2011年11月30日水曜日

14年 南海vs阪急 6回戦


6月23日 (金) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 16勝22敗2分 0.421 平野正太郎 木村勉 天川清三郎
0 0 0 0 1 3 0 0 X 4 阪急 28勝11敗    0.718 高橋敏


勝利投手 高橋敏       10勝2敗
敗戦投手 平野正太郎 2勝2敗


二塁打 (阪)山下実

高橋敏、今季七度目の完封


 南海の先発は平野正太郎、阪急の先発は高橋敏。翌日の読売新聞に「南海平野の下手、横手から軟らかく投げ込むひねくれ球に手を焼いた阪急・・・」と書かれているとおり、平野正太郎はサイドからの技巧派のようである。南海投手陣では劉瀬章も同じタイプである。

 南海は初回、いきなり国久松一が四球で出塁するが平井猪三郎の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー。2回も先頭の中村金次が左前打で出塁、岡村俊昭の一ゴロでランナーが入れ替わり、小林悟楼の三ゴロの間に岡村は二進、しかし岩出清の左前打で岡村が三塁をオーバーランしてタッチアウト。

 阪急は1回、2回は三者凡退、3回は先頭の伊東甚吉が左前にチーム初安打、日比野武が送って高橋敏四球で一死一二塁、しかし西村正夫の投ゴロが「1-5-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は5回、先頭の上田藤夫が四球を選んで出塁、伊東が送って日比野に代わる代打浅野勝三郎が四球、高橋は二飛に倒れるがトップに返り西村が中前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 阪急は6回、先頭の山下実が右中間に二塁打、ワイルドピッチで山下実は三進、山下好一が中前にタイムリーを放って2-0、南海ベンチはここで先発の平野正太郎から木村勉にスイッチ、しかし木村はストライクが入らず黒田健吾四球、上田も四球で無死満塁、伊東は三振に倒れるが木村がワイルドピッチを犯して山下好一が還って3-0、石井武夫が四球を選んで一死満塁、高橋は三振に倒れるが西村が押出し四球を選んで4-0とする。

 この日の阪急内野陣はショート上田藤夫の3失策を含む5失策を記録したが高橋敏は冷静に対処して結局、4安打3四球無三振、今季七度目の完封で10勝目をあげる。


 高橋敏は今季ここまで14試合に登板して106回3分の1を投げて被安打57、与四死球24、奪三振23、自責点6、10勝2敗7完封、防御率0.51、WHIP0.76の成績である。奪三振率は1.95なのでコントロール主体の打たせて取るピッチングである。阪急内野陣に滝川中学出身のセカンド伊東甚吉、ショート田中幸雄の名手が加わったことも高橋のピッチングに寄与しているのであろう。阪急投手陣が九球団随一の質量を誇っておりローテーションに余裕があることも大きい。戦前に一試合当たり2個程度しか四死球を与えないピッチャーが存在していた事実は殆ど知られていない。





            *高橋敏は今季七度目の完封で10勝目をあげる。




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