2017年10月21日土曜日

18年 朝日vs大和 11回戦


10月24日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 3 0 3 0 2 9 朝日 39勝33敗6分 0.542 林安夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 31勝39敗6分 0.443 片山栄次 石田光彦

勝利投手 林安夫     20勝11敗
敗戦投手 片山栄次 10勝19敗

二塁打 (和)小松原
三塁打 (朝)坪内

勝利打点 森本清三 3

猛打賞 (朝)坪内道則(4安打) 3


坪内道則は4安打、森本清三は4打点

 朝日は初回、先頭の坪内道則が左中間に三塁打、森本清三がライト線にタイムリーを放ち1点を先制する。

 朝日は2回から4回まで無安打。5回、一死後田中雅治が四球で出塁、大島渡も四球を選んで一死一二塁、林安夫の三塁線バントが内野安打となって一死満塁、トップに返り坪内が中前に2点タイムリーを放って3-0、一走林は三塁に進んで一死一三塁、森本の中犠飛で4-0とする。

 朝日は7回、5回の守備から田中に代わってライトに入った早川平一が三塁に内野安打、大島渡の右前打で無死一三塁、林の左前タイムリーで5-0、トップに返り坪内の三塁線バントが内野安打となって無死満塁、森本が右前に2点タイムリーを放ち7-1として勝負を決める。

 朝日は9回、先頭の坪内がこの日4安打目となる中前打、森本の一ゴロの間に坪内は二進、酒沢政夫が中前にタイムリーを放って8-0、中谷順次の三塁内野安打で一死一二塁、小林章良が右前にタイムリーを放って9-0と大量リードする。

 朝日先発の林安夫は危なげないピッチングであったが4回のピンチを防いだのが大きい。この時点では1点のリードに過ぎない。先頭の金子裕に三塁内野安打を許し、小島利男に送られて一死一二塁、小松原博喜がセンター右にヒット、坪内からの返球をカットしたピッチャー林がホームに送球して二塁から突っ込んで来た金子はタッチアウト。この後朝日の猛攻が始まる。試合の流れを決めたプレーであった。
 

2017年10月15日日曜日

四番ピッチャー高橋敏


 お伝えしたとおり、昭和18年4月24日、四番ピッチャー高橋敏が名古屋戦で完投勝利を飾りました。

 高橋は昭和18年6月29日の朝日戦でプロ入り初の四番でスタメン出場していますが、この試合ではライトを守っています。したがって、四番ピッチャーでの先発出場はこの試合が初めてのこととなります。

 日本プロ野球史上「四番ピッチャー初試合で勝利と安打を記録した選手」は、

 昭和15年10月12日   浅野勝三郎
 昭和18年  4月13日 別所昭
 昭和18年10月24日 高橋敏
 昭和19年  4月10日 須田博
 昭和19年  5月21日 内藤幸三
 昭和23年  5月20日 藤村冨美男
 平成29年10月  4日 大谷翔平


の7人だけとなります(一部スポニチ参照)。大谷がやったので世の中に大きく紹介されました。

 大谷の場合は、メジャー移籍前年の終盤戦での顔見世興行。藤村も昭和23年は主に四番サードか三番サードで出場しているのでショーマンシップに溢れた顔見世興行と認定できます。

 昭和19年の須田と内藤は人員不足が大きな要因。別所の場合は、前年四番を打っていた岩本義行が再招集となって昭和18年序盤は外野とピッチャーで四番で出ていたことが要因です。

 昭和15年の浅野はレフトかライトで四番を打っていて投げる時は下位に入っていましたが、10月12日は四番ピッチャーに初めて入りました。実質的な二刀流と評価できます。

 7人の中で、勝利打点も記録したのは高橋敏と内藤幸三だけ。勝利投手・勝利打点・猛打賞を記録したのは内藤だけとなります。

 

18年 名古屋vs阪急 11回戦


10月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 名軍 42勝27敗7分 0.609 石丸進一 野口正明
1 0 0 0 1 0 0 0 X 2 阪急 29勝47敗2分 0.382 高橋敏

