2012年8月31日金曜日

15年 金鯱vsイーグルス 4回戦



5月12日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 金鯱        7勝16敗1分 0.304 中山正嘉
0 0 0 1 0 0 4 0 X 5 イーグルス 13勝11敗1分 0.542 長谷川重一 中河美芳

勝利投手 長谷川重一 2勝2敗
敗戦投手 中山正嘉     2勝7敗
セーブ      中河美芳 1

二塁打 (金)上野

勝利打点 亀田忠 3


長谷川-中河の好継投

 イーグルスは3回まで6四球を選びながら無得点。4回、先頭の寺内一隆の遊ゴロをショート竹林実が一塁に悪送球して寺内は二塁に進み、長谷川重一が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 イーグルス先発の長谷川は初回二死から森田実に左翼線にヒットを許したのみで6回まで1安打無失点。

 金鯱は7回、一死後四番長島進が四球で出塁、上野義秋が右中間に二塁打を放って一死二三塁、竹林が四球を選んで一死満塁、山本次郎に代わる代打古谷倉之助が左前に逆転の2点タイムリーを放って2-1とする。

 イーグルスは7回裏、清家忠太郎、山田潔が連続四球で無死一二塁、トップに返り岡田福吉がセンター右に同点タイムリーを放って2-2としてなお無死一三塁、岩垣二郎に代わる代打杉田屋守は浅い中飛、中河美芳が四球を選んで一死満塁、四番谷義夫に代わる代打亀田忠がツーナッシングから押出し四球を選んで3-2と逆転、寺内の遊ゴロをショート竹林が二塁に悪送球する間に三走岡田に続いて二走中河もホームに還って5-2とする。

 金鯱は8回、先頭の五味芳夫がストレートの四球を選んで出塁、ここでイーグルスベンチは長谷川に代えてファーストの中河をマウンドに送る。佐々木常助は二飛に倒れて一死一塁、室脇正信が四球を選んで一死一二塁、森田の左飛に二走五味が飛び出しており7回の代打からそのままレフトには行っていた杉田屋から二塁に送球されてダブルプレー。

 金鯱は9回、先頭の長島が左前打で出塁、上野の二ゴロでランナーが入れ替わり一死一塁、上野が中河の牽制に刺されて二死無走者、竹林は右飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 長谷川重一は7回3分の0を投げて3安打4四球1死球1三振2失点の好投を見せて2勝目をあげる。リリーフの中河美芳は2イニングを1安打1四球無三振無失点で当ブログルールによりセーブが記録される。


 岡田福吉が3盗塁を記録した。岡田は今季リーグ七位タイの22盗塁を記録することとなる。

 中山正嘉は9回を完投して被安打は4本であったが13四球、しかしイーグルスが5つの併殺を記録して中山を助けた。







 

15年 第6節 週間MVP


 今節は阪急が3勝1敗1分、イーグルスが3勝1敗、ジャイアンツ が2勝1敗、タイガースが3勝2敗、セネタースが2勝2敗1分、名古屋が1勝1敗1分、ライオンが1勝2敗1分、南海が1勝3敗、金鯱が0勝3敗であった。



週間MVP

投手部門

 セネタース 野口二郎 1

 3日の金鯱戦で1安打完封、6日の名古屋戦では初回に桝嘉一にヒットを許しただけで延長11回を1安打無失点に抑えて引分け、10日のタイガース戦は3安打1失点で完投勝利。今節29回を投げて5安打1失点であった。


打撃部門

 タイガース カイザー田中義雄 1

 今節20打数8安打3得点5打点二塁打2本。タイガースもようやく調子が上がってきた。




殊勲賞

 セネタース 石井豊 1

 3日の金鯱戦で決勝ホームランを放つ。




 タイガース 中田金一 1

 9日の南海戦で先制タイムリーを含む4打数2安打2打点の活躍。


 
 南海 山尾年加寿 1

 6日のタイガース戦で4打数4安打1得点3打点の活躍。



敢闘賞

 阪急 森弘太郎 2

 6日のライオン戦で延長11回を1失点完投で引分け、11日のセネタース戦では3安打完封勝利。


 タイガース 三輪八郎 1

 9日の南海戦でプロ入り初完封。5日の阪急戦では勝利打点も記録する。


 阪急 森田定雄 1

 今節11打数4安打2得点3打点、9日のライオン戦では決勝二塁打を放つ。山下実、新富卯三郎とファーストのポジションを争う、現在最も注目を集める選手である。







技能賞

 イーグルス 中河美芳 2

 4日のジャイアンツ戦では超スローボールを駆使して完投勝利。








 

2012年8月30日木曜日

15年 阪急vsセネタース 4回戦



5月11日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 3 1 0 0 1 0  5 阪急          14勝8敗3分 0.636 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 セネタース 14勝7敗3分 0.667 浅岡三郎

勝利投手 森弘太郎 8勝3敗
敗戦投手 浅岡三郎 5勝2敗

二塁打 (阪)山田、山下好

勝利打点 なし


上手の手から・・・

 3回まで1安打無得点の阪急は4回、先頭のフランク山田伝が左翼線に二塁打、上田藤夫は三振、黒田健吾は遊飛に倒れるが山下好一が四球を選んで二死一二塁、日比野武の遊ゴロをショート柳鶴震がエラーして二死満塁、森田定雄の二飛を苅田久徳が落球する間に三走山田に続いて二走山下好一も還って2点を先制、土肥省三が左前にタイムリーを放って3-0とする。

 阪急は5回、二死後上田が四球で出塁、黒田も四球を選んで二死一二塁、山下好一の二ゴロを又も苅田がタイムリーエラーして4-0とする。

 阪急は8回、先頭の黒田が左前打で出塁、山下好一が右翼線に二塁打を放って無死二三塁、日比野の二塁後方への飛球を苅田が好捕するが三走黒田がタッチアップからホームに還って5-0、日比野には「二犠飛」が記録される。

 森弘太郎は4回まで無安打ピッチング。5回、先頭の浅岡三郎に初ヒットを許すが佐藤武夫を三ゴロ併殺に打ち取る。6回も先頭の苅田に四球を与えるが横沢七郎の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。7回も一死後柳に右前打を許すが浅岡を一ゴロ併殺に打ち取る。

 森弘太郎は3安打4四球2三振で今季2度目の完封、8勝目をあげてスタルヒンと並んでハーラー2位に浮上した。


 苅田久徳がタイムリーエラーを2つ犯した。翌日の読売新聞によると4回の二飛落球は「苅田が中堅村松と衝突して落球」、5回のエラーは「山下好の凡ゴロをトンネル」したものとのことである。この日は小林茂太がセンターでスタメン出場したが2回に中飛を捕球した直後に村松長太郎と交代している。村松はライトで使われることは多いがセンターは不慣れで苅田との連携が巧くいかなかったようだ。上手の手から水が漏れたというところでしょう。










                *森弘太郎は3安打完封で8勝目をあげる。












     *苅田久徳は4回に森田定雄の二飛を落球(F-4’)、5回には山下好一のニゴロをトンネル(4’)した。














 

2012年8月28日火曜日

15年 タイガースvs南海 4回戦



5月11日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 0 0 0 0 0 3 タイガース 13勝13敗1分 0.500 釣常雄 藤村隆男 三輪八郎
0 0 1 0 1 0 0 0 0 2 南海        8勝17敗1分 0.320 清水秀雄 政野岩夫

