2016年12月31日土曜日

18年 阪急vs南海 6回戦


7月11日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 4 0 0 4 阪急 15勝26敗 0.366 江田孝
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 16勝24敗1分 0.400 別所昭

勝利投手 江田孝   1勝1敗
敗戦投手 別所昭 11勝11敗

三塁打 (急)江田

勝利打点 山田伝 1


江田孝、別所に投げ勝つ

 前半戦は別所昭と江田孝による火の出るような投手戦が展開された。

 阪急は別所に抑え込まれて3回まで無安打。4回、先頭の中村栄がセンター左にヒット、下社邦男が四球を選んで無死一二塁、しかし三木久一、松本利一は連続投ゴロ、池田久之は三振に倒れて無得点。5回は三者凡退。6回、一死後中村が四球から二盗に成功、下社も三塁内野安打から二盗を決めて一死二三塁、続く三木は三振に倒れるが3球目をキャッチャー八木進が弾いたため「三振ナットアウト」、三木は一塁に走るが八木からファースト中野正雄に送球されて三振が成立、スコアカードには正規の三振は「S.O」と記載されるが、この場合は「K」の下に「2-3」が記載される。続く松本に代わる代打笠石徳五郎は三振、こちらは「S.O」の記載。


 南海も江田に抑え込まれて6回まで無安打、四球の走者を2人出したのみであった。


 阪急は7回、一死後江田が四球を選んで出塁、伊藤健一の三前バントが内野安打となって一二塁、松本泰三も四球を選んで一死満塁、このチャンスに山田伝が二遊間にヒットを放ち二者生還して2点を先制、中村のピッチャー強襲ヒットで再度一死満塁、下社が押出し四球を選んで4-0とする。


 南海は7回、先頭の中野が四球で出塁、一死後別所が中前にチーム初安打を放って意地を見せるが、八木は一飛、鈴木芳太郎は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。


 8回は三者凡退に終わった南海は9回、一死後中野が右前打、堀井数男の遊ゴロで中野は二封、別所が右前打を放って最後の反撃を試みるが、八木は左飛に倒れて試合終了。


 江田孝は3安打3四球1三振の快投を見せて今季初勝利を完封で飾る。自ら決勝のホームを踏み、8回にはこの試合両チーム唯一の長打となる三塁打を放つ活躍を見せた。


 別所は7回に3四球と乱れたことが敗因となったが、チーム総数3本のうち2安打を記録する意地を見せた。


 点差以上に若手両投手による投げ合いは見応えがあった。


 別所がこの後299の勝ち星を積み重ねて通算310勝に達するのはご存知のとおり。


 江田は昭和25年に23勝をあげて、セ・リーグ初代チャンピオンとなる松竹ロビンスの優勝に大きく貢献する。引退後は近鉄と西鉄・太平洋・クラウンライターでピッチングコーチとして数多の好投手を育て上げるが、クラウンラーターライオンズのピッチングコーチとして参加していた昭和53年早春の島原キャンプ中に急死することとなる。



18年 西鉄vs名古屋 6回戦


7月11日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 3 0 2 0 0 0 0 0 5 西鉄 14勝24敗3分 0.368 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 23勝15敗3分 0.605 野口正明 石丸進一

勝利投手 野口二郎 8勝9敗
敗戦投手 野口正明 3勝2敗

勝利打点 山田秀夫 1


山田秀夫、決勝タイムリー

 西鉄は2回、一死後黒沢俊夫の当りは一ゴロ、これをファースト小鶴誠がエラー、富松信彦のライト線ヒットで一死一三塁、山田秀夫が中前にタイムリーを放って1点を先制、この打球をセンター古川清蔵が後逸する間に一走冨松も生還して2-0、打者走者の山田も塁を進めるが、スコアカードの記載からは二塁で止まったか三塁まで進んだかは不明、続く鵜飼勉が四球を選び、トップに返り中村信一の左前タイムリーで山田が還って3-0として試合の主導権を握る。

 西鉄は5回、先頭の山田が四球を選んで出塁、鵜飼が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り中村の投ゴロで二走山田が飛び出し「1-5-6」でタッチアウトとなるが、山田が巧く時間を稼いで打者走者の中村は二塁に進む。続く濃人渉が3つのファウルで粘って四球を選び二死一二塁、野口二郎の遊ゴロをショート金山次郎が二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて二死満塁、野口明が中前に2点タイムリーを放って5-0と突き放す。


 野口二郎は強打の名古屋打線を散発の6安打に抑えて3四球4三振で今季4度目の完封、8勝目をあげる。


 決勝打を放った山田秀夫は荏原中学(現・日本体育大学荏原高等学校)の出身。荏原中学野球部は1905年に創部された名門で、山田が5回の走塁で見せた挟殺プレーで粘って時間を稼ぐ技術は荏原中学時に培われたものでしょう。OBから中澤不二夫、横沢三郎の2人が殿堂入りしている。かつての強豪校日体荏原もこのところ甲子園にはご無沙汰しているが、近年の東京都予選では上位に顔を出してきており、名門復活が待たれる。


2016年12月30日金曜日

18年 阪神vs大和 6回戦


7月11日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 阪神 22勝17敗2分 0.564 三輪八郎
1 0 0 3 0 0 0 0 X 4 大和 20勝20敗1分 0.500 石田光彦


勝利投手 石田光彦 6勝3敗
敗戦投手 三輪八郎 4勝6敗

二塁打 (和)岡田2、木村
本塁打 (神)門前 1号

勝利打点 木村孝平 2

猛打賞 (和)木村孝平 2


木村孝平、勝利打点と猛打賞

 大和は初回、先頭の木村孝平が左前打で出塁、岡田福吉のレフト線二塁打で無死二三塁、鈴木秀雄は四球を選んで無死満塁、小松原博喜の三ゴロの間に三走木村が還って1点を先制する。

 阪神は2回、先頭の門前真佐人がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1-1と追い付く。二死後三輪八郎がストレートの四球で出塁、武智修が三塁に内野安打、トップに返り塚本博睦が四球を選んで二死満塁とするが、山口政信は三振に倒れて追加点はならず。


 大和は4回、一死後金子裕が四球で出塁、石田光彦の二ゴロをセカンド乾国雄がエラーして一死一二塁、渡辺絢吾は左飛に倒れるが、トップに返り木村が左前に勝越しタイムリーを放って2-1、バックホームの間に一走石田は三塁に、打者走者の木村も二塁を陥れて二死二三塁、岡田福吉が右中間に二塁打を放ち二者を迎え入れて4-1とする。


 阪神は5回、二死後山口が死球を受けて出塁、玉置玉一はストレートの四球で二死一二塁、景浦将のレフト線タイムリーで2-4、一走玉置が三塁を狙うが、レフト小松原からの送球にタッチアウト。


