2012年4月29日日曜日

14年 金鯱vsセネタース 11回戦


10月21日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金鯱      31勝51敗3分 0.378 古谷倉之助 大宮清 内藤幸三
1 0 0 3 0 1 0 1 X 6 セネタース 45勝33敗8分 0.577 野口二郎


勝利投手 野口二郎  29勝16敗
敗戦投手 古谷倉之助 6勝17敗


二塁打 (セ)野口、苅田、尾茂田


野口二郎復活!
 
 セネタースは初回、一死後横沢七郎が左翼線にヒット、尾茂田叶は遊飛に倒れるが野口二郎が左前打を放って二死一二塁、浅岡三郎が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。


 セネタースは4回、先頭の野口の三ゴロをサード山本次郎がエラー、続く浅岡の遊ゴロもショート濃人渉が連続エラー、柳鶴震が四球を選んで無死満塁、金鯱ベンチはここで先発の古谷倉之助をあきらめて大宮清をマウンドに送る。しかし佐藤武夫が押出し四球を選んで2-0、キャチャー松元三彦のパスボールで3-0、村松長太郎が四球を選んで再度無死満塁、織辺由三の中犠飛で4-0とする。セネタースはこの回ノーヒットで3点をあげた。


 セネタースは6回、先頭の織辺が四球で出塁、トップに返り苅田久徳が左中間にタイムリー二塁打を放って5-0とする。更に8回、一死後苅田が右前打で出塁、横沢の二ゴロでランナーが入れ替わり、尾茂田が左中間に二塁打を放ち横沢を迎え入れて6-0とする。


 金鯱は1回~3回は三者凡退。4回、先頭の濃人が遊失に生きて五味芳夫の二ゴロでランナーが入れ替わり、五味の二盗は佐藤武夫に刺されて失敗、野村高義は三振に倒れる。5回~7回も三者凡退。8回、先頭の古谷は中飛に倒れ、小林茂太が左前に初安打、しかし瀬井清の二ゴロは「4B-3」と苅田が捌いてゲッツー。9回は先頭の松元の遊ゴロをショート柳鶴震が一塁に悪送球するが武笠茂男に代わる代打長島進は遊ゴロ、内藤幸三に代わる代打森田実は中飛、最後は濃人が遊ゴロに倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。


 野口二郎は1安打無四球2三振、今季6度目の完封で29勝目をあげる。4月14日のイーグルス3回戦以来2度目の1安打完封である。肩を痛めて調子を崩していたが完全復活を遂げた。



 翌日の読売新聞によると「試合直後池田主審が『今日の野口はカーブを一本も使わずに押し切った』と驚いていたがあの物凄い快速球があれば独り金鯱ばかりでなく如何なるチームに対しても曲球を弄する必要はあるまい。」とのこと。


 この試合については野口二郎の自伝「私の昭和激動の日々」にも詳しく書かれている。「この年、今でも鮮明に記憶している試合がある。10月21日後楽園球場で行った金鯱戦だ。ノーヒット・ノーランを逃したのである。変化球は一球も投げず、ストレート一本槍で完封していた。8回小林茂太(外野手・村田中『岩村田中の間違いか=筆者注』)という選手に対して、カウント1-2(ワンストライクツーボール=筆者注)になった。なんとなく打たれそうな気がして、カーブを投げようかとも思ったが、折角ここまでストレート一本で押して来たのだからと、ストレートを投げた。当たりは詰まっていたが、結果はヒットになって、ノーヒットの夢は破れたのであった。」




                *野口二郎は1安打完封で29勝目をあげる。







*野口二郎に1安打に封じ込められた金鯱打線


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