勝利投手 三輪八郎 3勝0敗
敗戦投手 清水秀雄 4勝7敗

三塁打 (タ)松木

勝利打点 松木謙治郎 3


タイガース5割復帰

 タイガースは3回、一死後釣常雄の遊ゴロをショート前田貞行がエラー、トップに返り宮崎剛が左前打、皆川定之が四球を選んで一死満塁、松木謙治郎の二ゴロが野選を誘う間に三走釣に続いて二走宮崎も還って2点を先制、カイザー田中義雄の投前内野安打で一死満塁、ジミー堀尾文人の三ゴロの間に皆川が還って3-0とする。

 南海は3回裏、先頭の前田が四球で出塁、トップに返り岩出清も四球を選んで無死一二塁、藤戸逸郎がセオリー通り三前に送りバントを決めて一死二三塁、ここでタイガースベンチは先発の釣に代えて藤村隆男をマウンドに送る。岡村俊昭が四球を選んで一死満塁、四番国久松一の投ゴロの間に前田が還って1-3とする。

 南海は5回、又も先頭の前田が四球で出塁、トップに返り岩出の三ゴロでランナーが入れ替わり、藤戸の三ゴロの間に岩出が二進、岡村の左前タイムリーで2-3とする。

 4回からリリーフの南海二番手・政野岩夫は6イニングを投げて3安打2四球1三振無失点。

 タイガース二番手の藤村は8回、一死二三塁で三番手三輪八郎のリリーフを仰ぐ。三輪は清水秀雄を歩かせて山尾年加寿の代打吉川義次を三ゴロ併殺に打ち取る。先発の釣常雄は2回3分の1で降板しているので勝利投手の権利はない。投球回数の多い藤村隆男が勝利投手となる可能性が高いが公式記録では1回3分の2を抑えた三輪八郎に勝利投手が記録されている。


 このところ5割を境に行ったり来たりしているタイガースは13勝13敗1分で5割に復帰した。









 

2012年8月27日月曜日

15年 ジャイアンツvs金鯱 4回戦



5月11日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 1 0 1 0  2 ジャイアンツ 15勝7敗 0.682 中尾輝三
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 金鯱               7勝15敗1分 0.318 内藤幸三

勝利投手 中尾輝三 5勝3敗
敗戦投手 内藤幸三 2勝3敗

二塁打 (金)森田

勝利打点 川上哲治 2


川上と千葉がダブルスチール

 金鯱は今季ジャイアンツ戦2勝0敗の内藤幸三が先発、ジャイアンツは中尾輝三が先発、両左腕剛球投手の対決となった。

 ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が四球で出塁するが水原茂の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってゲッツー。2回、先頭の中島治康が四球で出塁するが川上哲治は三ゴロ、平山菊二は捕邪飛、林清一は左飛に倒れる。3回も先頭の吉原正喜が四球で出塁するが、中尾は二ゴロ、白石は投ゴロ、水原は三直に倒れる。4回は中島が中前打、5回は吉原が左前打を放つが得点なし。

 金鯱は初回、一死後森田実が右中間に二塁打、2回は先頭の上野義秋が右前打を放ち竹林実が送りバントを決めて2イニング連続で一死二塁とするが後続なし。3回~5回は三者凡退が続く。

 ジャイアンツは6回、先頭の水原が中前打で出塁、千葉茂の打席で水原に守備妨害が記録されているので打球に当った可能性がある。千葉には一塁内野安打が記録されているので一二塁間の当りに水原が避けきれずに当ったのではないか。中島が右前打を放って一死一二塁、川上が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 ジャイアンツは8回、先頭の水原が右前打で出塁、千葉が四球を選んで無死一二塁、中島の投ゴロで水原は三封、川上の二ゴロで中島が二封されて二死一三塁、ここで川上と千葉によるダブルスチールが成功して2-0とする。

 中尾輝三は6回以降も金鯱打線に得点を許さず5安打無四球7三振で今季2度目の完封、5勝目をあげる。中尾はプロ入り通算7度目の完封で初めての無四球であった。

 ジャイアンツは水原茂が2度チャンスメイクしたが得点したのはランナーが入れ替わった千葉茂の方であった。








                 *荒れ球の中尾輝三が無四球完封を飾る。















*ジャイアンツ8回の攻撃で三走千葉茂と一走川上哲治がダブルスチールを決める。「O’」が盗塁です。川上は千葉との重盗成功に興奮し過ぎたのか、その後キャッチャー長島進からの牽制球に刺されました。











 

2012年8月26日日曜日

15年 イーグルスvs名古屋 3回戦



5月11日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  
0 0 0 0 0 0 0 0 4  4 イーグルス 12勝11敗1分 0.522 亀田忠
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋       14勝7敗1分 0.667 西沢道夫

勝利投手 亀田忠     9勝6敗
敗戦投手 西沢道夫 5勝4敗

二塁打 (イ)中河
三塁打 (名)大沢

勝利打点 山田潔 1


亀田忠6度目の完封、ハーラートップに立つ

 イーグルスはここまで11勝11敗1分、名古屋は14勝6敗1分である。内容を分析するとイーグルスは12試合終了時点で4勝7敗1分であったがその後の11試合は7勝4敗。一方、名古屋は8試合終了時点で7勝1敗であったがその後の13試合は7勝5敗1分。イーグルスは前半は不振であったがこのところ快調、名古屋は序盤のリードを何とか保っている。本日の先発は快調イーグルスを引っ張る亀田忠と、名古屋序盤戦の立役者で3月の月間MVPに輝いた西沢道夫との対決となった。

 イーグルス2回、寺内一隆が左翼線にヒットを放つが二塁を欲張りタッチアウト。3回は中前打で出た清家忠太郎が盗塁とパスボールで三塁に進むが後続なし。4回は中河美芳四球、亀田右前打、寺内四球で一死満塁とするが竹内功の投ゴロが「1-2-3」と渡ってゲッツー。6回は先頭の岩垣二郎が右前打、中河が送って谷義夫の代打菅利雄は四球で一死一二塁とするが亀田は一邪飛、寺内は左飛に倒れる。

 名古屋は亀田に抑え込まれて6回まで無安打2四球3三振、2回から5回は三者凡退であった。

 イーグルスは7回、竹内と山田潔の四球で一死一二塁とするが岡田福吉は投ゴロ、岩垣は一邪飛に倒れる。8回、先頭の中河が左中間に二塁打、太田健一の三ゴロで三塁に達した中河は送球の間にホームを狙うがこれに気付いたファースト大沢清はベースタッチせずにホームに送球してタッチアウト、記録は「5-3-5」であった。太田は一塁に残ったが亀田の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってゲッツー。

 名古屋は7回、二死後大沢が得意の右打ちを見せて右翼線にチーム初ヒットとなる三塁打、ノーヒットノーランを免れるが吉田猪佐喜は投ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。8回はこの日5度目の三者凡退。

 イーグルスは9回、一死後竹内功が右前打で出塁、竹内が二盗を決めて清家の二ゴロをセカンド中村三郎が失して一死一三塁、ここで山田がスクイズを決めて1点を成功、山田のバントは内野安打となってなお一死一三塁、トップに返り岡田が中前にタイムリーを放って2-0、岩垣の投ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、中河が左前に2点タイムリーを流し打って4-0とする。

 亀田忠は9回裏、先頭の西沢に代わる代打高木茂を一ゴロに打ち取り、トップに返り石田政良には右前にこの日2本目のヒットを許すが村瀬一三を三振、桝嘉一を遊ゴロに打ち取って、2安打2四球5三振で今季6度目の完封、9勝目をあげてハーラー単独トップに躍り出た。


