2014年4月13日日曜日

16年 巨人vs大洋 8回戦


8月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 3 0 0 1 0 0 0  4 巨人 41勝13敗2分 0.759 澤村栄治
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 大洋 34勝21敗1分 0.618 野口二郎

勝利投手 澤村栄治   7勝4敗
敗戦投手 野口二郎 18勝7敗

三塁打 (巨)川上

勝利打点 千葉茂 5


澤村栄治、最後の完封

 巨人は中尾輝三が8月16日の阪急戦で延長15回を完投して引分け、澤村栄治が17日の大洋戦で延長18回を完投して引分け。この時点で残り7試合のうち一つ落とすと阪急の夏季シリーズ優勝が決定し、巨人の六連覇は無くなるという状況に追い込まれた。全勝すれば阪急と同率に追い付く。

 ここから18日の阪神戦は多田文久三-中尾、20日の朝日戦は泉田喜義-中尾のリレー、21日の黒鷲戦は救世主・広瀬習一がプロ入り初登板で完封、23日の黒鷲戦を多田-中尾のリレーで4連勝してきた。

 この日は澤村が満を持しての登板、野口二郎との一騎打ちに挑む。「左脚腫物化膿」と「突き指」の吉原正喜も悲壮の覚悟でスタメンマスクを被った。



 巨人は3回、先頭の筒井修が三遊間に内野安打、ショート濃人渉の一塁悪送球が加わって無死二塁、筒井が三盗に成功、呉波は四球から二盗を決めて無死二三塁、水原茂は浅い中飛に倒れるが千葉茂の右飛は犠牲フライに十分な距離で三走筒井がタッチアップから生還、この日ライトに入っている苅田久徳からのバックホームをキャチャー佐藤武夫が逸らす間にタッチアップから三塁に進んでいた二走呉もホームに還り2-0、川上哲治が右越えに三塁打を放って二死三塁、復調してきた中島治康が中前にタイムリーを放って3-0とする。更に吉原が右前打、平山菊二が中前打で続いて二死満塁とするが澤村は三振に倒れる。

 巨人は6回、一死後呉が三前にセーフティバントを決めて出塁、水原の遊ゴロをショート濃人が二塁に送球するがこの回から本職のセカンドに回っていた苅田が落球、千葉が左前にタイムリーを放って4-0とリードを広げる。


 10日の阪神戦は延長16回を完投して最後に力尽き、17日の大洋戦は延長18回を完投して引き分けた澤村栄治は優勝への望みをつなぐには負けられないこの一戦で会心の投球を見せた。1回、2回とヒットを許すが後続を断ち、3回は三者凡退。4回、二死後野口二郎に中前打を許すが石井豊を遊直に打ち取る。


 5回~7回は三者凡退、8回二死後佐藤を遊ゴロに打ち取るがショート筒井がエラー、しかし織辺由三を三ゴロに仕留める。9回も中村信一を右飛、森田実を三振、濃人を遊飛に打ち取り、3安打無四球6三振で今季6度目の完封、7勝目をあげる。


 日本プロ野球の黎明期を支えてきた澤村の最後の完封勝利である。








        *澤村栄治の最後の完封は、負けられない一戦で野口二郎と投げ合ったものであった。











               *澤村に3安打に抑え込まれた大洋打線。














 

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