2016年11月5日土曜日

史上最年少盗塁記録


 お伝えしたとおり、昭和18年6月22日の大和vs朝日5回戦、5回裏朝日の攻撃で森本清三が記録した三盗は「史上最年少盗塁記録」とされているようです。

 残されている記録が少ないので定かではありませんが、森本清三は大正15(1926)年3月19日生まれとされており、昭和18(1943)年5月9日の巨人戦でプロ入り初出場初ヒットを記録、6月22日に17歳3ヶ月で史上最年少盗塁を成功させました。


 経歴は海草中学から明大を経て朝日入りとされていますが、年齢から明大を経由しているかは疑問。


 さて、6月22日の三盗は単純な盗塁ではありませんでした。


 5回一死後、森本が左打席から三塁線にセーフティバントを決めて出塁し、二死後原秀雄が左前打を放って二死一二塁となりました。続く坪内道則の打席で森本に「三盗」が記録され、原の二進はスコアカードには「2-6’-5」と記載されており、「キャッチャー鈴木秀雄からの二塁送球を捕球したショート木村孝平が三塁に悪送球した」ことになります。


 なお、「雑記」欄には、「ディレードスチール 走者に送球が当る」と書かれています。


 実況中継には「一走原がディレードスチール」と書きましたが、「走者に送球が劣る」と読めたため「原のディレードスチール」としました。よく見直すと「走者に送球が当る」と読めますので、ならばディレードスチールを敢行したのは二走森本であったと考えられ、キャッチャーの二塁送球を見て森本が三塁にスタートを切り、ショート木村孝平からの三塁送球が二走森本に当たって、森本には「盗塁」、原の二進は「悪送球」によるものとされたようです。



*「雑記」欄を再掲します。当初、「走者に送球が劣る」と読めたため、二走森本清三はスタート切っておらず、ショート木村孝平との追いかけっことなって三盗が記録されたのではないかと思いまいましたが、「走者に送球が当る」であればショート木村孝平の悪送球とも符合します。一走原とのダブルディレードスチールであったかもしれませんが、原の進塁には「盗塁」は記録されていません。






*「史上最年少盗塁」の場面。



2 件のコメント:

  1. 森本清三は、早生まれのうえ、高等科2年を経ずに小学校6年のまま海草中に入りました。残された記録の通り明治大に進んだかどうかはハッキリとしませんが、昭和18年4月に東京六大学野球は解散しましたので、野球を続けるために朝日軍に入団したのかもしれません。
    同じ17歳で初出場した選手は翌昭和19年の木暮英路(阪急)がいます。木暮は昭和2年1月30日生まれで、昭和19年5月8日の阪神戦が最初の試合でした。青田昇も17歳の時に初出場を果たしていますね。

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    1. 最年少記録の多くは西沢道夫が記録しています。この視点では見てこなかったので、まだ隠れた記録があるかもしれませんね。

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