勝利投手 高橋敏       1勝1敗
敗戦投手 石丸進一 18勝11敗

三塁打 (急)山田

勝利打点 高橋敏 1


四番ピッチャー高橋敏が完投勝利と決勝打

 阪急は初回、先頭の山田伝が左中間に三塁打、上田藤夫は三ゴロに倒れ、下社邦男が四球を選んで一死一三塁、ここで四番ピッチャー高橋敏が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪急は5回、先頭の山田が中前打を放つと二盗に成功、上田が三前に送りバント、サード伊藤健一からの一塁送球が悪送球となる間に三塁に進んでいた山田がホームに還り2-0とする。

 先制打を放った阪急先発の高橋敏は、名古屋打線に4回まで4安打を許すが無失点。5回から7回は無安打に抑える。

 名古屋は8回、先頭の藤原鉄之助が右前打で出塁、続く金山次郎の遊ゴロをショート遠山晴富がエラーして無死一二塁、石丸進一に代わる代打西沢道夫の遊ゴロで金山が二封されて一死一三塁、トップに返り石丸藤吉の遊ゴロの間に三走藤原が還って1-2と1点差に追い上げる。

 高橋敏は9回の名古屋の反撃を三者凡退に抑え、5安打2四球1三振1失点、自責点ゼロの完投で今季1勝目をあげる。四番打者としても初回に決勝打を放って勝利打点を記録した。

 

2017年10月14日土曜日

18年 南海vs西鉄 11回戦


10月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 3 0 3 0 0 0 0   6  南海 26勝50敗2分 0.342 丸山二三雄 政野岩夫 長沼要男
3 2 0 4 2 1 0 0 X 12 西鉄 33勝35敗7分 0.485 重松通雄 野口二郎

勝利投手 重松通雄     9勝17敗
敗戦投手 丸山二三雄 7勝17敗
セーブ      野口二郎   6

二塁打 (西)農人、黒沢、野口明
三塁打 (西)富松、野口二郎2、野口明、中村民雄
本塁打 (南)堀井 1号

勝利打点 富松信彦 4

猛打賞 (南)安井 1 (西)野口二郎 4、野口明 2、黒沢俊夫 3


西鉄、長打攻勢

 西鉄は初回、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、濃人渉は三振に倒れるが、野口二郎が左前打を放って一死一二塁、野口明は遊飛に倒れるが、黒沢俊夫の遊撃内野安打で二死満塁、このチャンスに富松信彦がセンター左後方に走者一掃の三塁打を放って3点を先制する。

 西鉄は2回、先頭の重松通雄が四球で出塁、中村民雄が中前打で続いて無死一二塁、トップに返り中村信一が送りバントを決めて一死二三塁、濃人がレフト線二塁打を放って二者還り5-0とリードを広げる。

 南海は3回、先頭の八木進が四球で出塁、トップに返り猪子利男が三塁線に内野安打、安井亀和と鈴木芳太郎は三振に倒れて二死一二塁、ここで堀井数男がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで3-5と追い上げる。

 西鉄は3回、先頭の黒沢が右中間に二塁打、南海ベンチはここで先発の丸山二三雄から政野岩夫にスイッチ、政野が後続を抑えてこの回は無得点。

 西鉄は4回、先頭の中村信一が四球で出塁、濃人の三ゴロでランナーが入れ替わり、野口二郎が左中間に三塁打を放って6-3、野口明が右中間に二塁打を放って7-3、黒沢が四球を選び、富松が右前打を放って一死満塁、鵜飼勉のレフト線タイムリーで8-3、重松が押出し四球を選んで9-3、南海ベンチはここで三番手として長沼要男を投入、中村民雄の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 南海は5回、一死後安井が右前打、鈴木の三ゴロが野選を誘い、堀井の右前打で一死満塁、別所昭が押出し四球を選んで4-9、岡村俊昭の右犠飛で5-9、中野正雄の左前タイムリーで6-9と再び追い上げる。

 西鉄は5回裏、先頭の中村信一がレフト線にヒットを放ちパスボールで二進、濃人は二飛に倒れるが、野口二郎が2打席連続の三塁打を右中間に放って10-6、野口明も右中間に連続三塁打を放って11-6と再び突き放す。

