2014年4月28日月曜日

16年 南海vs巨人 9回戦


9月22日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 3 0 2 0 3 0 8 南海 26勝33敗 0.441 川崎徳次 神田武夫
0 0 0 3 0 0 0 2 0 5 巨人 43勝16敗2分 0.729 中尾輝三 泉田喜義 川上哲治

神田武夫 16勝11敗
中尾輝三 16勝7敗

二塁打 (南)国久、木村
三塁打 (巨)平山
本塁打 (巨)川上 4号、吉原 1号

勝利打点 村上一治 7

猛打賞 (南)国久松一(5安打) 5、岩本義行 5

ファインプレー賞 (南)安井鍵太郎 6




毎回四球

 巨人は前日試合途中で退場した中島治康がスタメンから消えてライトに林清一を起用する。

 南海は初回、先頭の国久松一がレフト線に二塁打、安井鍵太郎の投前送りバントはピッチャー中尾輝三が三塁に送球して国久はタッチアウト、岩本義行が左前打、村上一治は一飛に倒れるが木村勉が四球を選んで二死満塁、しかし岡村俊昭は三振に倒れる。2回は一死後川崎徳次が四球、3回も先頭の安井がストレートの四球を選ぶが後続なし。

 南海は4回、先頭の岡村が四球で出塁、前田貞行は三振に倒れるが川崎が三前にバントヒット、猪子利男は三振に終わるがトップに返り国久が中前打を放って二死満塁、安井が押出し四球を選んで1点を先制、岩本が左前に2点タイムリーを放って3-0とする。

 巨人は4回裏、先頭の川上が右翼スタンドに弾丸ライナーを叩き込んで1-3、吉原正喜が左前打、平山菊二も左前打を放って南海先発の川崎をマウンドから引きずり降ろし神田武夫が登場。呉波の投前送りバントが野選を誘い無死満塁、藤本定義監督はここで林に代えて中島を代打に起用、中島が左前にタイムリーを放って2-3、中尾の一ゴロで中島が二封される間に三走平山が還って3-3の同点に追い付く。

 南海は5回、岡村と神田が四球を選ぶが無得点。

 南海は6回、先頭の国久がこの日3本目のヒットとなる中前打、安井が送り、岩本が四球で歩かされて一死一二塁、村上が左前に勝越しのタイムリーを放って4-3、なお一死一三塁から木村がスクイズを決めて5-3とする。

 南海は7回、先頭の前田が四球を選んで出塁、神田が中前打、猪子の投ゴロで前田は三封、トップに返り国久が4本目のヒットを左前に放って一死満塁、安井の左飛で三走神田がタッチアップからホームを狙うがレフト平山からのバックホームにタッチアウト。神田の手を抜かないプレーぶりが見えてくる。

 南海は8回、先頭の岩本が左前打で出塁、村上が四球を選び岩本が三盗、木村が左中間を抜いて6-3、一走村上も二塁、三塁を蹴ってホームに突進するが「8-6-2」の中継プレーにタッチアウト、この間に打者走者の木村は三塁に進み、岡村は四球、前田が中前打を放って7-3、神田が四球を選んで一死満塁、猪子は三飛に倒れるが、トップに返り国久が5本目のヒットとなる左前タイムリーを放って8-3とする。

 巨人は8回裏、先頭の川上が四球で出塁、吉原がレフトスタンドにツーランホームランを放って5-8とする。

 南海は9回、二死後木村勉らが四球を選ぶが無得点。


 4回途中からリリーフのマウンドに上がった神田武夫は、9回巨人の攻撃を無失点に抑え16勝目をあげて中尾輝三とハーラー三位タイに並んだ。

 国久松一が6打数5安打で5度目の猛打賞を獲得、岩本義行も3安打で5度目の猛打賞であった。南海は調子がいいようです。

 上記試合経過からも分かるように南海はランナーを出しまくって13安打13四球で17残塁、毎回四球を記録した。「毎回四球」は過去に記憶がないので史上初の可能性があります。過去の全試合を洗い直さないと正確なことは書けませんが。昭和15年4月6日の阪急vs南海戦で阪急が32得点を記録した試合でも四球が記録されたのは7イニングだけでした。


 中島治康が代打タイムリーを放った。「中島の代打適時打」も過去に記憶がないので初めての可能性があります。


 川上と吉原が本塁打を記録、熊本工業コンビのアベックホームランは昭和15年11月9日の巨人vs名古屋12回戦以来2度目のことです。吉原は今季限りで応召して戦死することとなりますので、川上とのアベックホームランはこの日が最後となります。






*国久松一が5安打を記録した南海打線。








*川上と吉原がアベックホームランを記録した巨人打線。










 

0 件のコメント:

コメントを投稿