2013年9月23日月曜日

54本目の二塁打



 セントルイス・カージナルスのマット・カーペンターが21日のブルワーズ戦で一塁線を抜く二塁打を放ち、今季54本目の二塁打はカージナルスの左打者史上最多記録更新となりました。これまでの記録は1953年にスタン・ミュージアルが記録した53本でした。マット・カーペンターは今季ナショナル・リーグ最多の194安打(21日現在)と大ブレイクしています。MVP争いでも大穴中の大穴です。2011年が1安打、昨年が87安打とこれまでの実績は皆無に等しい訳ですが、この手の選手は向こうにはゴロゴロしていますのでチェックが欠かせません。


 本日のスポニチの小さな記事で知ったので助かったのには感謝していますが、「60年ぶりに球団の二塁打記録を更新」の記事は誤報です。正しくは「左打者の球団新記録」です。右打者では1936年にジョー・メドウイックが64本の二塁打を記録しており、これがカージナルスの球団史上最多二塁打のようです。海外の記事の多くは配信記事を垂れ流しているだけなので、記者諸君にはもう少し自分で勉強する癖を付けるようお願いしたい。


 何故分かったかですが、MLB.comの画面に「Most All-Time by Kardinals Left-Handed Batter」と映し出されており、アナウンサーの「Pass Stan The Man」が聞き取れますのでミュージアルの記録を抜いたことは分かります。更に「1936 by Joe Ducky Medwick」が聞き取れたのでメドウィックの記録を調べてみたら矢張り1936年に64本の二塁打を記録していました。因みに「Ducky」はミドルネームではなく愛称です。アナウンサーの声の全てが聞き取れなくても、単語を押さえておけば意味は理解できる訳です。そもそも単語も知らなければお話になりませんが。「Stan The Man」や「Joe Ducky Medwick」の意味が分からないようではスポーツ記者失格でしょうね。


 ジョー・メドウィックはガスハウスギャングの中心メンバーとして活躍し、1937年にはナ・リーグ三冠王でMVPを獲得しています。ナショナル・リーグでは1937年のメドウィック以降三冠王は誕生しておらず、メドウィックが最後のナ・リーグ三冠王です。







         *1936年に64本の二塁打を記録したジョー“ダッキー”メドウィックの直筆サイン。






 

0 件のコメント:

コメントを投稿