 それにしてもイーグルス8回の攻撃で中河美芳が見せた二塁から三ゴロでホームを狙う走塁は一か八かの大勝負であった。私事で恐縮ではありますが、高校2年の夏、神奈川で優勝して(神奈川軟式です、念のため)出場した南関東大会、千葉県代表の市川高校との試合は9回まで1対2で負けていました。最終回先頭の四番が凡退、この四番の先輩は東洋大姫路からスカウトされた天才的スラッガーで何故軟式にいるのか硬式の連中も不思議がっていました。続いて登場した2年生の凡才が左前打で出塁、筆者の野球人生で外角球を引っ張ったのはこの打席だけでした。それだけ必至だったのでしょう。この凡才は野球は下手だったが渋とさだけが取り柄でした。ここで盗塁のサインが出ましたが脚から滑り込んでタッチアウト、後に監督から「お前が盗塁を決めたらバントエンドランで同点を狙うつもりだった」と聞かされました。もしあそこで盗塁を決めていたら中河美芳同様バントエンドランでサードが一塁に送球した瞬間、一か八かの本塁突入という大勝負に出たかもしれません。この時の失敗を教訓にして大学では手から回り込むスライディングで脚は遅かったけれど盗塁成功率は結構高かったです。






*亀田忠は名古屋打線を2安打に抑えて今季6度目の完封、9勝目をあげてハーラートップに立った。











      *好調のイーグルス打線。






















 

三つ巴



 シーズン終盤になって珍妙な現象が起こりましたのでご報告させていただきます。


 2012年8月25日現在、ナショナル・リーグ打点王争いでマット・ホリデー、ライアン・ブラウン、カルロス・ベルトランの3人が「85点」で並んでトップ、奪三振王争いでR.A.ディッキー、スティーブン・ストラスバーグ、クレイトン・カーショウの3人が「183個」で並んでトップに立つという珍現象が現出しました。


 かつての5ツール・プレイヤーながら旬を過ぎたと考えられていたカルロス・ベルトランは今年突如として復活しました。薬漬け疑惑ながら昨年のMVPライアン・ブラウンはこの3年で打法が変わり右方向への当りは強烈です。マット・ホリデーの2007年は216安打50二塁打を記録して137打点、3割4分で二冠王、本塁打も36本ながらMVPに選出されなかったのは未だに不思議でなりません。本拠地が高地にあって打者有利であるためコロラド・ロッキーズの打者には投票が集まらないのが常ではありますが。この年のパドレスとのワンゲーム・プレーオフでサヨナラのホームにヘッドスライディングしたシーンは忘れられません。


 昨年のサイ・ヤング賞クレイトン・カーショウは昨年ほどのキレが感じられませんが奪三振王争いではトップに立っています。トミー・ジョン手術明けのスティーブン・ストラスバーグは「投球回数を制限、160イニングを目途に(つまり、9月途中で)『上がり』として、以後投げさせない」とするマイク・リッツォGMの方針が大論争となっています。この方針が貫徹された場合、奪三振王争いはおろか、サイ・ヤング賞、MVPの期待もかかりながら選考対象外となってしまいます。37歳にして突然変異の如く開花したナックルボーラーR.A.ディッキーの三振奪取の源はハイ・ナックルすなわち伸びるナックルにあります。キャッチャーも捕れないのですからバッターが打てるわけありません。



 現在当ブログでお伝えしている昭和15年ペナントレースも名古屋、セネタース、ジャイアンツの三つ巴の展開となっています。





                 *今季好調のカルロス・ベルトラン。






              *2007年は惜しくもMVPを逃したマット・ホリデー。






      *ライアン・ブラウンはマイク・シュミットとのコンボという豪華版です。






*昨年のサイ・ヤング賞クレイトン・カーショウ。ストラスバーグのサインカードは高過ぎるので持っていません。R.A.ディッキーは多少高くても入手したい一人です。















 

2012年8月25日土曜日

15年 タイガースvsセネタース 3回戦



5月10日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 0 1 0 0  0  1 タイガース 12勝13敗1分 0.480 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 2X 2 セネタース 14勝6敗3分   0.700 野口二郎

勝利投手 野口二郎 7勝2敗
敗戦投手 若林忠志 5勝7敗

二塁打 (タ)本堂、田中 (セ)佐藤
三塁打 (セ)浅岡

勝利打点 なし


サヨナラエラー

 セネタース先発の野口二郎は初回二死後本堂保次に右中間二塁打を許すが松木謙治郎を中飛に打ち取り5回まで1安打無失点の好投を見せる。

 タイガースは6回、二死後松木が四球から二盗に成功、カイザー田中義雄が左中間に二塁打を放って1点を先制する。

 タイガース先発の若林忠志は8回まで6安打無失点。

 セネタースは9回、先頭の野口が三塁に内野安打、小林茂太の右前打で無死一二塁、柳鶴震が投前に送りバントを決めて一死二三塁、小島二男に代わって代打浅岡三郎が登場、スクイズを敢行するがウエストされて三走野口が三本間に挟まれ二走小林は三塁に向かう。キャッチャー田中は野口を三塁に追い詰め三塁ベースで雪隠詰め、田中が小林にタッチ、占有権は野口にあるので二死三塁に野口で試合再開、浅岡が左中間に同点三塁打を放って1-1、村松長太郎の遊ゴロをショート皆川定之が一塁に悪送球する間に三走浅岡がサヨナラのホームを踏んでセネタースが逆転サヨナラ勝ち。

 野口二郎は3安打2四球4三振の完投で7勝目をあげる。

 守備の名手として知られる皆川定之のサヨナラエラーで決着した。セネタースは14勝6敗3分で勝率7割として14勝6敗1分の首位名古屋に並んだ。








                 *野口二郎は3安打完投で7勝目をあげる。










 

15年 阪急vsライオン 4回戦



5月10日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 1 0 0 2 阪急    13勝8敗3分 0.619 石田光彦
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 ライオン 7勝19敗1分 0.269 近藤久

勝利投手 石田光彦 3勝3敗
敗戦投手 近藤久     0勝3敗

二塁打 (阪)石田

勝利打点 なし


リベンジ

 阪急は昨日のライオン3回戦では3回しかもたなかった石田光彦が先発、ライオンは昨日1イニングに登板して好投した近藤久が先発する。

 阪急は2回、一死後山下好一が中前打で出塁、今日はスタメンの森田定雄も中前打で続いて一死一二塁、土肥省三が四球を選んで一死満塁、池田久之の遊ゴロをショート松岡が二塁ベースカバーのセカンド西端利郎に送球するがセーフ、野選となって三走山下好一が還り1点を先制、続く石田光彦の右飛で三走森田がタッチアップからホームに突っ込むがライト野村高義からのバックホームにタッチアウト。

 ライオンは4回、先頭の玉腰年男が四球を選んで出塁、戸川信夫の三ゴロをサード土肥が一塁に悪送球して無死一二塁、松岡が投前に送りバントを決めて一死二三塁、伊勢川眞澄の投ゴロで三走玉腰がホームを突くが三本間に挟まれてタッチアウト、打者走者の伊勢川は二塁に向かいキャッチャー池田が二塁に送球するがこれが悪送球となる間に二走戸川がホームインして1-1の同点に追い付く。

 阪急は7回、一死後池田が中前打で出塁、代走に西村正夫を起用、石田が右翼線に二塁打を放ち、ライト野村からの内野への返球が悪送球となる間に西村が生還して2-1と勝ち越し、これが決勝点となった。記録はワンヒット(二塁打)ワンエラーで西村のホームインはライト野村の悪送球によるものなので勝利打点は記録されません。

