2017年8月23日水曜日

埼玉初


 高校野球七不思議の一つ、関東で唯一夏の優勝が無かった埼玉県が遂に夏の初優勝。

 春のセンバツでは1968年に大宮工業、2013年に浦和学院が優勝しています。

 大宮工業の優勝は、春休みに神戸の祖母宅に帰っていた時、ラジオで聞いていました。吉沢投手のピッチングが評判でしたね。慶大に進んで六大学リーグを代表する三塁手となりました。


*1972年日米大学野球選手権大会パンフレットより。隣は東門選手です。





*1972年日米大学野球選手権大会全日本チーム色紙より、吉沢選手の直筆サイン。隣は東門選手です。



 

南海vs阪神 11回戦


10月11日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 南海 24勝46敗2分 0.343 丸山二三雄
1 0 0 0 0 0 0 0 X 1 阪神 34勝28敗6分 0.548 若林忠志

勝利投手 丸山二三雄 5勝16敗
敗戦投手 若林忠志   20勝10敗

二塁打 (南)丸山

勝利打点 丸山二三雄 2


丸山二三雄、自らの勝利打点で完投勝利

 阪神は初回、一死後金田正泰が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、藤村冨美男の二塁内野安打で一死一二塁、景浦将の中前タイムリーで1点を先制、バックホームの間に景浦は二塁に進み、門前真佐人は歩かされて一死満塁、しかし玉置玉一のニゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。阪神としては追加点が欲しかったところ。

 南海は2回、先頭の岡村俊昭がツーツーから3球ファウルで粘って右前打、堀井数男の遊ゴロをショート武智修がエラーして無死一二塁、中野正雄が送りバントを決めて一死二三塁、八木進の二ゴロの間に三走岡村が還って1-1の同点、丸山二三雄が左前に逆転タイムリーを放って2-1とリードを奪う。

 南海はこの後5回まで無安打。6回も無安打であったが3つの四球を奪い二死満塁としたが、八木が中飛に倒れて無得点。9回は一死後八木が左前打で出塁、丸山が左中間に二塁打を放って一死二三塁、増田敏の二ゴロで三走八木がホームに突っ込むがセカンド藤村冨美男からのバックホームにタッチアウト、トップに返り猪子利男も右飛に倒れて無得点。

 南海先発の丸山二三雄は2回以降阪神打線を無得点に抑え、7安打2四球2三振1失点の完投で5勝目をあげる。勝利打点も記録して投打に活躍した。

 今季京阪商業から南海入りした丸山は戦後も南海で活躍を続け、南海がグレートリングと称した昭和21年には25勝をあげて南海の初優勝に貢献することとなる。この年、別所は19勝に終わっており、MVPにはプレイイングマネージャーの山本一人が選出されたが、丸山が戦後初のMVPに輝いてもおかしくはなかった。

 

2017年8月20日日曜日

18年 名古屋vs朝日 10回戦


10月11日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 1 2 0 4 名軍 37勝24敗7分 0.607 野口正明
0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 朝日 36勝29敗6分 0.554 真田重蔵

勝利投手 野口正明   7勝3敗
敗戦投手 真田重蔵 11勝11敗

本塁打 (朝)小林章良 1号


野口正明、完投で7勝目

 名古屋は2回、先頭の吉田猪佐喜が右前打で出塁、加藤正二が中前打で続き、岩本章が送って一死二三塁、芳賀直一の一ゴロで三走吉田がホームに突っ込みファースト森本清三がバックホーム、タイミングはアウトであったがキャッチャー小林章良が落球して1点を先制、芳賀には打点は記録されていない。

 名古屋は7回、先頭の岩本が四球で出塁、芳賀が送って一死二塁、藤原鉄之助の二ゴロが進塁打となって二死三塁、野口正明の一塁内野安打で岩本が還り2-0、藤原の進塁打が効いた。

 朝日ベンチは、7回の第三打席で2打席連続二飛に倒れた大友一明に代えて8回の守備から野本良雄をセカンドに入れるが、これが裏目に出た。

 名古屋は8回、一死後小鶴誠が中前打、吉田が右前打で続き、加藤の二ゴロを野本がエラーして一死満塁、岩本の遊ゴロは6-4-3」と転送されるがセカンド野本からの一塁送球が悪送球となり、三走小鶴に続いて二走吉田もホームに還り4-0、岩本には1打点が記録される。

 名古屋先発の野口正明は5回まで三者凡退を続けるパーフェクトピッチング。6回、一死後早川平一の三ゴロをサード小鶴がエラーして初めての走者を出し、真田重蔵を左飛に打ち取るが、トップに返り坪内道則には中前に初ヒットを許して二死一二塁、しかし森本を左飛に打ち取り無失点。

 朝日は7回、先頭の酒沢政夫が四球で出塁、続く中谷の右飛で「9-4-6」の併殺が記録される。ライト岩本からの返球にミスがあり、一走酒沢がタッチアップから二塁に走るが、白球を拾い上げたセカンド石丸藤吉が二塁ベースカバーのショート芳賀に送球してタッチアウトとなったものでしょう。

