂が四球で歩くと二盗に成功、トップに返り呉昌征がバントヒットを決めて一死一三塁、呉が二盗を決めて一死二三塁、白石敏男が左中間に二塁打を放って2点を先制する。

 阪神は5回まで須田に封じ込まれて無安打無得点。2点を追う6回、一死後門前真佐人が死球を受けて出塁、御園生崇男が左前にチーム初ヒット、玉置玉一に代わる代打田中義雄がストレートの四球を選んで一死満塁、武智修の遊ゴロの間に三走門前が還って1-2、三輪八郎にかわる代打若林忠志が右前にタイムリーを放って2-2の同点、二走田中も三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むが、ライトの強肩・中島治康からのバックホームにタッチアウト。阪神はサード玉置に代打田中を送った関係で7回から野口昇がサードの守備に入るが、ならば田中に代走で野口昇を起用すべきであった。そうすれば、駿足・野口昇の足であればホームインしていたかもしれない。

 阪神は三輪八郎の代打に出て同点タイムリーを放った若林がそのままマウンドに上がる。

 巨人は9回表、一死後中村政美が左中間に二塁打、しかし青田昇は右飛に倒れ、須田が四球を選ぶが、坂本も右飛に倒れて無得点。

 阪神は9回裏、二死後若林が四球を選んで出塁、トップに返り塚本博睦が中前打を放って二死一二塁とサヨナラのチャンス、しかし金田正泰は中飛に倒れて延長戦に突入する。

 巨人は11回、先頭の永沢富士雄に代わる代打藤本英雄がセンター右にヒット、多田文久三は左飛に倒れるが、藤本が二盗を決め、中村は四球を選んで一死一二塁、青田昇に代わる代打沢村栄治 は三邪飛に倒れて二死一二塁、須田が二遊間に決勝タイムリーを放って3-2と勝ち越す。 

 須田博は11回を3安打7四球4三振で完投、9勝目をあげる。藤本英雄が30勝を超えてから足踏みしている巨人にとって、終盤に須田が復帰してきたのは大きい。

 11回表の巨人の攻撃で青田昇に代わる代打として登場し、三邪飛に倒れた沢村栄治 。これが最後の公式戦出場となった。沢村はこの後3度目の応召、戦死することとなる。

 沢村が代打で出場して三邪飛に倒れた最後の試合で、阪神の若林忠志と巨人の藤本英雄も代打で起用されて共にヒットを放っているという事実は、当ブログが取り上げるまでほとんどの方が知らなかったのではないでしょうか。

 

2017年10月21日土曜日

18年 朝日vs大和 11回戦


10月24日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 3 0 3 0 2 9 朝日 39勝33敗6分 0.542 林安夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 31勝39敗6分 0.443 片山栄次 石田光彦

勝利投手 林安夫     20勝11敗
敗戦投手 片山栄次 10勝19敗

二塁打 (和)小松原
三塁打 (朝)坪内

勝利打点 森本清三 3

猛打賞 (朝)坪内道則(4安打) 3


坪内道則は4安打、森本清三は4打点

 朝日は初回、先頭の坪内道則が左中間に三塁打、森本清三がライト線にタイムリーを放ち1点を先制する。

 朝日は2回から4回まで無安打。5回、一死後田中雅治が四球で出塁、大島渡も四球を選んで一死一二塁、林安夫の三塁線バントが内野安打となって一死満塁、トップに返り坪内が中前に2点タイムリーを放って3-0、一走林は三塁に進んで一死一三塁、森本の中犠飛で4-0とする。

 朝日は7回、5回の守備から田中に代わってライトに入った早川平一が三塁に内野安打、大島渡の右前打で無死一三塁、林の左前タイムリーで5-0、トップに返り坪内の三塁線バントが内野安打となって無死満塁、森本が右前に2点タイムリーを放ち7-1として勝負を決める。