 石田光彦は連投にもかかわらず3安打6四球1三振の完投で3勝目をあげて昨日のリベンジを果たした。


 

 ライオン4回の攻撃、スコアブックの記載では伊勢川の投ゴロの際に「1-2」で三走玉腰がアウト、「2’-6」で伊勢川は二進となっているので当ブログは上記のとおり解読しました。スクイズ失敗の可能性もありますが、スクイズ失敗であれば打者走者の伊勢川が二塁に走るとは考えにくい。一死二三塁で投ゴロの場合、三塁ランナーはわざと飛び出して三本間に挟まれて挟殺プレーで相手にエラーが出ればめっけもの、ダメでも時間を稼いで二死二三塁を作るという方法がある。高度な判断能力を必要とするが三走の玉腰年男であればそのくらいのことはできるでしょう。結果としてキャッチャー池田の悪送球を誘った訳で、当ブログの読み通りだとすれば玉腰の好走塁ということになる。

 当ブログが玉腰年男ならそのくらいの判断力を有していると考える根拠は、玉腰は今季限りで兵役に就きプロ野球に復帰することはなかったのですが生き延びて戦後は朝日新聞の記者となり、「東海野球史」という好著を著すこととなる有能な生粋の野球人だからです。










      *同一カードに連投の石田光彦は3安打完投で3勝目をあげ、昨日の雪辱を果たした。











*4回、ライオン攻撃の場面、当ブログは上記のとおり解読しました。スコアブックの解読は、単純に記号の羅列を読み解くだけではなく、プレイヤーの資質を理解した上でどのようなプレーが行われたかを判断する能力が求められます。


















 

15年 ライオンvs阪急 3回戦



5月9日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 5 1 1 0 0 0  7 ライオン 7勝18敗1分 0.280 菊矢吉男 福士勇 近藤久
0 4 0 0 1 2 2 0 X  9 阪急   12勝8敗3分 0.600 石田光彦 浅野勝三郎 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 7勝3敗
敗戦投手 福士勇     2勝9敗

二塁打 (ラ)広田、松岡、鬼頭2 (阪)山田、土肥、森田

勝利打点 森田定雄 1


森田定雄決勝二塁打

 阪急は2回、先頭の山下好一の二ゴロをセカンド戸川信夫がエラー、山下が二盗を決め、土肥省三の遊ゴロをショート松岡甲二がエラー、山下は二塁に止まり伊東甚吉の三前送りバントで一死二三塁、石田光彦が四球を選んで一死満塁、トップに返り中島喬が押出し四球を選んで1点を先制、フランク山田伝が右翼にタイムリー二塁打を放って3-0、上田藤夫の右犠飛で4-0とする。

 ライオンは4回、先頭の鬼頭数雄が右前打で出塁、広田修三が四球を選んで無死一二塁、戸川がセンター右にタイムリーを放って1-4、加地健三郎の右前打で無死満塁、阪急ベンチは先発の石田光彦を下げて浅野勝三郎をリリーフに送る。松岡の左前タイムリーで2-4、菊矢吉男の三ゴロで三走戸川が本封されて一死満塁、トップに返り坪内道則の左前タイムリーで3-4、玉腰年男が押出し四球を選んで4-4の同点、野村高義のバントヒットで5-4と一気に逆転する。

 ライオンは5回、先頭の戸川が四球で出塁、加地の投ゴロでランナーが入れ替わり、松岡の右中間二塁打で一死二三塁、菊矢が四球を選んで一死満塁、坪内の中犠飛で6-4と突き放す。

 阪急は5回裏、一死後山下好一が右前打、土肥の中越え二塁打で山下が還って5-6と追いすがる。

 ライオンは6回、一死後鬼頭が左翼線に二塁打、パスボールで鬼頭は三進、5回の守備から戸川に代わってセカンドの守備に入っている西端利郎が左翼線にタイムリーを放って7-5と再度突き放す。

 ライオンは6回から先発の菊矢に代えて福士勇をリリーフに送る。

 阪急は6回裏、先頭の山田が三塁に内野安打、上田が四球を選んで無死一二塁、井野川利春の三ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、6回の守備から山下実に代わってファーストの守備に入っている森田定雄の左犠飛で6-7、山下好一が中前に同点タイムリーを放って7-7と追い付く。

 同点に追い付いた阪急は7回から浅野に代えて三番手として森弘太郎を注ぎ込む。

 阪急は7回裏、先頭の黒田健吾が左前打で出塁、トップに返り中島の送りバントは投飛となって失敗するが黒田が二盗を決めて一死二塁、山田は三邪飛に倒れるが上田と井野川が連続で四球を選び二死満塁、ここで森田が決勝二塁打を放って9-7として阪急がシーソーゲームをものにする。


 鬼頭数雄は5打数3安打二塁打2本で今季通算101打数34安打、打率3割3分6厘6毛となり首位打者の苅田久徳3割3分7厘1毛に迫ってきた。三位には川上哲治が3割2分9厘、四位大沢清で3割2分8厘、五位清水秀雄3割2分5厘、六位千葉茂3割2分3厘と続いている。

 決勝二塁打を放た森田定雄はファーストのレギュラーを狙うが、同ポジションの山下実、新富卯三郎という歴史に名を残す強打者との争いとなる。 






 

2012年8月24日金曜日

15年 タイガースvs南海 3回戦



5月9日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 1 1 1 2 0 3 0 0  8 タイガース 12勝12敗1分 0.500 三輪八郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 南海            8勝16敗1分 0.333 平野正太郎 劉瀬章 天川清三郎

勝利投手 三輪八郎     2勝0敗
敗戦投手 平野正太郎 0勝3敗

二塁打 (タ)宮崎2、中田 (南)国久

勝利打点 中田金一 1


三輪八郎プロ入り初完封

 タイガースは2回、先頭の松木謙治郎が右前打で出塁、カイザー田中義雄の三ゴロでランナーが入れ替わり、伊賀上良平は四球、宮崎剛は三振に倒れて二死一二塁、中田金一が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。これが決勝点となった。

 タイガースは3回、二死後本堂保次、松木が連続四球、田中が中前にタイムリーを放って2-0とする。

 タイガースは4回、宮崎がセンター右奥に二塁打、三輪八郎が右前にタイムリーを放って3-0とする。

 タイガースは5回、先頭jの本堂が右前打を放って南海先発の平野正太郎をKO、二番手として劉瀬章が登板する。松木の二ゴロの間に本堂は二進、田中の右前タイムリーで4-0、伊賀上は四球、宮崎は中飛に倒れるが中田が左翼線にタイムリー二塁打を放って5-0とする。

 タイガースは7回、一死後田中が左前打で出塁、伊賀上は四球を選んで一死一二塁、宮崎が左中間に二塁打を放って6-0としてなお一死二三塁、中田は遊飛に倒れて二死二三塁、三輪の左飛をレフト岡村俊昭が落球する間に伊賀上に続いて宮崎も還って8-0とする。


 三輪八郎は南海打線を6安打3四球8三振に抑えてプロ入り初完封を記録する。三輪は高崎中学(現・群馬県立高崎高等学校)の出身。高崎高校は地元では「たかたか」と呼ばれる県下随一の名門校で、福田赳夫、中曽根康弘 と二人の総理大臣を輩出している。プロ野球界で実績を残した選手は三輪八郎だけである。群馬県からはタイガースに皆川定之と青木正一が桐生中学から入団しており、桐生中学の稲川監督の紹介で高崎中学の三輪がタイガースに入団した。三輪は昭和18年まで投げ続けて通算10回の完封勝利を記録することとなるが、本日がその第1回目となった。応召後、戦死することとなる。

