2016年8月29日月曜日

18年 第6節 週間MVP


 今節は巨人が5勝0敗で春季逆転優勝を決定、阪神が4勝1敗1分、南海が2勝1敗1分、朝日が4勝3敗、大和が3勝4敗、西鉄が1勝2敗1分、名古屋が1勝5敗1分、阪急が0勝5敗であった。


週間MVP

投手部門

 巨人 藤本英雄 1

 4勝0敗2完封、無安打無得点1回。シーズン序盤はコントロールに苦しみ巨人低迷の戦犯であったが、完全に復調してきた。

 阪神 若林忠志 3

 3勝0敗1完封、延長12回0対0引分けも1試合あった。

 朝日 林安夫 3

 3勝1敗2完封。

 南海 別所昭 2

 2勝1敗2完封、無安打無得点1回。無安打無得点の次の試合は1安打完封で、あわや2試合連続無安打無得点であった。


打撃部門

 巨人 坂本茂 1

 17打数4安打3得点5盗塁。

 巨人 永沢富士雄 1

 16打数2安打4打点、V打点1、並列の殊勲打1。坂本と永沢の数字は目立たないが、巨人の第一期黄金時代は、こうしたバイプレイヤーによって達成されたことを知らなくてはならない。

 朝日 中谷順次 1

 27打数8安打6打点。数字だけなら中谷がNo1であった。


殊勲賞

 大和 渡辺絢吾 1

 5月29日の南海戦で、別所の2試合連続無安打無得点を阻む殊勲のヒットを放つ。筆者も東京六大学準硬式野球リーグ戦で、法大のエースから無安打無得点を阻む中前打を打ったことがあります。大学時代、最大の殊勲打でした(笑)。

 南海 別所昭 1

 こちらは「打者 別所」の表彰です。9打数4安打4打点。打者顔負けのバッティングで、大谷より凄いかも。

 朝日 原秀雄 1

 17打数7安打4打点の活躍。


敢闘賞

 巨人 多田文久三 1

 17打数5安打3盗塁で春季優勝に貢献する。

 巨人 小池繁雄 1

 9打数1安打7四球で上位につなぐ活躍。

 阪急 フランク山田伝 2

 17打数6安打3四球2盗塁。

 阪神 塚本博睦 1

 18打数6安打二塁打3本。


技能賞

 朝日 坪内道則 1

 5月23日の大和戦で1試合4盗塁を決める。

 名古屋 石丸藤吉 2

 18打数2安打7四球。1回目の技能賞も第4節の13打数無安打10四球でした。

 西鉄 中村信一 1

 13打数1安打5四球、前節から9試合連続四球を継続中。

 南海 岡村俊昭 1

 5月30日の大和戦で5打席0打数0安打2犠打2四球1死球。


2016年8月27日土曜日

レッツゴー習志野



 本日はQVCマリンフィールドで、「第11回 BFA U-18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-18代表の壮行試合としてU-18代表vs大学代表の一戦が行われました。

 マリンに鳴り響く習志野高校ブラスバンドが奏でる「レッツゴー習志野」はBSフジなどをご覧になられた方もお聞きになられたことでしょう。


 200人を超える習志野高校吹奏楽部は全国コンクール金賞の常連で、オリジナルの「レッツゴー習志野」はチャンスの時だけに演奏されることになっています。この演奏を聞くために習志野の試合に赴く千葉県高校野球ファンが数多く存在する事実をお伝えしておきます。


 相手チームがタイムをかけるとピタっと演奏を中断するのも習志野の伝統。このマナーは、他の千葉県高校野球応援団にも引き継がれています。

https://www.youtube.com/watch?v=-7o99K8Ud98

18年 阪急vs巨人 4回戦


6月1日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 11勝17敗 0.393 天保義夫 笠松実
0 1 0 0 0 0 0 1 X 2 巨人 17勝9敗2分 0.654 藤本英雄


勝利投手 藤本英雄 9勝4敗
敗戦投手 天保義夫 5勝6敗

本塁打 (巨)中島 2号

勝利打点 多田文久三 1


藤本英雄、2安打完封

 春季リーグ戦は「警戒警報」の影響もあり変則日程を余儀なくされ、6月1日が最終日となった。週間MVPと月間MVPもこの日までを評価対象とします。

 春季最終戦は後楽園球場に約4,000人の観衆を集めて午後2時42分、池田豊球審の右手が上がり試合始め。


 第一試合で名古屋が敗れたため優勝を決めている巨人は2回、一死後青田昇の打球が右前に抜け、不慣れなライトに入った笠松実がファンブルする間に青田は二進、記録はワンヒットワンエラー、永沢富士雄の右飛で二走青田はタッチアップから三進、多田文久三が右前に先制タイムリーを放ち1-0とする。


 巨人は5回、先頭の坂本茂が四球で出塁、阪急ベンチはここで先発の天保義夫を下げてライトから笠松をマウンドに呼び寄せる。坂本は二盗に失敗、白石敏男が四球で出塁、中島治康の二ゴロで白石は二封、中島が二盗を決めて二死二塁とするが、青田は一ゴロに倒れて無得点。


 巨人は8回、一死後中島がライトスタンドにホームランを叩き込んで2-0とする。


 巨人先発の藤本英雄が快投を見せた。初回、先頭の上田藤夫の遊ゴロをショート白石がエラーするが、フランク山田伝を三ゴロ併殺に仕留めて調子の波に乗った。2回、3回は三者凡退。4回、先頭の上田を四球で歩かせるが、山田秀夫のセカンドライナーに上田が帰れずダブルプレー。5回から7回も三者凡退で今季2度目の無安打無得点に期待が高まった。


 藤本は8回、先頭の池田久之に三塁に初ヒットを許し、松本利一は三振に打ち取るが、笠松実に中前打を打たれて一死一二塁、しかし仁木安に代わる代打江田孝を三振、伊藤健一に代わる代打三木久一を右飛に打ち取り踏ん張った。


 最終回も三者凡退に抑えた藤本英雄は2安打1四球6三振で5月22日の無安打無得点に次ぐ今季2度目の完封、9勝目をあげる。シーズン序盤はコントロールに苦しみ、巨人低迷の原因となっていたが、終盤にかけて調子を上げてきた。


 春季リーグ戦を終えて、ハーラートップには別所昭、林安夫、若林忠志、藤本英雄が9勝で並んでいる。



2016年8月26日金曜日

102年ぶり


 いよいよ1914年以来、102年ぶりの快挙が近づいてきました。

 今季の両リーグのMVP最有力候補はア・リーグがヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ、ナ・リーグがワシントン・ナショナルズのダニエル・マーフィーであるところは衆目の一致するところでしょう。


 アルトゥーベもマーフィーも二塁手ですが、両リーグのMVPが二塁手となると、1914年のア・リーグがエディ・コリンズ(フィラデルフィア・アスレチックス)、ナ・リーグがジョニー・エバース(ボストン・ブレーブス)以来、102年ぶりのこととなります(当時はチャルマーズ賞でした)。


