2015年11月9日月曜日

17年 大洋vs大和 12回戦


10月18日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  1 大洋 50勝33敗6分 0.602 重松通雄 古谷倉之助
1 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  1 大和 22勝57敗10分 0.278 石原繁三

二塁打 (大)野口明、濃人 (和)渡辺、苅田
本塁打 (大)祖父江 2号

勝利打点 なし


祖父江東一郎、攻守に活躍

 大和は初回、先頭の渡辺絢吾が右中間に二塁打、木村孝平の左前打で無死一三塁、金子裕の遊ゴロが「6-4-3」と渡る間に三走渡辺が還って1点を先制する。この場合、金子には打点は記録されない。

 大洋は2回、先頭の野口明が左中間に二塁打、富松信彦の一ゴロをファースト金子が逸らして打球は外野に抜け、二走野口明は三塁ベースを蹴ってホームに向かうが、ライト渡辺からの送球にタッチアウト、打者走者の富松も一塁ベースを蹴って二塁に向かうがキャッチャー木下政文から二塁ベースカバーの山田潔に転送されてタッチアウト、「9-2-6」のダブルプレーが記録された。

 大和は2回裏、先頭の苅田久徳がレフト線に二塁打、山田の右前打で二走苅田がホームを突くが、ライト祖父江からのバックホームにタッチアウト。

 大洋は3回から先発の重松通雄に代えて古谷倉之助をマウンドに送り、古谷は10回を投げて3安打2四球3三振で無失点。

 大和戦発の石原繁三は12回を完投して6安打3四球無三振で1失点。結局、延長12回引き分けた。


 大洋の祖父江東一郎は同点ホームランとライトからの好返球を見せて好守に活躍した。


 大洋11回の攻撃で、一死後野口明が左前打を放ち、富松の二fゴロはセカンド苅田が一塁に送球し、ファースト鈴木秀雄からセカンド苅田に転送されて一走野口明はタッチアウト、「4-3-4」のダブルプレーが記録された。富松の二ゴロを捕球したセカンド苅田が一走野口明が走らなかったのを見て先にファーストに送球してファースト鈴木秀雄からの転送を受けて野口明にタッチしたもので、苅田は二塁ベースカバーのショート山田に送球して「6-4-3」のゲッツーにしてもよかったが、ショーマンシップに溢れる苅田は先に一塁に送球しても野口明をタッチアウトにできると判断して一塁に送球したようだ。


 翌日の読売新聞に掲載された鈴木惣太郎の試合評は、紙面の大半を割いて「11回一死後野口兄が左翼安打に出て延長戦を決すべき大洋唯一の好機であった。すると次の富松が二ゴロして野口は二塁に突進したがこの時早く苅田は前進してこのゴロを拾い上げ野口の前進路に立ちふさがって球をつける姿勢を示すと、野口は逆行するとみせて立ちどまったが苅田はこの手に乗らず直ぐ一塁に投げて富松を刺し、野口が二塁へ走らんとする出鼻を捕えて一塁からの返球で併殺を完成。稀にみる美技に感嘆の声暫くは鳴りやまなかった。」と書いている。このプレーの真相は分からないが、鈴木惣太郎が苅田の復帰を喜んでいたことは文面から察せられる。


 

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