 石田光彦は6回以降阪神打線を無安打に抑え、4安打5四球1死球4三振の完投で6勝目をあげる。


 決勝打を放った木村孝平は7月9日の西鉄戦に続いて猛打賞を獲得。戦前屈指の強打の内野手である。


 追撃の2点タイムリー二塁打を放った岡田福吉が並列の殊勲者。木村と岡田は共に戦死することとなる。



2016年12月29日木曜日

3000本!見せますイチロー全安打


 今、BSでやっている「3000本!見せますイチロー全安打」を見ると、やっぱりバッティングの基本は「センター返し」にあると再認識させられます。

 筆者の東京六大学準硬式野球リーグ戦時代、通算34安打のうち、左方向への当りは4本だけで、30本はセンターから右でした。


 左に打った4本は、左中間への二塁打が2本とレフト線フェンス直撃の二塁打が1本、バスターエンドランで一二塁間に打とうと思っていたところショートがセカンドベースカバーに入ったのを見て三遊間に引っ張った左前打が1本でした。


 引っ張るバッティングに変えようとした4年の時が一番成績が悪かった。


 還暦野球リーグ戦参入まであと2年。1年前から始めた野球用トレーニングで体脂肪率は20%を割ってきました。


 自宅から歩いて3分のところにジムができたので、5キロのランと3キロのウォーク、体幹中心の筋トレは毎週続けています。あとは、階段は1段抜かしで上がること。これは必須ですね。エレベーターなんか使っていたら、還暦野球リーグ戦参入の夢は潰えますよ(笑)。


18年 巨人vs阪急 5回戦


7月10日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 3 1 4 巨人 23勝15敗2分 0.605 川畑博
2 0 0 0 1 0 0 0 0 3 阪急 14勝26敗 0.350 笠松実

勝利投手 川畑博 4勝1敗
敗戦投手 笠松実 4勝5敗

二塁打 (巨)青田、呉

勝利打点 呉昌征 2

猛打賞 (急)山田伝 3


川畑博、粘りの投球

 阪急は初回、先頭の山田伝が三塁線に内野安打、サード小池繁雄からの一塁送球が悪送球となって打者走者の山田は二塁に進み、上田藤夫の右前打で無死一三塁、下社邦男の左犠飛で1点を先制、レフト青田昇からのバックホームが悪送球となる間に一走上田はタッチアップから一気に三塁に進み、三木久一の中前タイムリーで2-0とする。

 阪急は5回、一死後山田が左前打で出塁すると二盗に成功、上田は三ゴロに倒れるが、下社の左前打で二走山田が快足を飛ばしてホームに還り3-0と突き放す。


 巨人は7回、先頭の多田文久三がストレートの四球で出塁、続く川畑博もストレートの四球で無死一二塁、小池繁雄は一邪飛に倒れて一死一二塁、巨人ベンチはここで坂本茂に代えて沢村栄治 を代打に起用、しかし沢村の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレー。


 巨人は苦手とする笠松実の前に7回まで2安打無得点と配色濃厚。7回裏の守備から代打の沢村に代わって大屋克己がセカンドに入る。


 巨人は8回、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、白石敏男はレフトライナーに倒れるが、小暮力三が四球を選んで一死一二塁、青田が右中間を破る二塁打を放ち二走呉に続いて一走小暮もホームインして2-3、中島治康は遊飛に倒れて二死二塁、多田が中前に同点タイムリーを放ち試合を振出しに戻す。


 巨人は9回、一死後小池がストレートの四球で出塁、大屋が送りバントを決めて二死二塁、トップに返り呉がセンター左奥に決勝二塁打を放ち4-3と試合をひっくり返す。


 川畑博は後半立ち直る粘りの投球を見せ、8安打1四球5三振の完投で4勝目をあげる。8本のヒットを打たれたが四球を1個に抑えたのが勝因となった。


 阪急先発の笠松実は逆に6安打8四球と乱れた。7回の連続ストレートの四球時点で限界だったかもしれない。阪急投手陣は天保、中田、江田、森に加えて戦場から高橋敏も帰ってきて手駒は揃っているので、ここは天保のリリーフで行くべきだったのではないでしょうか。


 勝利打点は決勝二塁打の呉昌征、並列の殊勲者は2点タイムリー二塁打の青田昇となるが、9回一死一塁の場面で送りバントを決めた大屋克己も影の殊勲者であった。


 須田博の病気による戦線離脱で前節5連敗とピンチに陥っていた巨人にとって、川畑博の完投で阪急を降したこの逆転勝利はターニングポイントとなるのではないでしょうか。



2016年12月28日水曜日

18年 南海vs朝日 6回戦


7月10日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 16勝23敗1分 0.410 丸山二三雄
0 0 0 0 2 0 0 1 X 3 朝日 23勝15敗2分 0.605 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵     6勝5敗
敗戦投手 丸山二三雄 1勝9敗

二塁打 (朝)早川

勝利打点 浅原直人 8


浅原直人、8個目のV打

 序盤戦は南海が押し気味に試合を進めた。

 南海は初回、一死後岡村俊昭が中前打、二死後堀井数男の一塁内野安打で一三塁とするが、八木進は三ゴロに倒れて無得点。


 南海は2回、3回、4回とヒットが出るが無得点が続く。


 一方、朝日は3回まで無安打。4回二死後、広田修三、真田重蔵が連打を放つが原秀雄は投飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 朝日は5回、坪内道則が四球を選んで出塁、酒沢政夫もストレートの四球で無死一二塁、中谷順次の三塁内野安打で無死満塁、浅原直人の一塁線ヒットで三走坪内に続いて二走酒沢もホームに還り2点を先制する。


 朝日は8回、先頭の早川平一がレフト線に二塁打、小林章良の遊ゴロの間に早川は三進、広田は捕邪飛に倒れるが、真田が四球を選んで二死一三塁、原の二ゴロをセカンド増田敏がエラーする間に三走早川が還って3-0とする。


 真田重蔵は4回まで南海打線に5安打を許したが5回以降無安打ピッチング、6回~9回は三者凡退に退ける好投を見せて、5安打1四球無三振で今季2度目の完封、6勝目をあげる。


 決勝打を放った浅原直人は今季8個目の勝利打点を記録、勝利打点王争いで独走している。


2016年12月27日火曜日

18年 西鉄vs阪神 6回戦


7月10日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 1 3 3 0 8 西鉄 13勝24敗3分 0.351 重松通雄
2 0 1 0 1 0 0 0 0 4 阪神 22勝16敗2分 0.579 中原宏 仁科栄三 御園生崇男

勝利投手 重松通雄     6勝12敗
敗戦投手 御園生崇男 1勝4敗

二塁打 (神)門前
本塁打 (西)濃人 1号

勝利打点 中村民雄 1


中村民雄、逆転タイムリー

 阪神は初回、先頭の塚本博睦が四球を選んで出塁、金田正泰の右前打で無死一二塁、玉置玉一の三ゴロが野選を誘い無死満塁、四番・景浦将が押出し四球を選んで1点を先制、門前真佐人は浅い右飛に倒れて一死満塁、カイザー田中義雄の遊ゴロ併殺崩れの間に三走金田が還ってこの回2点を先制する。