 そもそも、一塁手以外の内野手同士のMVPは、1914年エディ・コリンズ(四)とジョニー・エバース(四)、1925年ロジャー・ペッキンポー(六)とロジャース・ホーンスビー(四)、1959年ネリー・フォックス(四)とアーニー・バンクス(六)、1964年ブルックス・ロビンソン(五)とケン・ボイヤー(五)、1980年ジョージ・ブレット(五)とマイク・シュミット(五)、1991年カル・リプケン・ジュニア(六)とテリーペンデルトン(五)、2007年アレックス・ロドリゲス(五)とジミー・ロリンズ(六)しかありません。


 因みにキャッチャー同士は1951年と1955年にヨギ・ベラとロイ・キャンパネラがやっています。


 エディ・コリンズは「タイカップ自伝」によるとタイ・カッブが史上最高の二塁手に選出しており、ジョニー・エバースはシカゴ・カブス時代にショートのジョー・ティンカー、ファーストのフランク・チャンスと史上最高の併殺トリオを組んだ「Tinker to Evers to Chance」で有名です。


*独自の調査結果ですので、間違っている場合はご容赦ください(笑)。





2016年8月25日木曜日

18年 名古屋vs阪神 4回戦


6月1日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 15勝11敗2分 0.577 石丸進一
0 0 0 0 0 0 1 0 X 1 阪神 15勝12敗1分 0.556 若林忠志

勝利投手 若林忠志 9勝3敗
敗戦投手 石丸進一 4勝3敗

二塁打 (神)山口、玉置

勝利打点 野口昇 1


巨人の春季優勝決まる

 名古屋はこの試合に勝てばまだ春季優勝の目が残る。岩本章が怪我のため欠場し、レフトには帰還兵の加藤正二が入った。

 名古屋は3回まで1四球無安打。


 名古屋は4回、先頭の古川清蔵が左前打で出塁、小鶴誠の投ゴロをピッチャー若林忠志が二塁に送球するが、セカンド乾国雄が落球して無死一二塁、吉田猪佐喜の送りバントは投邪飛となって失敗、これはスコアカードの「FF-1」の記述だけでは分からないが、若林のファインプレーの可能性がある。加藤が左前打を放って一死満塁、芳賀直一の投ゴロが「1-2-3」と渡ってダブルプレー。


 名古屋は5回、一死後金山次郎が中前打、石丸進一は一邪飛に倒れるが、トップに返り石丸藤吉がストレートの四球を選んで二死一二塁、しかし古川は中飛に倒れて無得点。


 名古屋は6回、先頭の小鶴誠が四球を選んで出塁、しかし吉田のセカンドライナーに小鶴が還れずダブルプレー。


 名古屋は中盤のこのチャンスを生かせなかったことが敗因となった。


 阪神は7回、二死後若林が四球を選んで出塁、御園生崇男の左前打で二死一三塁、野口昇が中前に決勝タイムリーを放って1-0とする。


 若林忠志は4安打3四球1三振で今季4度目の完封、9勝目をあげる。


 名古屋が負けて、巨人の春季リーグ戦優勝が決まった。




2016年8月22日月曜日

The Black Power Salute


 男子マラソンで銀メダルを獲得したエチオピアのフェイサ・リレサのゴールを見て、メキシコオリンピックを思い起こした方も多いのではないでしょうか。

 手に黒い手袋をはめ、国旗も見ようとはせず抗議の腕を突きあげる姿は、衝撃的なシーンとして生々しく覚えています。


 このような抗議をする必要のない世の中を望みます。




*ネット上の画像より。





*メキシコオリンピック男子200m表彰式。画像は「Wikipedia」より。





*カリフォルニア州立大学サンノゼ校にある銅像Victory Salute。画像は「Wikipedia」より。






2016年8月21日日曜日

応援メッセージランキング1位


 当然福原愛でしたね。

 リオオリンピックについては福原の負けた試合しか書きませんでしたが、夏休みと重なったこともあり、見まくっていましたね。


 NHKに寄せられた応援メッセージランキング1位はやはり福原愛でした。皆さんよく分かっていらっしゃいます。 


 勝つと分かっている試合にはあまり興味がわかないのが当ブログの性格です。判官贔屓は世の常ですよ。


 何でもかでも効率を求める現在では、「判官贔屓」は悪い意味にされているようです。そうでしょうか?甲子園では、弱い方のチームに拍手が起こります。本日の決勝戦でもそうでしたね。


 未来永劫、頼朝よりも義経の方が人気があります。日本の世の中とは、そういうものです。



18年 大和vs朝日 4回戦


5月31日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 大和 12勝15敗1分 0.444 片山栄次
0 0 0 0 0 0 4 0 X 4 朝日 17勝11敗 0.607 林安夫

勝利投手 林安夫     9勝5敗
敗戦投手 片山栄次 5勝10敗

二塁打 (朝)坪内、早川

勝利打点 なし


林安夫、無四球完投勝利

 朝日は初回、一死後酒沢政夫が三塁にヒット、中谷順次も左前打で続いて一死一二塁、浅原直人は中飛に倒れて二死一二塁、ここで重盗を試みるがキャッチャー鈴木秀雄からの三塁送球にタッチアウト。

 朝日は4回、二死後浅原が四球から二盗に成功、早川平一の三ゴロをサード大塚鶴雄がエラーして二死一三塁、しかし林安夫は右飛に倒れて無得点。


 朝日は6回、先頭の坪内道則が左中間に二塁打、坪内が三盗を試みるが又もキャッチャー鈴木が刺して盗塁失敗、酒沢政夫沢村栄治 が中飛に倒れ、中谷が左前打で出塁するとディレードスチールを試みるが、「1-3-4」と送球されてタッチアウト。


 朝日は7回、先頭の浅原がライト線にヒット、早川の三前送りバントをサード大塚が二塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一二塁、林の遊ゴロで早川が二封されて一死一三塁、林が二盗を決め、森本清三は四球を選んで一死満塁、広田修三の三ゴロをサード大塚が本塁に悪送球して三走浅原が生還、1点を先制する。なお一死満塁から、原秀雄が中前に2点タイムリーを放ち3-0、一死一二塁から坪内の捕前ゴロをキャッチャー鈴木が三塁に送球するがセーフ、この回2個目の野選が記録されて再度一死満塁、酒沢の中犠飛で4-0とリードを広げる。


 朝日先発の林安夫は盤石のピッチングを見せ、6回まで3安打無失点。7回、8回を三者凡退に抑えて9回を迎える。


 大和は9回、先頭の渡辺絢吾が右前打で出塁、トップに返り木村孝平は投前バントで犠打が記録された。流石に4点ビハインドの9回で送りバントはないので、セーフティーバントが犠打にだったのでしょう。一死二塁となって苅田久徳が中前にタイムリーを放ち1点を返すが反撃もここまで。苅田が春季最終戦の最後の打席で意地を見せた。


 林安夫は5安打無四球3三振の完投で9勝目をあげる。




2016年8月20日土曜日

いつでも夢を


 ちょっとリオの陰に隠れていますが、北海高校の快進撃が止まりません。

 夏の大会は1928(昭和3)年の北海中学時代にベスト4進出以来で、決勝進出は初となります。因みに昭和3年の準決勝では平安中学の伊藤次郎にノーヒットノーランをやられて涙を呑みました。伊藤次郎は台湾からの留学生で、当時の平安には台湾からの選手が何人か在籍していました。昭和11年に職業野球が始まるとセネタースに入団して、12年以降の投打にわたる活躍は当ブログでもお伝えしております。


