2012年6月3日日曜日

15年 ジャイアンツvs阪急 1回戦

3月15日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 ジャイアンツ 0勝1敗 0.000 スタルヒン
0 0 0 1 0 0 0 1 X 2 阪急        1勝0敗 1.000 重松通雄

勝利投手 重松通雄  1勝0敗
敗戦投手 スタルヒン 0勝1敗

勝利打点 浅野勝三郎 1



浅野勝三郎代打決勝タイムリー

 ジャイアンツはエース・スタルヒンが先発。阪急は下手快速球の重松通雄で応戦する。ジャイアンツは主力の応召がなくフィリピンに帰ったアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)に代わって呉波がセンターに入っただけで昨年からほぼ不動のオーダー。昭和15年3月14日付け読売新聞の「大リーグ春の覇権は?」によると阪急では門司鉄道局から入団した「知名の井野川利春」の加入が注目を集めている。「とりわけ勇猛果敢の闘将井野川を得た事は・・・井野川の加入が従来理智に走り過ぎて気概を欠いた阪急軍に一脈の勇猛心を吹き込むものと見られるからである」とのことである。阪急は三宅大輔監督以下村上実マネージャー、宮武三郎、山下実、山下好一、岸本正治と慶應閥であったことがスマートすぎて戦力の割にはジャイアンツ、タイガースの後塵を拝してきたきらいがある。ここに明大以来猛将として鳴る井野川利春に期待がかかる訳である。但しキャッチャーには気鋭の日比野武がおり、井野川の登場はもう少し先のこととなる。阪急は一番に井野川と同じく門司鉄道局から入団した中島喬、三番ファーストに新富卯三郎を起用する。新富もかつては門司鉄道局の主力打者であった。

 ジャイアンツは4回まで毎回走者を出すが無得点。

 1回、2回と無安打の阪急は3回、二死後中島喬が中前打、フランク山田伝が右前にエンドランを決めて二死一三塁とするが期待の新富は三振に倒れる。

 阪急は4回、一死後上田藤夫の遊ゴロをショート白石敏男がエラー、黒田健吾の右前打で上田は三塁を陥れ、ライト中島治康からの三塁返球の間に黒田も二塁に進んで一死二三塁、日比野がスクイズを決めて1点を先制する。

 5回に初めて三者凡退を記録したジャイアンツは6回、一死後千葉茂が中前打で出塁、中島治康の二ゴロの間に千葉は二進、川上哲治の中前タイムリーで1-1の同点に追い付く。

 5回~7回を三者凡退に抑えられていた阪急は8回、先頭の重松が右前打で出塁、トップに返り中島喬の投ゴロでランナーが入れ替わり、中島が二盗に成功、山田の二ゴロで二死三塁、新富に代わる代打浅野勝三郎が右前に決勝タイムリーを放って2-1とする。

 重松通雄は4安打4四球1三振の完投で1勝目をあげる。4安打のうち川上哲治に3本打たれた。高橋敏、荒木政公を応召で欠いた投手陣では重松の下手快速球が頼りとなる。

 昭和15年は鬼頭数雄と川上哲治による激しい首位打者争いが見られますので順次二人の成績を追っていきます。現在川上7割5分、鬼頭4割。





        *重松通雄はジャイアンツ打線を4安打に抑えてスタルヒンに投げ勝つ。







     *重松通雄に4安打に抑えられた開幕戦のジャイアンツ打線。








     *苦手のスタルヒンを攻略した開幕戦の阪急打線。

















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