 西鉄は3回、鵜飼勉、山田秀夫、中村信一が3連続四球を選んで無死満塁、阪神ベンチは先発の中原宏から仁科栄三にスイッチ、濃人渉の三ゴロをサード玉置が三塁ベースを踏んでから一塁に送球してゲッツー、この間に三走鵜飼は還り1-2とする。


 阪神は3回裏、先頭の金田正泰が死球を受けて出塁、玉置の右前打で無死一三塁、景浦が四球を選んで無死満塁、門前は浅い中飛に倒れて一死満塁、田中の右邪犠飛で3-1とリードを広げる。
 阪神は5回、一死後玉置が左前打で出塁、景浦は3打席連続四球、門前が左中間に二塁打を放ち4-1と突き放す。なお一死二三塁とチャンスが続くが、田中のピッチャー返しのライナーが重松通雄のグラブに収まり二死二三塁、仁科の当りは右前に抜けるが、ライト山田秀夫が一塁に送球してアウトとなりライトゴロでスリーアウトチェンジ。結果論となるが、ここで追加点を奪えなかったことが逆転を喫する原因となった。


 西鉄は6回、一死後黒沢俊夫が中前打で出塁、重松は四球、鵜飼は死球を受けて一死満塁、西鉄ベンチは鵜飼に代えて代打野口二郎を起用、野口はきっちりと中犠飛を打ち上げて2-4と2点差に追い上げる。


 西鉄は7回、先頭の濃人が四球で出塁、富松も四球を選んで無死一二塁、阪神ベンチはここで仁科から三番手の御園生崇男にスイッチ、野口明が中前にタイムリーを放って3-4、センター塚本からのバックホームをキャッチャー田中が逸らす間に走者それぞれ進塁、一走冨松の三進はバックホームの間の進塁と判断されてエラーは記録されていないが、打者走者野口明の二進はキャッチャーのエラーによるものと記録されている。ということで無死二三塁、中村民雄がレフト線に逆転タイムリーを放って5-4と試合をひっくり返す。


 西鉄は8回、二死後濃人がレフトスタンドにホームランを叩き込んで6-4、富松が4打席連続となる四球を選んで出塁、野口明の中前打で二死一二塁、中村民雄が左前に2打席連続となるタイムリーを放ち7-4、黒沢も中前にタイムリーを放って8-4として試合を決める。


 前半失点を重ねた重松通雄は6回以降立ち直り、7回~9回は阪神打線を三者凡退に退ける好投を見せて、5安打5四球1死球3三振で粘りの完投、味方の逆転劇を呼び込み6勝目をあげる。景浦将を3打席連続歩かせたことも勝因かもしれない。


 殊勲者は逆転タイムリーを含む2本のタイムリーを放った中村民雄で当然であるが、影のヒーローも存在する。8回のダメ押し点は二死無走者から濃人のホームランによるもので、更なる2点の追加点がなかったら試合の行方は分からなかった。4打席連続四球で2得点の富松信彦の働きも大きい。6回に反撃のきっかけとなる中前打、8回にはダメ押しとなる中前タイムリーを放った黒沢俊夫もいい働きをした。開幕から不振が続いてい黒沢も、ここにきてようやく復調の兆しが見えてきた。


 そして何より、5回に阪神の追加点を阻んだライト山田秀夫の守備が貢献度大であった。仁科の右前に抜ける当りを山田が一塁に送球してライトゴロに仕留めていなければ、1対5と4点のビハインドとなるところで、試合の流れを一気に味方に引き寄せたファインプレーであった。



2016年12月25日日曜日

18年 名古屋vs大和 6回戦


7月10日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 1 2 1 6 名軍 23勝14敗3分 0.622 石丸進一
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 大和19勝20敗1分 0.487 畑福俊英

勝利投手 石丸進一 7勝3敗
敗戦投手 畑福俊英 5勝4敗

二塁打 (名)加藤2

勝利打点 なし


石丸進一、1安打完投

 大和は初回、二死後鈴木秀雄の当りは一ゴロ、これをファースト小鶴誠がエラー、続く小松原博喜の当りは遊ゴロ、これもショート金山次郎がエラーして一走鈴木は三塁に走り二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制する。

 名古屋は3回、一死後古川清蔵が左前打で出塁、小鶴誠の三ゴロで古川は二封、吉田猪佐喜は四球を選んで一死一二塁、加藤正二の三ゴロをサード芳賀直一が一塁に送球するが高く逸れて悪送球、二走小鶴に続いて一走吉田まで生還して2-1と逆転する。


 走者一二塁からの三ゴロ一塁悪送球で二者生還は珍しいパターンですが、スコアカードの記載は事実を伝えています。


 名古屋は7回、一死後古川がセンター左にヒットを放ち二盗に成功、小鶴の左前タイムリーで3-1とする。


 名古屋は8回、先頭の加藤が中前打、芳賀も右前打で続き、藤原鉄之助の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、金山次郎の三前バントヒットが2点タイムリーとなって5-1と突き放す。


 スコアカードの記載では走者二三塁からの三前バントヒットで二者生還となっていますにで、ツーランスクイズに内野安打が重なった可能性があります。


 名古屋は9回、先頭の古川が左前に3本目のヒット、小鶴の三ゴロは「5-4-3」と渡ってゲッツー、しかし吉田が中前打で出塁、加藤の4本目のヒットは右中間へのタイムリー二塁打となって6-1とダメ押す。


 石丸進一は初回の失点以降は完璧なピッチングで、6回に小島利男に中前打を許したのみ、1安打4四球3三振1失点の完投で7勝目をあげる。


 石丸進一は球威がなく、これまでは頼りないピッチングが多く見られたが、ようやくエースに成長してきた。当ブログは石丸進一を美化することはなく、淡々と事実をお伝えしていきます。


 古川清蔵が3安打、加藤正二は4安打、芳賀直一と金山次郎もマルチヒットを記録、名古屋強力打線は健在です。


 大和の初回の得点は三走鈴木秀雄、一走小松原博喜によるダブルスチールでした。鈴木秀雄は4月18日の西鉄戦でも重盗によるホームスチールを決めており、現在、今季の「本盗王」となっています。



2016年12月24日土曜日

18年 巨人vs南海 6回戦


7月9日 (金) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 2 5 0 0 7 巨人 22勝15敗2分 0.595 藤本英雄
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 南海 16勝22敗1分 0.421 別所昭 長沼要男

勝利投手 藤本英雄 12勝5敗
敗戦投手 別所昭    11勝10敗

二塁打 (巨)藤本 
三塁打 (巨)小暮

勝利打点 多田文久三 2


藤本英雄、2回以降をパーフェクト

 南海は初回、二死後中野正雄が四球から二盗に成功、堀井数男の左前打で二死一三塁、別所昭が四球を選んで二死満塁、八木進が押出し四球を選んで1点を先制する。

 5回まで南海先発の別所に2安打無得点に抑えられれてきた巨人は6回、先頭の小暮力三が四球を選んで出塁、青田昇の二ゴロをセカンド加藤喜作がエラーして無死一三塁、青田が二盗を決めて無死二三塁、伊藤健太郎が中前に同点タイムリーを放って1-1、多田文久三の二ゴロの間に三走青田が還って2-1と逆転する。


