2013年2月16日土曜日

15年 タイガースvs名古屋 9回戦 満州リーグ


8月18日 (日) 大連 満倶球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 タイガース 40勝26敗3分 0.606 若林忠志
1 2 0 0 0 0 0 0 X 3 名古屋      39勝27敗5分 0.591 西沢道夫

勝利投手 西沢道夫 13勝6敗
敗戦投手 若林忠志 14勝11敗

二塁打 (タ)田中、堀尾
三塁打 (名)桝、芳賀

勝利打点 なし

桝嘉一、芳賀直一の三塁打で若林を粉砕

 タイガースは老練・若林忠志、名古屋は若手の成長株・西沢道夫の先発で午後2時53分試合開始。満州シリーズでは第一試合の開始時間は午後4時であるが本日は1時間繰り上がっている。そろそろ日照時間が短くなってきたからかもしれないが明日からは午後4時開始に戻る。本日は雨模様なので1時間程繰り上げて試合開始となった模様です。

 名古屋は初回、先頭の石田政良の三飛をサード伊賀上良平が落球、村瀬一三が送って一死二塁、大沢清の二ゴロが進塁打となって二死三塁、吉田猪佐喜が四球を選んで二死一三塁、ここでダブルスチールを敢行、キャッチャーカイザー田中義雄からの送球がセカンド宮崎剛に送られて一走吉田はタッチアウト、吉田にタッチした宮崎が返す刀でホームに送球するが三走石田はホームイン、重盗の片割れアウトなので石田には本盗は記録されない。

 1点を先制した名古屋は2回、先頭の桝嘉一が右中間に三塁打、中村三郎は二ゴロに倒れ、三浦敏一が四球を選んで一死一三塁、ここで芳賀直一が右中間に三塁打を放って3-0とする。

 タイガースは初回、先頭のジミー堀尾文人が中前打で出塁、皆川定之が送って一死二塁とするが本堂保次は中飛、田中は二ゴロに倒れる。

 タイガースは3回、先頭の若林が中前打で出塁、森国五郎は三振に倒れるが堀尾の三塁内野安打で一死一二塁、しかし皆川の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってゲッツー。4回も一死後田中が左翼線に二塁打を放つが後続なし。

 タイガースは6回、先頭の堀尾が左中間に二塁打、皆川の三ゴロの間に堀尾は三進、本堂の遊ゴロで堀尾は動けず二死三塁、田中が四球を選んで二死一三塁、ここで田中がディレードスチール、皮制の白球はピッチャー西沢からファースト大沢に送球されて田中は一二塁間に挟まれる。「1-3-4-3-4」と転送される隙を突いて三走堀尾がホームインして1-3、田中はセカンド中村にタッチされてアウトとなるので堀尾には本盗は記録されない。一二塁間での挟殺プレーは鬼ごっこのようですが、明治初期にはベースボールはまだ「野球」と訳されておらず「打球鬼ごっこ」と呼ばれていました。中馬庚がベースボールを「野球」と訳したのは明治27年のことです。

 西沢道夫はタイガース打線を6安打2四球3三振に抑えて完投で13勝目をあげる。


 タイガースはジミー堀尾文人の3安打を生かし切れなかったことが敗因である。

 本日の勝利打点はなしであるが、試合を決めた一打は桝嘉一の三塁打に続く芳賀直一の2点タイムリー三塁打であった。

 この試合では両チームとも盗塁成功はゼロで盗塁死が2つずつ記録されている。一つはカイザー田中がわざと挟まれたものです。

 雨が強くなり、本日の第二試合に予定されていたタイガースvsイーグルス戦は中止となった。








                 *西沢道夫は6安打完投で13勝目をあげる。














*6回の挟殺プレーの場面。これだけだと一走カイザー田中は西沢の牽制に釣り出されたようにも見えますが、翌日の満州日日新聞には「田中四球後二盗を企て一二塁間に挟殺」と書かれています。送球がキャッチャーの三浦からではなくピッチャーの西沢からなので普通の盗塁ではなく、ディレードスチールであったことが分かります。










 

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