2010年5月8日土曜日

12年春 第1期月間MVP

 4月24日で昭和12年春季リーグ戦の第1期を終了いたしましたので、月間MVPの表彰をさせていただきます。

打撃部門 阪急      山下実

投手部門 ジャイアンツ 澤村栄治

 首位を走る両チームのけん引役として順当な選出である。


各チーム13試合を終了しての順位表は下記のとおり。

 ① 阪急      9勝4敗 
 ① ジャイアンツ  9勝4敗
 ③ タイガース   8勝4敗1分
 ④ セネタース   7勝6敗
 ⑤ 大東京     5勝7敗1分
 ⑥ 名古屋     5勝8敗    
 ⑦ イーグルス  4勝9敗
 ⑦ 金鯱      4勝9敗

 快調に首位を走ってきた阪急は好調だった打線が下降気味なことに加えて4月11日まで3連勝の石田光彦がDL入り、昨年のエース北井正雄の体調が優れず、投手陣にも不安材料が相次ぐ。現在エース格の笠松実がどこまで持ちこたえられるか。中田武雄が出てきたのは明るい材料。重松通雄、森弘太郎と頭数は揃っているが柱が不在。打線は西村正夫、山田伝、山下実、山下好一の上位打線が打ちまくってきたが、調子が下降気味なところに山下実が怪我でリタイアとなり不安材料ばかりが目に付く。

 首位に並んだジャイアンツは9勝中7勝が澤村栄治であり、全ては澤村のピッチングにかかっている。打線は主砲中島治康を軸に呉波、水原茂の上位打線に三原脩が加わり、進境著しい白石敏男も頑張っているが、中島の前後にもう一門柱が欲しいところ。

 総合力ではタイガースがNo1と見る。主砲にしてエースの景浦将は先発・リリーフどちらもこなす。安定味抜群の御園生崇男、好リリーフを見せる若林忠志、内外野をこなしピッチングも鋭い藤村富美男、そして先発の柱として期待が高まる西村幸生の投手陣は八球団随一の質量を誇る。打線も主砲景浦の前後に藤井勇、山口政信がおり、トップの松木謙治郎、クリーンナップを打てる小島利男、藤村富美男に下位の岡田宗芳、伊賀上良平、奈良友夫と役者が揃っている。門前真佐人、広田修三が怪我で休んでいる捕手陣のみが手薄。

 試合運びの上手いセネタースは苅田久徳を軸とした百万ドル内野が売り物。7勝中6勝をあげているエース野口明がどこまで持つかにかかっている。

 強さと脆さを併せ持つ大東京は豪快な試合ぶりが売り物。投手陣に近藤久の他にもう一枚加われば、鬼頭数雄、坪内道則、水谷則一、中村三郎と続く打線は強力なだけに面白い存在となる。

 名古屋は投手が森井茂と田中実だけではローテーションが組めない。

 金鯱は古谷倉之助が調子を上げてきており、期待の若手中山正嘉との二本柱が確立すれば、打線も上位に濃人渉、島秀之助、黒澤俊夫、小林利蔵、下位にも佐々木常助、江口行男と役者は揃っているだけに面白い存在となる潜在能力はある

 イーグルスの行く手は全て畑福俊英にかかっている。現在首位打者の中根之、杉田屋守、サム高橋吉雄の中軸打線が確りしているだけに、畑福にもう一枚加われば上位を争える。

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