2011年10月1日土曜日

14年 阪急vsジャイアンツ  4回戦


5月18日 (木) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 0 0 2 0 0 0 5 阪急        17勝8敗 0.680 重松通雄 高橋敏
0 5 0 1 0 0 0 0 X 6 ジャイアンツ 18勝9敗 0.667 川上哲治 スタルヒン


勝利投手 スタルヒン 13勝4敗
敗戦投手 重松通雄     1勝5敗


二塁打 (阪)上田、黒田 (ジ)川上

ジャイアンツ、接戦を制す


 二位・阪急と三位・ジャイアンツとの攻防。

 阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁、フランク山田伝が左前打で続き無死一二塁、三番ファーストに入った浅野勝三郎の二ゴロで山田が二封されて一死一三塁、山下好一は浅い左飛に倒れて二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制、上田藤夫が左翼線にタイムリー二塁打を放ち2-0、黒田健吾も右翼線にタイムリー二塁打を放って3-0とする。

 ジャイアンツは2回、中島治康が左前打で出塁、川上哲治が左中間を抜くタイムリー二塁打で中島を迎え入れて1-3、アチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が一塁に内野安打、井上康弘が右前にタイムリーを放ち2-3、吉原正喜が三前にセーフティバントを決めて無死満塁、阪急ベンチは先発の重松通雄を下げてリリーフに高橋敏を投入する。しかし永澤富士雄が中前タイムリーを放って3-3の同点、トップに返り白石敏男が押出し四球を選んで4-3と逆転、水原茂の左犠飛で5-3とする。ジャイアンツはこの回怒涛の六連打などで大逆転。

 リードを奪ったところでジャイアンツは先発の川上をファーストに回してスタルヒンを投入する。

 ジャイアンツは4回、先頭のスタルヒンが右前打で出塁、白石の投ゴロでランナーが入れ替わり、白石は二盗に成功、二死後千葉茂が中前にタイムリーを放って6-3とリードを広げる。しかしジャイアンツは5回以降高橋敏に1安打に抑えられる。

 阪急は6回、先頭の山田が四球に歩くと二盗に成功、浅野は中飛に倒れるが山下好一、上田が連続四球を選んで一死満塁、黒田が左前に2点タイムリーを放って5-6と1点差に詰め寄る。

 阪急は7回、先頭の高橋が中前打を放ち西村が送って一死二塁とするが山田が右飛、浅野は遊ゴロに倒れる。8回、先頭の山下好一が四球で出塁するが上田の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレー。9回も先頭の伊東甚吉が四球で出塁、森弘太郎が送って一死二塁とするが高橋は三進、西村も三振に倒れてジャイアンツが接戦を制す。


 両チーム無失策の好ゲームであった。阪急もスタルヒンに良く喰らいついたがあと一本が出ず、好リリーフを見せた高橋敏のピッチングを生かすことが出来なかった。

 スタルヒンは阪急戦に四連勝、阪急はジャイアンツに戦には重松通雄を三回先発させているが通用せず、高橋敏もジャイアンツ戦には競り負けている。阪急は山下実を名誉の応召で欠きこのところファーストは日替わり状態であるが、浅野勝三郎の三番は少し荷が重いようである。一日で除隊となった山下実に早く戻ってきてもらいたいというのが阪急首脳陣の本音であろう。


 千葉茂は自伝「猛牛一代の譜」で、川上哲治の若い頃にについて「なるほど、力強いフォームでヒットする打球は素晴らしいライナーとなって外野を抜いていく。後年、弾丸ライナーといわれた面影が、この専修大学のグラウンドで、既に片鱗をみせていたと申せましょうか。とくに、当時は左中間に飛ぶ打球が、ひときわ鋭いものでした。」と振り返っている。川上の左中間を抜く当りは当ブログでも何度かお伝えしているところですが、本日の左中間二塁打もその一つです。




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