 北海の決勝進出と言えば、1963(昭和38)年のセンバツで池永正明を擁する下関商業と対戦した時以来となります。この時は池永の剛腕に屈し、10対0で完敗しました。この大会で入場行進曲に採用されたのが前年に橋幸夫と吉永小百合のデュエットでレコード大賞を獲得して260万枚の大ヒットした「いつでも夢を」でした。


 テンポのいい曲なので行進曲にアレンジし易いでしょうね。2003年に採用された平井堅の「大きな古時計」の時は、あれをどうやって行進曲にアレンジするのか心配になったものです(笑)。


 センバツの入場行進曲と言えば、1986年の岩崎良美の「青春」が秀逸でしょうね。
「タッチ」の第28話以降のエンディングに採用された名曲です。応援歌の定番である「タッチ」の主題歌は、不思議なことにセンバツ入場行進曲に採用されていません。お堅い高野連には、初期の「タッチ」は理解できなかったのでしょうね。当時の保守本流の野球人が、「あれが野球漫画?」と訝っていたのは事実です。


18年 南海vs大和 4回戦


5月30日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 南海 12勝15敗1分 0.444 別所昭
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 大和 12勝14敗1分 0.462 小松原博喜 畑福俊英

勝利投手 別所昭        9勝9敗
敗戦投手 小松原博喜 0勝1敗

二塁打 (南)別所、長谷川

勝利打点 堀井数男 1


別所昭、今度は1安打完投勝利

 春季最終戦となる南海は5月26日の前回登板でノーヒットノーランをやった別所昭が先発、大和は今季初登板となる小松原博喜が先発する。

 南海は初回、先頭の猪子利男が四球で出塁すると二盗に成功、岡村俊昭が死球を受けて無死一二塁、中野正雄の遊ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、堀井数男の遊ゴロの間に三走猪子が還って1点を先制、別所昭が中越えに二塁打を放って2-0とする。


 南海は2回、先頭の長谷川善三がレフト線に二塁打、鈴木芳太郎は三振、加藤喜作の投ゴロで二走長谷川が三塁に走るとピッチャー小松原が三塁に送球してタッチアウト、トップに返り猪子は四球、岡村もストレートの四球を選んで二死満塁、大和ベンチはここで先発の小松原から畑福俊英にスイッチ、中野は左飛に倒れて無得点。


 1回、2回と三者凡退に終わった大和は3回、先頭の鈴木秀雄が四球を選んで出塁、吉水幸夫が送って一死二塁、渡辺絢吾が右前にタイムリーを放って1-2とする。


 3回に1安打で1点を失った別所は、4回以降大和打線を無安打に抑え、1安打3四球4三振1失点の完投で9勝目をマークする。18イニングスで被安打1となる。3回にタイムリーを打たれていなければ2試合連続無安打無得点であった。米国大リーグでは1938年6月11日と15日に、ジョニー・ヴァンダー・ミーアが2試合連続無安打無得点を達成しているが、日本のプロ野球ではまだ達成されていない。


 別所の2試合連続無安打無得点を阻んだのが、好調が続く渡辺絢吾であった。この男、まだ何かやりそうである。




2016年8月19日金曜日

18年 朝日vs西鉄 4回戦


5月30日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 朝日 16勝11敗 0.593 真田重蔵
0 1 0 0 2 0 0 0 X 3 西鉄 8勝17敗3分 0.320 近藤貞雄 重松通雄 野口二郎

勝利投手 重松通雄 3勝9敗
敗戦投手 真田重蔵 4勝4敗
セーブ    野口二郎 1

勝利打点 富松信彦 2


重松通雄、リリーフで好投

 朝日は残る2試合に連勝して本日後楽園の第二試合で行われる巨人vs名古屋戦の勝者が6月1日の最終戦に敗れるか引き分けた場合のみ、春季リーグ戦逆転優勝の目が残る。

 朝日は初回、先頭の坪内道則が四球を選ぶと二盗に成功、酒沢政夫がセオリーどおり三前に送りバントを決めて一死三塁、中谷順次が左前にタイムリーを放ち幸先よく1点を先制する。


 朝日は2回、一死後小林章良が四球を選んで出塁、森本清三は左飛に倒れるが、真田重蔵の右前打で二死一三塁、原秀雄が中前にタイムリーを放って2-0とする。西鉄ベンチはここで早くも先発の近藤貞雄から下手投げの重松通雄にスイッチ、坪内は四球を選んで二死満塁、しかし酒沢は三振に倒れて追加点はならず。


 西鉄は2回裏、一死後山田秀夫が四球で出塁、重松のライト線ヒットで一死一三塁、宇野錦次に代わる代打祖父江東一郎の中犠飛で1-2と詰め寄る。


 西鉄二番手の重松通雄は、3回以降8回まで内野安打1本の好投を見せる。


 西鉄は5回、先頭の祖父江の当りは遊ゴロ、これをショート酒沢がエラー、トップに返り中村信一が右前打を放ち無死一二塁、濃人渉が送りバントを決めて一死二三塁、ここで富松信彦が中前に2点タイムリーを放って3-2と逆転する。


 朝日は9回、一死後小林がレフト線にヒット、代走に野本良雄を起用、森本が三塁線にバントヒットを決めて一死一二塁と最後の反撃を見せる。すると西鉄ベンチは重松からエース野口二郎にスイッチ、真田に代わる代打内藤幸三は右飛、原は投ゴロに倒れて西鉄が春季最終戦を制す。


 重松通雄は6回3分の2を3安打2四球2三振の好投で3勝目をあげる。重松が朝日の息の根を止めた。




18年 巨人vs名古屋 4回戦


5月30日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 3 0 4 巨人 16勝9敗2分 0.640 藤本英雄 須田博
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 名軍 15勝10敗2分 0.600 森井茂 西沢道夫 石丸進一

勝利投手 藤本英雄 8勝4敗
敗戦投手 森井茂     3勝2敗

三塁打 (巨)中島、呉

勝利打点 なし


巨人、決戦を制す

 春季優勝を賭けた決戦、名古屋の先発は森井茂であった。

 森井は超スローボールを駆使して決死の好投を見せる。初回、呉昌征を二ゴロ、坂本茂を三ゴロ、白石敏男も三ゴロに打ち取り三者凡退。巨人打線は森井の緩球を引っ掛けている。2回、先頭の中島治康も三ゴロ、しかしサード芳賀直一からの一塁送球が悪送球となり中島は二進、ここも青田昇を二飛、永沢富士雄を左飛、多田文久三を遊ゴロに打ち取り無失点。3回、小池繁雄を三振、藤本英雄を遊ゴロ、呉が森井のスローボールに合わせて流し打ちを試みるも遊ゴロに倒れて三者凡退。


