2013年6月30日日曜日

15年 金鯱vs阪神 11回戦


11月9日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 3 0 0 0 2 0 0   5 金鯱 30勝57敗7分 0.345 中山正嘉 長尾貞利
0 1 1 3 0 0 1 4 X 10 阪神 57勝33敗3分 0.633 藤村隆男 木下勇 若林忠志

勝利投手 木下勇  17勝11敗
敗戦投手 長尾貞利 2勝3敗
セーブ 若林忠志 7

二塁打 (金)五味 (神)本堂2、伊賀上、宮崎
三塁打 (金)室脇 (神)中田

勝利打点 中田金一 2


中田金一決勝犠飛

 阪神は2回、先頭の松尾五郎が左前打で出塁、宮崎剛が三前にバントヒット、藤村隆男の投ゴロで松尾は三封、ダブルスチールを決めて一死二三塁、中田金一は三振に倒れるが、トップに返りジミー堀尾文人の三塁内野安打で1点を先制する。

 5連勝と波に乗る金鯱は2回、先頭の中山正嘉がストレートの四球で出塁、五味芳夫が右翼線に二塁打を放って無死二三塁、トップに返り濃人渉が四球を選んで無死満塁、室脇正信が押出し四球を選んで1-1の同点、森田実の遊ゴロで一走室脇が二封される間に三走五味がホームイン、2-1と逆転に成功する。更に森田が二盗を決めて一死二三塁、黒澤俊夫の二ゴロで三走濃人がホームに突っ込みセカンド宮崎からのバックホームが悪送球となって濃人がホームイン、3-1とする。上野義秋が四球を選んで一死一三塁、阪神ベンチはここで先発の藤村をあきらめて木下勇をリリーフに送り、倉本信護が三ゴロ併殺に打ち取られてスリーアウトチェンジ。

 阪神は3回裏、先頭の本堂保次が左前打で出塁、伊賀上良平の投ゴロが「1-4-3」と転送されるがセカンド五味からの一塁送球が悪送球となって打者走者の伊賀上は二塁に進む。カイザー田中義雄は左飛に倒れるが、松尾が四球を選んで二死一二塁、宮崎が左前にタイムリーを放って2-3とする。

 阪神は4回、先頭の中田が中越えに三塁打、トップに返り堀尾は遊ゴロに倒れるが、皆川が中前に同点タイムリーを放って3-3、本堂の三ゴロでランナーが入れ替わり本堂が二盗に成功、伊賀上が四球を選ぶとダブルスチール、キャッチャー飯塚達雄からの三塁送球が悪送球となる間に本堂が還って4-3と逆転、伊賀上も三塁に進み、田中の三塁内野安打がタイムリーとなって5-3とリードする。

 金鯱は5回から先発の中山に代えて長尾貞利をマウンドに送る。

 3回のピンチを併殺で切り抜けた阪神二番手の木下は5回も二死一二塁のピンチを切り抜け、6回の一死一塁では二ゴロ併殺に打ち取るなど粘りのピッチングを見せたが7回に捕まった。

 金鯱は7回、先頭の五味が中前打で出塁、トップに返り濃人は左飛に倒れるが、室脇が右中間に三塁打を放って4-5、森田の左犠飛で5-5の同点に追い付く。

 金鯱二番手の長尾に抑えられてきた阪神は7回裏、先頭の松尾が四球で出塁、宮崎も四球を選び、木下が送って一死二三塁、中田が決勝の右犠飛を打ち上げて6-5と勝ち越す。

 1点リードした阪神は8回から三番手として若林忠志をマウンドに送る。

 阪神は8回裏、先頭の皆川が四球で出塁、本堂が左翼線にタイムリー二塁打を放って7-5、伊賀上は右飛に倒れるが、田中の三塁内野安打で本堂が還って8-5、松尾は右飛に倒れるが、宮崎が左中間にタイムリー二塁打を放って9-5、8回からライトに入っている森国五郎の二遊間内野安打で宮崎が還り10-5として試合を決める。

 若林忠志は2イニングを無安打2四球1三振無失点に抑えて当ブログルールによりセーブが記録される。若林はこれで7セーブ目となってセーブランキングトップの中山正嘉に並んだ。


 阪神の外野陣はセンターがジミー堀尾文人で固定されており、本堂保次がライトに入ることが多く、残る一枠を森国五郎、山根実、松尾五郎、中田金一で争っている。本日は本堂がファーストに起用されたため六番に松尾、九番に中田が入って松尾は3打数2安打1得点2四球、中田は3打数1安打1得点1打点1犠飛、三塁打1本で勝利打点を記録する活躍を見せた。中田は応召されるが戦後はシベリア抑留から帰国してプロ野球に復帰、審判を務めることとなる。明るい性格で、松木謙治郎著「タイガースの生いたち」によると「彼ほどユーモアのある選手はいない。」とのこと。シベリア抑留を乗り切ったのも野球で鍛えた体力と明るい性格によるものだったのでしょう。








*昭和25年大阪タイガースのチームサイン色紙。松木謙治郎と中田金一が入っているので昭和25年と特定できます。







*中田金一の右隣は田宮謙次郎と考えられます。左隣は御園生崇男、その左は野崎泰一です。野崎は広島のコーチ時代、昭和50年広島初優勝の年、ジョー・ルーツ監督が辞任して古葉監督に交代する間の4試合で監督代行を務め、三連勝で古葉監督にバトンを渡しました。



















 

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