 西鉄ベンチは6回から先発の重松を下げてライトの野口二郎をマウンドに送り、ライトには山田秀夫が入る。

 西鉄は6回裏、一死後山田が四球を選んで出塁、中村民雄が左中間に三塁打を放って12-6とダメ押す。

 西鉄は6回まで毎回長打、三番野口二郎、四番野口明、五番黒沢俊夫が猛打賞を記録した。

 南海では初回にプロ入り初安打を放った安井亀和が3安打の活躍で猛打賞を獲得。安井は戦後になってその素質を開花させ、一リーグ時代の南海で河西俊雄と一二番コンビを組んで活躍することとなる。河西が3年連続盗塁王となるので河西が一番、安井が二番のイメージが強いが、実際は安井が一番、河西が二番の打順が圧倒的に多い。


*戦後一リーグ時代の南海で河西俊雄と一二番コンビを組んで活躍した当時の安井亀和の直筆サイン入りカード。



 

2017年10月11日水曜日

18年 巨人vs朝日 11回戦


10月23日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 4 5 巨人 49勝26敗2分 0.653 藤本英雄 中村政美
1 0 4 2 0 0 0 0 X 7 朝日 38勝33敗6分 0.535 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 12勝11敗
敗戦投手 藤本英雄 32勝11敗

二塁打 (巨)呉、中島、中村、多田

勝利打点 酒沢政夫 3

猛打賞 (朝)真田重蔵 1


真田重蔵、猛打賞と完投勝利

 巨人は初回、先頭の呉昌征がレフト戦に二塁打、坂本茂は三振に倒れ、白石敏男が四球を選んで一死一二塁、中島治康の右飛で二走呉がタッチアップから三塁に進み、白石が二盗を決めて二死二三塁、藤本英雄が四球を選んで二死満塁、しかし中村政美は二ゴロに倒れて無得点。

 朝日は1回裏、先頭の坪内道則が中前打で出塁、森本清三が5球ファウルで粘って四球を選び無死一二塁、酒沢政夫がセオリー通り三前に送りバントを決めて一死二三塁、中谷順次はストレートの四球で一死満塁、小林章良のニゴロの間に三走坪内が還って1点を先制する。

 巨人は3回、二死後白石がストレートの四球で出塁、中島の右中間二塁打で白石が還り1-1の同点に追い付く。

 朝日は3回裏、先頭の真田重蔵が右前打で出塁、トップに返り坪内はストレートの四球、森本の三前バントが内野安打となって無死満塁、酒沢政夫の右前タイムリーで真田が還り2-1と勝越し、中谷の二ゴロで三走坪内は本封されて一死満塁、小林がレフト線に2点タイムリーを放って4-1、一走中谷は三塁に進んで一死一三塁、大友一明の中犠飛で5-1とリードを広げる。

 朝日は4回、先頭の早川平一の当りは遊ゴロ、これをショート白石が一塁に悪送球して打者走者の早川は二塁に進み、真田の中前打で無死一三塁、トップに返り坪内が四球を選んで無死満塁、森本が押出し四球を選んで6-1、巨人ベンチはここで5四球と不調の先発・藤本英雄を下げてサードの中村政美をマウンドに送るが、酒沢も押出し四球を選んで7-1と大きくリードする。

 朝日先発の真田は8回まで4四球を与え毎回の9安打を浴びるが1失点。

 巨人は9回に反撃開始。先頭の小暮力三が右前打で出塁、トップに返り呉の三塁線バントが内野安打となって無死一二塁、坂本の遊ゴロをショート酒沢が二塁に送球するがセカンド大友が落球して無死満塁、白石が中前にタイムリーを放って2-7、林清光のピッチャー強襲ヒットがタイムリーとなって3-7、遠山隆雄に代わる代打沢村栄治の遊ゴロで一走林が二封される間に三走坂本が還って4-7、中村が四球を選んで一死満塁、青田昇の遊ゴロで一走中村が二封される間に三走白石が還って5-7まで追い上げるが反撃もここまで。

 真田重蔵は13安打5四球7三振の完投で12勝目をあげる。打っては3打数3安打の猛打賞であった。

 

2017年10月9日月曜日

18年 阪神vs大和 10回戦


10月23日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 阪神 38勝30敗6分 0.559 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 31勝38敗6分 0.449 畑福俊英

勝利投手 若林忠志 23勝10敗
敗戦投手 畑福俊英 11勝9敗

勝利打点 金田正泰 2


若林忠志、歴史的快投!

