2014年6月30日月曜日

16年 朝日vs南海 11回戦


10月27日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12  計
1 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   2   3 朝日 23勝51敗1分 0.311 山本秀雄
0 0 0 0 1 0 0 0 0  0   0   0   1 南海 36勝38敗 0.486 石田光彦 神田武夫

勝利投手 山本秀雄   6勝16敗
敗戦投手 神田武夫 22勝13敗

二塁打 (朝)坪内 (南)村上

勝利打点 室脇正信 2


山本秀雄、歴史的快投!!!

 10月5日の南海戦以来1引分けを挟んで8連敗中の朝日とここまで5連勝と波に乗る南海との一戦。

 朝日は初回、一死後戸川信夫が四球で出塁するとパスボールで二進、坪内道則のレフト線二塁打で1点を先制する。

 4回まで朝日先発の山本秀雄に無安打に抑えられてきた南海は5回、先頭の村上一治がレフト線に二塁打、木村勉の遊ゴロの間に村上は三進、岡村俊昭の右犠飛で1-1の同点に追い付く。

 その後は南海先発の石田光彦と山本の投げ合いが続いて試合は延長12回に突入。

 南海は12回から石田に代えてエース神田武夫を投入するがこれが裏目に出た。

 朝日は12回、先頭の岩田次男が四球で出塁、内藤幸三の送りバントは捕邪飛となって失敗、山本の一ゴロをファースト村上が二塁に送球するが二塁ベースカバーに入ったショート前田貞行が落球、室脇正信が右前に決勝タイムリーを放って2-1、トップに返り五味芳夫に代わる代打景浦賢一も左前にタイムリーを放って3-1とする。

 南海は12回裏、一死後国久松一の遊ゴロをショート前田諭治がエラー、安井鍵太郎は右飛に倒れるが国久が二盗に成功、キャッチャー伊勢川真澄の悪送球も加わって二死三塁、しかし岩本義行が三振に倒れて2時間30分の激闘に終止符を打つ。


 延長12回を完投した山本秀雄は1安打2四球7三振1失点。歴史にタラレバは不要ですが、村上一治の二塁打と朝日の初回の得点が無ければ日本プロ野球史上唯一の12回無安打無得点は全く無名の山本秀雄によって達成されるところであった。日本のプロ野球ではこれまで昭和11年9月25日の澤村栄治から2014年5月2日の岸孝之 まで延べ89回のノーヒットノーランが記録されているが、延長戦での無安打無得点は1973年8月30日に江夏豊が延長11回をノーヒットに抑えて自らのサヨナラホームランで決着を付けた1回のみである。


 歴史的快投を見せた山本秀雄の名前を知る野球ファンはほぼ皆無といえるでしょう。筆者も恥ずかしながら当ブログをやっていなければ本日に至るまで知らなかったと思います。山本は3年間のプロ野球生活で通算9勝25敗、完封勝利はゼロのまま球界を去ることとなりますが、延長12回1安打1失点完投の記録を達成して歴史の闇から這い上がってきたのです。








*山本秀雄は延長12回を1安打1失点で完投する。












*山本秀雄に1安打に抑え込まれた南海打線。








 

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