2013年9月21日土曜日

16年 名古屋vs大洋 1回戦


4月19日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 名古屋 3勝6敗 0.333 森井茂 西沢道夫
0 0 2 0 0 0 0 0 X 2 大洋    7勝2敗 0.778 浅岡三郎

勝利投手 浅岡三郎 3勝0敗
敗戦投手 森井茂     1勝2敗

勝利打点 高橋輝彦 1

ファインプレー賞 (大)高橋輝彦 2、苅田久徳 1 (名)芳賀直一 1


“百万ドル内野”復活!

 名古屋は2回、先頭の大沢清が右前打、この打球をライト村松長太郎が後逸する間に打者走者の大沢は三塁に進む。吉田猪佐喜は浅い右飛に倒れて一死三塁、服部受弘が中前に先制タイムリーを放って1-0、続く芳賀直一の三ゴロはサード高橋輝彦からセカンド苅田久徳、苅田からファースト石井豊と転送されてダブルプレー、高橋と苅田にはファインプレー賞が授与された。

 大洋は3回、二死後石井が左前打で出塁、濃人渉がストレートの四球を選んで二死一二塁、名古屋先発の森井茂は突然ストライクが入らなくなり黒澤俊夫もストレートの四球で二死満塁、続く高橋は初球を狙い打ちして左前に逆転の2点タイムリーを放ち2-1とする。

 大洋は5回、先頭の黒澤が中前打で出塁、高橋の三ゴロで一走黒澤は二封、続く森田実の三ゴロもサード芳賀が二塁に送球して一走高橋は二封、芳賀の二つ目のプレーに対してファインプレー賞が贈られた。

 浅岡三郎は4回までに5安打を許したが6回以降を無安打1四球無失点に抑え、5安打1四球3三振1失点、自責点ゼロの完投で開幕以来無傷の3連勝を飾る。


 昭和11年のセネタース創設期、サード高橋輝彦、ショート中村信一、セカンド苅田久徳の内野陣は「百万ドル内野」と呼ばれ、「Tinker to Evers to Chance」と並んで日米野球史上最も有名な併殺トリオとして名を残している。昭和11年に高橋輝彦が応召、昭和12年に中村信一が応召して併殺トリオは解消したが、高橋と中村が帰還してようやく態勢が整ってきた。スコアカードに記されている「好守」の文字は、“百万ドル内野復活”を告げているのである。







                  *浅岡三郎は5安打完投で3勝目をあげる。











*大洋2回の守備、一死一二塁から名古屋・芳賀直一の三ゴロは「5-4-3」のダブルプレー。サード高橋輝彦とセカンドド苅田久徳に「ファインプレー賞」が贈られた。









*名古屋5回の守備、無死一塁から高橋輝彦と森田実の三ゴロは何れもサード芳賀直一が一走を二封、二度目のプレーに「ファインプレー賞」が贈られた。








                  「①  好守」を伝える「雑記」欄の記載。









*以下のサインは1900年代初頭のシカゴ・カブスのキーストーン・コンビであるジョー・ティンカーとジョニー・エバースの直筆サインです。何れもPSAからMINT9を得ている極めて状態の良いもので、筆者もこれ以上の状態の両者のサインは見たことがありません。

2008年秋に起きたリーマンショック後のアメリカ経済の崩壊により、メモラビア市場も大打撃を受けてベースボールグッズのオークション市場も閉鎖されました。2009年春、復活第一弾となったアメリカのオークションに出品されたのが以下の2品です。落札価格はそれまでの3分の1程度となり、当ブログが落札しました。ジョー・ティンカーとジョニー・エバースは二人とも早逝しており、残されたサインが少ないことから希少性が極めて高く、本来であれば当ブログが手を出せるような代物ではありません。

日本人はハゲタカどもに国富を略取されるのを常としていますが、ああ言う時は果敢にチャレンジしてアメリカの宝を手に入れるべきでしょう。






 















“Tinker to Evers to Chance”は、New York newspaperのコラムニストであったフランクリン・ピアース・アダムスのポエムです。

"Baseball's Sad Lexicon"

These are the saddest of possible words:
“Tinker to Evers to Chance.”
Trio of bear cubs, and fleeter than birds,
Tinker and Evers and Chance.
Ruthlessly pricking our gonfalon bubble,
Making a Giant hit into a double –
Words that are heavy with nothing but trouble:
“Tinker to Evers to Chance.”


By Franklin Pierce Adams
New York Evening Mail July 12, 1910



 英語は得意ではありませんので意味はよく分かりませんが、タイトルが「悲しき野球用語」なのでニューヨーク・ジャイアンツのファンがライバルであるシカゴ・カブスの併殺トリオの蟻地獄にはまって嘆いている様子を詩っているのではないでしょうか。










 

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