2013年2月25日月曜日

15年 ジャイアンツvsタイガース 9回戦 満州リーグ


8月22日 (木) 大連 満倶球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 1 0 1 0 0  2 ジャイアンツ 52勝20敗 0.722 スタルヒン
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 タイガース    41勝27敗3分 0.603 若林忠志

勝利投手 スタルヒン 25勝11敗
敗戦投手 若林忠志  14勝12敗

二塁打 (ジ)川上、スタルヒン2 (タ)本堂、松木

勝利打点 スタルヒン 2


スタルヒン攻守に殊勲

 伝統の一戦はスタルヒンと若林忠志の対決となった。8月3日の大連での試合では三輪八郎がノーヒットノーランをやっている。

 翌日の満州日日新聞は「若林の巧緻な投球、スタルヒンの剛球は相対して3回まで無為に進んだ」と伝えている。すなわち、3回まで両軍3人ずつで凡退した。タイガースは全て三者凡退、ジャイアンツは2回二死後白石敏男が四球で出塁したが二盗失敗であった。

 ジャイアンツは4回、二死後千葉茂の遊ゴロをショート皆川定之がエラー、翌日の満州日日新聞によると「緩ゴロ」ということなので難しい当りだったのでしょう。川上哲治が左翼線に二塁打を放って二死二三塁、若林はここで中島治康を敬遠、白石は投ゴロに倒れる。

 タイガースは4回裏、二死後本堂保次が左中間に二塁打を放つがカイザー田中義雄は三振に倒れる。

 ジャイアンツは5回、一死後吉原正喜が死球を受けて出塁、スタルヒンが右中間に先制のタイムリー二塁打を放って1-0とする。

 タイガースは5回裏、一死後松木謙治郎が左翼線に二塁打、若林の二ゴロが進塁打となって二死三塁、しかし森国五郎は投ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。満州リーグで4つの勝利打点を記録している森の神通力も通用しなかった。

 ジャイアンツは7回、一死後平山菊二が右前打で出塁、吉原の一ゴロが進塁打となって二死二塁、ここでスタルヒンが再び右翼線にタイムリー二塁打を放って2-0とする。

 タイガースは最終回、先頭のジミー堀尾文人は中飛に倒れるが皆川が四球を選んで出塁、本堂が死球を受けて一死一二塁、ジャイアンツ藤本定雄監督はここでファーストを川上哲治から永澤富士雄に交代、これは守備固めというよりスタルヒンに一息入れさせることが目的でしょう。これで落ち着いたスタルヒンは田中を右飛、伊賀上良平を遊ゴロに打ち取り、大連の空にゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 スタルヒンは2安打1四球1死球2三振で今季11度目の完封、25勝目をあげる。打っても3打数2安打2打点、二塁打2本、全得点を叩き出す獅子奮迅の活躍であった。スタルヒンは第一打席は二飛、第二打席と第三打席で右方向へ二塁打、若林のコーナーを突いてくる投球を逆らわずに打ち返している。


 第一試合の鬼頭数雄は石田光彦にノーヒットノーランをやられているので当然のことながら3打数無安打で今季通算273打数89安打3割2分6厘0毛、この時点で川上哲治は264打数86安打3割2分5厘8毛と、2毛差で鬼頭が首位打者をキープ、第二試合の川上は4打数1安打で今季通算268打数87安打3割2分4厘6毛と少し差が開いた。ミクロの決死圏での闘いはまだまだ続く。







               *スタルヒンは若林忠志に投げ勝って25勝目をあげる。























 

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