2014年12月26日金曜日

17年 名古屋vs南海 5回戦


5月15日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12  計
1 0 0 0 0 1 0 0 1  0   0   0   3 名古屋 9勝19敗 0.321 石丸進一 河村章
0 0 0 0 0 0 0 2 1  0   0  1X  4 南海  18勝11敗 0.621 神田武夫

勝利投手 神田武夫 12勝3敗
敗戦投手 河村章      1勝8敗

二塁打 (名)木村
三塁打 (南)猪子

勝利打点 岩本義行 2

猛打賞 (南)岩本義行 3


石丸-神田の対決

 名古屋は石丸進一、南海は神田武夫の先発、注目の一戦となった。石丸と神田の対決が見られるのは昭和17年だけで、石丸と神田が共に先発するのは歴史上この日と11回戦の2度のみとなります。

 名古屋は初回、先頭の木村進一が左中間に二塁打、石丸藤吉が送って一死三塁、桝嘉一は三ゴロに倒れ、飯塚誠が四球を選んで二死一三塁、古川清蔵が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 名古屋は6回、先頭の石丸藤吉が左前打で出塁、桝が送って一死二塁、飯塚の三ゴロの間に石丸藤吉は三進、古川が又も右前にタイムリーを放ち2-0とする。

 神田武夫は6回までに5安打を許し2失点。一方、石丸進一は快調なピッチングを続け6回まで南海打線をノーヒットに抑える。

 南海は7回、一死後岩本義行が左前にチーム初ヒット、しかし室井豊は左邪飛、岡村俊昭は一ゴロに倒れてこの回も無得点。

 南海は8回、一死後神田が左前打を放って出塁、柳鶴震は三振に倒れるが、トップに返り国久松一が四球を選んで二死一二塁、ここで猪子利男がライト線に三塁打を放って二者還り2-2の同点に追い付く。

 名古屋は9回表、先頭の岩本章がレフト線にヒット、野口正明は遊飛、石丸進一は中飛に倒れて二死一塁、芳賀直一の中前打で一走岩本章は三塁に進んで二死一三塁、ピッチャー神田が一塁に牽制球を投げた隙を突いて三走岩本章がスタート、ホームに滑り込んで勝越しのホームスチールを決める。このプレーは「雑記」欄に「1.3の間 本盗」と書かれているので神田の牽制の隙を突いた岩本章の好走塁だったようです。

 南海は9回裏、先頭の岩本義行が中前打で出塁、室井が右前打を放って無死一二塁、室井の代走に川崎徳次を起用、岡村も中前打を放って無死満塁と逆転サヨナラの大チャンス、中野正雄は三振に倒れて一死満塁、ここで打席に立った神田が右犠飛を打ち上げて3-3の同点に追い付く。神田は京都商業からプロ入りする際、当時の「野球界」には「プロでは外野手か」という記事が掲載されており、打撃にも優れていたことがうかがえる。

 神田は延長戦も続投するが、名古屋は10回から石丸進一を下げて河村章をマウンドに上げる。神田の9回までの投球数は112球であったが、石丸のそれは134球に達していたのである。

 南海は12回裏、一死後国久が左前打で出塁すると二盗に成功、8回に同点三塁打を打っている猪子は歩かされて一死一二塁、北原昇の三塁内野安打で一死満塁、岩本義行がライトにサヨナラヒットを放ち激戦にピリオドを打つ。



 神田武夫は154球で12回を投げ抜き9安打3四球4三振3失点、12勝目をあげる。川崎徳次の復調により登板間隔を空けることができた点が勝因でしょう。その川崎は9回に室井の代走に起用されており、足も速かったようです。


 石丸進一は9回を投げて6安打5四球2三振3失点、神田に同点犠飛を打たれて力尽きた。










*石丸進一と神田武夫の先発対決は歴史上、この日を含めて2回だけです。











*9回表に岩本章が記録したホームスチールは「雑記」欄に「1.3の間 本盗」と書かれているので二死一三塁でピッチャー神田武夫が一塁に牽制球を投げた隙を突いてホームスチールを決めたものであると考えられます。
















 

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