 巨人は7回、先頭の坂本茂が左前打から二盗に成功、呉昌征の二ゴロをセカンド加藤が又もやエラー、二走坂本は三塁ベースを蹴ってホームに駆け込み3-1、呉が二盗を決め、キャッチャー八木からの送球が悪送球となり、バックアップのセンター猪子利男もエラーして呉は一気にホームに還り4-1、白石敏男が中前打を放って出塁、小暮が右中間に三塁打を放ち5-1、青田がセンター右にタイムリーを放って6-1、伊藤は遊ゴロ併殺に倒れて二死無走者、多田が四球で出塁、藤本英雄が左中間に二塁打を放って多田が還り7-1として試合を決める。


 初回に1安打3四球で1点を失った藤本は、2回以降一人の走者も出さずパーフェクトピッチング。


 藤本英雄は1安打3四球3三振の完投で12勝目をあげる。


 藤本が日本初の完全試合を達成するのは戦後のこととなるが、この試合では2回以降の8イニングをパーフェクトに抑えた。藤本にとって「パーフェクトゲーム」のリハーサルとなる試合であった。


 南海はベテラン加藤喜作の2つのエラーが痛かった。



2016年12月20日火曜日

鉄仮面


 表情を変えないピッチングスタイルで「鉄仮面」と呼ばれた加藤初氏の訃報が伝わっています。

 1971年オフ、ドラフト外でのプロ入りは巨人と西鉄の争いに絞られていました。当時の新聞報道で「西鉄の方が出番が多いと思う。」というコメントを目にした記憶があります。西鉄ファンの筆者としては、「よくぞ来てくれた」の感が強かったですね。


 黒い霧以降の西鉄では、1970年は河原がエースで東尾はまだひよっこ、1971年は巨人から譲ってもらった高橋明がエースで東尾はビース、1972年は東尾も成長しましたが加藤初がエースというのが現場感覚でしたね。


 東尾は、スポニチに連載された「我が道」で、加藤初をライバルとして切磋琢磨したこと、巨人へのトレードは最初は東尾の予定であったが加藤初が身代わりになってトレードされたことを明かしています。


 筆者の現場感覚では、「1971年に高橋明を譲ってくれたお礼に加藤初が巨人に行ったんだろうなぁ~」でした。加藤初の球歴を考えると、巨人行きは正解だったと思います。


 合掌。



*当時のサイン帳に残された太平洋時代の加藤初のサイン。



2016年12月18日日曜日

オバマに乗った!!


 12月17日付け日経夕刊の見出しは「オバマ氏『報復』警告」のセンセーショナルな見出しでロシアのサイバー攻撃を批判しています。

 「報道」とは、こうでなくっちゃね!権力におもねく報道が渦巻く昨今、久々にすかっとする記事です。


 同記事によると「オバマ氏は、米大統領選中に米国が受けたサイバー攻撃について『情報機関の分析によると、ロシアに責任がある。』」とのこと。


 当ブログの分析でも、当ブログの閲覧数が異常に増大している要因はロシアからのサイバー攻撃に起因すると見ています。


 当ブログは、当ブログを応援する常連の閲覧者によって構築されていると分析しています。なので、閲覧数は1日100~150件が妥当な数値であると考えています。


 今後も一切の広告宣伝活動は行わず、「真実の野球史」をお伝えしていきます。


2016年12月15日木曜日

12年 阪急vs朝日 6回戦

7月9日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 14勝25敗 0.359 中田武夫 高橋敏
0 0 2 2 0 2 2 0 X 8 朝日 22勝15敗2分 0.595 林安夫

勝利投手 林安夫   12勝7敗
敗戦投手 中田武夫 4勝6敗

二塁打 (朝)早川、中谷、酒沢

勝利打点 中谷順次 2

猛打賞 (朝)坪内道則 1、野本良雄 1




 朝日は3回、一死後坪内道則が左中間にヒット、酒沢政夫のバントが内野安打となって一死一二塁、中谷順次がレフト線に二塁打を放って1点を先制、浅原直人が四球を選んで一死満塁、林安夫の左犠飛で2-1とする。 

 朝日は4回、一死後野本良雄が右前打で出塁、広田修三の三塁内野安打で一二塁、トップに返り坪内道則の右前タイムリーで3-0としてなお一死一三塁、酒沢の中犠飛で4-0とする。

 朝日は6回、先頭の野本がセンター左にヒット、広田が三前にバントヒットを決めて無死一二塁、トップに返り坪内は投ゴロに倒れて一死二三塁、酒沢がレフト線に2点タイムリー二塁打を放って6-0とする。

 朝日は7回、一死後早川平一の遊ゴロをショート中村栄がエラー、小林章良の三塁内野安打で一死一二塁、野本が三遊間にタイムリーを放って7-0、広田は遊飛に倒れて二死一二塁、トップに返り坪内が中前にタイムリーを放って8-0とダメ押す、

 林安夫は3安打1四球2三振で今季7度目の完封、12勝目をあげる。



2016年12月14日水曜日

ロシアより愛を込めて


 昨日も普段の2倍の閲覧数。半分がロシアからのアクセスですから常連の方々以外はロシアからのアクセスという計算になります。

 当ブログは営利広告などを一切行っていませんので、当ブログ個別の攻撃ではなく、「Google」か「Blogger」に対する攻撃であると考えられます。閲覧者の方々にご迷惑をお掛けする要素は無いと思いますが、「情報として開示」させていただきます。


 「炎上」などの問題とは無関係ですのでご安心ください。単にアクセス数が多いだけの話です。ロシアにも日本野球史の研究者がいる可能性も否定できませんが。

 「ロシアより愛を込めて」の便りであれがいいんですが、世知辛い世の中ですからね。



ハッキング


 当ブログの閲覧数はページビューで一日100件~150件で安定推移しています。当ブログの性格からも、常連の定期閲覧者のみで構成されていることがうかがえます。

 ところが、このところ閲覧数が数倍~10倍に跳ね上がることがあります。閲覧先がロシアやリトアニアなので、「Google」に対するハッキングか、「Blogger」に対するハッキングの影響であると考えられます。


 当ブログは営利広告などを一切行っていませんので、当ブログを狙っても何らメリットがないと思いますが、どのような影響があるか分かりませんので、しばらく更新頻度を抑えることにしておりますのでご了承ください。



18年 阪神vs名古屋 5回戦


7月9日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 4 0 0 0 0 5 阪神 22勝15敗2分 0.595 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名軍 22勝14敗3分 0.611 西沢道夫 森井茂

