2014年4月5日土曜日

16年 阪神vs阪急 8回戦


8月17日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  計
1 0 0 0 0 0 0 0 0  0   1 阪神 27勝27敗 0.500 松本貞一 若林忠志
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1X  2 阪急 34勝20敗1分 0.630 江田孝 笠松実

勝利投手 笠松実       6勝7敗
敗戦投手 若林忠志 11勝10敗

勝利打点 なし


記録に表れない好走塁

 甲子園の第一試合が延長18回だったことから第二試合は午後4時半、金政卯一主審の右手が上がりプレイボール。


 阪神は初回、先頭の宮崎剛が四球で出塁、皆川定之の右前打で無死一三塁と先制のチャンス、カイザー田中義雄の当りはピッチャーの足元を抜くがセカンド伊東甚吉が捕ってそのまま二塁ベースを踏んで一塁に転送、「4B-3」の併殺が完成するが三走宮崎は動けず二死三塁、、松木謙治郎が四球を選んで二死一三塁、松下繁二が左前にタイムリーを放って1点を先制する。御園生崇男も三塁に内野安打して二死満塁、しかし野口昇は中飛に倒れ、この回阪神は3安打2四球で1点に終わった。結果的にこれが敗因となる。

 阪急も1回裏、先頭の西村正夫が四球で出塁、フランク山田伝が中前打、上田藤夫が送って一死二三塁、黒田健吾が四球を選んで一死満塁、しかし中島喬の投ゴロは「1-2-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は3回、先頭の西村が二打席連続の四球で出塁、山田が送って一死二塁、上田の投ゴロに山田が飛び出し二三塁間に挟まれタッチアウト、しかしこの間に打者走者の上田は二塁に進む。ここで黒田が左前に同点タイムリーを放ち1-1とする。

 阪神は4回から先発の松本貞一に代えて若林忠志をマウンドに送り込む。

 阪急先発の江田孝は4回まで5安打3四球と乱調、5回、先頭の宮崎を歩かせたところで阪急ベンチは二番手として笠松実をマウンドに送り後続を抑える。この後は両リリーフ投手の好投が続き試合は延長戦に突入。

 阪急は10回裏、先頭の笠松の遊ゴロをショート皆川が一塁に悪送球、トップに返り西村の送りバントが野選を誘い無死一二塁、山田の三前バントも内野安打となって無死満塁、上田の遊ゴロをショート皆川がジャッグルする間に三走笠松がサヨナラのホームに駆け込む。


 5回途中から登板の笠松実は6イニングを3安打1四球無三振無失点の好リリーフを見せて6勝目をあげる。


 阪神の直接の敗因は皆川定之のダブルエラーにあったが、初回の拙攻が悔やまれるところ。

 一方、阪急の勝因は3回同点に追い付いた場面、二三塁間に挟まれた山田が時間を稼ぎ打者走者の上田が二塁に達したことにある。これが黒田の同点タイムリーを呼び込んだ。阪急はこれで夏季シリーズ20勝6敗1分、勝率7割6分9厘として首位を独走。第一試合で引き分けた大洋が16勝7敗1分で6割9分5厘、巨人が14勝7敗2分の6割6分7厘で追うが阪急の優勝が濃厚になってきた。



 阪急好調の要因が井野川利春監督の掲げるスモールベースボールにあるのは論を俟たないところ。バントの多用が語られることが多いが、本日のフランク山田伝と上田藤夫の走塁のような記録に表れないプレーこそ評価されるべきでしょう。このようなプレーを拾い上げていくことが当ブログの目的でもあります。







 

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