 森井は4回も坂本を三ゴロ、白石を遊ゴロ、中島を遊ゴロに打ち取り三者凡退。巨人打線は森井の術中にはまっている。


 巨人は5回表、先頭の青田昇が中飛、永沢は右飛、多田は三前に内野安打、小池は投ゴロに倒れて無得点。但し、打球方向から見ると徐々に森井のスローボールに合ってきているようだ。


 名古屋は5回裏、一死後藤原鉄之助が中前打で出塁、金山次郎の右前打で一死一二塁、森井の遊ゴロで金山が二封されて二死一三塁、トップに返り石丸藤吉が右前に先制タイムリーを放ち1-0、岩本章も左前にタイムリーを放って2-0とリードする。


 森井は6回も続投する。先頭の藤本を三振、トップに返り呉を遊ゴロに打ち取り、坂本にはストレートの四球から二盗を許すが、白石を右飛に打ち取りこの回も無失点。


 巨人は7回、先頭の中島がセンターに三塁打、「雑記」欄には「突込みすぎ」と書かれており、センター古川清蔵が突っ込んだが後逸したようだ。記録は三塁打。青田は浅い右飛に倒れて一死三塁、永沢の右飛で三走中島がタッチアップから生還、永沢の犠飛で巨人が1-2と反撃する。


 巨人は8回、先頭の小池に代わる代打小暮力三が左前打を放って出塁すると代走に林清光を起用、藤本の投前バントをピッチャー森井が二塁に送球して林は二封、トップに返り呉が左中間に三塁打を放って2-2の同点、「雑記」欄には「中堅手転倒」と書かれており、センター古川がつまずいて転んだのか、ダイビングキャッチを試みて左中間に抜けていったのか、名古屋ベンチはここで力投を続けてきた森井をベンチに下げて西沢道夫をリリーフのマウンドに送る。坂本はストレートの四球から二盗を決めて一死二三塁、白石も四球を選んで一死満塁、更に西沢のワイルドピッチで3-2と逆転、一死二三塁から中島の中犠飛で4-2とする。


 リードを奪ったところで巨人ベンチは先発の藤本から須田博にスイッチ、須田は8回、先頭の古川に左前打を許すが小鶴誠を遊ゴロ併殺に打ち取り、吉田猪佐喜もレフトライナーに抑えて無失点。


 名古屋は9回から石丸進一を三番手のマウンドに送り、石丸は二死後三好主に中前打を許すが須田を遊ゴロに打ち取る。


 名古屋は9回裏、先頭の芳賀に代わる代打桝嘉一が左飛、藤原は一飛に倒れ、金山に代わる代打加藤正二の二ゴロをセカンド坂本がエラーして二死一塁、最後は石丸進一に代わる代打野口正明が投ゴロに倒れ、巨人が春季優勝に向けて大きく前進する。



 名古屋の敗因は森井茂を引っ張り過ぎた継投策にあった。5回から巨人打線が森井のスローカーブに合ってきており、巨人と同じようにリードを奪った6回から西沢道夫を投入していたらどう転んでいたか分からない。


 逆に言うと名古屋首脳陣の森井茂に対する信頼感の現れでもある。当ブログ指摘しているとおり、森井は課題であったコントロールが改善して安定感を増してきており、行けるところまで森井で押そうというのが名古屋首脳陣の考えであったようだ。20勝をあげた昭和15年以降は安定感を欠く西沢道夫と、投手転向後間のない石丸進一には、あまり信頼を置いていないようである。




2016年8月18日木曜日

18年 阪神vs阪急 4回戦


5月30日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 1 2 阪神 14勝12敗1分 0.538 若林忠志
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 阪急 11勝16敗 0.407 森弘太郎 天保義夫

勝利投手 若林忠志 8勝3敗
敗戦投手 天保義夫 5勝5敗

勝利打点 若林忠志 2

猛打賞 (神)若林忠志 1


若林、鬼神の如く

 阪神は2回、先頭の山口政信が四球で出塁するが、玉置玉一の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は2回裏、一死後松本利一が左中間に二塁打、森弘太郎は四球を選んで一死一二塁、仁木安の一ゴロでピッチャー若林忠志が一塁ベースカバーに入り「3-1A」でアウト、二死二三塁から伊藤健一は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。


 阪神は3回、先頭の若林忠志が左前打で出塁、乾国雄の投前送りバントをピッチャー森弘太郎が二塁に送球して一走若林は二封、武智修が左前打を放って一死一二塁、しかしトップに返り塚本博睦は中飛、上田正は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。


 阪神は4回、先頭のカイザー田中義雄が左前打、山口の遊ゴロでランナーが入れ替わり、玉置の中前打で一死一三塁、玉置が二盗を決めて一死二三塁、門前真佐人の遊ゴロをショート中村栄がエラーする間に三走山口が還って1点を先制する。しか二走玉置は二三塁間に挟まれ「6-4-5」と渡ってタッチアウト、若林が左前打を放って一死一塁、しかし乾のセーフティバントをピッチャー森が処理してスリーアウトチェンジ、この回は1点止まりであった。


 阪急は4回裏、先頭の池田久之が三塁線にヒット、松本の右前打で無死一二塁、ここで松本が二盗、キャッチャー田中からの二塁送球が悪送球となる間に三走池田が還って1-1の同点とする。
 阪神は6回、先頭の山口が左前打、玉置の投前送りバントが野選を誘い無死一二塁、門前は三振に倒れて一死一二塁、阪急ベンチはここで先発の森から天保義夫にスイッチ、若林は左飛、乾も三ゴロに倒れて無得点。


 1対1のまま迎えた9回表、一死後若林がレフトスタンドに決勝ホームラン、若林は9回裏の阪急の反撃を三者凡退に抑えて阪神が接戦をものにする。


 若林忠志は6安打2四球4三振1失点、自責点ゼロの完投で8勝目をあげる。決勝本塁打を含む猛打賞を記録し、別所昭、林安夫と並んでハーラートップに躍り出る。鬼神の如き活躍であった。




2016年8月16日火曜日

18年 大和vs朝日 3回戦


5月29日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 16勝10敗 0.615 畑福俊英
0 5 0 0 2 0 0 1 X 8 朝日 12勝13敗1分 0.480 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三 4勝2敗
敗戦投手 畑福俊英 3勝2敗

勝利打点 なし


朝日、首の皮一枚残る

 ダブルヘッダー第二戦は大和が畑福俊英、朝日が内藤幸三と昭和11年のプロ野球初年度から参入している両投手が先発。

 畑福は、巨人在籍時代の昭和11年7月10日、第1回全日本野球選手権大会大阪大会において阪急を相手に勝利投手となり、巨人軍公式戦初勝利投手となった。因みに畑福は、酒の飲み過ぎから翌年新球団のイーグルスにトレードに出され、イーグルスでも公式戦初勝利投手となっている。2つの異なる球団で公式戦初勝利をあげる投手は、未来永劫畑福俊英以外には出現しないでしょう。

 一方の内藤は、非公式戦ながら我が国初の職業野球チーム同士の対戦(日本運動協会vs天勝野球団の対戦を除く)となった昭和11年2月9日の金鯱vs巨人戦で7回からリリーフ登板し、我が国初の「セーブ」を記録している。因みに勝利投手は先発して6回まで投げたスリム平川でした。

