2015年3月14日土曜日

17年 阪急vs黒鷲 6回戦


6月27日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 22勝18敗2分 0.550 天保義夫 笠松実
0 2 1 0 0 0 0 0 X 3 黒鷲  8勝31敗2分 0.205 石原繁三

勝利投手 石原繁三 6勝12敗
敗戦投手 天保義夫 2勝3敗

勝利打点 木村孝平 1


2個のデッドボール

 阪急のトップバッターはフランク山田伝、黒鷲のトップバッターは山田潔。山田伝は昭和12年から、山田潔は昭和13年からプロ野球に在籍しているが二人の山田が同時にスタメンでトップに入るのはこの試合が史上初めてのこととなる。この後8回戦、9回戦、10回戦でも同様の事象が生じる。


 黒鷲は初回、先頭の山田潔がストレートの四球で出塁、寺内一隆監督も四球を選んで無死一二塁と先制のチャンス、富松信彦の二ゴロで寺内は二封、木下政文の捕ゴロが「2-4-3」と渡ってダブルプレー。初回は10連敗のチームらしい攻撃であったが、本日の黒鷲はちょっと違った。

 黒鷲は2回、先頭の鈴木秀雄が二塁に内野安打、玉腰忠義が四球を選んで無死一二塁、阪急ベンチはここで早くも先発の天保義夫から笠松実にスイッチ、杉江文二の投前送りバントを笠松が三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死満塁、木村孝平が押出し死球を受けて1点を先制、石原繁三の二ゴロで三走玉腰は本封、トップに返り山田潔は浅い右飛に倒れて二死満塁、寺内監督が中前にタイムリーを放って2-0、二走木村もホームを狙うがセンター山田伝からのバックホームにタッチアウト。

 黒鷲は3回、二死後鈴木が死球を受けると二盗に成功、玉腰の右翼線タイムリーで3-0とリードを広げる。

 阪急二番手の笠松は4回以降黒鷲打線を3安打無失点に抑えた。


 黒鷲の勝因となったのは笠松が与えた2個のデッドボールであった。2回無死満塁で木村孝平が受けた押出し死球は決勝点となって勝利打点は木村に記録された。3回の追加点も鈴木秀雄の死球をきっかけとしたものである。笠松はシュートを決め球にして春先は巨人キラーとして活躍したが、ここにきてシュートのコントロールが危うくなっているようだ。


 黒鷲先発の石原繁三は快調なピッチングで阪急打線を3安打6四球1三振に抑え、今季3度目の完封で6勝目をあげる。石原がここまで記録した3回の完封は何れも3安打に抑えたものである。石原の剛球がいかに威力を持っていたかを物語っている。石原はここまで5勝12敗と大きく負け越してきたが、この試合がターニングポイントとなり以降は15勝14敗を記録して最終的には20勝26敗の成績を残すこととなる。今季27勝68敗10引分け、勝率2割8分4厘の黒鷲-大和で後半戦は勝ち越して20勝を記録することは、驚異的と言えるのである。




*石原繁三は今季3度目の3安打完封で6勝目を朝日マークする。










*石原繁三に3安打に抑え込まれた阪急打線。トップは山田伝であった。










*久々の快勝で11連敗を免れた黒鷲打線。トップは山田潔であった。













 

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