2011年9月24日土曜日

ラスト・スパート ⑥


 マット・ケンプは第三打席で外角球を右中間最深部に第37号を放ちアルバート・プホルスと並び打点、本塁打でトップに立ちました。注目の第四打席は凡退に終わり4打数1安打。フィリーズvsメッツ戦は順延となりホセ・レイエスはお休み、ライアン・ブラウンは優勝決定スリーランを放って4打数1安打。レイエスが変わらずの3割2分9厘4毛8糸 、ブラウンが3割2分9厘0毛9糸で二位に下がり、マット・ケンプは3割2分5厘8毛6糸でレイエスに3厘6毛2糸差で三位につけています。ミクロの争いとなってきましたので、本日から「毛」、「糸」までお伝えいたします。最終戦の最終打席まで目が離せない展開となりそうです。

 本日までブルワーズは157試合を消化、メッツとドジャースは156試合を消化しております。順延の試合がどこに組み込まれるのか、ダブルヘッダーが組まれるのか予備日にずれ込むのかが分からないのですが、ホセ・レイエスの最終戦に勝負がかかってくるような気がしてなりません。仮にの話ですが、マット・ケンプが本塁打、打点の二冠を確定した上で最終戦を終了し、ホセ・レイエスが一試合を残して二位のケンプと僅差で打率が首位であった場合、試合に出場するのかしないのか、仮に出た場合にこの打席で凡退したらケンプに逆転されるというシチュエーションを迎えた場合引っ込むのか打席に立つのか、その場合相手ピッチャーはどういう対応をとるのか。
 また、ケンプが首位打者にも立って三冠で最終戦を終了してホセ・レイエスが一試合を残していた場合、欠場して44年ぶりの三冠王を確定させるのか、逆転首位打者に賭けて出場するのか。マット・ケンプ以上に難しい立場にホセ・レイエスが追いやられる可能性も否定できなくなってきました。


 このような状況にありながら何故全く騒がれないのかについて考察してみましょう。マット・ケンプは7月以降約3カ月間、極めて安定した成績で打率は3割飛び台後半から3割2分台で滞留時間が長かったのは3割1分台でした。この間ホセ・レイエスが3割4分台をキープしておりライアン・ブラウンも3割3分台で安定していたため、マット・ケンプが打率で首位に立つなどなどと言うことは想定すらされませんでした。日経ダウ平均がたまに1万円に乗っかるけれど1万2千円に行くのは全く想定されていないのと似ています。それが1週間大暴騰を続けて1万2千円台に近付いてきてしまったというのが今のマット・ケンプの打率の状況で、誰もその真意を正確に呑みこめていないというのが現状ではないでしょうか。

 打点においても何しろ争っていたのがライアン・ハワードとプリンス・フィルダーであり、常にその下にいた訳ですから可能性としては抜くこともありえたとしても誰も本気でハワードとフィルダーを抜き去っていくとは考えていなかったのではないでしょうか。

 本塁打にしてもトップにいるのがアルバート・プホルスであり、好位に付けていたとは言え追い付くと本気で思っていた人はいなかったのではないでしょうか。私もプホルスを抜くのはダン・アグラだと思っていましたので。


 すなわち、一般論としてはマット・ケンプが3冠王を獲れるだけの潜在能力があることは多くの人が論じていた訳ですが、今年の状況下における現実論として、今年3冠王を獲ると本気で考えていた人が全くいなかったというエア・ポケット状態に陥っていたことが最大の原因でしょう。


 恐らく、獲った後に「だから俺が言ってたじゃないか」と、後だしジャンケンでしゃしゃり出てくる輩が多発することでしょう。

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