 朝日は2回、先頭の浅原直人が二遊間にヒット、早川平一は四球、内藤の一塁線ヒットで無死満塁、小林章良の当りは三ゴロ、サード大塚鶴雄の本塁送球に悪送球が記録されて三走浅原が生還、1点を先制する。「雑記」欄には「走者に劣る」と書かれているので、三前のボテボテの当りとなってサード大塚と三走浅原との競走になったケースが考えられる。こうなると、元陸上選手の浅原に軍配が上がる。なお無死満塁から森本清三ライト線にタイムリーを放って2-0、原秀雄も中前にタイムリーで続いて3-0、なお無死満塁が続き、トップに返り坪内道則の遊ゴロの間に三走小林が還って4-0、一死二三塁から酒沢政夫の一ゴロの間に三走森本が還ってこの回5点を先制する。

 朝日は5回、一死後中谷順次の遊ゴロをショート木村孝平がエラー、浅原は四球、早川も四球を選んで一死満塁、内藤の二ゴロでセカンド苅田はゲッツーを狙って二塁に送球、ショート木村からの一塁送球が悪送球となる間に三走中谷に続いて二走浅原も生還、無安打で2点を追加して7-0とする。


 朝日は8回、先頭の小林がライト線ヒットから捕逸で二進、森本の三塁線ヒットで無死一三塁、原の二ゴロ併殺の間に三走小林が還って8-0と突き放す。


 朝日先発の内藤幸三は快心のピッチングを見せて4安打6四球6三振、今季2度目の完封で4勝目をあげる。竹内愛一の監督としての功績は林安夫を一流投手に育てたことがあげられるが、内藤を再生させた功績も大きい。


 ダブルヘッダー初戦の負けで朝日は開き直ったか、31日の巨人vs名古屋戦に勝ったチームが6月1日の春季最終戦に敗れるか引き分けた場合のみ、まだチャンスが残っている。




18年 朝日vs大和 2回戦


5月29日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 朝日 15勝10敗 0.600 林安夫
0 0 0 0 0 0 2 1 X 3 大和 12勝12敗1分 0.500 片山栄次

勝利投手 片山栄次 5勝9敗
敗戦投手 林安夫     8勝5敗

勝利打点 大塚鶴雄 2


朝日、終戦

 現在15勝9敗で春季優勝を狙う朝日は甲子園で大和とダブルヘッダー。勝率で並ぶ巨人と名古屋は15勝9敗2分で、5月30日に直接対決が行われ、春季最終戦は6月1日に巨人は阪急と、名古屋は阪神と対戦する。5月31日に勝ったチームが2連勝すると17勝9敗2分が着地となるので、朝日は残り4試合を3勝1分か4連勝でいかないと勝ち目はない。

 今季は東西の移動が制限され、関西を本拠地とする朝日と関東を本拠地とする大和との対戦は最終節まで無かった。5月23日に甲子園で1回戦が行われ、本日がダブルヘッダーで、5月31日に甲子園で4回戦が行われる予定となっている。


 エース林安夫を立てて必勝を期す朝日は3回、先頭の原秀雄が三前にセーフティバントを決めて出塁、トップに返り坪内道則の右前打で無死一二塁、続く酒沢政夫の三前バントが犠打野選となって無死満塁と絶好のチャンス到来、中谷順次のピッチャー強襲ヒットで三走原に続いて二走坪内も還って2点を先制する。一走酒沢も三塁を狙うが、バックアップのショート木村孝平からサード大塚鶴雄に送球されてタッチアウト、浅原直人は四球で一死一二塁、早川平一の一前バントが犠打となって二死二三塁、林は四球で二死満塁、小林章良は三ゴロに倒れて追加点はならず。


 朝日は6回、一死後小林が中前打、広田修三も中前打で続いて一死一二塁と追加得点のチャンス、しかし原に代わる代打大友一明の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。


 大和は7回、先頭の大塚が四球を選んで出塁、呉新亨が一二塁間に内野安打、セカンド大友が間に合わない一塁に投げるがこれが悪送球となって無死二三塁、ここで鈴木秀雄が右前に同点の2点タイムリーを放って2-2と追い付く。


 大和は8回、一死後金子裕が四球で出塁、小松原博喜の右前打で一死一二塁、大塚の遊ゴロの間に二走金子が本塁を陥れる快走を見せて3-2と逆転、大塚には打点が記録されており、これが勝利打点となる。


 力尽きた朝日に反撃する力は残されておらず、9回表の攻撃は三者凡退で終了した。


 片山栄次は8安打2四球2三振の完投で5勝目をマークする。4月25日の名古屋戦で4勝目をあげてから6連敗していたが、1か月ぶりの勝利で朝日の野望を砕いた。


 朝日はこの敗戦で苦しくなったが、この戦力で王者巨人、強力打線の名古屋と最後まで優勝争いを演じる大健闘であった。竹内愛一の監督としての能力は高く評価されるべきでしょう。


 大和もこの戦力で5割に復帰、こちらも苅田久徳のプレイングマネージャーとしての手腕が冴えた。




2016年8月15日月曜日

野武士


 豊田泰光氏の訃報が伝わっています。

 筆者が西鉄ライオンズファンになったのは小学校6年の時、黒い霧事件でみんなが西鉄を苛めているので、「じゃぁ、俺がファンになてやろ~じゃねぇか~」というのがきっかけでした。


 最初は河原、基、ポインター、東田、竹之内、東尾などを見ていましたが、しばらくして西鉄に黄金時代があったことを知り、市川市立図書館に行って読売新聞の縮刷版で黄金時代の西鉄ライオンズのことを調べたものです。46年前なのでインターネットはありませんでした(笑)。


 豊田のことを知ったのもその頃だったと思います。三原監督が流線型打線の要となる二番に豊田を据えたこともその頃知りました。守備は下手でも打撃とガッツは一流、そんなイメージでしたね。当時の西鉄が「野武士軍団」と言われたのも、豊田の存在が大きかったのではないでしょうか。


 ご冥福をお祈りいたします。


*当ブログでは、「野球人」と認定した場合は例外なく「呼び捨て」とさせていただいております。したがって、文中敬称略とさせていただきますのでご了承ください。


*昭和28年の豊田泰光の直筆サイン。現存する豊田のサインでは最も古いものではないでしょうか。


*以下は、当時の熱狂的西鉄ファンが残してくれた西日本新聞のスクラップです

*昭和33年4月24日の阪急戦。「九回二死後何でもない遊ゴロをファンブルして、そのあと人見の中前テキサスで同点にされているだけに、持ち前のファイトを燃やしていたのだろう。豊田とはそういう男である。」