 先制タイムリーを含む4打数2安打2打点の活躍を見せた中田金一は三輪と同期で昭和14年にタイガース入団。生き延びて昭和23年にシベリアから帰還してタイガースに復帰、二リーグ分裂後は松木謙治郎監督の大阪タイガースの一員となる。松木謙治郎著「タイガースのおいたち」によると、戦後町工場を経営していた松木にタイガースは中田金一を仲介役として監督招聘活動を行ったとのことである。







                  *三輪八郎はプロ入り初完封を記録する。












     *昭和25年大阪タイガース時代の中田金一のサイン。左は御園生崇男、右は田宮謙次郎。














      *8対0で快勝したタイガース打線。








 

2012年8月23日木曜日

決戦


 決勝の舞台で硬くなったのは光星学院の方であった。2点を許した5回のサードのエラーを含めて守備に精彩を欠いた。無死一二塁からの三前送りバントでサードの悪送球は仕方ないとして、セカンドとライトのベースカバーが遅れて一塁走者まで生還を許したのが痛かった。藤浪のストレートは抜ける球も多く、決して攻略できないピッチャーではない。今日はスライダーが左打者の膝元、右打者の外角に決まって失投がなかったことが勝因であった。

 当ブログの予想で印を付けた5校は全てベストエイトに進出、準々決勝でO光星学院が▲桐光学園を破り、準決勝は全て印を付けたチームの対戦となった。◎東海大甲府が△大阪桐蔭に敗れた点だけが誤算となった。素人の予想としてはマアマアだったでしょう。

 東海大相模の選手時代は75年センバツで準優勝、東海大相模の監督時代は92年センバツで準優勝、東海大甲府の監督としては04年と今年のベスト4。相模と甲府での監督歴も20年を超えた村中秀人の全国制覇への挑戦はまだまだ続くことでしょう。村中の指導者としての原点は4回目の甲子園となった76年夏の甲子園2回戦、小山高校に0対1で負けた試合、ランナー黒田を三塁に置いてサイン違いからワイルドピッチで決勝点を許した試合にある。この試合で「1球の大切さ」を学んだ。ふてぶてしいまでのマウンド度胸で鳴らした現役時代から30数年が経ち、ランナー三塁からのエンドランを仕掛ける緻密な野球で全国制覇を目指す。


 話題となっているホームランの量産について一言。今年は浜風が強かったし、打者の質が向上していることは認める。体幹を鍛えるトレーニングが浸透し、スウィングスピードが上がっているのは間違いない。しかし、最大の要因はピッチングの質の低下にある。ホームランを打たれた多くはスライダーが抜けた失投であった。ツーシームが中に入った棒球も多かった。少年野球時代からカーブを投げなくなりスライダーに切り替えてから10年以上が経つ。高校生でフォークやチェンジアップを投げるのも当り前となり、ツーシームも多くのピッチャーが投げている。これらのボールを投げておけば地域の練習試合や地方大会の予選で有利になるのは理解できるが、失投になった場合に悔いが残ることを指導者たちは考えるべきである。昨年の釜田の時も書いたが(2011年8月11日付けブログ「習志野快進撃!」参照)、あれだけのストレートを持っていながら、最後の夏にフォークの失投を打たれる愚は犯すべきではない。もちろん肩口から入るカーブがホームランボールとなることは百も承知しているが、まだ落差の大きいカーブの失投の方が変化幅の小さいスライダーが抜ける棒球よりも打たれる可能性が低いことも事実である。


 更に付言するならば、打者の力がこれだけ向上してきていることを踏まえれば、金属バットの使用をやめて木製バットに戻すことを真剣に検討するべきではないかと思う。甲子園シリーズ最終回は辛口批評となったが、どうせ明日の新聞は礼賛記事のオンパレードとなるのは分かりきっていることなので、当ブログとしてはこのスタイルでいきます。








 

2012年8月22日水曜日

15年 南海vsタイガース 2回戦



5月6日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 4 0 0 0 1 2 7 南海         8勝15敗1分 0.348 清水秀雄
0 0 0 4 0 1 0 0 0 5 タイガース 11勝12敗1分 0.478 木下勇 若林忠志

勝利投手 清水秀雄 4勝6敗
敗戦投手 若林忠志 5勝6敗

二塁打 (南)山尾 (タ)田中
三塁打 (南)清水

勝利打点 清水秀雄  4


山尾年加寿4打数4安打3打点

 南海は初回、無死一二塁から岡村俊昭の二ゴロは「4-6-3」。2回、無死一塁から末崎隆行の二ゴロも「4-6-3」。3回、無死一塁から岩出清の遊ゴロは「6B-3」。3イニング連続の併殺で3回まで無得点。

 南海は4回、先頭の国久松一が三塁に内野安打、清水秀雄が右前打、この時のプレーで国久がホームに還った。スコアカードの記載は「9.5.6・3-4’」となっている。清水の右前打で国久は三塁に走ったがライト本堂保次からの三塁送球に国久は三本間に挟まれる。サード伊賀上良平からショート皆川定之に送られた時、打者走者の清水が一塁を大きく回ったのを見て皆川は身体を反転させて一塁に送球、今度は一二塁間での挟殺プレーとなってファースト松木謙治郎がセカンド宮崎剛に送球するがこれを宮崎が後逸する間に国久が三塁ベースを蹴ってホームに還ったものである。

 と言うことで南海が1点を先制、山尾年加寿の左中間タイムリー二塁打で清水が還って2-0、末崎は三振に倒れるが前田貞行が左翼線にタイムリーを放って3-0、バックホームの隙を突いて前田は二進、佐野誠三の右飛で前田はタッチアップから三進、トップに返り岩出の中前タイムリーで4-0とする。

 タイガースは4回裏、皆川、本堂が連続四球、松木の左前打で無死満塁、伊賀上の投ゴロをピッチャー清水がホームに悪送球する間に皆川が還って1-4、宮崎の投ゴロで本堂は本封、土井垣武に代わる代打若林忠志の中犠飛で2-4、富松信彦に代わる代打カイザー田中義雄の左翼線二塁打で二者還って4-4の同点に追い付く。

 タイガースは5回から先発の木下勇に代わって代打に出た若林忠志がマウンドに上がる。
 タイガースア6回、先頭の伊賀上の三ゴロをサード深尾文彦がエラー、宮崎の投前送りバントをピッチャー清水が一塁に大暴投する間に伊賀上が還って5-4とする。


 南海は8回、一死後清水が右翼線に三塁打、山尾の三塁内野安打がタイムリーとなって5-5に追い付く。

 南海は9回、先頭の深尾が四球を選んで出塁、トップに返り岩出がピッチャー強襲ヒット、藤戸逸郎は三振、岡村は左飛に倒れて二死一二塁、国久が四球を選んで二死満塁、清水が押出し四球を選んで6-5と勝ち越し、山尾も押出し四球を選んで7-5とする。

