2012年3月30日金曜日

安打製造機



 イチローの前の「安打製造機」榎本喜八氏の訃報が伝えられています。イチローより早く史上最年少で1000本安打を達成した天才打者です。

 名球会に名を連ねながら一度も会合には出席せず脱会扱いになっています。尤もイチローも落合も名球会には興味はないのではないでしょうか。

 ダッグアウトで座禅を組む奇行で知られています。榎本を知る元プロ野球選手に「榎本を見かけたけどぶつぶつ呟きながら歩いていた。」と聞いたことがあります。


 私の榎本の最初の記憶は1970年のロッテオリオンズ優勝メンバーとしてとなります。この年のロッテ打線はロペス、アルトマン、山崎、池辺、有藤と5人が20本塁打以上を記録していますが、榎本も15本塁打を記録しています。中日を引退してロッテで復帰したため146打数しか出場していない江藤慎一も11本を打っている強力打線でした。日本シリーズでは堀内がアルトマンを全打席敬遠するという卑怯極まりない作戦をとった巨人が勝ちましたが、V9時代の巨人を破るとしたらこの年のロッテオリオンズしかなかったと思います。

 引退年となった1972年は大ファンだった西鉄ライオンズに来てくれました。榎本はこの年で引退し、西鉄ライオンズもこの年で消滅しました。イチローの凱旋で沸く最中に榎本の訃報が伝わるとは、何とも皮肉なものです。



      *西鉄ファンのサイン帳に残された西鉄時代の榎本のサイン。

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