*昭和32年日本シリーズのオーダー。一番(八)高倉、二番(六)豊田、三番(五)中西、四番(九)大下、五番(八)関口の流線型打線。


*昭和31年ドジャースとの日米野球。全日本でも二番を打っています。





3チーム首位に並ぶ


 昭和17年春季シーズンは今節が最終週。5月28日の時点で名古屋が15勝9敗2分、巨人が15勝9敗2分、朝日が15勝9敗で、3チームが勝率6割2分5厘で並んだ。

 この後の日程は、5月29日の甲子園で朝日vs大和のダブルヘッダーが行われ、5月30日の後楽園で巨人vs名古屋の決戦が予定されている。


 今節は「警戒警報」の影響で変則開催となっており、また、今季は東西の移動が制限されて日程編成が偏った影響から、最終節に朝日vs大和の対戦が4試合まとめて行われることとなっている。6月1日に巨人vs阪急の4回戦と名古屋vs阪神4回戦が行われて春季の全日程が終了する予定で、残り試合の多い朝日の成績如何では、最終日まで予断を許さない状況となっている。




18年 阪神vs名古屋 3回戦


5月28日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 2 1 0 3 阪神 13勝12敗1分 0.520 仁科栄三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 15勝9敗2分 0.625 森井茂 野口正明

勝利投手 仁科栄三 1勝0敗
敗戦投手 森井茂     3勝1敗

三塁打 (神)門前

勝利打点 門前真佐人 1


仁科栄三、生涯唯一の完封勝利

 阪神は仁科栄三がプロ入り初先発。

 阪神打線は6回まで1安打、2度の併殺もあり無得点。


 阪神は7回、二死後カイザー田中義雄がレフト線にヒット、大島武に代わる代打門前真佐人が右中間に三塁打を放って1点を先制、乾国雄に代わる代打御園生崇男が左前にタイムリーで続いて2-0とする。阪神の代打攻勢が効を奏した。


 阪神は8回、一死後武智修がレフト線にヒット、トップに返り塚本博睦の当りはライト線ヘのポテンヒット、ライト岩本章からの返球をセカンド石丸藤吉が逸らす間に一走武智は三塁に、打者走者の塚本も二塁に進んで一死二三塁、7回裏の守備からセカンドに入っていた平林栄治の左犠飛で3-0とする。


 昨年北神商業から内野手として入団した仁科栄三は昭和17年9月14日の大洋11回戦で三番手としてプロ入り初登板、今季もここまで2度リリーフで登板しているがこの日が初先発。初回、先頭の石丸藤吉を四球で歩かせるが、岩本を三ゴロに打ち取り石丸藤吉は二封、古川清蔵のサードライナーに一走岩本が戻れずダブルプレー。2回は一死後吉田猪佐喜に三塁内野安打を許すが、芳賀直一を投飛、藤原鉄之助を投ゴロに打ち取る。3回は三者凡退。


 4回、一死後古川に四球を与えると二盗を決められ、小鶴誠も歩かせて一死一二塁、ここも吉田を左飛、芳賀を遊ゴロに打ち取る。


 5回、先頭の藤原に中前打を許し、金山次郎に送られて一死一二塁、しかし森井茂を三ゴロ、トップに返り石丸藤吉を遊ゴロに打ち取る。6回は三者凡退に抑えてここまで無失点。


 7回表に先取点をプレゼントされたその裏、先頭の吉田を四球で歩かせ、芳賀の一ゴロで吉田は二進してスコアリングポジションに走者を背負うが、藤原を捕邪飛、金山を左飛に打ち取りここも無失点。8回は三者凡退。


 9回、二死後吉田に中前打を許すが、最後は芳賀を中飛に打ち取り逃げ切る。


 仁科栄三は3安打4四球1三振、プロ入り初先発を完封で飾った。プロ生活で唯一の完封勝利である。


 仁科の母校北神商業(現・神戸市立兵庫商業高等学校)は昭和15年、夏の甲子園に出場し、このチームから野本良雄、高柳常治、仁科栄三の3人がプロ入りしている。「Wikipedia」によると、市立兵庫商業は野球の名門「市神港」(神戸市立神港高等学校)と再編・統合され、2018年3月に廃校となる予定とのことで、その後は仁科栄三は、二出川延明、山下実、山口高志などと共に、「市神港OB」として紹介されることとなる予定である。




*昭和15年甲子園出場時の北神商業ナイン(全国高等学校野球選手権大会50年史より)。仁科栄三は投手だった。




2016年8月14日日曜日

18年 西鉄vs朝日 3回戦


5月26日 (水) 神戸市民

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 西鉄 7勝17敗3分 0.292 野口二郎 重松通雄
1 0 0 0 0 0 0 0 X 1 朝日 15勝9敗 0.625 林安夫


勝利投手 林安夫     8勝4敗
敗戦投手 野口二郎 5勝6敗

二塁打 (朝)坪内

勝利打点 浅原直人 5


坪内が出て、浅原が返し、林が抑える

 朝日は初回、先頭の坪内道則がレフト線に二塁打、酒沢政夫は三邪飛、中谷順次は遊ゴロで坪内が三進して二死三塁、ここで四番・浅原直人が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 このスミ一を林安夫が守り抜いた。3回まで三者凡退のパーフェクトピッチング。4回、先頭の中村信一に四球を与えるが、富松信彦を三振、濃人渉を左飛、野口明も左飛に抑えて無失点。


 5回、先頭の黒沢俊夫を二ゴロに打ち取るがセカンド原秀雄がエラー、中村民雄の三ゴロで黒沢を二封、重松通雄の三ゴロで中村民雄を二封、山田秀夫に右前打を許して二死一三塁のピンチを迎えるが、宇野錦次を遊ゴロに打ち取りこの回も無失点。


 6回、一死後富松に中前打を打たれ、濃人に四球を与えて一死一二塁のピンチ、ここも野口明、黒沢を連続左飛に打ち取る。7回は一死後、重松に四球を与えるが牽制で刺し、山田を中飛に抑えて無失点。8回は三者凡退。


 林は9回、一死後野口明に中前打を許し代走に村瀬秀孝、黒沢にも中前打を打たれて一死一二塁、中村民雄を歩かせて一死満塁の大ピンチ、続く重松の当りはサードライナー、三走村瀬が戻れずサード中谷が三塁ベースを踏んでダブルプレー、あっけない幕切れとなった。


 林安夫は4安打4四球1三振で今季6度目の完封、8勝目をあげる。


 西鉄先発の野口二郎は1イニングを投げただけで降板し、重松通雄が2回から8回までの7イニングを1安打1四球1三振無失点に抑えた。


 朝日は坪内が出て、浅原が返し、林が抑える必勝パターンで巨人と並ぶ二位をキープして、首位名古屋を半ゲーム差で追っている。




2016年8月13日土曜日

18年 大和vs南海 3回戦


5月26日 (水) 神戸市民

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 11勝12敗1分 0.478 片山栄次
0 2 0 0 0 0 0 0 X 2 南海 11勝15敗1分 0.423 別所昭

勝利投手 別所昭     8勝9敗
敗戦投手 片山栄次 4勝9敗

二塁打 (南)堀井、岡村、鈴木

勝利打点 別所昭 1


別所昭、ノーヒットノーラン

  この日の関西は神戸市民球場に約1,700人を集めて2試合が行われた。

 別所昭が快投を見せた。

 初回、一死後苅田久徳に四球を許すが、金子裕を二ゴロ、小松原博喜を遊ゴロに打ち取る。


 南海は2回、先頭の堀井数男が左中間に二塁打、別所が右前に先制タイムリーを放って1-0、八木進の三ゴロをサード鈴木秀雄が一塁に悪送球して無死一二塁、長谷川善三が送りバントを決めて一死二三塁、鈴木芳太郎の左前タイムリーで2-0とする。


