2014年4月9日水曜日

16年 黒鷲vs巨人 7回戦


8月21日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  黒鷲 16勝38敗 0.296 畑福俊英 金子裕 石原繁三
5 0 5 0 2 0 0 0 X 12 巨人 39勝13敗2分 0.750 広瀬習一
 
勝利投手 広瀬習一 1勝0敗
敗戦投手 畑福俊英 4勝9敗

勝利打点 川上哲治 11

猛打賞 (巨)水原茂 2、中島治康 6


救世主誕生!

 巨人は7月に入団してプロ入り初登板となる広瀬習一が先発、八番ショートに昨日殊勲打を放った小池繁雄を起用した。巨人はこのところ若手を積極的に起用している。


 巨人は初回、先頭の呉波がバントヒット、水原茂が左前打、千葉茂の遊ゴロで水原が二封されて一死一三塁、川上哲治が右前に先制タイムリーを放って1-0、なお無死一三塁から中島治康の三ゴロが野選を誘い三走千葉は動かず一死満塁、楠安夫が押出し四球を選んで2-0、平山菊二の三ゴロの間に三走川上が還って3-0、サード玉腰忠義からの二塁送球をセカンド宗宮房之助が落球してなお一死満塁、小池が右前に2点タイムリーを放って5-0とする。

 巨人は3回、先頭の楠が三塁に内野安打、平山がストレートの四球、小池も四球を選んで無死満塁、ここでバッティングのいい広瀬が中前にタイムリーを放って6-0、トップに返り呉の二ゴロの間に三走平山が還って7-0、水原の右前タイムリーで8-0、千葉が四球を選んで一死満塁、黒鷲ベンチはここで先発の畑福俊英から金子裕にスイッチ、中島の三塁内野安打で9-0、更にサード玉腰の悪送球で1点を加え10-0としてルーキーピッチャーを援護する。

 黒鷲は5回からキャッチャーを清家忠太郎から吉水幸夫に交代する。

 巨人は5回、先頭の水原がこの日3本目のヒットを中前に放って出塁、千葉の左前打で無死一二塁、黒鷲ベンチはここで内野陣を入れ替えショートの山田潔に代えて菅利雄を入れてサード、セカンドの宗宮をショートに、サードの玉腰をセカンドに回す。川上を三振に打ち取って守備陣の交代で目先を変えたのが成功したかに見えたが、復調の兆しが見える中島が中前打を放って一死満塁、楠は二飛に倒れるが平山が右翼線に2点タイムリーを放って12-0とリードを広げる。


 大量得点をバックにプロ入り初登板の広瀬が快投を見せた。初回、先頭の山田の遊ゴロをプロ入り初スタメンの小池がエラー、宗宮を左飛、山田に二盗を許すが玉腰を二ゴロ、中河を投ゴロに打ち取る。2回は三者凡退。3回二死後、山田に初ヒットを許すが宗宮を遊ゴロに仕留める。4回~6回は三者凡退。

 7回、先頭の玉腰に四球を許すが、中河美芳を投ゴロ併殺に打ち取る。続く富松信彦にも四球を与え、渡辺絢吾に中前打を許して二死一二塁、しかし吉水を左飛に抑えてこの回も無失点。8回は三者凡退。9回は先頭の宗宮に中前打を許すが玉腰は中飛、一走宗宮を牽制で刺して二死無走者、最後は中河を中飛に打ち取りプロ入り初登板を3安打完封で飾った。


 上田龍著「戦火に消えた幻のエース 巨人軍・広瀬習一の生涯」に書かれている投球内容はスコアカードと共に楠安夫へのインタビューにより構成されているようです。スコアカードだけではカウントまでしか分かりませんが、球種やコースは楠安夫の記憶によるもののようです。一つだけ事実と異なる点は、同著では「9回中6イニングスを三者凡退に片付ける快投」と書かれていますが、実際は上記広瀬の投球内容のとおり三者凡退は5度でした。


 広瀬習一は3安打2四球3三振の完封でプロ入り初登板を飾った。須田博の戦線離脱により苦しい台所事情の巨人に救世主が出現した。







               *広瀬習一は3安打完封でプロ入り初登板を飾る。














  *巨人打線は15安打12得点で広瀬を盛り上げる。15本は全てシングルヒットで全員安打を記録した。










 

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