 朝日は9回、先頭の森本がライト線にヒット、酒沢の一ゴロでランナーが入れ替わり、中谷はセンターライナーに倒れて二死一塁、ここで小林章良がレフトポール際にライナーで飛び込むツーランホームランを放ち2-4とするが反撃もここまで。

 野口正明は4安打2四球2三振の完投で7勝目をあげる。

 初回にタイムリーエラーを犯した小林章良が汚名返上のツーランホームランを放った。小林は通算28本の本塁打を記録することとなるが、そのうち27本は昭和26年以降のもので、戦前に放った本塁打はこの日の1本だけとなる。


*昭和26年松竹ロビンス選手名鑑に書かれた小林章良の直筆サイン。


 

2017年8月18日金曜日

18年 大和vs阪急 10回戦


10月11日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 2 0 0 0 4 大和 30勝32敗6分 0.484 畑福俊英
0 0 0 0 1 0 2 0 0 3 阪急 26勝44敗2分 0.371 天保義夫 笠松実

勝利投手 畑福俊英 11勝5敗
敗戦投手 天保義夫   9勝13敗

二塁打 (急)山田

勝利打点 小松原博喜 5

猛打賞 (急)上田藤夫 2


畑福俊英、最後の勝利

 大和は4回、先頭の小島利男がセンターにクリーンヒット、高橋吉雄はストレートの四球で無死一二塁、鈴木秀雄が一塁線に送りバントを決めて一死二三塁、小松原博喜が右前に先制タイムリー、ライト三木久一がエラーする間に二走高橋も還ってこの回2点を先制、小松原には1打点が記録された。

 阪急は5回、一死後中村栄がショートに内野安打、トップに返り山田伝は右邪飛に倒れ、中村が二盗を決めて上田藤夫は四球、二死一二塁から下社邦男が左前にタイムリーを放ち1-2と詰め寄る。

 阪急は6回から先発の天保に代えて笠松実をマウンドに送る。

 大和は6回、先頭の小松原が四球で出塁、畑福俊英の一塁線バントをファースト松本利一が一塁に悪送球して無死一二塁、呉新亨が送りバントを決めて一死二三塁、トップに返り木村孝平が中前にタイムリーを放って3-1、二死一三塁となってダブルスチールを敢行、三走畑福がホームスチールを決めて4-1と突き放す。

 阪急は7回、先頭の伊藤健一がストレートの四球で出塁、中村は右飛に倒れるが、トップに返り山田もストレートの四球、上田の右前打で一死満塁、下社の当り損ねの投ゴロをピッチャー畑福がバックホームするがセーフ、野選が記録されて2-4、三木が左前にタイムリーを放って3-4、三木が一塁ベースをオーバーランするが前の走者は走っておらず、レフト小松原からのバックホームを捕球したキャッチャー鈴木がピッチャー畑福に送球、畑福からファースト金子裕に転送されて「7-2-1-3」でタッチアウト、松本が三振に倒れて阪急は同点機を逸す。

 畑福俊英は9安打5四球3三振で粘りの完投、11勝目をあげる。結果的に、自らのホームスチールであげた4点目が事実上の決勝点となる。波乱の野球人生を歩んだ畑福にとって、この試合がプロ生活最後の勝利となった。
 

2017年8月17日木曜日

18年 阪急vs朝日 11回戦


10月4日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 2 0 1 1 0 0 5 阪急 26勝43敗2分 0.377 笠松実 天保義夫
0 0 0 3 0 0 0 0 X 3 朝日 36勝28敗6分 0.563 真田重蔵 内藤幸三

勝利投手 笠松実 7勝10敗
敗戦投手 真田重蔵 11勝10敗
セーブ 天保義夫 2

二塁打 (急)上田
三塁打 (急)笠松 (朝)大友

勝利打点 上田藤夫 4


天保義夫、好リリーフ

 阪急は3回、先頭の伊藤健一が四球で出塁、中村栄の三塁線バントが内野安打となって無死一二塁、トップに返り山田伝のニゴロで中村は二封、上田藤夫は浅い右飛に倒れるが、下社邦男が四球を選んで二死満塁、三木久一の三ゴロをサード中谷順次がエラーする間に三走伊藤が還って1点を先制する。

 阪急は4回、先頭の池田久之が中前打、笠松実の二前へのプッシュバントが内野安打となって無死一二塁、伊藤の投前バントをピッチャー真田重蔵が三塁に送球して二走池田は三封、中村が四球を選んで一死満塁、トップに返り山田が中前に2点タイムリーを放って3-0とリードを広げる。

 朝日は3回まで3イニング連続三者凡退。

 朝日は4回、先頭の坪内道則がストレートの四球を選んで出塁、森本清三が二遊間にヒットを放ち無死一二塁、酒沢政夫の二ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、中谷が四球を選んで一死満塁、小林章良は三邪飛に倒れて二死満塁、大友一明が右中間に走者一掃の三塁打を放って3-3の同点に追い付く。