 先制打を放った別所は2回から6回まで三者凡退の連続、6回まで外野に打球は飛んでいない。


 別所は7回、先頭の苅田に2個目の四球を与えるが、金子の投ゴロを捌いて「1-6-3」のゲッツー、小松原も遊飛に抑えて依然として無安打無得点。


 別所は8回、先頭の呉新亨を右飛に打ち取る。この試合初めて外野に飛球を運ばれたが動じるところはなく、渡辺絢吾を一ゴロ、吉水幸夫を三ゴロに打ち取り三者凡退。更に9回、先頭の片山栄次に代わる代打畑福俊英を遊ゴロ、鈴木秀雄を三振、最後は木村孝平を中飛に打ち取り無安打無得点を達成する。


 別所昭は無安打2四球7三振、今季4度目の完封で8勝目をマークする。自ら決勝打を放って勝利打点も記録した。


 片山栄次も9回を完投して8安打を打たれたものの無四球ピッチングであった。




2016年8月12日金曜日

18年 巨人vs阪急 3回戦


5月26日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 3 0 3 巨人 15勝9敗2分 0.625 藤本英雄
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 阪急 11勝15敗 0.423 笠松実

勝利投手 藤本英雄 7勝4敗
敗戦投手 笠松実     3勝2敗

二塁打 (巨)呉

勝利打点 永沢富士雄 1


ベテラン永沢の一振り

 序盤戦は巨人のペースで試合が進んだ。

 巨人は2回、二死後永沢富士雄が四球を選んで出塁、多田文久三が二遊間にヒット、小池繁雄も四球を選んで二死満塁とするが、藤本英雄は右飛に倒れて無得点。


 巨人は3回、先頭の呉昌征が中越えに二塁打を放ち、坂本茂はセカンドに進塁打となるゴロを転がし一死三塁、しかし白石敏男は捕邪飛、中島治康は右飛に倒れてこの回も無得点。


 巨人は5回、先頭の小池が左前打、藤本が送って一死二塁、トップに返り呉は三振、坂本の内野安打で二死一三塁、白石が四球を選んで二死満塁とするが、中島は遊ゴロに倒れてここも無得点。


 中盤は阪急が盛り返す。


 阪急は6回、二死後上田藤夫が右前打、フランク山田伝も二塁への内野安打で続いて二死一二塁、しかし下社邦男は遊飛に倒れて無得点。


 阪急は7回、一死後池田久之の遊ゴロをショート白石がエラー、笠松実の三塁内野安打で一死一二塁とするが、仁木安の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。


 7回まで両軍無得点の試合が8回に動く。


 巨人は8回、先頭の坂本が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、白石のバントも内野安打となって無死一二塁、中島が投前に送りバントを決めて一死二三塁、青田昇は歩かされて一死満塁、ここでベテラン永沢が中前に殊勲の2点タイムリー、多田は右飛に倒れ、小池が四球を選んで二死満塁、藤本が左前に追撃のタイムリーを放って3-0とする。


 阪急は8回裏、二死後上田が四球で出塁、山田も四球を選んで二死一二塁、下社の中前打で二死満塁、この試合プロ入り初の四番に起用されながら3打席連続三振の松本利一に代わる代打江田孝が押出し四球を選んで1-3、池田の右前打で2-3、二走下社も三塁ベースを蹴って同点のホームを狙うが、ライト中島からのバックホームにタッチアウト、1点差で破れる。


 藤本英雄は6安打4四球7三振の完投で7勝目をあげる。今季の藤本は開幕からコントロールに苦しみ巨人低迷の因となってきたが、5月22日の無安打無得点で復活、この日も8回に四球で崩れかけたが、ベテラン永沢の一振りと、中島の強肩に救われた。


 巨人はこれで8連勝、首位名古屋に肉薄してきた。




2016年8月11日木曜日

本塁打王5人


 既報のとおり、加藤正二が戦場から戻ってきました。

 昭和18年の名古屋は、開幕から外野陣はレフト吉田猪佐喜、センター古川清蔵、ライト岩本章でしたが、ここまで3本で本塁打王の岩本がベンチに下がり、6月から帰還兵・加藤正二がライトに入ることとなります。


 この年名古屋は、岩本章、古川清蔵、加藤正二が4本で3人並びの本塁打王となりますが、6月から加藤の復帰で試合出場が激減する岩本章は59試合で208打数41安打4本塁打、6月から復帰する加藤正二は58試合で216打数51安打4本塁打、古川清蔵はほぼフル出場して80試合で303打数59安打4本塁打と、三人三様の成績での並びの本塁打王となったのです。


 ショートの金山次郎も昭和19年に3本で本塁打王となり、ファーストの小鶴誠は戦後昭和25年に51本で本塁打王と、昭和18年の名古屋打線には5人の本塁打王が並ぶこととなります。この打線で後半は吉田猪佐喜が不動の四番、終盤戦では小鶴がサードに回り、加藤正二がファーストに入って外野陣は吉田、古川、岩本に戻ることとなり、戦後打者に転向して昭和25年に46本塁打を記録することとなる西沢道夫が投手に入った時の名古屋打線は、5人の本塁打王に吉田猪佐喜、西沢道夫が加わる日本プロ野球史上空前の強力打線と言えるでしょう。


 更に、石丸藤吉は昭和12年秋と昭和17年にフル出場してリーグ最多出場、藤原鉄之助は昭和19年に死球2個でリーグ最多死球、西沢道夫も昭和27年に打点王のタイトルを獲得することとなり、西沢が投げる試合では、
四番の吉田猪佐喜以外の8人がリーグ最多記録保持者(5人の本塁打王を含む)という強力打線が可能となりますが、実際に、8月17日の阪神戦と10月26日の南海戦のスターティングラインナップはこの9人が並ぶこととなります。


18年 阪神vs名古屋 2回戦


5月26日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 阪神 12勝12敗1分 0.500 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 名軍 15勝8敗2分 0.652 西沢道夫

二塁打 (神)玉置

勝利打点 なし


若林-西沢の投げ合いで引分け

 阪神は2回、一死後玉置玉一が右中間に二塁打、しかし若林忠志は遊飛、乾国雄は左飛に倒れて無得点。

 阪神は中盤、自らチャンスを潰していった。5回、先頭の玉置が四球を選んで出塁するが、若林のセカンドライナーに飛び出しておりダブルプレー。玉置のボーンヘッドか、「打走法」が掛かっていたか。「打走法」であれば若林は転がさなければならない。6回は一死後塚本博睦が中前打で出塁、しかし御園生崇男の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。7回は先頭のカイザー田中義雄がストレートの四球で出塁、山口政信の投ゴロでランナーが入れ替わり、門前真佐人の遊ゴロも「6-4-3」と渡って3イニング連続でダブルプレー。