 朝日は9回、先頭の坪内がこの日4安打目となる中前打、森本の一ゴロの間に坪内は二進、酒沢政夫が中前にタイムリーを放って8-0、中谷順次の三塁内野安打で一死一二塁、小林章良が右前にタイムリーを放って9-0と大量リードする。

 朝日先発の林安夫は危なげないピッチングであったが4回のピンチを防いだのが大きい。この時点では1点のリードに過ぎない。先頭の金子裕に三塁内野安打を許し、小島利男に送られて一死一二塁、小松原博喜がセンター右にヒット、坪内からの返球をカットしたピッチャー林がホームに送球して二塁から突っ込んで来た金子はタッチアウト。この後朝日の猛攻が始まる。試合の流れを決めたプレーであった。
 

2017年10月15日日曜日

四番ピッチャー高橋敏


 お伝えしたとおり、昭和18年4月24日、四番ピッチャー高橋敏が名古屋戦で完投勝利を飾りました。

 高橋は昭和18年6月29日の朝日戦でプロ入り初の四番でスタメン出場していますが、この試合ではライトを守っています。したがって、四番ピッチャーでの先発出場はこの試合が初めてのこととなります。

 日本プロ野球史上「四番ピッチャー初試合で勝利と安打を記録した選手」は、

 昭和15年10月12日   浅野勝三郎
 昭和18年  4月13日 別所昭
 昭和18年10月24日 高橋敏
 昭和19年  4月10日 須田博
 昭和19年  5月21日 内藤幸三
 昭和23年  5月20日 藤村冨美男
 平成29年10月  4日 大谷翔平


の7人だけとなります(一部スポニチ参照)。大谷がやったので世の中に大きく紹介されました。

 大谷の場合は、メジャー移籍前年の終盤戦での顔見世興行。藤村も昭和23年は主に四番サードか三番サードで出場しているのでショーマンシップに溢れた顔見世興行と認定できます。

 昭和19年の須田と内藤は人員不足が大きな要因。別所の場合は、前年四番を打っていた岩本義行が再招集となって昭和18年序盤は外野とピッチャーで四番で出ていたことが要因です。

 昭和15年の浅野はレフトかライトで四番を打っていて投げる時は下位に入っていましたが、10月12日は四番ピッチャーに初めて入りました。実質的な二刀流と評価できます。

 7人の中で、勝利打点も記録したのは高橋敏と内藤幸三だけ。勝利投手・勝利打点・猛打賞を記録したのは内藤だけとなります。

 

18年 名古屋vs阪急 11回戦


10月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 名軍 42勝27敗7分 0.609 石丸進一 野口正明
1 0 0 0 1 0 0 0 X 2 阪急 29勝47敗2分 0.382 高橋敏

勝利投手 高橋敏       1勝1敗
敗戦投手 石丸進一 18勝11敗

三塁打 (急)山田

勝利打点 高橋敏 1


四番ピッチャー高橋敏が完投勝利と決勝打

 阪急は初回、先頭の山田伝が左中間に三塁打、上田藤夫は三ゴロに倒れ、下社邦男が四球を選んで一死一三塁、ここで四番ピッチャー高橋敏が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪急は5回、先頭の山田が中前打を放つと二盗に成功、上田が三前に送りバント、サード伊藤健一からの一塁送球が悪送球となる間に三塁に進んでいた山田がホームに還り2-0とする。

 先制打を放った阪急先発の高橋敏は、名古屋打線に4回まで4安打を許すが無失点。5回から7回は無安打に抑える。

 名古屋は8回、先頭の藤原鉄之助が右前打で出塁、続く金山次郎の遊ゴロをショート遠山晴富がエラーして無死一二塁、石丸進一に代わる代打西沢道夫の遊ゴロで金山が二封されて一死一三塁、トップに返り石丸藤吉の遊ゴロの間に三走藤原が還って1-2と1点差に追い上げる。

