2012年12月24日月曜日

15年 金鯱vs阪急 7回戦


7月13日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
2 0 0 0 0 0 1 0 0  3  金鯱 13勝36敗6分 0.265 長尾貞利 内藤幸三 松本利一
0 2 4 4 0 0 2 0 X 12 阪急 27勝20敗4分 0.574 浅野勝三郎 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 15勝6敗
敗戦投手 内藤幸三  2勝6敗

二塁打 (金)濃人 (阪)浅野、田中、黒田

勝利打点 田中幸男 1


阪急13安打12得点

 翌日の読売新聞によると「古谷は負傷、中山は事故あって投手陣に人を得ず」ということで、金鯱は古谷倉之助と中山正嘉の両エースが故障で使えずこのところ内藤幸三が連日登板しているが、本日は長尾貞利が先発する。

 金鯱は初回、一死後佐々木常助がツーナッシングから粘って四球を選んで出塁、濃人渉の遊ゴロをショート田中幸男がエラーして一死一二塁、黒澤俊夫の中前タイムリーで1点を先制、一走濃人は三塁に進み打者走者の黒澤もバックホームの隙を衝いて二塁に進んで一死二三塁、森田実の二ゴロで三走濃人はホームを狙うがセカンド黒田健吾からのバックホームにタッチアウト、二死一三塁から森田実が二盗を試みるとキャッチャー井野川利春からの送球をピッチャー浅野勝三郎がカットして三塁に送球するが、これが悪送球となる間に三走黒澤が還って2-0とする。森田実には盗塁が記録されている。

 阪急は2回、先頭の井野川が中前打から二盗に成功、山下好一の二ゴロの間に井野川は三進、田中がセンター左にタイムリーを放って1-2、森田定雄は二飛に倒れるが土肥省三が四球を選んで二死一二塁、浅野が左中間に同点二塁打を放って2-2とする。金鯱ベンチはここで長尾をあきらめて又も内藤幸三を注ぎ込む。内藤は中島喬を一飛に打ち取りスリーアウトチェンジ。

 金鯱は3回、先頭の五味芳夫が中前打、佐々木常助の三ゴロをサード土肥が失して無死一二塁、阪急ベンチはここで浅野から森弘太郎にスイッチ、森の二塁牽制はタイミングはアウトであったがショート田中が落球してセーフ、田中にはエラーが記録される。濃人の送りバントは投飛となって一死一二塁、黒澤は左飛、森田実も左飛に倒れれてスリーアウトチェンジ。

 阪急は3回、黒田、フランク山田伝が連続四球、井野川の三塁内野安打で無死満塁、山下好一の遊ゴロで三走黒田は本封されて一死満塁、田中が左中間に二塁打を放って4-2と勝ち越す。田中は2エラーを挽回する二打席連続タイムリーで3打点を記録する。森田定雄は中飛に倒れて二死二三塁、土肥が左前打に2点タイムリーを放って6-2と突き放す。さすがの内藤も猛暑の中の連投続きとあって球威に欠けるようだ。

 阪急は4回表の守備からショートの田中に代えて伊東甚吉が入ってセカンド、セカンドの黒田がショートに回る。

 阪急は4回、先頭の黒田が左翼線に二塁打、山田が四球を選び、井野川の左翼線タイムリーで7-2、山下好一は四球を選んで無死満塁、伊東が押出し四球を選んで8-2、森田定雄が左前にタイムリーを放って9-2、土肥は三振に倒れるが森が中前にタイムリーを放って10-2とする。

 金鯱は5回から三番手として関西中学出身のルーキー左腕の松本利一がプロ入り初登板する。

 金鯱は7回、一死後大宮清が右前打、プロ入り初打席となる松本が巧く流し打って左前打を放ち一死一二塁、トップに返り五味の遊ゴロで松本が二封されて二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて一矢を報いる。

 阪急は7回裏、黒田、山田が連続四球、5回から井野川に代わってマスクを被る池田久之は三振、山下好一の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、伊東が左前に2点タイムリーを放って12-3とする。

 3回からリリーフの森弘太郎は7イニングを投げて3安打1四球1三振1失点で15勝目をあげる。


 プロ入り初登板の松本利一は今季2度登板することとなる。昭和16年には金鯱はセネタース(15年秋に「翼」に改称)と合併して大洋となるが松本は阪急に移籍することとなる。阪急では野手に転向し、昭和18年には一塁手のレギュラーポジションを獲得することとなる。本日のプロ入り初打席で左前打を放っているように、打撃センスに優れていたと考えられる。阪急移籍は関西中学の大先輩となる井野川利春監督と黒田健吾主将の存在が影響しているのでしょう。本日目の前でバッティングを見て引っ張ったのかもしれません。その後松本利一は戦死することとなる。











                *好リリーフの森弘太郎は15勝目をあげる。















     *松本利一がプロ入り初打席で初ヒットを放った金鯱打線。






 

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