 名古屋も中盤チャンスをつかみ、6回、先頭の金山次郎が左前打を放って出塁、しかし西沢は三ゴロ、石丸藤吉は遊ゴロ、岩本章は三ゴロと後続なし。7回、二死後吉田猪佐喜が中前打で出塁、芳賀直一の右前打で二死一二塁、続く藤原鉄之助の右前打で二走吉田が三塁ベースを蹴ってホームに突っ込むが、ライト御園生からのバックホームにタッチアウト。


 8回から11回まで名古屋は無安打。阪神も7回以降12回まで無安打。


 名古屋は12回裏、先頭の古川清蔵が左前打、小鶴誠は三飛に倒れるが、古川が二盗を決め、吉田は歩かされて一死一二塁と最後のチャンス、しかし芳賀は中飛に倒れて二死一二塁、ここで藤原に代わって戦場から戻ってきた加藤正二が代打に起用されて4年ぶりの打席に立つが、中飛に倒れて無得点。


 結局、延長12回0対0のまま引き分く。


 若林忠志は12回を6安打4四球2三振無失点。西沢道夫も12回を3安打3四球2三振無失点であった。


 名古屋に加藤正二が帰還してきて、この後、強力打線に更に厚みが増すこととなる。




2016年8月10日水曜日

開き直れ!


 ここまでコテンパンにやられるとは思いませんでした。

 但し、これだけやられればむしろ開き直れるのではないでしょうか。


 銅メダル決定戦はどちらが出てくるかは分かりませんが、李暁霞よりは楽な相手であることは確実です。まだチャンスはありますよ!



決戦


 いよいよ福原の決戦を迎えました。

 卓球がオリンピック競技を外れていた頃、日本が世界の最高峰であった時代がありました。


 まぁ、中国が文化大革命の影響で世界から隔絶していたからでもありますが。


 荻村伊智朗が世界チャンピオンとして君臨してから、荘則棟が台頭してきます。世界選手権を三連覇した荘則棟が文化大革命で失脚し、長谷川、河野、伊藤の三強が世界を席捲したのです。


 長谷川信彦のシェイクハンドからのドライブ、河野満と伊藤繁雄は今ではほとんど見られなくなったペンホルダーでした。筆者も小学生時代はペンホルダーのグリップを自分用に彫刻刀で削って使っていましたね。


 ちょっと李暁霞には通用しないようですが、勝負は下駄を履くまで分かりません!




2016年8月9日火曜日

穴もある


 準決勝の相手は前回オリンピックチャンピオンの中国李暁霞(り ぎょうか、リ・シャオシャ)となります。

 意外と穴もありますので、現在の福原の状態であればいけると見ます。




仇討ち


 ロンドンの3位決定戦で石川佳純を破ったフェン・ティアンウェイにリオで福原がリベンジ。!

 ほぼ完璧な状態ですね。


 メダルを賭けた準決勝は中国のエース(元か?)なので、最大の正念場を迎えることとなりました。


完全にペースをつかんだ


 完全にペースをつかみましたね。

 いけます!!





福原の引き出し


 ちょっとピンチを迎えましたがロングサービスで流れを変えました。

 福原の引き出しの勝利ですね。


 3ゲーム連取!!

変えてきた


 流石にフェン・ティアンウェイも福原のフォアを攻めてきました。

 この変化に耐えられるか。第3ゲームはフェンが取りそうです。




バックからのフォア


 バックからのフォアが効いています。

 これはいけますよ!



やはりストップ!


 格上のシンガポール馮天薇(フェン・ティアンウェイ)との準々決勝が続いています。

 第一ゲームは12対10で福原が取りました。当ブログのヨミどおり、「ストップ」で決めましたね。


 いけますよ!



福原絶好調!


 試合前の予想では「促進ルール」にもつれ込むのではと見られていた、北朝鮮の名カットマンRi Myong-sun (リ・ミョンスン)との一戦は福原愛が完勝しました。

 とにかく状態がいいですね。テレビでは盛んに「ツッツキ」がいいと言っていますが、筆者には「ストップ」が効いているように見えます。


 父がインターハイ団体優勝のカットマンだったので、小学校時代は真間小の体育館に連れて行かれて練習相手をさせられました。かつてのトップアマのカットボールを小学生がドライブで打ち返すのですから、今なら「市川の愛ちゃん」と呼ばれているところです(笑)。


 ということで、卓球は多少は見ることができます。近年にない出来に見えますよ。メダルいけるでしょう。




2016年8月8日月曜日

イチローの目にも涙


 年をとると涙もろくなるものです。

 イチローも42歳、そろそろ涙腺がもろくなってくる時期にさしかかってきました。若いころは尖がっているものですが、誰もが経験する事象です。


 若年層は「イチローなんて古~い、やっぱ大谷だよ
ねぇ~」と感じることでしょう。

 30代くらいになって分別もついてくると、目標にする存在として映ることでしょう。


 同年代は複雑です。素直に「すげぇ~」と思えるのは成功層だけで、自身の位置付けと比較してしまう人が大多数ではないでしょうか。


 最もお気楽なのは年上層で、メジャーに行った時は「イチローなんか通用する訳ねぇ~じゃん!」と言っていたくせして、結果を見てから「やっぱ俺が言ったとおりだろ~」とほざく輩が続出しています(笑)。


 イチローのメジャー挑戦当時、「あんな線の細いプレイヤーが通用する訳ない」論が大宗を占めていました。当初は内野安打が多いことが批判の対象になっていました。筆者も、長打が少ないことを不満に思っています。


 まぁ、いろいろ言われるのもスーパースターの宿命、3000本の今夜くらいは、みんなで「すげぇ~~」と称えましょう。



2016年8月7日日曜日

18年 西鉄vs南海 4回戦


5月23日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 1 0 0 0 0 0  0   0   0  1   西鉄 7勝16敗3分 0.304 野口二郎
0 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  1   南海 10勝15敗1分 0.400 丸山二三雄

二塁打 (西)野口二郎 (南)長谷川
三塁打 (南)猪子

勝利打点 なし


野口-丸山の投げ合いで引分け

 南海は2回、先頭の堀井数男が中前打で出塁、長谷川善三が送りバントを決めて一死二塁、八木進が中前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 西鉄は4回、先頭の野口二郎が左中間に二塁打、中村民雄は二飛に倒れ、黒沢俊夫も捕邪飛に倒れて二死二塁となるが、山田秀夫が右前打、二走野口二郎は強引に三塁ベースを蹴ってホームに向かい、タイミングはアウトであったがライト堀井からのバックホームが高く逸れる悪送球となり1-1の同点とする。ワンヒットワンエラーで山田には打点は記録されていない。


 西鉄先発の野口二郎はヒットを打たれながらも3回以降無失点を続け、12回を完投して11安打を許すが無四球ピッチングであった。


 南海先発の丸山二三雄は12回を6安打7四球9三振1失点自責点ゼロ。7回から12回まで無安打ピッチングであった。


 結局、延長12回引分けとなる。


 丸山二三雄は5月12日の名古屋戦でも1失点完投で負け投手にはなっているものの被安打3本で自責点はゼロの好投を見せている。丸山は戦後復活初年度の昭和21年に25勝をあげることとなるが、その片鱗はデビュー当初から見せているのである。