2012年12月9日日曜日

15年 セネタースvsジャイアンツ 7回戦


7月5日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 1 0 0 0 0 0 0 1  2 セネタース   31勝15敗4分 0.674 村松長太郎 浅岡三郎 野口二郎
0 0 1 0 0 0 0 0 0  1 ジャイアンツ 32勝16敗 0.667 スタルヒン

勝利投手 野口二郎  21勝5敗
敗戦投手 スタルヒン 17勝8敗

勝利打点 野口二郎 2


セネタース首位奪還

 首位ジャイアンツとジャイアンツを1ゲーム差で追うセネタースとの首位攻防戦。セネタースが勝てば勝率で上回って首位に立つ。セネタースは昨日好投した村松長太郎が二試合連続で先発、野口二郎へのスイッチのタイミングが鍵を握ることとなる。ジャイアンツはエース・スタルヒンで必勝態勢。


 セネタースは2回、一死後山崎文一が四球を選んで出塁、柳鶴震の一ゴロをファースト川上哲治が二塁に悪送球して一死二三塁、村松が四球を選んで一死満塁、佐藤武夫は三振に倒れて二死満塁、織辺由三が押出し四球を選んでノーヒットで1点を先制する。

 ジャイアンツは2回裏、先頭の千葉茂が四球を選んで出塁、吉原正喜も四球で無死一二塁、苅田久徳監督はここで先発の村松から浅岡三郎にスイッチ、浅岡は呉波を投ゴロ、林清一を二飛、スタルヒンを三ゴロに打ち取る。

 ジャイアンツは3回、一死後平山菊二が四球で出塁、川上が左前打を放って一死一二塁、中島治康は三振に倒れるが千葉が四球を選んで二死満塁、吉原の三塁内野安打で1-1の同点に追い付く。呉は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 ジャイアンツは5回、先頭の平山が四球で出塁、川上は右飛に倒れるが中島が四球を選んで一死一二塁、苅田監督はここで浅岡を下げ、満を持して野口二郎を投入する。続く千葉茂の当りは二遊間を襲うが翌日の読売新聞によるとセカンド苅田が「二塁左よりの安打性難ゴロを飛びつきざまグラブハンドでトスして中島を封殺」して二死一三塁、平山と千葉による重盗も「2-4-2」と送球されて三走平山がタッチアウト。

 ジャイアンツは8回、先頭の川上が左前打で出塁、中島治康は右飛に倒れて一死一二塁、苅田監督はここでライトの山崎をレフト、センターの小林茂太をライト、レフトの織辺由三をセンターに回す。千葉が四球を選んで一死一二塁、苅田監督はここでレフトの山崎をライト、ライトの小林をセンター、センターの織辺をレフトに戻す。吉原が右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 セネタースは9回、先頭の織辺が三塁に内野安打、トップに返り苅田が送りバントを決めて一死二塁、横沢は遊直に倒れて二死二塁、野口が右翼線に決勝タイムリーを放って2-1と勝ち越す。
 野口二郎は最終回のジャイアンツの反撃を呉を捕邪飛、林を一飛、最後はスタルヒンに代わる代打大橋智千を三振に打ち取り、4回3分の2を投げて3安打1四球2三振の無失点で21勝目をあげる。野口は7月1日からの5連戦のうち4試合に登板して4戦全勝である。



 セネタースは6連勝で6月15日以来の首位の座に就いた。翌日の読売新聞は「名人苅田を要とするセ軍の堅固無比の守備線は巨人に守り勝ち・・・堂々首位を不動のものとした。」と伝えている。但し読売新聞が書いている「首位」とは夏季シリーズの首位のことです。当ブログはシーズン通算成績に基づきお伝えしています。


 佐藤武夫がこの日も白石敏男の二盗を2つ刺して、7月3日のライオン戦初回に坪内道則に二盗を許して以降、6回連続で二盗を刺している。2日の名古屋戦では石田政良に3個二盗を許し、3日のライオン戦で初回に坪内に走られたが3回に井筒研一の二盗を阻止、4日の阪急戦で山下好一、上田藤夫、伊東甚吉の二盗を防ぎ、本日も白石の二盗を2つ防いだ。これにはセカンド苅田久徳のタッチの巧さも貢献しているようで、7月6日付け読売新聞は苅田の守備振りを「二度に及ぶ巨人の二盗を巧みなタッチで防いでおり真に名人の名に恥じぬ美技快技の連続であった」と伝えている。












     *セネタース投手陣は総力戦でスタルヒンを倒し、野口二郎は21勝目をあげる。















     *ジャイアンツから首位の座を奪還したセネタース打線。










 

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