勝利投手 若林忠志 13勝4敗
敗戦投手 西沢道夫   7勝5敗

三塁打 (神)門前 (名)小鶴

勝利打点 なし

猛打賞 (神)門前真佐人 1


若林忠志、芸術的ピッチング

 阪神は2回、一死後門前真佐人が左中間深く三塁打、田中義雄は遊飛に倒れて二死三塁、若林忠志の二ゴロをセカンド石丸藤吉が失して三走門前が還り1点を先制する。

 阪神は5回、先頭の武智修は投ゴロに倒れるがここから怒涛の攻撃、トップに返り塚本博睦が中前打、金田正泰がバントヒットを決め、玉置玉一の右前打で2-0、景浦将が左前にタイムリーを放って3-0、門前もセンター左にタイムリーを放ち4-0、田中の左前打で一死満塁、若林が二前にスクイズバントを決めて5-0とする。


 若林忠志は強打の名古屋打線を5安打に抑え、今季6度目の完封で13勝目をあげてハラートップを独走する。


 名古屋は今季7度目の完封負けで、強打の割に脆い時は脆い。


 若林は三番小鶴誠に三塁打1本を含む2安打を許したが、四番吉田猪佐喜に3四球を与えて連打を防いだ。二番古川、五番加藤にも1安打ずつを許したが、トップの石丸藤吉、六番芳賀直一、七番藤原鉄之助を無安打に抑えて名古屋打線を完封した。


 主軸は敢えて塁に出し、前後の打線の弱いところで抑える芸術的ピッチングを見せた。好調・藤原鉄之助を無安打に抑えたところがこのゲームのポイントであった。




2016年12月10日土曜日

18年 西鉄vs大和 6回戦


7月9日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 西鉄 12勝24敗3分 0.333 野口二郎
2 0 1 0 0 0 1 0 X 4 大和 19勝19敗1分 0.500 片山栄次

勝利投手 片山栄次 8勝12敗
敗戦投手 野口二郎 7勝9敗

二塁打 (西)濃人 (和)杉江、木村、金子
本塁打 (和)鈴木 3号

勝利打点 鈴木秀雄 2

猛打賞 (和)木村孝平 1


鈴木秀雄、現在ホームランキング

 大和は初回、先頭の木村孝平が左前打を放って出塁、苅田久徳のレフト線ヒットで木村は三塁に走るが、レフト黒沢俊夫からの好返球にタッチアウト、この間に打者走者の苅田は二塁に進み、鈴木秀雄が右前にタイムリーを放って1点を先制、小松原博喜の中前打で鈴木が三塁に進んで一死一三塁、ここで重盗を試みるが、キャッチャー中村民雄からの送球を野口二郎がカットしてホームに送球し、三走鈴木が「2-1-2」で刺される。二死二塁から小島利男の三塁内野安打で二死一三塁、金子裕が中前にタイムリーを放って2-0とする。

 2点しか入っていませんが、大和はトップの木村から六番の金子まで6連打を記録した。七番岡田福吉は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 大和は3回、先頭の鈴木がライトスタンドに第3号ホームランを叩き込んで3-0とする。


 西鉄は7回、先頭の濃人渉がレフト線に二塁打、黒沢がライト線にタイムリーを放って1-3とする。


 大和は7回裏、一死後杉江文二が左越えに二塁打、トップに返り木村も左中間に二塁打で続いて4-1と突き放す。追い上げられた直後のこの一打は効いた。


 片山栄次は6安打3四球1三振の完投で8勝目をあげる。


 初回に6連打を浴びた野口二郎は昨年までのキレが見られず9敗目。勤続疲労による肩の不調は深刻のようだ。


 鈴木秀雄が第3号を放って岩本章に並んでホームランダービートップに立った。今季の鈴木はほぼフル出場するが、この後はホームランが出ず、惜しくも本塁打王のタイトルを逃すこととなる。昭和18年の本塁打王タイトルは岩本章、加藤正二、古川清蔵の名古屋勢が4本で獲得する。



2016年12月7日水曜日

18年 第8節 週間MVP


 今節は名古屋が5勝0敗で首位に立ち、朝日が4勝0敗1分、阪神が3勝1敗1分、大和が3勝2敗、南海が3勝2敗、西鉄が1勝4敗、阪急が0勝5敗、巨人が0勝5敗と、好調チームと不振チームに二分された。


週間MVP

投手部門

 南海 別所昭 3

 2勝0敗1セーブ、2完封。

 名古屋 石丸進一 1

 2勝0敗。エースへの道を歩み始めた。

 朝日 林安夫 4

 2勝0敗。


打撃部門

 名古屋 古川清蔵 1

 19打数5安打7四球、10得点2打点。週間10得点は新記録の可能性が高い。

 名古屋 加藤正二 1

 16打数7安打5四球1死球、3得点5打点。真の殊勲打1、並列の殊勲打1。

 大和 小松原博喜 1

 12打数5安打、3得点6打点。6月29日の阪神戦で代打決勝三塁打、7月1日の阪急戦では渡辺絢吾のサヨナラランニングホームランの伏線となる殊勲の三塁打を放った。
 
 朝日 坪内道則 2

 19打数6安打、6得点5打点。二塁打2本、三塁打1本、本塁打1本。勝利打点1、並列の殊勲打1と爆発した。

 南海 猪子利男 1

 20打数5安打、4得点4打点。並列の殊勲打2本に加え、6月27日の西鉄戦では決勝本盗も記録した。


殊勲賞

 大和 渡辺絢吾 2

 7月1日の阪急戦で史上初のサヨナラランニングホームランを放つ。

 大和 広島清美 1

 7月6日の西鉄戦で4イニングを無安打に抑えてセーブを記録する。

 名古屋 野口正明 1

 7月6日の阪急戦で3安打完封。

 朝日 浅原直人 1

 2試合連続勝利打点を記録。


敢闘賞

 朝日 真田重蔵 2

 1勝0敗に加え、7月1日の阪神戦では延長11回完投引分け。

 名古屋 藤原鉄之助 1

 20打数8安打、4得点5打点と週間MVP級の活躍。

 阪神 玉置玉一 1

 18打数7安打、4得点3打点。


技能賞

 南海 増田敏 1

 7月5日の西鉄戦で貴重な送りバントを決める。

 名古屋 森井茂 3

 スローカーブを駆使して7月1日の南海戦で今季4度目の完封勝利。


2016年12月4日日曜日

史上最強打線


 名古屋打線の勢いが止まらない。

 第8節の成績は、


 石丸藤吉 21打数6安打
 古川清蔵 19打数5安打
 小鶴誠   21打数6安打
 吉田猪佐喜21打数5安打
 加藤正二 16打数7安打
 藤原鉄之助20打数8安打
 金山次郎 22打数8安打
 芳賀直一 21打数3安打
 石丸進一 8打数3安打


 レギュラー8人の成績は161打数48安打、2割9分8厘。石丸進一の8打数3安打を加えると169打数51安打でチーム打率は3割2厘となります。打撃不振の西鉄のレギュラーは132打数17安打、1割2分9厘ですから名古屋は西鉄の2倍以上の打線ということになります。

