2012年3月16日金曜日

14年 阪急vs名古屋 10回戦


9月22日 (金) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 1 0 1 0 0 0 6 阪急   49勝24敗1分 0.671 高橋敏
0 0 0 1 2 0 0 0 0 3 名古屋 28勝44敗3分 0.389 松尾幸造 繁里栄


勝利投手 高橋敏  14勝6敗
敗戦投手 松尾幸造 7勝13敗


本塁打 (名)桝 1号

上田藤夫、10個のゴロを捌く


 阪急は2回、一死後石井武夫が右翼線にヒット、伊東甚吉は四球、日比野武の遊撃内野安打で一死満塁、高橋敏の右前タイムリーで1点を先制、トップに返りフランク山田伝の右前タイムリーで2-0、西村の二ゴロをセカンド中村三郎が二塁に悪送球する間に三走日比野に続いて高橋も還って4-0とする。

 名古屋は3回から先発の松尾幸造に代えて繁里栄をマウンドに送る。繁里は3回、先頭の田中幸男にバントヒットを許すが石井、伊東、日比野から3連続三振を奪う力投を見せる。

 阪急は4回、一死後山田が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、パスボールで山田が二進、西村も三前にセーフティバントを決めて一死一三塁、上田藤夫の二ゴロ併殺崩れの間に山田が還って5-0とする。

 3回まで高橋敏にパーフェクトに抑えられていた名古屋は4回裏、先頭の桝嘉一が四球を選んで出塁、石田政良が左翼線にヒット、大沢清が四球を選んで無死満塁、加藤正二は浅い左飛に倒れて一死満塁、三浦敏一の遊ゴロで大沢が二封される間に桝が還って1-5とする。

 名古屋は5回、先頭の芳賀直一が左前打で出塁、繁里栄は中飛、村瀬一三は左飛に倒れて二死一塁、トップに返り桝が左翼スタンドにツーランホームランを叩き込んで3-5と追い上げる。

 阪急は6回、二死後西村が中前打、上田四球、山下好一左前打で二死満塁、田中に代わる代打浅野勝三郎が押出し四球を選んで6-3として試合を決める。

 高橋敏は4安打3四球2三振の完投、久々に快投を見せて14勝目をあげる。

 桝嘉一は通算451安打を放つこととなるが本塁打は7本、自身のシーズンン最多ホームラン記録は1本なので本日の本塁打を目撃した観客は貴重なシーンの目撃者となった。翌日の読売新聞にも「左翼席に打ち込む本塁打」と書かれていますのでランニングホームランではありません。

 阪急が3回、4回とバント攻めで繁里を苦しめたのは本日の軟弱なグラウンドコンディションを考慮したものであった。この状況で阪急のショート上田藤夫は10個のゴロを捌いて無失策で補殺10を記録した。1回に遊ゴロ2個、2回に1個、3回に2個。4回は共に走者を一塁に置いて二つのゴロで二封。7回に8個目の遊ゴロ、8回はスコアブックには「1.6-3」と記録されているので村瀬のピッチャーを強襲する当りを高橋が弾いてバックアップした上田が一塁に刺したものでしょう。最後は9回一死一塁で代打村松幸雄の遊ゴロを「6-4-3」のダブルプレーで締めた。

 Wikipediaの上田藤夫の項によると上田は昭和18年の名古屋戦で一試合12個の遊撃手としての最多補殺を記録するようです。一方、同じくWikipediaの金子誠の項によると金子は2004年7月6日の近鉄戦で一試合11補殺の遊撃手最多記録を達成したとも書かれています。竹中半平著「背番号への愛着」にも「上田藤夫(のちパ・リーグ審判)、十年一日の如く、二塁に遊撃にその軽快な守備ぶりには定評があった。」と紹介されています。




                *高橋敏は4安打完投で14勝目をあげる。








                 *上田藤夫は無失策で10補殺を記録する。


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