2010年5月2日日曜日

プレイヤー・オブ・ザ・ディケード

















 昨日のブログでプレイヤー・オブ・ザ・ディケードについて触れましたので、ちょっと脱線してこちらについて書いてみます。
 ご存じのとおりプレイヤー・オブ・ザ・ディケードはスポーティング・ニュース社が10年毎に各年代の最高選手を選出して授与しています。過去の選出選手は、

1940年代:スタン・ミュージアル
1950年代:テッドウィリアムス
1960年代:ウィリー・メイズ
1970年代:ピート・ローズ
1980年代:マイク・シュミット
1990年代:バリー・ボンズ
2000年代:アルバート・プホルス

となっています。
 1940年代は1946年~1949年が選考対象になっていると言われております。日本ほどではありませんが当時の大リーガーの多くが第二次世界大戦に出征しており、40年代前半を対象にすると公平な判断が難しいからと考えられております。このため割を食ったのはジョー・ディマジオでしょうか。戦争で割を食ったという点ではハンク・グリーンバーグも同様です。しかしながら、実績、人格、すべての点においてスタン・ミュージアルの選出には異論がありません。

 1950年代のテッド・ウイリアムスはすでに全盛期を過ぎていたかもしれません。しかし、第二次世界大戦の他、朝鮮戦争にまで出征しながら(動体視力に優れておりパイロットとしても優秀であったため)あれだけの実績を残していること、史上最高のバッターであることから、こちらの選出も異論はありません。
 1960年代は、スポーティング・ニュース社の選考委員が最も頭を悩ませたでしょう。ウィリー・メイズにするか、ミッキー・マントルにするか、チームを優勝させている点に力点を置けばミッキー・マントルでもおかしくありません。私のプレイヤー・オブ・ザ・ディケード 選出基準は、「そのバットで一時代を築いたこと」にあります。この点、スタン・ミュージアルは40年代最強チームであるセントルイス・カージナルスをそのバットで引っ張っていましたし、テッド・ウィリアムスは史上最高のバッターであることをそのバットで証明してきました。60年代という時代を考えた場合、時代を引っ張っていたという観点からはミッキー・マントルに軍配が上がるのではないかと思います。ホームランならハンク・アーロン(地味な存在だったと聞いておりますが)もおりますし、ロベルト・クレメンテも捨てがたいという難解な年代であったと思います。
 1970年代は何と言ってもビッグレッドマシンの時代、ピート・ローズは過去の選出選手とはタイプは違いますが当然の選出でしょう。
 1980年代のマイク・シュミットは好きな選手だったので文句はありませんが、70年代のピート・ローズの選出により選考基準がホームランだけではなくなったことを確認するためにも、私としてはオジー・スミスこそが80年代を代表するには最もふさわしいプレイスタイルだったと考えております。大リーグにおけるホームラン至上主義は、ハンク・アーロンをもってその幕を閉じるべきであったと考えます。1980年代がアメリカベースボール史上最も面白い時代であったことに異論をはさむ方はいないでしょう。ジョージ・ブレット、ロビン・ヨーント、ポール・モリター、ウェイド・ボッグス、トニー・グイン等の名中距離ヒッターを輩出し、リッキー・ヘンダーソン、ティム・レインズ、ビンス・コールマンが走りまくった時代を代表するのがセントルイス・カージナルス、ホワイティ・ハーゾク監督のホワイティボールであり、その具現者こそがオジー・スミスであったからです。
 1990年代になると一転混沌とした時代となります。選出対象はケン・グリフィー・ジュニアとバリー・ボンズしかおりませんし、どっちが選ばれても大勢には影響はありません。私としては、両名ともチームをワールドシリーズ制覇はおろか出場にすら導いていない点に大変不満があります。95年を最後に引退せざるを得なかったため選考対象にはなりづらいのですが、カービー・パケットこそが、90年代を代表する選手である点について疑いの余地はありません。94年のストライキをきっかけとした観客減少に対処するため飛ぶボールを使って何の意味もないマクガイアとソーサのホームラン饗宴を演出していた90年代後半は、40年代前半と同様、いっそのこと選考対象からはずしてしまえば、90年代を代表する選手としてカービー・パケットが選出されることになり、すっきりすると思います。
 2000年代初頭はバリーボンズが突然の如くアベレージヒッターに変身してどうなることかと思っていましたが、アレックス・ロドリゲスの台頭により2003年時点ではA.ロッドで決まりというムードが強かったのですが、結果はご存じのとおり、ほぼ満票に近い評価を得てアルバート・プホルスが選出されました。A.ロッドがヤンキースに移籍していなければもう少し接戦になったのではないかと思われるだけに残念です。

 因みに選考対象となる以前についてもスポーティング・ニュース社になり変わりまして当ブログで選出させていただくと、

1940年代前半:ジョー・ディマジオ
1930年代:ルー・ゲーリッグ
1920年代:ベーブ・ルース
1910年代:タイ・カップ
1900年代:ホーナス・ワグナー
1890年代:ウィリー・キーラー

となります。

 最後に、大胆にも2010年代のプレイヤー・オブ・ザ・ディケード を予想させていただきます。結論はずばり、「アルバート・プホルスによる2ディケード連続受賞」です。プホルスはちょうど現在が現役生活の折り返し地点であり、昨年から円熟期に入ってきたことから急激な衰えは考えられません。条件としては、セントルイス・カージナルスから離れないことですが、おそらく移籍はないでしょう。ライバルはこれから現れると思いますが、現時点における最有力候補はライアン・ブラウン、次点がエバン・ロンゴリアです。デビット・ライトでは格下、ハンリー・ラミレスもちょっと足りないか。2013年頃に大勢が判明してくるのではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