 一般に、昭和18年は使用球の質が悪くて「打撃不振の年」と言われていますが、事実は全く違うことが分かります。


 大本営発表には騙されないように気を付けましょうね。真実は当ブログにあります。



2016年12月3日土曜日

空前の混戦


 昭和18年ペナントレースも佳境に入ってきましたが、7月6日現在、名古屋が22勝13敗3分で単独首位、二位タイに朝日、阪神、巨人が21勝15敗2分で並ぶという空前の混戦模様となっております。

 名古屋はホームランバッターがズラリと並ぶ強力打線、投手陣ではベテラン森井茂が好調で、石丸進一が徐々にエースに成長してきています。


 朝日は竹内愛一監督のマジックが効いて好調をキープ。


 阪神は景浦将が戦列に戻って若手に刺激を与えています。


 巨人は須田博の病気による戦線離脱が痛く、中島治康監督の消極戦法も影響して第8節は5連敗。



18年 阪神vs巨人 5回戦


7月6日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 3 1 0 0 0 0 0 0 5 阪神 21勝15敗2分 0.583 若林忠志
0 2 1 0 0 0 0 0 0 3 巨人 21勝15敗2分 0.583 沢村栄治 藤本英雄


勝利投手 若林忠志 12勝4敗
敗戦投手 沢村栄治   0勝3敗

勝利打点 田中義雄 4

猛打賞 (巨)青田昇 2


沢村栄治 、最後のピッチング

 阪神は若林忠志監督が先発。巨人は沢村栄治 が今季3度目の先発、4度目の登板となった。

 阪神は初回、先頭の塚本博睦は右飛、金田正泰は投ゴロに倒れて二死無走者、御園生崇男が四球を選ぶと二盗に成功、玉置玉一も四球を選んで二死一二塁、ここから沢村はストライクが入らなくなり、門前真佐人はストレートの四球で二死満塁、田中義雄も押出し四球を選んで1点を先制する。


 阪神は2回、先頭の乾国雄が四球で出塁、武智修が送って一死二塁、トップに返り塚本博睦が右前にタイムリーを放って2-0、塚本が二盗を決め、金田の投前バントを沢村が一塁に送球するがファースト伊藤健太郎が落球して一死一三塁、金田のバントには犠打が記録される。御園生崇男が四球を選んで一死満塁、玉置の右犠飛で3-0、二走金田もタッチアップから三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて4-0とする。


 阪神はこの日プロ入り初のスタメンマスクを被った木村由夫の若さを狙った走塁を見せた。


 巨人は2回、先頭の青田昇がセンター右にヒット、伊藤が左前打で続いて無死一二塁、木村の投ゴロをピッチャー若林は三塁に送球して二走青田は三封、小池繁雄が四球を選んで一死満塁、沢村が引っ張って一二塁間を破る2点タイムリーを放ち2-4と追いすがる。


 阪神は3回、一死後若林が四球を選んで出塁、乾は左飛に倒れるが、武智が四球を選んで二死一二塁、トップに返り塚本が中前にタイムリーを放って5-2と突き放す。


 巨人は3回裏、先頭の中島治康が中前打、青田がピッチャー強襲ヒットで続いて無死一二塁、伊藤の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってゲッツー、二死三塁から木村がプロ入り初ヒットを中前に放ち3-5と粘りを見せる。


 巨人は4回から沢村がベンチに下がり藤本英雄が登板、藤本は9回までの6イニングを1安打無失点に抑えたが6四球を与えた。


 若林は4回以降を無失点、7回には白石敏男、青田、多田文久三に中前打を打たれたが、センター塚本の好返球に救われた。


 若林忠志は11安打7四球5三振と荒れ気味ではあったが3失点で完投、12勝目をあげる。


 東邦商業出身のルーキー木村由夫は代打で出場した7月4日の名古屋に続いてこの試合では先発マスクを被り2打数1安打1打点を記録。木村のプロでの出場はこの2試合のみで、通算成績は3打数1安打1打点であった。


 沢村栄治 はこの日が生涯最後のピッチングとなった。3イニングを投げて2安打8四球無三振5失点。打撃では右前に2点タイムリーを放って意地を見せた。この後代打で出場することとなる布石となった打席であった。



2016年11月28日月曜日

18年 名古屋vs阪急 5回戦


7月6日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 3 0 0 0 0 0 1 6 名軍 22勝13敗3分 0.629 野口正明
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 14勝24敗 0.368 天保義夫

勝利投手 野口正明 3勝1敗
敗戦投手 天保義夫 5勝9敗

二塁打 (名)加藤、吉田2

勝利打点 吉田猪佐喜 6

猛打賞 (名)吉田猪佐喜 1


野口正明、プロ入り初完封

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川清蔵の遊ゴロでランナーが入れ替わり、小鶴誠の右前打で一死一三塁、吉田猪佐喜の遊ゴロが「6-4-3」と転送されるが二塁セーフで一塁はアウト、三走古川が生還して1点を先制、吉田には打点が記録されてこれが決勝点、二死二塁から加藤正二がレフト線に二塁打を放って2-0とする。

 名古屋は3回、又も先頭の石丸藤吉が四球を選んで出塁、古川は左邪飛に倒れ、小鶴の遊ゴロをショート中村栄が二塁に送球するがセカンド上田藤夫が落球して一死一二塁、吉田の中前タイムリーで3-0、加藤が四球を選んで一死満塁、芳賀直一が中前に2点タイムリーを放ち5-0、藤原鉄之助は遊ゴロ併殺に倒れてスリーアウトチェンジ。


 名古屋は9回、一死後古川が四球で出塁、小鶴の遊ゴロをショート中村が失して一死一二塁、吉田の右中間二塁打で6-0とする。


 野口正明は3安打3四球2死球2三振の完封で3勝目をあげる。


 野口正明は戦後まで活躍することとなり、昭和27年の西鉄時代には23勝をあげて最多勝利投手となる。通算7度の完封を記録することとなるが、これが最初の完封勝利である。


 吉田猪佐喜が5打数3安打3打点で勝利打点と猛打賞を記録した。吉田は戦後、「吉田和生」として松竹水爆打線に名を連ねることとなる。



2016年11月27日日曜日

18年 大和vs西鉄 5回戦


7月6日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 7 0 0 0 0 0 9 大和 18勝19敗1分 0.486 石田光彦 広島清美
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 西鉄 12勝23敗3分 0.343 野口明


勝利投手 石田光彦 5勝3敗
敗戦投手 野口明     0勝2敗
セーブ     広島清美 1

二塁打 (和)岡田、小島
三塁打 (和)鈴木
本塁打 (和)苅田 2号

勝利打点 小島利男 1


広島清美、4イニングを無安打

 大和は初回、一死後苅田久徳が左前打で出塁、鈴木秀雄は左飛に倒れるが小松原博喜が四球を選んで二死一二塁、小島利男が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