 若林忠志が珍しくコントロールを乱してタイガースは借金1となりイーグルスに抜かれて六位に転落した。

 清水秀雄は4安打6四球6三振の完封で4勝目をあげる。清水は決勝押出し四球を選んで4つ目の勝利打点をあげて山崎文一に並んで勝利打点王に躍り出た。


 山尾年加寿が4打数4安打1得点3打点を記録した。山尾は日新商業の出身であるが、当時の日新商業からは大正5年5月5日生まれの山口政信以降、「日本野球史上最初のリリーフの切り札」田中実(T6.7.14生)、戦後まで長くプロ野球と関わることとなる本堂保次(T7.3.18生)、南海で活躍中の平野正太郎(T8年生)本日の主役山尾年加寿(T8年生)、南海の藤戸逸郎(T9年生)、タイガースの中田金一(T10年生)、南海の末崎隆行(T11年生)と各年代からプロ野球界に人材を送り込んでいる。










                 *清水秀雄は4安打完投で4勝目をあげる。















     *山尾年加寿が4打数4安打を記録した南海打線。


















 

2012年8月20日月曜日

15個



 夏休みが終わりましたので今日からはビデオ観戦となります。

 昨日の試合終了は12時半、今日は第一試合で9時試合開始ということは5時起床で6時にはアップを始めなくてはならない。18時間の休養では疲れはとれなかったようで松井も「疲れはあった。」と認めている。今日はストレートが高目に抜けるシーンが多かった。11時開始であれば、或は第二試合であれば結果は変わっていたかもしれない。関西電力の怠慢に起因する節電対策、更にその原因を作った東京電力の危機管理意識の欠如が甲子園の結果にも影響を及ぼした。

 第一打席三振の光星学院・田村は「見たこともないスライダーには驚いたが第二打席でタイミングが合ってきた。」と言っている。第三打席のライトライナーは三塁打の当りであったがライトが物凄いところに守っており右直に終わった。田村としては捕えたという感触だったでしょう。3回の第二打席の対戦ではマウンド上の松井が笑顔を見せていたが今大会最強のスラッガーとの対戦を楽しんでいるようだった。

 8回の4巡目に田村がつまりながら左前にライナーの先制タイムリー、北條も負けじと前進守備のレフト頭上を抜いて試合を決めた。これまで送りバントすらさせなかったキレが、この回は送りバントを決められたということは落ちてきたのであろう。

 本日の15奪三振はこれまでの53個より価値が高い。一日の休養が入った光星学院に対して18時間の休養しか与えられなかった松井のピッチングは見事なものであった。第三アウトを三振で取って全力疾走でベンチに戻る、これだけ見ていて気持ちのいいピッチャーは2000年準優勝の東海大浦安・浜名翔以来である。

 試合終了の整列の時から泣きじゃくる松井に、田村が握手を求めてきたシーンが印象的であった。









15年 阪急vsライオン 2回戦


5月6日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
0 0 0 0 0 1 0 0 0  0   0   1 阪急    11勝8敗3分 0.579 森弘太郎
0 0 1 0 0 0 0 0 0  0   0   1 ライオン 7勝17敗1分 0.292 福士勇 菊矢吉男

二塁打 (ラ)戸川

勝利打点 なし


森弘太郎今季3度目の延長11回引分け

 3月30日の金鯱戦では松元三彦-中山正嘉のリレーを相手に延長11回0対0の引分け、4月20日のセネタース戦では野口二郎とがっぷり四つに組んで延長11回0対0の引分け。森弘太郎はこの日もライオンの福士勇-菊矢吉男のリレーを相手に延長11回を1対1で引き分けた。


 ライオンは3回、一死後福士勇が中前打で出塁、トップに返り坪内道則が左前打を放って一死一二塁、玉腰年男が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪急は6回、先頭の上田藤夫が右前打で出塁、フランク山田伝が四球を選んで無死一二塁、井野川利春の投前送りバントをピッチャー福士が三塁に送球するがセーフ、野選となって無死満塁、山下好一に代わる代打浅野勝三郎の中犠飛で1-1の同点に追い付く。

 阪急は10回、先頭の中島喬が右前打で出塁、上田の送りバントが内野安打となって無死一二塁、ライオンはここで好投を続けてきた福士に代えて菊矢吉男をマウンドに送る。菊矢は山田、井野川を連続投ゴロ、浅野を左飛に打ち取る。

 結局両チーム追加得点はならず、延長11回1対1で引き分ける。

 森弘太郎は11回を完投して7安打3四球1三振1失点であった。福士勇は9回3分の0を投げて7安打3四球1失点、菊矢吉男は2イニングを投げて無安打1死球無三振無失点であった。










                 *延長11回1対1の引分けを伝えるスコアカード。


















2012年8月19日日曜日

快心の采配



 東海大甲府の決勝点は7回、一死一三塁からのヒットエンドランであった。遊失から打者走者が二進、送りバントと敬遠四球で一死一三塁、ツーボールノーストライクから一走がスタートして二番打者が叩きつけての遊ゴロ、三走が決勝のホームを踏んだ。


 本日のNHKの放送は村中秀人監督の表情を映す場面が多く見られたが、それまでの厳しい表情が一転、白い歯こそ見せなかったもののにんまりとしていました。甲子園の申し子村中監督快心の采配でした。監督インタビューでは「スクイズよりも県予選からやっていたエンドランをやりました。」と答えています。宇部鴻城の尾崎監督は「監督の経験の差が出た。相手はエンドランが決まった。うちは2回エンドランを仕掛けたが決まらなかった。」と答えています。


 東海大甲府の2年生ショート渡辺諒は間違いなく来年のドラフト候補でしょう。9回に三遊間の当りを逆シングルで捌いたプレーはよく覚えておいた方がいいですよ。銚子商業の宇野も甲子園で見せた三遊間の当りを刺したプレーが中日スカウトの目に止まってドラフトされました。私がスカウトなら9回の守備を見てドラフトします。同点三塁打も7回に敬遠されたのも渡辺でした。


 宇部鴻城の健闘が光った試合でした。今大会屈指の好勝負と言ってよいでしょう。



15年 名古屋vsセネタース 3回戦


5月6日 (月) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0 名古屋      14勝6敗1分 0.700  松尾幸造
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0 セネタース 13勝6敗3分 0.684 野口二郎

二塁打 (セ)村松、柳

勝利打点 なし


野口二郎毎回の15奪三振

 名古屋は初回、二死後桝嘉一が左前打、大沢清が四球を選んで二死一二塁、吉田猪佐喜は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。名古屋のヒットは結局桝の1本だけで終わる。

 セネタースは2回、一死後石井豊が四球を選んで出塁、村松長太郎が左翼線に二塁打、佐藤武夫が四球を選んで一死満塁、しかし織辺由三の投ゴロで石井は本封、苅田久徳の遊ゴロで織辺が二封されてスリーアウトチェンジ。

 セネタースは3回、先頭の横沢七郎が左前打で出塁、野口二郎がピッチャー強襲ヒット、しかし小林茂太の捕前バントは「2-5」と送球されて横沢は三封、柳鶴震は三振、石井は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 セネタースは6回、先頭の小林が左前打、柳が送って一死二塁、しかし石井は投ゴロ、村松は三ゴロに倒れる。

 セネタースは11回、二死後柳が左中間に二塁打、しかし三塁を欲張って「8-6-5」と送球されてタッチアウト、延長11回引き分く。

 野口二郎が圧巻のピッチングを見せた。11回を完投して許したヒットは初回の桝嘉一の左前打のみ、与えた四球も2つで、11回まで毎回の15奪三振を記録した。これで46回3分の1連続無失点を継続中となった。

