2013年1月10日木曜日

15年 金鯱vs南海 8回戦 満州リーグ


8月6日 (火) 新京 児玉公園球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 2 2 1 0 6 金鯱 15勝38敗7分 0.283 中山正嘉
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 南海 17勝39敗3分 0.304 政野岩夫

勝利投手 中山正嘉 8勝19敗
敗戦投手 政野岩夫 6勝11敗

二塁打 (金)五味、漆原、中山 (南)岡村、岩本、吉川
三塁打 (金)室脇

勝利打点 室脇正信 3


岩本義行初登場

 南海では岩本義行がプロ入り初出場。岩本は昭和13年の南海結成時に主将として招かれたがすぐに応召、除隊となってこの日がプロ入り初出場となった。翌日の満州日日新聞は「軍務から帰還した岩本が3日奉天に到着したので五番打者に起用」と伝えている。また、翌日の読売新聞には「主将として6日から出場した」と書かれているので鶴岡一人の入営により空席となっていた南海の主将として復帰した模様である。

 金鯱は初回、先頭の五味芳夫が8球粘った末中越えに二塁打、森田実は左飛に倒れ、濃人渉の投ゴロで二走五味が三塁を狙うが「1-5」と転送されてタッチアウト、黒澤俊夫の中飛をセンター岩本義行が落球、岩本のプロでの最初のプレーは落球であった。二死二三塁となって室脇正信の遊ゴロをショート上田良夫がエラーする間に三走濃人が還って1点を先制する。

 南海は4回、二死後岩本の三ゴロをサード漆原進がエラー、岡村俊昭の右中間二塁打で岩本が生還して1-1の同点に追い付く。

 金鯱は6回、一死後黒澤が右前打で出塁、室脇が右中間に三塁打を放って2-1と勝ち越し、松元三彦が左前にタイムリーを放って3-1とする。

 金鯱は7回、五味、森田が連続四球、濃人が送って一死二三塁、黒澤は投飛に倒れるが、室脇が左前に2点タイムリーを放って5-1と突き放す。

 金鯱は8回にも中山正嘉が左中間に二塁打、五味の中飛をセンター岩本がこの日2個目のエラーする間に中山が還って6-1として快勝する。

 中山正嘉は6安打1四球5三振の完投で8勝目をあげる。翌日の満州日日新聞によると南海先発の政野岩夫は得意のシンカーが決まらず高目に浮いたところを金鯱打線に捕まったようだ。


 室脇正信が5打数2安打1得点3打点の活躍を見せた。室脇は1917年生まれで広陵中学-明治大学なので、1912年生まれで広陵中学-明治大学の岩本義行の後輩に当る。大先輩の前で奮い立ったのでしょう。


 約2年間の兵役から戻ってきた岩本義行は全く練習をしていない状況で満州に飛びデビューの地は大連から700キロ離れた新京 児玉公園球場であった。守備では目測が合わず2失策であったが、打撃では第一打席は三振だったものの第三打席では右中間に二塁打を放って貫録を見せた。











            *中山正嘉は6安打1四球5三振の好投を見せて完投で8勝目をあげる。














     *岩本義行がデビューした南海打線。






 

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