2011年4月18日月曜日

13年秋 セネタースvsイーグルス 3回戦

10月2日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 セネタース  9勝8敗1分 0.529 伊藤次郎
0 0 1 0 0 0 0 1 X 2 イーグルス 7勝6敗2分 0.538 中河美芳


勝利投手 中河美芳 3勝1敗
敗戦投手 伊藤次郎 3勝2敗


稀にみる力の入った試合


 イーグルス・中河美芳、セネタース・伊藤次郎、左右の技巧派による対決。但し伊藤次郎は甲子園での実績を見ると10年前はかなりの速球派であったことがうかがえる。

 セネタースは初回、先頭の苅田久徳は遊ゴロに倒れるが森口次郎が右前打で出塁、三番尾茂田叶は初球から4球連続ファウル、5球目がボールとなってカウントはワンスリー、ここで中河の牽制に一走森口はタッチアウト、尾茂田は更に2球ファウルで粘るが最後は見逃し三振。2回、先頭の遠藤忠二郎が三塁に内野安打、北浦三男が送って一死二塁とするが今岡謙次郎は左飛、伊藤次郎は捕邪飛に終わる。3回、二死後苅田が三塁への内野安打で出塁し二盗を試みるがハリスの強肩の前に敢え無くタッチアウト。苅田が「俺はハリスからもよく盗塁したもんだ」というようなことを言っているのをどこかで読んだ覚えがありますがここは盗塁失敗。まあ苅田は「澤村もカモにしていた」と言っていますので話半分に聞いておいた方が無難ですが。

 イーグルスは初回、寺内一隆が3球目を右飛、中根之が初球を左飛、バッキー・ハリスは空振りから3球ファウルを続けて遊ゴロに終わる。カウントが記録されるようになってから分かったことであるが、ハリスは初球からどんどん振ってくる。2回、四番サード亀田忠が初球を左飛、中河美芳三振、大貫賢が右前打で出塁するが杉田屋守は初球を投ゴロでチェンジ。

 イーグルスは3回、この回先頭の山田潔が捕前にセーフティバントを決めキャッチャー北浦の一塁悪送球が重なり山田は二塁に進む。野村実が投前に送りバントを決めて一死三塁、トップに返り寺内一隆が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 セネタースは4回、森口三球三振、尾茂田が三塁内野安打で出塁するが遠藤の三ゴロは5-4-3のゲッツー。5回、北浦の遊ゴロをショート山田がエラー、今岡の送りバントをセカンド野村がエラーして無死一二塁。今岡のセカンド前プッシュバントの可能性もあるが、何度か指摘しているようにセカンド野村が前進するバントシフトだった可能性もある。このチャンスに伊藤が三塁線を破って北浦が還り1-1の同点とする。なおも無死一二塁のチャンスが続くが青木幸造の遊ゴロは6-4-3と2イニング連続のダブルプレー、磯野政次も遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 イーグルスは4回、5回と三者凡退。セネタースは6回、二死後尾茂田がこの日2本目の三塁内野安打で出塁するが遠藤は三振。イーグルスは6回、先頭の寺内が左前打で出塁すると二盗を試みるが北浦の送球にタッチアウト。中根、ハリスも倒れて無得点。セネタースは7回、北浦三振後、今岡が二失に生きるが伊藤の捕ゴロはハリス、野村、大貫と転送されて2-4-3のダブルプレー。又してもハリスの強肩にしてやられる。イーグルスは7回、この回先頭の亀田が三塁内野安打、代走に松本操を起用、中河が一塁線にドラッグバントを決めて無死一二塁しかし大貫の送りバントは捕邪飛となって失敗、杉田屋に代わる代打太田健一は右飛、山田は投ゴロに倒れる。

 セネタースは8回、青木中飛後、磯野の遊ゴロをショート山田がエラー、苅田は中飛に倒れるが森口はセーフティバントを決め、尾茂田が8球粘って四球を選んで二死満塁、しかし四番遠藤は三ゴロに倒れて無得点。

 イーグルスは8回裏、この回先頭の野村の三ゴロをサード磯野がエラー、寺内の投ゴロは1-6-3と渡るがセカンドセーフで一塁はアウト、恐らくエンドランが掛かっていたのであろう。この一死二塁のチャンスに中根が中前にタイムリーを放ち土壇場で2-1と勝越しに成功する。 

 セネタースは最終回、北浦、今岡が連続三ゴロに倒れるが伊藤がストレートの四球を選んで二死一塁、ここで青木に代えて代打浅岡三郎を送るがツーワンからの4球目はファーストライナーとなり大貫ががっちりとつかんで試合終了を告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 中河美芳は7安打2四球4三振の完投で今季3勝目、143球の熱投であった。伊藤次郎は8回を7安打無四球1三振、僅か78球の投球であった。両投手共に自責点はゼロ、両チームの7安打は全てシングルヒットであった。


 イーグルスの二遊間セカンド野村実とショート山田潔が共に2失策を記録したが随所に好プレーを見せた。セネタースは1失策であったが磯野の一つのエラーが高価なものとなってしまった。実況していても疲れる好ゲーム、ということで全イニングバージョンでお届け致しました。翌日の読売新聞は「稀にみる力の入った試合であった」と伝えている。





*中河美芳、伊藤次郎による投げ合いを伝えるスコアブック

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