 阪急は6回、一死後中村がライト線にヒット、トップに返り山田の二ゴロの間に中村は二進、上田が三塁線を破る二塁打を放って4-3と勝ち越す。

 阪急は7回、一死後松本利一が三塁に内野安打、5回から池田に代わってマスクを被っている安田信夫は三振に倒れるが、笠松実が左中間に三塁打を放って5-3と突き放す。

 朝日は8回、先頭の酒沢がセンター右にヒット、中谷の三ゴロをサード伊藤が二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死一二塁、キャッチャー安田からの牽制球に二走酒沢が戻れず「2-6-5」でタッチアウト、盗塁死は記録されていないのでディレードスチールではない。この間に一走中谷は二塁に進み、小林は四球、大友も四球を選んで一死満塁、阪急ベンチはここで先発の笠松から天保義夫にスイッチ、田中雅治は三振、大島渡も三振に倒れてスリーアウトチェンジ。

 天保義夫は9回も三者凡退に抑え、1回3分の2を無安打無四球2三振無失点の好リリーフで今季2個目のセーブを記録する。

 阪急が快勝した試合であったが、目に付いたのは朝日の大友一明が放った満塁走者一掃の三塁打であった。大友は少年野球時代は松井栄造と同僚、島田商業から昭和11年に大東京入りし、同年4月29日の名古屋戦で記録した盗塁が、プロ野球史上公式戦初の盗塁とされている。応召後復帰し、戦後まで活躍を続ける。



*昭和11年4月29日の大東京vs名古屋戦では、大友一明と筒井良武が盗塁を記録しているが、プロ野球史上公式戦初の盗塁は大友一明とされている。であれば、名古屋は盗塁を記録していないので、第2号は筒井良武となる。


 

18年 巨人vs南海 10回戦


10月4日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 1 0 0 0 0 0 0 0 4 巨人 46勝23敗2分 0.667 中村政美
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 23勝46敗2分 0.333 別所昭 政野岩夫

勝利投手 中村政美 3勝5敗
敗戦投手 別所昭   14勝23敗

勝利打点 伊藤健太郎 1


中村政美、今期2度目の完封

 巨人は初回、先頭の呉昌征が一塁に内野安打、白石敏男の右前打で呉が三塁に走り無死一三塁、白石が二盗を決め、小暮力三が四球を選んで無死満塁、伊藤健太郎が押出し四球を選んで1点を先制、青田昇の三塁内野安打で2-0、中村政美の右犠飛で3-0とする。

 巨人は2回、先頭の呉が一二塁間へのヒットで出塁すると二盗に成功、白石の三塁へのヒットがタイムリーとなって4-0とする。南海ベンチはここで先発の別所昭を降ろして政野岩夫をマウンドに送る。

 政野は2回~6回を無安打に抑え、8イニングを投げて2安打4四球2三振無失点の好投を見せる。

 巨人先発の中村政美は5回まで1安打無失点。6回、一死後猪子利男に三塁内野安打、長谷川善三にバントヒットを許して一死一二塁、鈴木芳太郎は右飛に打ち取るが、岡村俊昭に四球を与えて二死満塁、しかし堀井数男を遊ゴロに打ち取り無失点。

 7回、先頭の政野は三振に打ち取るが、中野正雄に左前打、荒木正に中前打、増田敏にライト線ヒットを許して一死満塁の大ピンチ、中島治康監督はぐっと堪えて中村を続投、中村は猪子利男を遊飛、長谷川を右飛に打ち取り監督の期待に応える。
 8回も先頭の鈴木に中前打を許すが後続を抑えて無失点。9回二死後増田に中前に弾き返されるが、トップに返り猪子を二ゴロに打ち取り無失点。


 中村政美は8安打4四球5三振、後半はピンチの連続であったが無失点に抑えて今季2度目の完封、3勝目をあげる。

 巨人ではこのところ呉-白石の一二番コンビの活躍が目立っている。前節は二人とも週間MVPを獲得、この日も呉は3打数2安打2得点2四球1盗塁、白石は4打数2安打1得点1打点1四球1盗塁の活躍をを見せた。

 

2017年8月15日火曜日

サイクルスチール


 お伝えしたとおり、昭和18年10月4日、朝日の坪内道則が巨人戦でサイクルスチールを記録しました。

 過去のサイクルスチールは

 昭和12年8月29日 ライオン 柳沢騰市 対金鯱戦
 昭和13年6月1日  イーグルス 漆原進 
対ライオン戦
 昭和17年9月16日 大和   玉腰忠義 対巨人戦


の3度で、坪内は史上4度目の達成となります。過去の実況中継でお伝えしておりますのでご確認ください。

 「fj.rec.sports.baseball FAQ」というサイトによると、この後、一リーグ時代では昭和23年9月6日、大洋の本堂保次が巨人戦で記録することになります。

 その後、二リーグ時代に突入して11度記録されているようです。昭和54年6月5日、日ハムの島田誠が西武戦で達成したのを最後に、37年間達成されていないようです。


*昭和23年にサイクルスチールを達成することとなる大洋時代の本堂保次の直筆サインカード。






*現在のところ最後のサイクルスチール達成者・島田誠の直筆サインカード。