 大和は3回、先頭の木村孝平がストレートの四球で出塁、二死後木村が二盗に成功、小松原が四球を選んで二死一二塁、又も小島が右前にタイムリーを放って2-0とする。


 大和は4回、先頭の岡田福吉がレフト線に二塁打、石田光彦は三振に倒れるが、呉新亨が中前にタイムリーを放って3-0、呉が二盗を決め、木村の三ゴロをサード中村信一が一塁に悪送球、呉は三塁に止まり、打者走者の中村は二塁に進んで一死二三塁、ここで苅田がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで6-0、更に鈴木秀雄が右中間に三塁打、小松原の左前タイムリーで7-0、小島の左越え二塁打で一死二三塁、金子裕の二ゴロをセカンド鵜飼勉が二塁に悪送球、三走小島の生還には金子に打点が記録され、二走小島もホームに還って9-0とする。


 大和は先発の石田光彦が5回で降板して6回から広島清美がマウンドに上がる。広島は4イニングを無安打1死球無三振無失点に抑え、当ブログルールによりセーブが記録される。


 4イニングを無失点に抑えた広島清美は2年間のプロ生活で11試合に登板して通算成績は1勝4敗。現在の記録に照らすとセーブを記録していることは、当ブログが発掘するまで誰も知らなかった。


 大和は小島利男が猛打賞、苅田久徳、鈴木秀雄、岡田福吉もマルチヒットを記録した。一方、西鉄は中村民雄が2安打を放ったのみの完敗であった。



18年 朝日vs南海 5回戦


7月6日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 4 0 0 0 0 0 0 4 朝日 21勝15敗2分 0.583 林安夫
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 南海 16勝21敗1分 0.432 長沼要男 丸山二三雄

勝利投手 林安夫   11勝7敗
敗戦投手 長沼要男 2勝3敗

二塁打 (朝)坪内

勝利打点 酒沢政夫 1


酒沢政夫決勝打、坪内道則が並列の殊勲者

 南海は初回、二死後中野正雄が左前打、堀井数男もレフト線にヒットを放って二死一二塁、しかし八木進は一飛に倒れて先制はならず。

 南海は2回、一死後長沼要男が中前打、長谷川善三も中前打、加藤喜作が四球を選んで一死満塁、トップに返り猪子利男の二ゴロの間に三走長沼が還って1点を先制する。


 朝日は3回、一死後広田修三の当りは三ゴロ、しかしこれをサード増田敏が一塁に悪送球、原秀雄が四球を選んで一死一二塁、トップに返り坪内道則が左中間に二塁打を放って1-1の同点、酒沢政夫が右前にタイムリーを放って2-1と逆転、南海ベンチはここで先発の長沼要男から丸山二三雄にスイッチ、しかし丸山がボークを犯して三走坪内が還り3-1、中谷順次が中前打を放って一死一三塁、浅原直人の中飛で三走酒沢がタッチアップからスタート、センター猪子からのバックホームはタイミングはアウトであったがキャッチャー八木が落球して4-1とする。記録はエラーで犠飛にはならない。


 南海二番手の丸山二三雄は4回に早川平一にバントヒットを許しただけで5回以降朝日打線を無安打に抑えたが味方の反撃はなかった。


 林安夫は4安打3四球7三振の完投で11勝目をマークする。


 勝利打点は決勝打を放った酒沢政夫に記録され、同点二塁打の坪内道則も「並列の殊勲者」であった。



2016年11月23日水曜日

18年 南海vs西鉄 7回戦


7月5日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 1 0 5 3 0 0 0 0 11 南海 16勝20敗1分 0.444 別所昭
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  西鉄 12勝22敗3分 0.353 重松通雄 真野常照 近藤貞雄

勝利投手 別所昭   11勝9敗
敗戦投手 重松通雄 5勝12敗

二塁打 (南)中野 (西)野口明
三塁打 (南)増田

勝利打点 別所昭 2

猛打賞 (南)猪子利男 2


別所昭、今季7度目の完封

 南海は初回、二死後中野正雄がストレートの四球で出塁、堀井数男も四球を選び、捕逸で二者進塁して二死二三塁、別所昭が中前にタイムリーを放って2点を先制する。

 南海は3回、先頭の増田敏が四球を選ぶと二盗に成功、長谷川善三の遊ゴロの間に増田は三進、加藤喜作は浅いセンターライナーに倒れて二死三塁、トップに返り猪子利男が二遊間にタイムリーを放って3-0とする。


 西鉄ベンチは3回から先発の重松通雄に代えてプロ入り初登板の真野常照をマウンドに送る。


 南海は4回、先頭の別所が右中間にヒット、八木進が左前打を放ち無死一二塁、増田が送りバントを決めて一死二三塁、長谷川は投ゴロに倒れるが加藤が四球でつないで二死満塁、トップに返り猪子が左前にタイムリーを放って4-0、岡村俊昭がストレートの押出し四球を選んで5-0、更に中野正雄が左中間を深々と破る走者一掃の二塁打を放って8-0として試合を決める。


 南海は5回、先頭の八木が四球で出塁、増田の右中間三塁打で9-0、長谷川は二飛に倒れるが、加藤が右前にタイムリーを放って10-0、トップに返り猪子は四球、岡村も四球を選ん一死満塁、中野は三振に倒れて二死満塁、堀井の一塁へのタイムリー内野安打で11-0とする。


 南海先発の別所昭は初回に先制タイムリーを放つと、投げては西鉄打線を鵜飼勉の右前打と野口明の右中間二塁打2本に抑え、4四球2三振で今季7度目の完封、11勝目をあげる。完封数では6度で並んでいた林安夫を抜いて単独トップに立った。7個の完封はすべて4安打以内と優秀なもの。


 南海の攻撃では3点リードで迎えた4回の攻撃で見せた増田敏の送りバントが効いた。追加点が欲しい場面での送りバントは有効で、九番に入るベテラン加藤喜作が四球でつないで大量得点に結びつけたところが功名が辻であった。


 プロ入り初登板の真野常照は3イニングを投げて7安打7四球8失点、自責点7。一宮中学から入団したサウスポー真野のプロでの登板はこの試合のみで、通算防御率は21.00、被安打7、与四球7、自責点7の記録が残っている。



18年 名古屋vs巨人 7回戦


7月4日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 2 0 0 0 1 0 0 5 名軍 21勝13敗3分 0.618 石丸進一
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 巨人 21勝14敗2分 0.600 中村政美 川畑博

勝利投手 石丸進一 6勝3敗
敗戦投手 中村政美 1勝3敗

二塁打 (名)加藤、吉田

勝利打点 なし


名古屋、首位に躍り出る

 現在3連敗中の巨人に対して、5連勝中の名古屋が首位巨人に0.5ゲーム差と迫って迎えた首位攻防戦。

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉から古川清蔵、小鶴誠と3連続四球で無死満塁、巨人ベンチはここで早くも先発の中村政美を下げて川畑博をマウンドに送り、吉田猪佐喜の遊ゴロ併殺の間に三走石丸藤吉が還って1点を先制、この場面の1点は致し方なく巨人の継投策は成功かに見えたが、加藤正二が左中間に二塁打を放って2-0とする。この一打は大きかった。


