2010年11月18日木曜日

12年秋 セネタースvsジャイアンツ 6回戦

11月18日 (木) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 4 0 0 0 1 0 0 0 5 セネタース  17勝25敗1分 0.405 浅岡三郎
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ジャイアンツ 29勝16敗    0.644 スタルヒン


勝利投手 浅岡三郎     4勝7敗
敗戦投手 スタルヒン 15勝6敗


二塁打 (セ)今岡
本塁打 (ジ)筒井 2号


浅岡三郎、一世一代のピッチング


 翌日の読売新聞は冒頭、「セネタースは・・・輝かしい勝利を先に名誉の戦死を遂げた中尾選手の霊前に供した」と伝えている。中尾長選手は広陵中学時代、小川利安、田部武雄、野村実等と黄金時代を作り、明治大学では俊足で鳴る名中堅手として主将を務め、入営後にセネタースと契約していたが職業野球ではプレーすることなく戦死したものである。この日の読売新聞は「三原伍長戦傷す」の見出しでジャイアンツ、三原脩の負傷も伝えている。

 ジャイアンツは初回、二番筒井修が左翼スタンドに先制ホームラン、二死後四番中島治康が左前打を放つが伊藤健太郎は三振。

 セネタースは2回、先頭の野口明が四球で出塁、浅岡三郎の送りバントはセカンド筒井からファースト永澤富士雄に送球されるが永澤が落球。ここは浅岡のプッシュバントと考えるよりは、ジャイアンツのバントシフトはセカンドが前進する形をとっていたと考える方が妥当であろう。以前は高校野球で良く見られたシフト(通常一塁手より二塁手の方が守備能力が高い)であるが最近はあまり見かけない。ワイルドピッチ後青木幸造四球で無死満塁、横沢七郎の右前タイムリーで1-1の同点、森口次郎は三振に倒れるが苅田久徳は押出し四球で2-1と逆転。このあたりはスタルヒンの乱調ぶりがうかがえる。今岡謙次郎の二ゴロで苅田は二封されるがゲッツーならずの間に三走青木が生還して3-1、尾茂田叶の右前タイムリーで4-1とする。セネタースは6回にも水原のエラーと横沢のタイムリーで1点追加。

 この日のジャイアンツはベテラン永澤富士雄と水原茂のエラーで失点を重ね、スタルヒンも精神的な弱さを見せ、タイガースとの王座決定戦を控えて不安材料が目に付く戦いぶりであった。

 浅岡三郎は2回以降ジャイアンツ打線を翻弄、三つの四球を許したのみで無安打に抑えきり、結局2安打6三振3四球の完投で4勝目をあげる。浅岡としては一世一代の好投であった。

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