2011年2月13日日曜日

13年春 金鯱vsイーグルス 4回戦

7月10日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
1 0 0 0 0 0 0 4 2  0   0   7 金鯱           11勝21敗       0.344 常川助三郎 鈴木鶴雄 中山正嘉
4 3 0 0 0 0 0 0 0  0  1X  8 イーグルス 18勝12敗1分 0.600 古川正男 亀田忠


勝利投手 古川正男     3勝5敗
敗戦投手 常川助三郎 0勝3敗


二塁打 (イ)寺内、漆原、ハリス


今季最高の激戦


 金鯱はキャッチャー松元三彦が帰ってきた。岡田源三郎監督は采配に専念できる。

 金鯱は初回、先頭の五味芳夫が四球で出塁するとすかさず盗塁、しかしバッキー・ハリスの強肩に阻まれて盗塁失敗。江口行男が左前打、瀬井清も左前打で続いて一死一二塁、小林茂太の一ゴロは3-1と渡るが連係が悪くベースカバーに入った古川正男がエラーして一死満塁、古谷倉之助の遊ゴロ併殺崩れの間に江口が還って1点を先制する。

 イーグルスは1回裏、先頭の寺内一隆が左翼線に二塁打、漆原進が左中間に二塁打を放って1-1の同点。中根之の投ゴロで漆原が三塁に走り常川助三郎が三塁に送球するがこれをサード五味がエラー、バッキー・ハリスが右翼線に二塁打を放ち二者を迎え入れて3-1と逆転、ライトからの返球が悪送球となる間にハリスは三塁に進み無死三塁。中河美芳のピッチャー返しは投直となって一死三塁、中河のこのバッティングが本日のドラマの伏線となりますので覚えておいてください。ここで杉田屋守がスクイズを決めて4-1とする。この回の3本の二塁打は翌日の読売新聞によると全てテキサスリーガーズヒットであったとのこと、常川にとっては不運であったようだ。

 イーグルスは2回、この回先頭の山田潔が四球、辻信夫も四球を選んで無死一二塁、金鯱は常川から鈴木鶴雄に交代、寺内が送って一死二三塁、漆原が中前にタイムリーを放って二者還り6-1、中根の二ゴロで二進した漆原が三盗を決めて二死三塁、ハリスがライト戦にタイムリーを放って7-1とリードを広げる。ここまで漆原とハリスが3打点ずつをあげる。

 鈴木鶴雄はこの後9回に2四球を出して中山正嘉と交代するまでイーグルス打線を無得点に抑え終盤のドラマを演出する立役者となった。

 リードすると生きてくる古川正男の軟投は金鯱打線を寄せ付けず2回~7回まで無安打ピッチング。ところが8回に捕まった。

 金鯱は8回、一死後瀬井清が中前打で出塁、小林茂左前打、古谷左前打で一死満塁、復活松元三彦が左翼線にタイムリーを放って二者還り3-7、イーグルスはここで古川から亀田忠にスイッチ、武笠茂男が右前にタイムリーを放って4-7、鈴木四球で一死満塁、佐々木常助が中犠飛を打ち上げて5-7とする。

 金鯱は9回、この回先頭の江口が中前打からワイルドピッチで二進、瀬井は三振に倒れるが小林茂四球で一死一二塁、ここで決死のダブルスチールを決めて一死二三塁、昨日サヨナラヒットを放った古谷倉之助が又も殊勲の同点2点タイムリーを中前に放って7-7と追い付く。

 イーグルスは9回裏、この回先頭の漆原が四球で出塁、中根の三ゴロでランナーが入れ替わりハリス四球、金鯱はここで好投の鈴木鶴雄から中山正嘉にスイッチ、中河四球で一死満塁、杉田屋の打球は右翼へのフライ、タッチアップから三走中根がスタート、しかしライト小林茂太からの返球が一瞬早くタッチアウトで延長戦に突入。

 金鯱は10回表、一死後佐々木が中前打を放つが五味三ゴロ、江口二ゴロ。イーグルスは10回裏、二死から辻が四球を選ぶが寺内は投ゴロ。金鯱は11回表、先頭の瀬井が四球、小林茂の遊ゴロでランナーが入れ替わり小林茂は二盗を試みるがハリスに阻まれる。直後に古谷が中前打を放つが松元は一ゴロ。

 イーグルスは11回裏、先頭の漆原は遊飛、中根が中前にクリーンヒット、ハリスの遊ゴロで中根は二進、ここで中河美芳が中前にサヨナラタイムリーを放ち激戦に終止符を打つ。中河は第一打席の投直の後は第二打席も投ゴロ、第三、四打席の左飛、二ゴロも気持ちはセンター返しにあったのであろう。第五打席はじっくりと見て四球、第六打席のサヨナラ中前打はWBCのイチローの決勝打のような感じだったのではないか。

 フランクリン・ルーズベルト大統領が「野球は8対7の試合が一番面白い。」と言うのはもう少し後の事ですが、今季最高の激戦と言ってよいでしょう。

 この試合の敗戦投手は2回途中6失点で降板した常川助三郎に記録されている。序盤の失点が大きかったと判断されたのであろうが当時としてもかなり大胆な判断だったと思う。一方、勝利投手は5失点ながら古川正男に記録されている。記録者は2回~7回まで無安打に抑えたピッチングを評価したのであろう。古川の好調なピッチングはネット裏でも話題になっているのではないか。現行ルールであれば勝利投手は亀田忠、敗戦投手は中山正嘉であることは言うまでもない。




*金鯱vsイーグルス4回戦の激戦を伝えるスコアブック











          *金鯱8回、9回の反撃の場面






          *中河美芳のサヨナラヒットの場面







     *勝利投手は古川正男、敗戦投手は常川助三郎に記録されている




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