2014年5月3日土曜日

対決! その2



 池江泰郎元調教師「匠の視点」vs馬券歴38年「さすらいの馬券師」筆者の対決!第二弾は馬主対決となりました。


 2014年4月30日付けスポニチは、サレブレッド2歳馬の調教セリ「2014JRAブリーズアップセール」で「昨年7月に馬主登録を行った元JRA調教師の池江泰郎・・(73=本紙評論家)が・・・「モンテゾールの12」を3240万円で落札した」と報じています。同氏は「新米馬主です。よろしく」と報道陣にあいさつしたとのことです。馬券歴38年「さすらいの馬券師」筆者(55)は1982年にダイナエメラルド号(父ノーザンテースト、母ニチドウエンペラー 平地18戦1勝、障害9戦2勝)の一口馬主になって以来、一口馬主歴32年でもありますので、G1馬券対決に加えて馬主対決も開始させていただきます。


 現在の筆者の所有馬はペンタプリズム(父メイショウサムソン、母ルミナスポイント 2012年産)なので「モンテゾールの12」とは同期対決となります。

 「モンテゾールの12」は池江泰郎元調教師が手掛けたステイゴールドの産駒ですが、ペンタプリズムの母ルミナスポイントは筆者の所有馬(もちろん一口です)でした。「モンテゾールの12」はまだ馬名が付いていませんので血統名で呼ばれます。ペンタプリズムの血統名は当然のことながら「ルミナスポイントの12」(ルミナスポイントの2012年産駒)となります。

 スポニチによると3240万円で落札した池江泰郎元調教師は「全財産投げだした」とのことですが、馬主資格の要件の一つは「資産7500万円以上」ですから全財産でないはずです。仮に3240万円が全財産である場合、馬主要件を満たしていないこととなりますので、JRAによる身内に対する便宜供与の可能性が浮上します(笑)。


 ペンタプリズムの募集金額は35万円でした。40口ですから総額は1400万円の安馬です。1400万円の安馬が3240万円の高額馬に負けるかというと、必ずしもそうならないのが競馬です。ルミナスポイントも一口45万円(総額1800万円)の安馬でしたが23戦5勝でオープンまで出世して特別出走手当、付加賞を含めると一口当たり250万円以上の賞金を稼ぎました。

 高額馬ばかりを所有すれば勝てる確率が上がるかもしれませんが、全く走らずに未勝利や下級条件で終わる高額馬は腐るほどいます。失敗事例として有名なダンシングオン(父サンデーサイレンス、母ダンシングキイ、姉ダンスパートナー、兄ダンスインザダーク)は2001年に社台レースホースで一口500万円(総額2億円!)で募集され、下級条件戦ばかりを走って49戦3勝で9000万円近くの賞金を稼ぎましたのでまだましな方です。「フサイチ」で有名な関口房朗は1996年にフサイチコンコルドで日本ダービー、2000年にはフサイチペガサスでケンタッキーダービーを制してキャリアの絶頂にいましたが、その後は億円単位で買い漁った高額馬が全く走らず所有馬を差し押さえられました。相馬眼が高いと言わるている岡田繁幸(サラブレッドクラブ・ラフィアン代表)が3億2千万円で落札したカーム(父サンデーサイレンス、母フランクアーギュメント)は3戦未勝利に終わっています。すなわち3億2千万円はパァ~になった訳です。

 筆者は低額馬から走りそうな馬を探し出してきます。これが32年続けることができる秘訣です。ルミナスポイント(血統名ソニンクの03)はアグネスタキオンのファーストクロップ(初年度産駒)だったのでまだ価格が安かったのです。アグネスタキオンは初年度産駒からロジック(NHKマイルカップ)がG1を制したのを皮切りに、ダイワスカーレット(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯、有馬記念)、キャプテントゥーレ(皐月賞)、ディープスカイ(日本ダービー)と産駒がG1を席巻し、産駒の価格も急騰しましたので初年度産駒以降は筆者に手の出るような価格ではなくなりました。


 筆者が2004年にルミナスポイント(以下「ルーミン」)の一口馬主になって以降、ルーミンの母ソニンクの一族からは、ノットアローン(ルーミンの弟)が2008年のラジオNIKKEI賞2着、セントライト記念3着の活躍、ロジユニバース(ルーミンの甥)が2009年の日本ダービーを制し、ランフォルセ(ルーミンの弟)も2008年にデビューしてからダート交流戦を席巻して現在35戦11勝、ノーザンリバー(ルーミンの弟)も2011年にアーリントンカップ、2013年にカペラステークスと芝とダートの重賞を制して今後ダート交流戦を席巻しそうな勢いです。現在最も活発な一族であると言えます。このような血統を発見することが馬主生活の醍醐味なのです。

 筆者は、この一族のキーポイントはソニンクの父マキアベリアンにあると睨んでいます。ルーミンに出資することを決めたのも、父アグネスタキオン、母の父マキアベリアンの血統が決め手でした。マキアベリアンの父ミスタープロスペクターは、筆者が競馬史上最も高く評価している種牡馬です。以前一口馬主となっていたリバイバルダンサーも父ノーザンテースト、母カリカチューラ、母の父ミスタープロスペクターでした。1990年代初頭のヨーロッパ競馬で活躍した1988年産のヘクタープロテクター(父ウッドマン、その父ミスタープロスペクター)と1989年産のジェイドロバリー(父ミスタープロスペクター)は種牡馬として社台ファームに輸入されたので日本でも有名ですが、マキアベリアンはダルハムホールスタッドで種牡馬となりましたので日本では知られていません。ヨーロッパの競馬人は重要な血統はシェイク・モハメド殿下のダーレーグループ傘下であるダルハムホールスタッドに残し、その下のクラスを日本に売ります。筆者がルーミンに出資した後に、マキアベリアンは日本でもアサクサデンエンやヴィクトワ-ルピサの母の父として有名になりました。



 ということで、筆者が一口所有する1400万円の安馬「ペンタプリズム(ルミナスポイントの12)」と、池江泰郎元調教師が所有する3240万円の高額馬「モンテゾールの12」の対決にご注目ください(笑)。







*2007年10月14日、ルーミンが京都競馬場12レース「天王山特別」に優勝した時の実使用ゼッケンを額装したものです。薄くなっていて分かりにくかもしれませんが、騎乗した福永祐一騎手の直筆サイン入りです。









 

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