2015年1月22日木曜日

17年 黒鷲vs阪急 4回戦


5月24日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 黒鷲   7勝24敗2分 0.226 松本操 金子裕
0 0 0 0 0 0 4 0 X 4 阪急 17勝15敗2分 0.531 笠松実

勝利投手 笠松実 7勝5敗
敗戦投手 松本操 0勝6敗

三塁打 (黒)富松 (急)石井、山下好一

勝利打点 石井武夫 1

猛打賞 (黒)杉山東洋夫 1


石井武夫、満塁走者一掃三塁打

 昭和17年春季リーグ戦は巨人の優勝も決まって消化試合に突入。5月24日は後楽園で3試合、甲子園で3試合が行われます。甲子園は黒鷲vs阪急のダブルヘッダーとと南海vs阪神5回戦。本日は甲子園球場から先にお伝えします。

 黒鷲vs阪急ダブルヘッダーの第一試合は6回まで両軍無得点。7回表黒鷲の攻撃から阪急はキャッチャー池田久之を下げてファーストの日比野武にマスクを被らせ、ファーストに石井武夫を入れる。この守備変更が試合を決めることとなる。

 黒鷲は7回表、二死後杉山東洋夫がこの日3本目のヒットを中前に放ち猛打賞を記録、二盗を決めて二死二塁、山田潔が四球を選び杉山が三盗に成功して二死一三塁、しかし渡辺絢吾は二ゴロに倒れてここまで0対0が続く。

 阪急は7回裏、一死後フランク山田伝がレフト線にヒットを放つが二塁を欲張り谷義夫からの送球にタッチアウト、山下好一が三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ、と思われたところサード木下政文がエラー、ここで好投を続けてきた黒鷲先発の松本操が乱れ、黒田健吾、日比野に二者連続ストレートの四球を与えて二死満塁、石井武夫が左中間に走者一掃の三塁打を放って3-0、江口行雄が左前にタイムリーで続き4-0とする。

 笠松実は8回、9回とヒットを許すが無失点に抑え、7安打4四球3三振で今季3度目の完封、7勝目をあげる。


 杉山東洋夫が4打数3安打で猛打賞を獲得、2盗塁も記録した。プロには今季1年だけの在籍で戦死することとなる杉山は通算3盗塁、そのうち2個をこの試合で記録したことになる。


 決勝の満塁走者一掃の三塁打を放って3打点を記録した石井武夫は今季13試合に出場するだけでシーズン3打点、今季の全打点をこの日の1打席で記録した。石井は今季でプロ野球界を去ることとなる。


 石井武夫は中外商業(現・兵庫県立尼崎北高等学校=通称「尼北」)の出身。尼北と言えば「紙ふうせん」の二人、平山泰代と後藤悦治郎の出身校としてお馴染み。「赤い鳥」から分離独立した「紙ふうせん」は「冬が来る前に」の大ヒットで知られます。平山泰代は赤い鳥時代、ボーカルの新居潤子(現・山本潤子)の影に隠れてピアノを担当していましたが、音楽性では山本潤子に引けを取らない。現在ユーチューブで見ることのできる「翼をください」の当時のライブ画像は超貴重です。「ヤングタウン東京」で毎週聞いていたあの声がよみがえりますね。


 「紙ふうせん」のグループ名は赤い鳥時代に後藤悦治郎が作曲した楽曲「紙風船」に由来します。あまり知られていませんが、12枚組CD「赤い鳥コンプリート・コレクション」DISC6の11曲目に収録されています。




 

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