2013年1月13日日曜日

甲子園の石



 昭和15年8月7日の金鯱vsジャイアンツ戦でジャイアンツは澤村栄治-中尾輝三-スタルヒンという野球殿堂入り3投手による豪華リレーを見せました。2013年1月11日、今年度の野球殿堂入りが福島一雄、外木場義郎、大野豊と発表されています。


 福島一雄は1947年、48年に小倉中学、小倉高校のエースとして夏の甲子園二連覇を達成しました。学制改革により旧制中学から新制高校に変わる端境期のことです。47年の優勝は九州勢としたは初めてのことで、大和球士著「真説 日本野球史」昭和篇その五によると「初めて優勝旗が関門海峡を渡ったので、小倉駅前の人出は全くすごかった。車が通れないので、歩いて市中行進した」「大黒柱はなんといっても長身投手福島一雄(早大)であった。緩急自在の下手投げは、高校生投手としては完成の域に達した感があった」とのことです。


 福島一雄のエピソードとして知られるのは三連覇を狙った49年準々決勝で敗れた時のことです。甲子園の土をユニフォームのポケットに入れて持ち帰りました。現在にまで続く甲子園の土の元祖です。


 甲子園の土にまつわるエピソードとして必ず引き合いに出されるのが1958年首里高校の物語です。第40回記念大会のこの年は46都道府県及び沖縄代表の47代表が出場しました。沖縄はまだ「県」にはなっていません。沖縄代表として出場した首里高校は1回戦で敗れ、甲子園の土を持ち帰りましたがアメリカ統治下の沖縄では植物防疫法に抵触することからグラウンドに持ち帰ることはできませんでした。このニュースを聞いた日本航空の客室乗務員が「石なら大丈夫」ということで甲子園の石を首里高校に寄贈し、現在も首里高校の「友愛の碑」に埋め込まれています。



*沖縄に行った時、首里高校を訪問して撮影させていただきました。携帯カメラだったので写りは悪いかもしれませんが。








 

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