2013年9月23日月曜日

16年 南海vs阪神 1回戦


4月19日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 4 0 0 0 0 6 南海 2勝6敗 0.250 神田武夫
0 0 0 0 1 0 0 2 0 3 阪神 5勝5敗 0.500 藤村隆男 三輪八郎 木下勇 カイザー田中義雄

勝利投手 神田武夫 2勝2敗
敗戦投手 藤村隆男 0勝2敗

二塁打 (南)岡村、岩本 (神)森

勝利打点 岩本義行 1


一番キャッチャー国久

 南海は初回、一番キャッチャー国久松一が四球を選んで出塁、安井鍵太郎の右前打で無死一三塁、岩本義行の遊ゴロで安井が二封される間に三走国久が還って1点を先制する。

 南海は2回、先頭の岡村俊昭が左中間に二塁打、前田貞行の右前打で無死一三塁、柳鶴震の遊ゴロで前田が二封される間に三走岡村が還って2-0とする。南海は1回、2回と同じようなパターンで得点を重ねて試合の主導権を握った。

 阪神は3回から先発の藤村隆男に代えて三輪八郎をマウンドに送る。その三輪は5回に突然乱れた。

 南海は5回、先頭の国久が四球で出塁、安井も四球、岩本は死球で無死満塁、鬼頭数雄の二ゴロをセカンド宮崎剛がホームに悪送球する間に三走国久が還って3-0、阪神ベンチは三輪に代えて三番手として木下勇を投入、村上一治が中前に2点タイムリーを放って5-0、岡村の一ゴロの間に二者進塁し、前田が四球を選んで一死満塁、柳の三ゴロをサード野口昇が失する間に三走鬼頭が還って6-0、神田武夫の投ゴロは「1-2-3」と転送されてダブルプレー。

 阪神は5回裏、二死後森国五郎が右中間に二塁打、トップに返り皆川定之が三塁に内野安打、宮崎が右前にタイムリーを放って1点を返し1-6とする。

 阪神は8回、一死後カイザー田中義雄が中前打で出塁、ジミー堀尾文人が四球を選び、松木謙治郎の一塁内野安打で一死満塁、松本貞一の遊ゴロをショート前田がエラーする間に三走田中が還って2-6、野口に代わる代打土井垣武の二ゴロ併殺崩れの間に三走堀尾が還って3-6、木下に代わる代打若林忠志は投飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神の9回のマウンドにはカイザー田中義雄の姿があった。ピッチャー木下の代打に出た若林がそのまま四番手とはならず、サード野口の代打に出た土井垣がマスクを被り、サードには比留木虎雄が入り、田中がマスクとプロテクターをかなぐり捨ててマウンドに上がったのである。田中は先頭の岩本を四球で歩かせ、鬼頭の二ゴロをセカンド宮崎が二塁に投げるがセーフ、野選が記録されて無死一二塁、村上の投ゴロを田中が三塁に投げて二走岩本を三封、キャチャー土井垣の二塁牽制が悪送球となって一死二三塁、岡村を浅い右飛に打ち取り二死二三塁、前田を遊ゴロに抑えて、1イニングを無安打1四球無三振無失点に抑える。田中の登板はプロ野球生活ではこの1試合だけなので、通算防御率は0.00である。

 神田武夫は7安打3四球1三振の完投で2勝目をあげる。


 一番キャッチャー国久松一が5打席3打数2安打2四球2得点1盗塁の活躍を見せた。南海のキャッチャーは、開幕戦では松本光三郎がマスクを被り満塁ホームランも放ったが二戦目の大洋戦で6盗塁を許して失脚、三戦目から器用な木村勉がマスクを被ってきたが国久にもお鉢が回ってきた。国久は球界随一の強肩の持主、興国商業時代にもキャッチャー経験があったようで、南海入団後もマスクを被ることがあった。昨年の新聞記事では最も成長が期待される若手の筆頭にあげられていたが順調に育っている。この俊英も昭和17年限りで応召し、戦死することとなる。








*神田武夫が7安打完投で2勝目をあげる。阪神の四番手はカイザー田中義雄です。田中にとって、プロでの唯一の登板機会となりました。













     *一番キャッチャー国久が活躍した南海打線。



















 

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