 阪神は3回、先頭の武智修が四球を選んで出塁、玉置玉一が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り塚本博睦の左前打で一死一三塁、金田正泰のニゴロ併殺崩れの間に三走武智が還って1点を先制する。

 若林忠志が歴史的快投でこの1点を守り抜いた。

 初回、木村孝平は中飛、呉新亨は三ゴロ、金子裕は遊飛。2回、高橋吉雄は右飛、小松原博喜は右直、木下政文は左飛。3回、鈴木秀雄は三飛、畑福俊英の当りはショートへの内野安打、岡田福吉は左飛、トップに返り木村の遊ゴロで畑福は二封。

 4回以降、若林はパーフェクトピッチングを続け、9回、畑福を一邪飛、岡田を三ゴロ、トップに返り木村を中飛に打ち取り今季10度目の完封、23勝目をあげる。

 1安打無四球無三振無失点、三者凡退を8度記録して残塁は1、77球を投げて28人で終わらせた。

 若林は昭和16年に1試合三者凡退8度の記録を2度達成しているが、延長18回と延長17回の試合でのものであった。

 9イニングの試合で8度の三者凡退は、昭和15年4月14日、阪急の浅野勝三郎が四球1個の無安打無得点(準パーフェクト)を記録した時と、昭和17年5月17日、巨人の広瀬習一が初回に1安打1四球の後、2回~9回を三者凡退に退けた時の2回記録されており、この日の若林はプロ野球史上3回目の「9イニングでの三者凡退8度の記録」となる(当ブログ調べ。精査はしていませんので他にもある可能性があります)。

 

18年 阪急vs西鉄 10回戦


10月23日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 28勝47敗2分 0.373 笠松実
0 0 0 0 0 1 0 1 X 2 西鉄 32勝35敗7分 0.478 野口二郎

勝利投手 野口二郎 20勝12敗
敗戦投手 笠松実      8勝12敗

二塁打 (西)鵜飼、野口明
三塁打 (西)鵜飼、野口明

勝利打点 富松信彦 3


野口二郎、2試合連続2安打完封で20勝!!

 西鉄は3回、一死後鵜飼勉が左中間に三塁打、トップに返り中村信一が四球を選んで一死一三塁、濃人渉の左飛で三走鵜飼がタッチアップからホームを狙うが、レフト下社邦男からの送球にタッチアウト。

 西鉄は5回、先頭の中村民雄が四球を選んで出塁、山田秀夫は三振に倒れるが、鵜飼がレフト戦に二塁打を放って一死二三塁、トップに返り中村信一が四球を選んで一死満塁、しかし濃人は遊飛、野口二郎は中飛に倒れてこの回も無得点。

 西鉄は6回、先頭の野口明が右中間に三塁打、黒沢俊夫が四球から二盗を決めて無死二三塁、富松信彦の右飛で三走野口明がタッチアップからスタート、ライト三木久一からの返球は間に合わずホームイン、富松に犠飛が記録されて1点を先制する。

 西鉄は8回、先頭の野口明が右中間に二塁打、黒沢の二ゴロが進塁打となって一死三塁、富松が四球を選んで一死一死一三塁、中村民雄に代わる代打重松通雄のニゴロ併殺崩れの間に三走野口明が還って2-0とする。

 西鉄先発の野口二郎は、2回に安田信夫にヒットを許してからは8回まで無安打ピッチング、9回に先頭の下社に右前打を許すが、続く上田藤夫を三振、阪急はここで四番三木に代えてプロ入り初出場となる岐阜商業出身の大平茂を代打に起用するが、大平の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 野口二郎は2安打3四球3三振無失点、18日の大和戦に続く2安打完封で今季20勝目をマークする。今季前半戦は肘の故障から苦しいピッチングが続いていたが、夏以降立ち直って昭和14年の入団から5年連続の大台到達となった。

 鵜飼勉と野口明が共に二塁打と三塁打を放った。鵜飼の2本の長打は得点に結びつかなかったが、野口明は2得点を記録した。

 勝利打点は決勝犠飛の富松信彦に記録された。当時の公式記録では「犠牲フライ」と「勝利打点」は記録されていないので、当ブログ独自の算出となります。今季3個目の犠飛を記録した富松は永沢富士雄、野口明、岡村俊昭と共に最多犠飛に並んだ。