2012年5月3日木曜日

14年 タイガースvsイーグルス 11回戦


10月28日 (土) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 2 0 0 0 0 0 0 0  0   0  2 タイガース  58勝26敗3分 0.690 西村幸生 木下勇 景浦将
0 1 1 0 0 0 0 0 0  0   0  2 イーグルス 25勝59敗2分 0.298 中河美芳


二塁打 (イ)寺内2


中河・景浦の投げ合い
 
 ライオンの6連勝を阻止して意気上がるイーグルスは中河美芳が8月22日以来の先発。タイガースは西村幸生が先発。


 タイガースは2回、先頭の伊賀上良平が四球で出塁、岡田宗芳の送りバントが内野安打となって無死一二塁、皆川定之の投前送りバントを中河が間に合わない三塁に投げてしかもサード木下政文がこれを後逸する間に二走伊賀上が還り1点を先制してなお無死二三塁、記録は犠打と野選とエラー。山根実の二ゴロで三走岡田がホームに突っ込むがセカンド杉田屋守からのバックホームにタッチアウト、続く西村幸生の二ゴロの間に今度は三走皆川が還ってこの回ノーヒットで2-0とする。


 イーグルスは2回裏、先頭の寺内一隆が左前打で出塁、杉田屋が鮮やかに右前にエンドランを決めて無死一三塁、木下の左犠飛で1-2とする。


 タイガースは3回から先発の西村をあきらめて木下勇を投入する。イーグルスはその3回、一死後太田健一が右前打で出塁、菅利雄の右前打で一死一三塁、寺内の右中間二塁打で2-2の同点に追い付く。タイガースベンチはここで木下を下げてライトから景浦将をマウンドに送りレフトの山根をライトに回し森国五郎がレフトに入る。景浦は杉田屋に四球を与えるが木下政文を三振、中河を遊ゴロに打ち取り継投策が効を奏す。


 序盤戦は旺盛な点の取り合いとなったが4回以降ぱったりと得点が入らなくなった。


 タイガースは3回~5回まで無安打。6回二死から岡田が中前打を放つが皆川は遊ゴロに倒れる。一時は首位打者に頑張っていた皆川もこのところ当りが止まってきた。


 タイガースは7回、一死後森に代わる代打カイザー田中義雄の遊ゴロをショート山田潔がエラー、トップに返り松木謙治郎が右前打を放って一死一二塁、ジミー堀尾文人が投前に送りバントを決めて二死二三塁、続く景浦は敬遠で二死満塁、門前真佐人は三ゴロに倒れる。


 タイガースは8回、先頭の伊賀上が左前打で出塁、岡田のバントが内野安打となって無死一二塁、皆川が投前に送りバントを決めて一死二三塁、タイガースベンチは山根に代えて代打若林忠志を送るが中河は若林を敬遠して一死満塁、7回の代打田中に代わってレフトに入っていた富松信彦に代わる代打中田金一の遊ゴロで伊賀上は本封、松木も二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。


 タイガースは11回、一死後松木が右前打を放って出塁、堀尾の遊ゴロの間に松木は一気に三塁に進む。ここで景浦は四球、読売新聞の記述から7回の景浦と8回の若林の四球は敬遠であったことが確認できるが、ここは記述はないが敬遠でしょう。続く門前は三ゴロに倒れてタイガースの勝ちは無くなった。門前真佐人は6打数無安打とブレーキになった。


 4回~10回までリリーフ景浦に3安打に抑えられてきたイーグルスは11回裏、一死後中河がこの日3本目のヒットを左前に運んで代走に沼田春雄を起用する。伏見五郎に代わる代打漆原進の右前打で沼田は三塁に進み一死一三塁、漆原が二盗を決めて一死二三塁、山田に代わる代打筒井良武の三ゴロで三走沼田がホームに突っ込むがサード伊賀上からの送球にタッチアウト、トップに返り岩垣二郎が死球を受けて二死満塁、最後のアウトは三走漆原に「1-2」と記録されているが盗塁死は記録されていないのでホームスチール失敗ではない。但し「盗塁刺」の欄に薄く数字が書き足されている形跡が認められる。二死満塁で「1-2」で試合終了であればスコアカードだけを見れば「決死の本盗失敗」に見えるので後からスコアカードをチェックすれば本盗失敗と判断されるところですが事実は謎です。ディレード気味にスタートして刺されたので盗塁死は記録されなかっただけかもしれません。漆原進は昭和13年春季リーグ戦6月1日のライオン3回戦で2回に二盗、三盗、本盗のサイクルスチールを決めているのでここも決死のサヨナラホームスチールを狙った可能性は否定できません。但し8月25日に怪我をして以来久々の出場なので勘が鈍っていた可能性があります。


 11回裏に中河美芳の代走に起用された沼田春雄は「養成選手」として登録されています。公式戦での初出場は10月14日の9回に亀田忠の代走に起用された時で本日は2度目の代走に起用されました。公式戦の出場記録はこの2回だけですが、この試合でホームに突っ込んでサヨナラ勝ちしていたら来年もプレーできていたかもしれません。応召かもしれませんが。


 翌日の読売新聞はこの試合を「久しぶり中河」の大見出しで伝えていますが休場していた理由については一切触れていません。当ブログでは憲兵隊に尋問を受けていたのではないかと疑っていますが事実は謎に包まれています。


            *中河美芳と景浦将の投げ合いを伝えるスコアカード。

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