 巨人は1回裏、先頭の呉昌征が左前打で出塁、白石敏男が四球を選んで無死一二塁、中島治康監督が送りバントを決めて一死二三塁、これは消極的過ぎた。チームの状態が悪いとこういう悪循環が生まれる。青田昇ののゴロの間に三走呉が還って1-2とするが、小暮力三は左飛に倒れてこの回1点止まり。


 名古屋は3回、先頭の古川が左前打で出塁、小鶴誠が四球を選んで無死一二塁、吉田は中飛に倒れるが、加藤が左前にタイムリーを放ち3-1、芳賀直一の三ゴロで二走小鶴がアウトとなり一死一二塁、藤原鉄之助が左前にタイムリーを放って4-1と突き放す。


 名古屋は7回、先頭の古川の三ゴロをサード小池繁雄が一塁に悪送球、古川が二盗を決め、小鶴は三ゴロに倒れるが、吉田が左越えに二塁打を放ち5-1として試合を決める。


 巨人打線は2回と5回に2安打を放つが無得点、その他のイニングは無安打であった。2点を先行された1回裏無死一二塁での中島治康監督の送りバントが、巨人不振のを象徴している。須田博の病気による戦線離脱による影響も大きいが。


 石丸進一は5安打3四球3三振の完投で6勝目をあげる。


 この試合の決勝点は併殺の間の生還によるもので勝利打点は記録されないが、2本のタイムリーを放った加藤正二が「真の殊勲者」であった。


 6連勝の名古屋が4連敗の巨人を抜いて首位に躍り出た。巨人の後ろには、阪神が1ゲーム差で迫っている。



2016年11月20日日曜日

18年 阪神vs阪急 7回戦


7月4日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 0 0 5 7 阪神 20勝15敗2分 0.571 中原宏 仁科栄三 若林忠志
0 0 4 1 0 0 0 0 0 5 阪急 14勝23敗 0.378 中田武夫 天保義夫


勝利投手 仁科栄三 3勝1敗
敗戦投手 中田武夫 4勝5敗

二塁打 (神)金田、乾、門前 (急)下社、松本、中田

勝利打点 平林栄治 3


平林栄治が決勝打、神ってる

 阪神は景浦将が復帰後初のスタメン出場で三番レフトに入る。

 阪急は6月29日の朝日戦では帰還後2試合目の高橋敏を四番に起用、この日は三木久一がプロ入り初の四番に入る。


 阪神は初回、一死後金田正泰が四球で出塁するが、景浦の三ゴロは「5-4-3」と渡りダブルプレー。


 阪神は2回、先頭の玉置玉一が三塁線にヒット、門前真佐人が左前打、大島武が四球を選んで無死満塁、中原宏の一ゴロの間に三走玉置が還って1点を先制、なお一死二三塁から乾国雄が投前にスクイズを決めて2-0とする。


 阪急は3回、一死後山田伝が四球を選んで出塁、ここでピッチャー中原からの牽制球をファースト大島が逸らす間に山田が快足を飛ばして三塁に進み、上田は二ゴロに倒れるが、下社邦男の左中間二塁打で山田が還り1-2、四番・三木が中前に同点タイムリーを放って2-2、松本利一の右中間二塁打で二死二三塁、阪神ベンチはここで先発の中原から仁科栄三にスイッチ、池田久之の三ゴロをサード玉置がエラーする間に三走三木に続いて二走松本も還って4-2と逆転する。


 阪急は4回、先頭の中村栄がセーフティバントを試みるがピッチャー仁科に捌かれて一塁アウト、仁科は内野手もやるだけあってフィールディングは巧い。トップに返り山田が2打席連続の四球から二盗に成功、上田藤夫の右前タイムリーで5-2と突き放す。


 阪神は3回以降阪急先発の中田武夫に抑え込まれ、3点ビハインドのまま9回を迎える。


 阪神は9回、先頭の玉置が四球を選んで出塁、門前真佐人の左中間二塁打で玉置が還り3-5、御園生崇男が三塁に内野安打、二走門前は動けず無死一二塁、ここで門前が単独三盗を決めて無死一三塁、仁科に代わる代打若林忠志の二ゴロの間に三走門前が還って4-5、乾国雄に代わる代打山口政信が四球を選んで一死一二塁、ピッチャー中田からの二塁牽制が悪送球となって一死二三塁、武智修に代わる代打平林栄治が左前に決勝の2点タイムリーを放ち6-5と逆転、打者走者の平林は送球の間に二塁に進み、更に二塁送球をセカンド上田がエラーする間に三塁に達し、トップに返り上田正の中犠飛で7-5と突き放す。


 仁科の代打に出た若林監督が9回裏の阪急の反撃を三者凡退に抑えて今季初セーブをあげる。


 6月26日の朝日戦でも9回裏にサヨナラ二塁打を放った平林栄治がこの日も9回に決勝打を放つ活躍を見せた。2016年なら「神ってる」の見出しが躍っていることでしょう。「Wikipedia」には「打撃はいまいちであった」などと書かれている(2016年11月20日現在)が、事実と違いますね。




2016年11月16日水曜日

18年 阪神vs朝日 6回戦


7月1日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  1 阪神 19勝15敗2分 0.559 若林忠志
0 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  1 朝日 19勝15敗2分 0.559 真田重蔵

勝利打点 なし


同率の両チーム、延長12回引分け

 現在19勝15敗1分で同率3位に並ぶ阪神と朝日の対戦。なお、11月5日付け「18年 朝日vs阪急5回戦」で朝日の勝敗を「18勝15敗1分」と表示していましたが、「19勝15敗1分」の間違いでしたので、お詫びして訂正させていただきます。

 阪神は2回、先頭の玉置玉一が左前打で出塁、カイザー田中義雄の一塁線バントが内野安打となって無死一二塁、大島武は三振に倒れるが、若林忠志の打席でダブルスチールを決めて一死二三塁、若林の左犠飛で1点を先制する。阪神投手陣による犠飛は4月10日の三輪八郎以来今季2本目となる。なお、「犠飛」については当時は公式記録では記録されていませんが、当ブログではスコアカードの記載から「犠飛」と判断できる場合は「犠飛」としてお伝えしておりますのでご注意ください。

 朝日は2回裏、一死後酒沢政夫が四球で出塁、小林章良も四球を選んで一死一二塁、真田重蔵の遊ゴロをショート武智修がエラーする間に二走酒沢が快足を飛ばしてホームインし1-1と追い付く。

 朝日は7回、先頭の浅原直人が三塁に内野安打、早川平一は中前打、酒沢の三前バントが内野安打となって無死満塁の第チャンス到来、しかし小林の遊ゴロで三走浅原は本封、真田は三振、原秀雄も三振に倒れて無得点。

 この後も両チーム無得点で、延長12回引き分く。

 若林忠志は12回を投げて7安打4四球6三振1失点、自責点ゼロ。

 真田重蔵は12回を投げて6安打5四球4三振1失点であった。