 松尾幸造も11回を完投して5安打2四球5三振の好投を見せた。








     *野口二郎と松尾幸造の投げ合い。野口は1安打で毎回の15奪三振を記録した。











     *野口二郎に1安打に抑えられた名古屋打線。













     *松尾幸造に5安打に抑えられたセネタース打線。














15年 イーグルスvs金鯱 3回戦


5月6日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 1 0 1 0 0 1 0 0  2  5 イーグルス 11勝11敗1分 0.500 亀田忠
0 0 1 0 0 0 0 2 0  0  3 金鯱             7勝14敗1分 0.333 内藤幸三

勝利投手 亀田忠     8勝6敗
敗戦投手 内藤幸三 2勝2敗

二塁打 (イ)杉田屋、竹内
本塁打 (金)濃人 1号

勝利打点 菅利雄 1


イーグルス借金返済

 イーグルスは2回、先頭の谷義夫がストレートの四球、亀田忠が送って一死二塁、杉田屋守の投ゴロの間に谷が三進して二死三塁、竹内功が右前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 金鯱は3回、一死後濃人渉が左翼スタンドに同点ホームランを叩き込んで1-1とする。

 イーグルスは4回、一死後杉田屋が中越えに二塁打、竹内の右翼線の当りに杉田屋はハーフウェー、打球は落ちて竹内は二塁に進み二塁打となるが杉田屋は三塁にストップして一死二三塁、清家忠太郎の二ゴロの間に杉田屋が還って2-1とリードする。

 イーグルスは7回、一死後谷がストレートの四球で出塁、谷が二盗を決めてキャッチャー長島進の悪送球で三塁に進み、亀田の中前タイムリーで3-1とする。

 金鯱は8回、先頭の竹林実が左前打、内藤幸三も右前打で無死一二塁、トップに返り濃人の中前打で無死満塁、森田実は三振に倒れて一死満塁、室脇正信の中飛をセンター寺内一隆が落球して2-3、室脇には犠飛が記録される。更に長島の中犠飛で3-3の同点に追い付く。

 9回は両軍無得点で延長戦に突入。

 イーグルスは10回、先頭の山田潔が四球を選んで出塁、トップに返り岩垣二郎は三振、寺内が汚名挽回の左前打を放って一死一二塁、中河美芳の二ゴロで寺内が二封されて二死一三塁、中河が二盗を決めて二死二三塁、四番谷に代わる代打菅利雄が左翼線に殊勲の2点タイムリーを放って5-3とする。

 亀田忠は10回を投げて6安打2四球9三振の完投でハーラートップタイに並ぶ8勝目をあげる。

 内藤幸三も10回を完投して9安打9四球1死球5三振であった。

 イーグルスは15残塁を記録したが粘り勝って2連勝、借金を返済して勝率を5割とした。









*亀田忠は延長10回を6安打完投でスタルヒンと並ぶハーラートップタイとなる8勝目をあげる。













     *15残塁を記録しながら粘り勝ったイーグルス打線。











12個



 これが松井の言っていた「引き出し」か。


 初回はスピードも無くスライダーのキレも悪くて1回、2回は無三振。3回以降はツーストライクまで力を抜いて打たせて取るピッチングを続けていくうちに調子を取り戻し、終盤にギアチェンジ、最後の6アウトは全て三振でした。最後の打者にストレートだけでスリーボールナッシングからスリーボールツーストライクに持ってきたところは当ブログは「ここはスライダー」と見ていましたがストレートで12個目の三振を取りました。


 試合後のインタビューで松井は「8回にホームランを打たれてギアが入った。」、浦添商業の監督も「後半キレがでてきた」と語っています。


 明日の準々決勝は一日休みが入った光星学院と連戦の桐光学園の対戦、しかも第一試合の開始時間は午前9時ということで7:3で光星学院有利と見ます。一日二試合なら11時開始でもいい訳ですが関西電力の怠慢に起因する節電対策のため9時開始となるようです。連戦の場合の試合開始時間は疲労回復に大きく影響を及ぼします。


 浦添商業は松井対策として打席の一番前に立ってノーステップで引き付けてボールを見極める打法を採用しました。柳川商業が江川を苦しめたプッシュ打法と理屈は同じです。鹿児島実業も鹿児島商業の難敵・堂園喜義(1974年広島ドラフト1位)対策にプッシュ打法を使って打倒堂園を達成し甲子園に進みました。光星学院も松井対策は十分練っていることでしょう。試合数が深まるに連れ、丸裸にされていきます。ベストエイトまでくる強豪は複数投手を使ってきます。松井一人でどこまで対抗できるか、本当の勝負はこれからです。





2012年8月18日土曜日

15年 阪急vsタイガース 3回戦


5月5日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 1 0  1 阪急          11勝8敗2分 0.579 浅野勝三郎 石田光彦
0 2 0 0 0 0 0 0 X  2 タイガース 11勝11敗1分 0.500 三輪八郎 木下勇

勝利投手 木下勇 5勝5敗
敗戦投手 浅野勝三郎 1勝2敗

二塁打 (阪)井野川、日比野

勝利打点 三輪八郎 1


木下勇打者一人で勝利投手

 タイガースは2回、先頭のカイザー田中義雄の二ゴロをセカンド伊東甚吉がエラー、伊賀上良平が左前打を放って無死一二塁、宮崎剛の投ゴロで田中が三封、中田金一が四球を選んで一死満塁、三輪八郎の二ゴロの間に伊三走伊賀上が還って1点を先制、トップに返りジミー堀尾文人の二ゴロを再び伊東がエラーする間に三走宮崎が還っ2-0、二走中田も三塁を回ってホームを狙うが伊東からの送球にタッチアウト。

 阪急は5回から先発の浅野勝三郎に代わって石田光彦が登板する。

 初回以外毎回走者を出しながら7回まで無得点の阪急は8回、二死後6回から新富卯三郎に代わってファーストに入ってプロ入り初出場を果たした森田定雄がプロ入り初打席で初ヒットを中前に放ち、土肥省三に代わる代打服部受弘が左翼線に二塁打を放ち森田が還って1-2とする。

 阪急は9回、石田に代わる代打黒田健吾が四球を選んで無死一塁、トップに返り中島喬の右前打で無死一二塁、上田藤夫が送りバントを決めて一死二三塁、フランク山田伝が四球を選んで一死満塁、ここでタイガースは先発の三輪八郎を引っ込めて木下勇をリリーフに送る。四番井野川利春の当りは遊ゴロ、「6-4-3」と渡ってゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 タイガース先発の三輪八郎が8回3分の1を投げて9安打4四球7三振、リリーフの木下勇が3分の2回を抑えてタイガースが逃げ切った。現行ルールであれば三輪が勝利投手で木下にセーブが記録されるところであるが公式記録では木下勇に勝利投手が記録されている。

 阪急は9安打7四球ながら12残塁の拙攻で1得点に終わった。一方、タイガースは5安打で2得点、但し2得点は名手伊東甚吉の2エラーに起因するものであった。5安打のうち伊賀上良平が3安打を記録した。









             *木下勇は打者一人に投げて勝利投手が記録された。






15年 南海vsライオン 3回戦


5月5日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 1 0 0 1 2 0 0  0  4 南海       7勝15敗1分 0.318 清水秀雄
1 0 0 0 1 0 0 0 3X 5 ライオン 7勝17敗 0.292 菊矢吉男 福士勇