 高橋敏は9回の名古屋の反撃を三者凡退に抑え、5安打2四球1三振1失点、自責点ゼロの完投で今季1勝目をあげる。四番打者としても初回に決勝打を放って勝利打点を記録した。

 

2017年10月14日土曜日

18年 南海vs西鉄 11回戦


10月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 3 0 3 0 0 0 0   6  南海 26勝50敗2分 0.342 丸山二三雄 政野岩夫 長沼要男
3 2 0 4 2 1 0 0 X 12 西鉄 33勝35敗7分 0.485 重松通雄 野口二郎

勝利投手 重松通雄     9勝17敗
敗戦投手 丸山二三雄 7勝17敗
セーブ      野口二郎   6

二塁打 (西)農人、黒沢、野口明
三塁打 (西)富松、野口二郎2、野口明、中村民雄
本塁打 (南)堀井 1号

勝利打点 富松信彦 4

猛打賞 (南)安井 1 (西)野口二郎 4、野口明 2、黒沢俊夫 3


西鉄、長打攻勢

 西鉄は初回、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、濃人渉は三振に倒れるが、野口二郎が左前打を放って一死一二塁、野口明は遊飛に倒れるが、黒沢俊夫の遊撃内野安打で二死満塁、このチャンスに富松信彦がセンター左後方に走者一掃の三塁打を放って3点を先制する。

 西鉄は2回、先頭の重松通雄が四球で出塁、中村民雄が中前打で続いて無死一二塁、トップに返り中村信一が送りバントを決めて一死二三塁、濃人がレフト線二塁打を放って二者還り5-0とリードを広げる。

 南海は3回、先頭の八木進が四球で出塁、トップに返り猪子利男が三塁線に内野安打、安井亀和と鈴木芳太郎は三振に倒れて二死一二塁、ここで堀井数男がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで3-5と追い上げる。

 西鉄は3回、先頭の黒沢が右中間に二塁打、南海ベンチはここで先発の丸山二三雄から政野岩夫にスイッチ、政野が後続を抑えてこの回は無得点。

 西鉄は4回、先頭の中村信一が四球で出塁、濃人の三ゴロでランナーが入れ替わり、野口二郎が左中間に三塁打を放って6-3、野口明が右中間に二塁打を放って7-3、黒沢が四球を選び、富松が右前打を放って一死満塁、鵜飼勉のレフト線タイムリーで8-3、重松が押出し四球を選んで9-3、南海ベンチはここで三番手として長沼要男を投入、中村民雄の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は5回、一死後安井が右前打、鈴木の三ゴロが野選を誘い、堀井の右前打で一死満塁、別所昭が押出し四球を選んで4-9、岡村俊昭の右犠飛で5-9、中野正雄の左前タイムリーで6-9と再び追い上げる。

 西鉄は5回裏、先頭の中村信一がレフト線にヒットを放ちパスボールで二進、濃人は二飛に倒れるが、野口二郎が2打席連続の三塁打を右中間に放って10-6、野口明も右中間に連続三塁打を放って11-6と再び突き放す。

 西鉄ベンチは6回から先発の重松を下げてライトの野口二郎をマウンドに送り、ライトには山田秀夫が入る。

 西鉄は6回裏、一死後山田が四球を選んで出塁、中村民雄が左中間に三塁打を放って12-6とダメ押す。

 西鉄は6回まで毎回長打、三番野口二郎、四番野口明、五番黒沢俊夫が猛打賞を記録した。

 南海では初回にプロ入り初安打を放った安井亀和が3安打の活躍で猛打賞を獲得。安井は戦後になってその素質を開花させ、一リーグ時代の南海で河西俊雄と一二番コンビを組んで活躍することとなる。河西が3年連続盗塁王となるので河西が一番、安井が二番のイメージが強いが、実際は安井が一番、河西が二番の打順が圧倒的に多い。


*戦後一リーグ時代の南海で河西俊雄と一二番コンビを組んで活躍した当時の安井亀和の直筆サイン入りカード。