2011年11月6日日曜日

14年 タイガースvs南海 5回戦


6月10日 (土) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 タイガース 19勝12敗2分 0.613 西村幸生
0 0 0 0 0 1 2 0 0 3 南海       14勝17敗2分 0.452 劉瀬章 宮口美吉


勝利投手 劉瀬章     3勝3敗
敗戦投手 西村幸生 5勝4敗
セーブ    宮口美吉 1


二塁打 (南)鶴岡、中村
三塁打 (南)中田

南海、連続犠飛で快勝


 タイガースは初回、先頭の本堂保次が中前打で出塁、ジミー堀尾文人が四球を選んで無死一二塁、しかし本堂がキャッチャー中田道信からの牽制に刺されてタッチアウト。続く三番松木謙治郎は二ゴロ、四番門前真佐人が遊ゴロに倒れて先制のチャンスを逃したことが敗因につながる。

 一死二塁での松木の二ゴロは「4-1・A」と記録されている。一二塁間に飛んだゴロにファースト中村金次も反応したがセカンドに任せたためファーストベースがガラ空きとなったところにピッチャー劉瀬章がカバーに入ったものであろう。右方向の打球にピッチャーが一塁ベースカバーに走るのは投手の基本動作であるが、これが徹底されてくるのは戦後も戦後、巨人がベロビーチキャンプで採り入れた以降に浸透していったと考えられるが、昭和14年の南海守備陣はこの基本をマスターしていたようだ。一二塁間の打球については、ファーストはセカンドが捕れると判断した場合はセカンドに任せた方が良い。ファーストが捕っても逆モーションとなるがセカンドが捕れば投げ易い。2010年6月2日、デトロイト・タイガースのアーマンド・ガララーガが同様のプレーにおける誤審により完全試合を逃したが、あれもファーストのミゲール・カブレラが深追いし過ぎて逆モーションから一塁ベースカバーに入ったガララーガに山なりのボールを投げたことがジム・ジョイス審判による「セーフ」の判定に影響を与えたと思う。セカンドに任せてピシっとしたボールが送球されていたら判定が「アウト」になっていた可能性があるのではないでしょうか。

 タイガースは2回、先頭の伊賀上良平の遊ゴロをショート小林悟楼が一塁に悪送球して伊賀上は二塁に進み、二死後西村幸生が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 南海は初回、二死後鶴岡一人が二塁打を放つが中村は捕ゴロに倒れる。2回は伊藤経盛のピッチャー強襲ヒットと中田の四球で一死一二塁とするが無得点。3回も国久松一の内野安打と鶴岡の四球で二死一二塁とするが中村は投ゴロに終わる。4回は岡村俊昭の内野安打と敵失、送りバントで一死三塁とし、中田の中飛で岡村がタッチアップからホームを突くがセンター堀尾の強肩の前にタッチアウト。

 南海は6回、二打席チャンスに凡退した中村が右中間に二塁打、岡村が右前にタイムリーを放って1-1の同点に追い付く。

 タイガースは7回、先頭の御園生崇男が四球で出塁、松広金一が内野安打で続いて無死一二塁、西村の投前送りバントは劉が三塁に悪送球して無死満塁、しかし皆川定之はスクイズ失敗後三ゴロ、サード鶴岡から「5-2-3」と渡ってダブルプレー、なお二死二三塁の場面で南海はセンターを伊藤から山尾年加寿に交代、本堂四球で二死満塁、堀尾は中飛に倒れてこの回無得点。

 南海は7回裏、先頭の中田が右中間に三塁打、劉に代わる代打岩出清の遊ゴロをショート皆川が一塁に悪送球、中田は動かず無死一三塁、岩出が二盗を決めて無死二三塁、小林悟楼の中犠飛で2-1と勝ち越し岩出も三塁に進み一死三塁、トップに返り国久の左犠飛で3-1とする。

 南海は8回から宮口美吉をマウンドに送り、8回は門前真佐人に右前打、9回は西村に左翼線にヒットを打たれるが後続を抑えて逃げ切る。宮口には当ブログルールによりセーブが記録される。


 タイガースは6安打全てがシングルヒット、南海は8安打のうち長打が3本でそのうち中村の二塁打と中田の三塁打を得点に結び付けた。タイガースの皆川定之はスクイズ失敗からの併殺打に決勝点につながる手痛いエラーと厄日であった。







*松木謙治郎の第一打席の二ゴロは「4-1A」と記録されており、セカンド国久松一から一塁ベースカバーのピッチャー劉瀬章に送球された。



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