勝利投手 福士勇     2勝8敗
敗戦投手 清水秀雄 3勝6敗

二塁打 (ラ)坪内

勝利打点 鬼頭数雄 1


鬼頭数雄サヨナラ打

 ライオンは初回、先頭の坪内道則が左翼線に二塁打、西端利郎の打球が三遊間に飛ぶが二走坪内道則が守備妨害を取られて一死一塁、野村高義は四球を選んで一死一二塁、鬼頭数雄の二ゴロが「4-6」と転送されると二走西端が三塁ベースを蹴ってホームに突入、プロ入初出場初スタメンのショート前田貞行がバックホームするがこれをキャッチャー吉川義次が落球する間に西端がホームインして1点を先制する。

 南海は2回、一死後清水秀雄が中前打で出塁してパスボールで二進、前田は三振に倒れるが山尾年加寿が四球を選んで二死一二塁、末崎隆行が右前に同点タイムリーを放って1-1とする。

 南海は5回、先頭の末崎が左翼線にヒット、藤戸逸郎が送って一死二塁、トップに返り国久松一は右飛に倒れるが岩出清が四球を選んで二死一二塁、岡村俊昭が左前にタイムリーを放って2-1とする。

 ライオンは5回裏、先頭の戸川信夫が四球で出塁、加地健三郎に代わる代打山本尚敏は三振、パスボールで戸川が二進、松岡甲二の二ゴロの間に戸川は三進、トップに返り坪内が四球を選んで二死一三塁、西端の一塁内野安打で戸川が還って2-2の同点に追い付く。

 南海は6回、一死後山尾の三ゴロをサード山本が一塁に悪送球、末崎隆行の投ゴロをピッチャー菊矢吉男が二塁に悪送球、藤戸が四球を選んで一死満塁、国久の遊ゴロ併殺崩れの間に山尾が還って3-2、岩出が左前にタイムリーを放って4-2とする。

 ライオンは9回、一死後山本が四球で出塁、松岡に代わる代打井筒研一の一ゴロをファースト末崎が二塁に悪送球、トップに返り坪内の三塁内野安打で一死満塁、西端は三振に倒れて二死満塁、ここで野村が中前に同点タイムリーを放って4-4、鬼頭数雄が中前にサヨナラタイムリーを放って劇的な逆転サヨナラ!

 南海先発の清水秀雄は2回と6回を三者三振に抑えるなど12三振を奪う力投を見せたが8四球でもあった。7回は3四球で二死満塁としたが野村を投ゴロに打ち取りピンチを脱したが9回には野村に同点打を打たれて力尽きた。

 ライオンは5安打で5得点、ヒットを打ったのは一番から四番の4人、ヒットが出たのは得点をあげた1回と5回と9回だけという効率的な攻撃を見せた。








           *清水秀雄は12三振を奪う力投を見せたが最後に力尽きた。
















      *効率的な攻撃を見せたライオン打線。













2012年8月17日金曜日

予想



 ベスト16が出揃いましたので、当たらない優勝予想を書いてみます。

◎ 東海大甲府
O  光星学院
▲ 桐光学園
△ 大阪桐蔭
△ 明徳義塾



 東海大甲府を本命にした理由は村中監督の表情からです。明らかに狙っています。現役時代のふてぶてしさが甦ってきました。選手時代は準優勝止まりでしたが37年越しの雪辱を期待します。

 光星学院はいかにも連軸向きなのでベスト4か準優勝までか。北條と田村では北條の方が評価が高いようですが当ブログは田村を買っています。スウィングスピードはピカ一で、内野も十分こなせそうな運動能力が魅力です。今月のスポニチの「我が道」は太田幸司です。光星学院が東北に初の優勝旗を持ち帰ったら出来過ぎですがどうでしょうか。3回戦の相手は九州で無敵の神村学園なのでここを突破することが最大の課題ではありますが。

 桐光学園は松井をシリーズでお届けしていますので優勝を期待していますが1、2年生主体のチームなので今年はどうか。3回戦の浦添商業は侮れませんよ。

 大阪桐蔭はどこかで負けるような気がしています。単なる勘ですが。

 明徳義塾には期待の選手がいます。背番号5でセカンドを守っている伊与田一起です。165センチですからプロに行く可能性は低いかもしれませんが。各種プロフィールを見ると身長は164センチ~166センチ、体重は65キロ~75キロと様々ですが、テレビの画面で見たところ164センチ75キロと見ています。私の現役時代は164センチ63キロでしたが現在は75キロに成長していますので全く同じとなっています。私も「165センチです。」と言っていましたので1センチはサバを読んでいると見ています。快足で注目を集めているようですがまず構えがいい。次に体格がいい。藤浪や大谷に1億出すのなら、私がスカウトだったら3千万で伊与田を獲ります。ドラフト4位くらいなら期待できるのではないでしょうかと期待しているところです。


 準々決勝以降の組み合わせがまだ分かりませんし、あくまでも私的なお遊び予想ですので責任は持てません。トトカルチョには絶対に利用しないでください。昔から「予想はうそよ」と言いますので(笑)。





15年 セネタースvs名古屋 2回戦


5月4日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 2 0 0  2 セネタース 13勝6敗2分 0.684 浅岡三郎
0 0 0 2 0 1 0 0 X  3 名古屋      14勝6敗 0.700 村松幸雄 西沢道夫

勝利投手 西沢道夫 5勝3敗
敗戦投手 浅岡三郎 5勝1敗

二塁打 (セ)佐藤 (名)大沢、中村
本塁打 (名)大沢 1号

勝利打点 大沢清 3


大沢清のライト打ちで名古屋が首位奪還

 首位を行くセネタースと0.5ゲーム差で追う名古屋との首位攻防戦。本日と6日の二連戦が予定されている。セネタースは浅岡三郎、名古屋は村松幸雄が先発する。

 その村松が初回に2四球を出すと名古屋ベンチは早くも村松を引っ込めて2回から西沢道夫をマウンドに上げた。

 3回まで両軍無得点。名古屋は4回、先頭の桝嘉一が左前打で出塁、大沢清がライトスタンドに先制ツーランホームランを叩き込んで2-0とする。

 名古屋は6回、一死後大沢がライトに二塁打、吉田猪佐喜は左飛に倒れるが中村三郎が四球を選んで二死一二塁、三浦敏一の中前タイムリーで3-0とする。

 セネタースは7回、先頭の浅岡がストレートの四球で出塁、佐藤武夫が左中間にタイムリー二塁打を放って1-2、織辺由三に代わる代打野口二郎は左飛に倒れるがトップに返り苅田久徳が左前打を放って一死一三塁、横沢の遊ゴロ併殺崩れの間に佐藤が還って2-3と追い上げる。

 2回からのロングリリーフとなった西沢道夫はセネタースの反撃を抑えて6安打5四球4三振2失点で5勝目をあげる。


 大沢清が得意の右打ちで決勝ツーランと追撃の二塁打を放った。

 浅岡三郎が今季初黒星を喫した。翌日の読売新聞には「近来好調の浅岡はこの人として稀に見る球速を持って頗る具合よく試合をスタートしたのだがこの球速が却って祟り得意のスクルウボールが巧く曲り込まず・・・」「大沢を2-1と攻めつけ乍ら次の一球を下手投げで外角高めに配したところを痛撃されて見事本塁打を奪われたのだ。」と書かれている。浅岡は首位争いを続ける好調セネタースの原動力となっている。

 春季シリーズは名古屋が逆転首位、0.5ゲーム差でセネタース、ゲーム差無しでジャイアンツの三つ巴が続く。









          *2回からリリーフした西沢道夫が5勝目。浅岡三郎は今季初黒星を喫した。













            *大沢清は得意の右打ちでライトにホームランと二塁打を放った。