2010年8月17日火曜日

三冠への道 ⑮

MVP争い 

 アルバート・プホルスは8月16日現在、435打数137安打、打率3割1分5厘(第5位)、30本塁打(第2位)、86打点(首位)と三年連続MVP及び三冠王が視野に入ってきました。

 MVPのライバルはシンシナティ・レッズのジョーイ・ボットに絞られてきました。ボットは8月16日現在、404打数130安打、打率3割2分2厘(首位)、28本塁打(第3位)、79打点(第3位)。

 OPSはボットの1.015に対してプホルス0.995ですが、この差はボットの打数が少ないことに起因しており、打率と共に十分逆転可能な位置にいます。
  
 セントルイス・カージナルスとシンシナティ・レッズはナショナル・リーグ中地区において、昭和12年春季リーグ戦のジャイアンツvsタイガースに匹敵する或いはそれ以上の日替わりで入れ替わる首位争いを繰りひろげており、両者のバットに覇権がかかっています。

 プホルスは7月30日現在の2割9分5厘、23本塁打71打点を底にようやくエンジンが掛かってきており、7月31日以降13試合で55打数25安打、打率4割5分5厘、7本塁打、15打点と今年初めての爆発状態に入ってきました。例年ですと8月末辺りで二冠王ながら終盤息切れのパターンが三冠達成を阻んできた要因となっていましたが、今年は終盤に向けて調子をあげてきており、いよいよ大願成就が見えてきました。



奇跡の追いこみ

 アメリカン・リーグ二年連続首位打者にして昨年のMVP、ミネソタ・ツインズのジョー・マウアーが打率争いにおいて奇跡的な追い込みを見せております。

 マウアーは怪我による出遅れの影響で、7月25日現在、329打数97安打、打率2割9分5厘と全くノーマークの状態でした。ところが7月26日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で5打数5安打7打点を記録するやそのバットに火がつき、それ以降の17戦で64打数33安打、打率5割1分6厘をマークし、打率を3割3分1厘に上げてきました。

 今年のアメリカン・リーグ首位打者争いは、前半戦まではロビンソン・カノが3割6分台をキープしてトップ、中盤戦に入りジョシュ・ハミルトンとミゲール・カブレラが激しく追い上げ3割6分台での争いを繰り広げた後、現在はハミルトンが3割6分2厘で独走態勢に入っているのですが、マウアーの追い上げで分からなくなってきました。常識的には7月後半で首位との約7分差をひっくり返すということはあり得ませんが、マウアーのスウィングであれば十分可能であると考えます。

 私の知るところ、ジョー・マウアーのスウィング・アークの美しさはメジャー史上No1であると思います。これは想像ですが恐らくジョー・ジャクソン(タイ・カップやベーブ・ルースがそのスウィングを真似た伝説的大打者、映画「フィールド・オブ・ドリームス」のモデル)に匹敵するのではないでしょうか。

 日本では藤田平のスウィングが最も美しいと思っておりますが、マウアーはバットが立ったまま鋭く振り抜きますので藤田平ほどの柔らかさは感じさせませんが、美しさと力強さを兼ね備えています。



 

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