2016年4月29日金曜日

18年 名古屋vs朝日 1回戦


4月21日 (水) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 名軍 6勝2敗 0.750 石丸進一
2 0 0 1 0 0 1 0 X 4 朝日 4勝5敗 0.444 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三 1勝0敗
敗戦投手 石丸進一 1勝1敗

二塁打 (名)吉田 (朝)内藤
三塁打 (名)岩本 (朝)浅原

勝利打点 原秀雄 1


兄さんしっかり守ってください

 名古屋は石丸進一が先発、朝日は昨日の阪神戦で7イニング3安打1失点の好投を見せた内藤幸三が連投。

 名古屋は初回、連投の疲れが見られる内藤を攻めて、先頭の石丸藤吉がセンター左にヒット、岩本章が左中間奥深く三塁打を放ち一走石丸藤吉が還って1点を先制、古川清蔵は捕邪飛に倒れるが、小鶴誠の左犠飛で2-0とする。

 朝日は1回裏、一死後酒沢政夫がライト線にヒット、早川平一は三振に倒れるが、浅原直人が右中間奥深く三塁打を放って1-2、内藤幸三のタイムリー内野安打ですかさず2-2の同点に追い付く。

 朝日は4回、先頭の内藤の二ゴロをセカンド石丸藤吉がエラー、マウンドの石丸進一から「兄さんしっかり守ってください」の声が飛ぶ。兄のエラーにマウンドの弟が動揺したか渡辺時信は四球、大友一明の投ゴロを石丸進一が三塁に送球して二走内藤は三封、広田修三は三振に倒れて二死一二塁、ここで原秀雄が中前にタイムリーを放ち3-2と勝ち越す。これが決勝打となった。

 朝日は7回、一死後酒沢が四球を選んで出塁、早川は遊飛に倒れるが浅原が四球を選んで二死一二塁、内藤のライト線二塁打で4-2とダメ押す。二死二三塁から三走浅原が本盗を試みるがこれは失敗。


 内藤幸三は7安打3四球4三振の完投で今季初勝利、打っても4打数2安打2打点の活躍であった。


 石丸進一は8イニングを投げて7安打5四球3三振4失点、自責点は4であった。4回に失った決勝点は兄石丸藤吉のエラーがきっかけだが、エラーの走者は石丸進一が好フィールディングで三封したため、決勝点となった3失点目には「自責点」が記録されている。


 牛島英彦著「消えた春」は石丸進一を美化し過ぎているきらいはあるが、石丸進一を伝える貴重な著作となっている。同著には「まるで‟佐賀にわか”もどきの石丸兄弟のやりとりは、当時球界の名物だった、と名古屋軍の一塁手だった野口正明は、回想している。」と書かれている。


 石丸藤吉は戦後タクシー会社を経営して成功、石丸進一は特攻で戦死することとなる。


 

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